暴走する族

担当K次郎
出発2019/07/07
種類ショート 冒険(捕獲)
結果成功
MVPフラール(da0547)
準MVPアザリー・アリアンロッド(da0594)
ドール・ジョーカー(da1041)

オープニング

◆族、現る?
 夜、ウラート街道。
 ウラートとローレックの街の行き来が多い昼間とは違い、やはり夜は危険が多い。だが、事情があって夜間も移動する者だっているわけで。
「夜明けまでにウラートへ運ばないと‥‥ん?」
 夜を徹して移動し、もうすぐウラートだ。なんとか無事に‥‥いや。
「ひゃっはー! 荷物を置いていけぇ~!」

登場キャラ

リプレイ

◆集めろ、情報を
 だが、それを真っ向から否定するのはレナ・アルバスティだ。
「情報収集なんて必要ない!」
「えっ!?」
 仲間たちの驚く表情。
「その突進する影の正体! 間違いない‥‥それは‥‥」
「知っているのかい、レナ?」
 ほう、といった表情で問いかけるヴァイス・ベルヴァルド
「それは‥‥」
 ごくり、皆が息を飲む。
「ヘラクレスヨシオ!!」
 ???
 ヨシオって、なんだ?
「‥‥」
 呆然とする一同。
「ヨシオってなんですの!? はやーいですの?」
「なになに? ヘラクレスヨシオ? もっとくわしくおしえてよ!」
 あ、いや、シフールは興味津々。レネットフラールがグイグイ来る。
「よし、今回の作戦は『ヨシオ捕獲作戦』とする!」
 ばばーん、と腕を組んで宣言するアプルーマプルー
「‥‥ちょっと何言っているのかわからないわ」
「でも、楽しそうでいいわよね」
 シフールたちの勢いについていけなくなりそうになったアザリー・アリアンロッドドール・ジョーカーがフォローする。
「まぁ、それはそれとして、えー、ヨシオですか、その情報を集めてみましょう」
 ガクっとずれたDGを指で上げ直し、クローネ・コーチャンが提案する。
 先ずは情報だ、ハウンドたちは、ウラートへ散った。

「いやー、わたくしどもの馬車にもぶつかったことがありましてねぇ。いやー、夜だったのでよく見えませんでしたが、馬にも負けぬ大きさ、あいや、馬だったかもしれません」
「そう」
 先ずは被害者の情報を聞いて回ろうと動くアザリー。夜間街道を使うのは主に急ぎ荷物を運ぶ理由がある商人や、訳ありの連中くらいだろう。
 次は直近で被害にあった商人のところへ向かう。
 そこでは‥‥。
「その、おジャンというのはどういう‥‥ああ、なるほど。それはすまない、災難だったね」
 何やら既にヴァイスが話し込んでいた。
「あら、早いのね」
「いやいや、私は世間話をしに来ただけだよ。ここはレディに譲るとしよう」
 立ち上がり椅子へと促すヴァイス。
「ありがとう。さて、襲われた時間帯と場所をもう少し詳しく教えてほしいわ」
「え、ええ」
 やや上目遣いに尋ねてくるアザリー。吐息が鼻先にかかるような感覚に、商人の男は何としても思い出して応えねば、と頭をフル回転させるのだった。

 ドールもまた、被害者、目撃者に話を聞いて回っていた。
「大きさも、大きいとは聞いているけど、どのくらいなのか具体的に知りたいわね」
「ええ、そうですねぇ‥‥ああ、あれくらい、かな?」
 男が指差したのは、港で荷下ろしの仕事をしている半人半馬の男。
「あら、あれってもしかして?」
「セントールでしたっけ、彼は出稼ぎにオーディアに働きに来ているみたいなんですよ」
 本来、セントールは草原を駆け狩猟生活を営む種族であり、オーディアには彼らの集落は存在しない。どうやら事情があってここウラートに流れて来たらしい。
「‥‥まさか」
 その時、ドールに直感走る。
 声を掛けてみるか、いやそれとも慎重に‥‥。
「ねーねー、キミ、大きいね~! 私と世界を目指してみないか!」
「む?」
 様子を見極めていたドールの思惑をぶっちぎりアプルーがセントールに話しかけているではないか。
「せかい?」
「そう、えーと、なんだっけ? とにかく、キミが得意なことある~? それで目指そう!」
「走ること、それだけだ」
 彼女のノリにも純朴に応えるセントール。
「う、うーん」
 とりあえず今は他の情報収集も必要だ、と、ドールはその場を後にするのだった。

◆激走夜街道
 ウラート街道、ウラート付近。ヴァイスとアザリーは人気の少ないこの時間帯にただ、立ち尽くしていた。
「まだ‥‥なのかね?」
「ええ、その内に来るわ」
「いや、その内というのはどのくらいで?」
「そうね‥‥わからないわ」
 わからない、そう答えるアザリー。
 ならば、彼女は何を待っているのか?
 答えは、程なくして判明する。男の、声が近づいてきたのだ。
「へっへっへ、程なく、ですぜ、姉さん」
「そう。大丈夫なのよね?」
「もちろんですぜ、痛い目に遭っても表沙汰に出来ねぇ連中からもちゃーんと聞いてきやしたからねぇ」
 アザリーと知らぬ男の会話に口をはさむタイミングを逸したヴァイス。どうやら男は情報屋のようだが、とすると、謎の族の情報なのだろうか。ふとヴァイスの耳に、連れてきた愛馬の鼻先がわずかに震えた音が聞こえる。
「おや?」
「出番よ。追うのでしょ?」
「あ、ああ」
 確かに聞こえる、これは‥‥馬が疾走するような音だ。
 そして、次の瞬間、大きな何かが駆け抜けて行った。
「はいよー!」
 だが、ヴァイスも馬に跨っている。すぐさま駆け出した。
「やるじゃな~い! まてぇ~!」
 追いかけるアプルーの声が響く。
 え、あれ?
「‥‥なんであそこにいるのかしらね」
 通り過ぎて行ったシフールらしき影に、唖然とするアザリー。
「さぁ、それはあっしにも。そんなことより、姉さん。あっちの方も是非お願いしたいところですがねぇ」
 一段と下卑た笑みを浮かべる男。
「そうね‥‥でも、今夜はこの子に乗るわ」
 そう囁いた瞬間には、アザリーの姿は既に馬上にあったのだ。
「また、お願いするわね」
「へ、へ、まいど」
 情報屋はそういって走り去る馬を見送るのだった。

 そして、ヴァイスは前を走る存在を追っていた。
 愛馬の手綱を握り、どうにか後方に喰らいつく。
「馬とも違うが‥‥あれは噂に聞く?」
 馬の身体のように見えるが、上に人が乗っているのか? そんな用にも見える。しかし僅かな月明かりの中で追跡するのがやっとだ。
 そして、なんか横をビューンと飛んでるアプルー。
「念のために聞いておくが、何をしているのだね?」
「あいつとおいかけっこするのだよ~」
 問い掛けにそう応えるアプルー。
「何があった?」
「え~、何だっけ? でも、なんだかとても大事なことだった気がする!」
「それが聞ければ十分だ」
 追うしかない、そこにきっと答えがある。
 追い抜けない、追いつくのがやっと。だが、必ず先には‥‥仲間が待っている筈だ。

◆栄光のゴール?
 そして、街道の先で待ち受ける者たち。
「本当にここに来るのですね?」
「そうね、集めた情報からすればここを通る可能性はかなり高いはずよ」
 結構な時間、待った。クローネは情報を持ってきたドールに問いかける。返ってきたのは確定的な情報ではない。だが、いくつもの情報を繋ぎ合わせた貴重な情報だ。
 いや、通りそうな場所などいくらでもあるのだ。何せ、街道を突っ走っているのだから。
「うん、できたー!」
 ここで待ち受けよう、そう言い出したのはフラールだった。
 街道が蛇行している場所。街道に沿って移動すればスピードは落ちるだろうし、街道を外れ真っすぐ突っ切ろうとすれば‥‥そこには罠を張れる。
 で、完成したのはその罠‥‥というか落とし穴である。
「はやーい上に、おっきーのですのねっ!」
 落とし穴にスポンと入ってみせるレネット。シフールはすっぽり入るが、大きな相手を落とすには難しいのではなかろうか。だが、そんなサイズの穴を掘るのは簡単ではない。
 故に、族の脚が入るようなサイズの落とし穴をいくつも作ったのだ。
「そんなに大きいのですか?」
「ええ、私の見込みが確かならば、ね」
「私のオクトパストラップにも入らないサイズなのですね?」
「そ、そうね」
 ドールの回答に、クローネは悲しそうな顔をした‥‥ように見えるが辺りが暗いのであまりよくわからない。
「そう、族の正体が私が見込んだものだとしたら‥‥」
 港で見たあの巨躯。
「うん、間違いない。やはりヘラクレスヨシオ!」
 もしもーし、レナさーん?
「ヨシオなんだね!」
「ヨシオですのっ!」
 フラールとレネットも楽しそうなので、まぁ、よしとしよう。
「おばあちゃんは言っていた‥‥ヘラクレスヨシオは逞しくて巨大で黒光りする角を頭に生やし、強固な外殻のボディを持つ巨大昆虫‥‥」
 レナが空を見上げれば夜空に浮かぶはおばあちゃんの姿。
「時には空を舞い無差別にあらゆるものを突き飛ばしながら突進し続けるという‥‥夜遊びする悪い子は吹き飛ばされちゃうんだとか!」
「ええーっ!」
「怖いですの~!」
「ヘラクレスヨシオはオクトパストラップに入るのだろうか‥‥」
「いや、それは‥‥どうなのかしらね」
 などとやっていると‥‥何か気配が近づいて来る!?
「待ちたまえ!」
「まて~!」
 聞こえる。ヴァイスとアプルーの声。
「臨戦態勢ですね! ついでに壺も妨害程度に設置しておけば‥‥」
 クローネ、諦めない男。

◆ヨシオ(?)の正体見たり
 突っ込んでくる。
 突っ込んでくる。
 突っ込んでくる。
「そこを‥‥ノー、壺がぁー!」
 あーっと、壺君吹っ飛んだぁー!
 膝を突くクローネ。
 だが、族は止まらない。
「えーい!」
 そこへ、タイミングを見計らったフラールが何かを落とす。
「!!」
 それはうんしょうんしょと持ち上げた毛布。
 族の顔にかかり視界を遮る。
 すると、そのままカーブを描いているところを真っすぐに進み‥‥落とし穴地帯へ!
 ズボっ―――その脚が、落とし穴にハマる。
「いまだぁー! つかまえろー!!」
 レナのウィップが族の腕らしき場所に絡まる。
「えーい、ですのー! マジカルショック!」
「ぬがっ!」
 そして、族の顔面にレネットのマジカルショック、さく裂!
 族の動きが鈍る。
 後は、人数で勝るハウンドたちが取り囲めば‥‥遂に族はお縄となった。

「やっぱり、あなただったのね」
 ドールが港で働いているのを見たセントールの男だった。
「これが‥‥ヘラクレスヨシオの正体‥‥」
 息を飲むレナ。
 何人かがいやいやいや、と首を振る。
 それはさておき。
「なぜあんな行為を? いえ、セントールの本能なのかそれはそれで気になりますが」
 壺ロスから立ち直ったクローネがDGをくいっと上げて尋ねる。
「昼間は、走れない」
 男の口数少なに応える。
「一体、どういう?」
「それは私がお答えしよう!」
 と、アプルー。どうやらずっと彼に付きまとっていたようだが‥‥?
「えーと、キミはあれだよね。走ることの情熱がパッションでえーと、なんだっけ? 何か聞いたような気もするが、私も覚えていないので、今はトモダチになろう」
 何故か、握手。
「‥‥何をしているの?」
 その状況に、追いついたアザリーが怪訝な表情で問いかけるのだった。

 仕切り直して、事情を聴く一同。
 どうやらセントールの彼は事情があってオーディアに出稼ぎに来ており、港で荷下ろしの仕事をしている。で、平原を走ることが何よりも好きだったが、昼間は仕事なので走れない。故に夜になって走りに出ていたようなのだ。
「どうして野原をびゅ~んとしませんの?」
 こてん、と首を傾げるレネットに、男は静かに応えた。
「夜の平原、危ないと聞いてる」
 比較的まともな理由だった。真面目か。
「この道だって、夜にはしりまわっちゃ、あぶないよー?」
「確かに」
 フラールの言葉に、男も頷く。
「それで街道を走ったというわけかね。理由はわかった‥‥ふむ、走らない、という選択肢もあるが、出来れば何か解決策が取れればいいのだがね」
 ヴァイスの意見に、皆も頷く。
 悪意が無いのならば、危険が無いように、そして彼の為にも、皆の為にもなるようにしておきたい。ウラートへの帰り道、ハウンドたちは頭を巡らせる。

 そして‥‥。
「昼間、休み時間、もらえる」
 彼を雇う親方に事情を話したところ、昼間に走るための休み時間を貰えることとなったのだ。
 今後、ウラート近くの野原を駆けるセントールの姿を見かけることが、あるかもしれない。



 13

参加者

c.ふむ…突っ込んでくるならここにこう…壺を…?
クローネ・コーチャン(da0001)
♂ 26歳 ダ
b.ふむ…
ヴァイス・ベルヴァルド(da0016)
♂ 38歳 人
c.はやーいなら待ち伏せしてみますわねっ。
レネット(da0035)
♀ ?歳 シ
b.私はヤツの走る事への情熱と尊厳に挑戦状をたたきつけるのだ~
アプルーマプルー(da0409)
♀ ?歳 シ
c.待ち伏せして捕まえて見るよ~。どんなのなんだろう~?
フラール(da0547)
♂ ?歳 シ
a.情報は集めておく。頑張ってね。
アザリー・アリアンロッド(da0594)
♀ 24歳 人
a.まずは情報収集がいいかしら。街で目撃者がいないか聞いてみるわね。
ドール・ジョーカー(da1041)
♀ 20歳 人
c.あれは伝説のクリーチャー、ヨシオだよ!!
レナ・アルバスティ(da1615)
♀ 15歳 人


爆走伝説?

おっし、今日はウラートから街道を軽く流すからよ、ついてこいや! なーんてことが起きている‥‥のか?