【HH01】油塗れの闘技祭

担当月華霊夜
出発2019/09/05
種類ショート 日常
結果大成功
MVPビクトリア・アイビン(da1579)
準MVPモエ(da1613)
シャルル・ムーフォウ(da1600)

オープニング

 オックス湖近くに、最近開拓された無名の漁村がある。
 この場所でも当然のように、収穫祭は開催されようとしていた。

 ハウンド達が、そんな場所を訪れたのは巡視の為である。
 無名の村とは言え、収穫祭はダークサイドから狙われ易いものだ。


登場キャラ

リプレイ


 是非ともハウンド達にも参加してもらいたい。
 そんな村人達からの熱視線を受けて、ビクトリアは胸を張って応えた。

「守るべき民の頼みとあれば、参加せねばなるまい! わらわは誰の挑戦でも――」
「「「「うおおおおおおおっ」」」」
「受ける‥‥ので‥‥お、おう?」

 その瞬間、村人達の間から上がる大歓声。
 存外に好評な反応を前に、気圧され気味のビクトリアを他所に村人達は大いに盛り上がる。

「なら、是非ともお相手をさせて頂きたくっ!!」
「いや、此処は俺が‥‥!」
「なんの、此処は是非とも‥‥!」

(何故そんな屈強な者達ばかりが手を上げるのじゃ‥‥!?)

 我も我もと、ビクトリアの対戦を希望する者達が名乗りを上げてゆく。
 漁村であるが故に漁師も多く、その中でも屈強な肉体を持った者達ばかり。
 そんな様子に、ビクトリアはやや気圧されながら震え声で呟く。

「ま、まぁわらわはハウンドじゃからな? 怪我をさせてはことじゃし‥‥」

 じゃから、村人との対戦は勧めない。と言い含めて、チラリと仲間達の方を見やる。
 あんな屈強な者達と魔法なしで対戦するのは、出来れば‥‥いや、絶対に遠慮したい。
 何とか他のハウンド仲間の誰かと対戦出来れば――‥‥!?

 だが、ビクトリアのその思惑は早々に打ち砕かれることになる。
 先ずは困惑した面持ちのソーニャに声をかけようとすれば。

「何だ、この‥‥何だ?」
「これも戦い、か。ソーニャ、相手を頼めるか? 折角だから楽しむに限る」
「ふむ、色々考えるのも無粋か。構わないが、勝負となれば勝たせてもらうぞ」
「ふふふっ、望むところだ」

 ベルと互いに静かに、だが熱い火花を散らしながら準備に向かってしまった。
 振り向けば、アルマリアアザリーの義姉妹の姿が。

「私とヤってもらうわよ、アザリー」
「ええ。お相手するわ、姉様‥‥」

 何やら立ち入ることを許さない、妖し気な空気を漂わせている‥‥!
 あの関係に立ち入ることは許されない、そう直感的に感じて後退る。
 すると直ぐ傍で、マリカサレナの会話が聞こえてきた。

「レスリングだけなら話は解るのだけど‥‥何故に油塗れ?」
「でも力が弱い人でも、勝てるチャンスがあるということですね~」
「なら、私とやってみる? こうなった以上、逃げる訳にはいかないし」
「あらあら~? 良いですよー。どーんっと来いですっ♪」

 また一組、組み分けが決まってしまった。不味い、不味い、不味いっ!
 もう形振り構わず、ノワールに声を掛けた。

「おぬし、どうじゃ? わらわと一戦やってはみぬか?」
「ふむ。ハウンドの皆とはちょくちょく顔を合わせるのでな‥‥」
「えっ」
「この機会は滅多にないであろう。なので、村人達に相手になって貰うとする」
「わぁいっ! ノワール、いっしょうけんめい、おうえんするわよー!」

 唖然とするビクトリアの横を通り過ぎ、ノワールは村人達の方へと向かう。
 リリィもそれに続き、楽しそうに彼の周囲を飛び回っている。
 同じシフールであるモエは、村の小さな子供達を呼び集めていた。

「僕と一緒に遊びたい子はいるかな~? 楽しく勝負しようね!」
「わぁ~~いっ!」
「するー、いっしょにするーっ!」

 男の子も女の子も、ぴょんぴょん飛び跳ねながら楽しそうにモエに纏わりついている。
 ビクトリアは最後の頼みとばかりにシャルルドミニクに声をかけるも‥‥。

「視線のことも気になるし、俺は周辺の見回りをしていよう」
「そうだね。一人だと心許ないし、俺も行くよ。皆、頑張って」

 嗚呼、何と言うことか。二人はそう言い残して、何処ぞへと歩み去ってしまった。
 ‥‥ギギギッと、錆び付いた音を立てながら振り返るビクトリア。
 彼女の視線の先には、良い笑顔を浮かべた屈強なる村人達の姿が‥‥。

「あ、あああぁぁ‥‥や、やってやるわい! 泣いても許してやらんからなっ!」

 最終的に、彼女は目尻に浮かびそうになる涙を堪えながらそう吠えた。


 十数分後‥‥。

 其処には油塗れになった、上着とフンドシ姿のビクトリアの姿が‥‥!

「じゃから‥‥じゃから、わらわは嫌じゃというたのに‥‥き、筋肉、筋肉がぁぁ」

 試合結果? 其処は、虚ろな目をしている彼女の様子から察して貰いたい。
 褐色な肌がヌラヌラテカテカと光輝く様は、実に艶めかしいものがある。
 どうやら存分に、屈強な村人を組んず解れずな戦いを堪能したらしい。
 そうした開幕戦を終えて、村人達は大いに盛り上がっていた。

「闘争と平穏は等しくあるものだと思っていたが、いやはや、楽しい祭りなのである」

 テッカテカと油塗れになりながら、ノワールは良い笑顔を浮かべていた。
 彼も既に一戦を終えて、実に清々しい面持ちだ。
 争いは少なからず心が淀むものだという認識だったが、逆に心が洗われるような気がする。

 ‥‥所で、何故そんなノワールの腕の中でリリィはぐったりしているのか?

「不用意に近付き過ぎである」
「うきゅ~‥‥やっぱり、へいわって、たいせつよね‥‥」

 どうやら試合中に近付き過ぎてしまったらしい。
 「がんばれ~、がんばれぇ~!」と応援中、飛び散った油を諸に被ったのだ。
 目を回しながら墜落し、滑ってゆく彼女の様子は、周囲に笑いを齎したという。

「ハウンド様! もう一戦どうでしょうか‥‥!」
「ほう。それは良いのである。是非ともやらせてもらおう」
「‥‥はっ! リリィも、まだまだおうえんするわよー!」

 其処にかかる、新たな試合の申し出。
 見ればまだまだ、ハウンドに胸を借りたい村人達は多い様子。
 こんなにも心躍ることはないと、ノワールは快く承諾し、リリィもシュタっと立ち上がった。
 ‥‥当然、そうした村人達の申し出は、ビクトリアにも向かう訳で‥‥。

「な、何じゃ? も、もう堪忍し‥‥あああ、ああぁぁぁ~~っ!!」

 我も我もと名乗り出る筋肉集団に、ビクトリアが揉みくちゃにされている頃。
 特設会場では、実に微笑ましい光景が広がっていた。

「えい、えいっ! きゃはははははっ」
「あはははは。すっごい滑るね! でも負けないよ~」

 幼い女の子と、モエとの試合だ。
 軽業を活かした軽快なモエの動きは見栄え良く、楽しそうな女の子の笑い声が周囲に響く。
 キャッキャと油塗れになりながら組み合う二人の様子は、周囲の大人達をも笑顔にさせる。
 祭りの序盤は、中々に好調な出だしと言えるだろう。


 村人も交えたオイルレスリングも一段落ついた頃。
 いよいよ、今回の催しのメインとなる時間がやって来た。
 即ち、ハウンド同士の対決である。誰も彼も妙齢の美女ばかりで、村の男達は大いに沸いた。

「‥‥随分と、派手な恰好をしているじゃないか」
「私の美しい肉体は、こうして曝け出してこそだからな」

 秩序を重んじるだけあり、必要最低限の装いのソーニャに対して。
 ベルは実に開放的な姿だ。何しろ、肉感的な肢体の殆どを露出しているのだから。
 豊かな肉果実と臀部を覆う布地。更に白い肌が油で煌めく様は、実に艶めかしい。

「さぁ、楽しませてくれよ‥‥!」
「それは此方の台詞だ‥‥!」

 試合開始と同時に、二人の身体は激しくぶつかり合う!
 力は僅かにソーニャが有利だが、油で身体同士が滑り上手く掴み合えない。
 結果的に二人の美女達の身体は縺れ合い、激しい寝技合戦へと移行してゆく。

「くっ! 油で滑って、関節が極めずらいな‥‥!」
「なかなか、やるじゃないか‥‥くっ‥‥!」

 むにゅり、むにゅり。ぐにゅり。
 油塗れな柔らかな肉が互いに潰れ、歪み、絡まり合う。
 ソーニャが腕を極めにかかれば、にゅるりと滑って外れてしまい。
 一方でベルが掴み投げようとすれば、力を込めた瞬間に滑ってしまう。
 美女同士が互いに攻め兼ねながら絡み合う様は、実に良い目の保養になった。

 勝敗の行方よりも、今はこの戦いをいつまでも見ていたい‥‥。


「‥‥くっ‥‥姉様‥‥!!」
「‥‥ふふふふ‥‥」

 続いての試合は、アリアンロッド義姉妹の登場だ。
 下着姿という蠱惑的な姿の義姉を、肌着姿の義妹が組み伏せている。
 力勝負となればアザリーの方が強く、彼女が押し倒した形になっている。
 一見すると、アザリーがかなり優位に立っているように見えるかもしれない。
 だが、何故だろうか。下でアルマリアが足掻き、藻掻く程にアザリーの表情が歪む。

「――――」
「~~~っ! 姉様、な、何てことを‥‥っ!」

 何やら耳元で囁かれた瞬間、耳まで真っ赤にしたアザリーが思わず身体を離す。
 いったい何を言われたのか? 両手で身体を庇いながら何かを思い出すように身震いする。
 そんな彼女の様子に、ペロリと舌舐めずりをしながらアルマリアは起き上がった。

「アナタの弱みは全部知っているのよ。何しろ、貴女のお姉様なのだから」

 蠱惑的な微笑みを浮かべながら、ニチャニチャと油に塗れた指を動かす。
 その動きを見ていたアザリーは、ブルリと再度身震いしながら僅かに後退った。

「ね、姉様? あの、子供達も見ていますから‥‥!」
「あら、何のことかしら? それよりも、続きをやるわよっ」
「何だか嫌な予感がするんですけどぉ‥‥!」

 ジリジリとにじり寄るアルマリアに、必死に自制を求めるアザリー。
 先程までの攻勢は何処に行ったのか、逃げに徹する彼女の様子に村人達は首を傾げる。
 いったい、見えない所でどのような戦いが繰り広げられていたのか‥‥!

 仲睦まじい(?)姉妹の絡みは、まだまだ始まったばかりだ。


 さて、最後の組み分けはマリカとサレナになる訳だが‥‥。
 彼女らの試合内容は、試合とは呼べないものなった。

 どういうことか、と言うと‥‥つまりは、こういうことなのだ。

「わわわっ! 上手く歩けません~~っ! た、助けて下さいーーっ!」
「えぇ? ちょ、ちょっと待って、きゃぁっ!!」

 油で滑って姿勢を保つことが出来ないサレナが、そのままマリカに突っ込んだのだ。
 余りの事態に対応しきれないマリカは、彼女のことを受け止めるより他はない‥‥!

 ビタァーンッ!

 衝突した彼女達は、そのまま特設会場の上に倒れ込むことになる。
 然も、これだけでは終わらなかった。

「あいたたた、だ、大丈夫? 確りし――」
「凄くにゅるにゅるで、お肌がツルツルになった気分ですー。お肌に良いんでしょうかー?」
「あ、え、ちょ、ちょっと‥‥!?」

 何処までもマイペースと言うべきか。
 互いに絡み合う中で、サレナは自分やマリカの肌を遠慮なく触り始めたではないか。

 にゅるり、にゅるり。ぐちょぐちょっ。

「こ、こんなっ。ぶ、無様なところを見せる訳には‥‥!」
「にゅるにゅるして楽しいですね~」

 必死に取り繕おうとするマリカに対し、暢気な様子のサレナの対比。
 互いに激しく絡み合いながらの戦いは、実にほのぼのとした空気の中続いていった。


 大いに盛り上がっているオイルレスリングの会場。
 それをやや離れた場所から、じっと見つめる人影があった。

「――こんな所で、何をしているのです?」
「っ!?」

 ふいに背後から声を掛けられた人影――可愛らしい少女が、慌てたように振り向く。
 其処には周辺警戒に出ていたシャルルの姿があった。
 咄嗟にその場から駆け去ろうとした少女の行く手を、別の人影が阻む。ドミニクだ。

「おっと。君が村人達を唆した張本人、かな?」
「‥‥ぁ‥‥ぅ‥‥その‥‥」

 前後を挟まれて完全に逃げ道を失った少女――精霊、ドラケイはおずおずと語り始めた。

「奉納って言うのは、嘘なの‥‥ただ、珍妙な姿を見て楽しみたかっただけで」

 やはりと言うべきか、このオイルレスリングの趣向は真っ赤な嘘であった。
 精霊ドラケイの完全なる悪戯であり、特に何の意味もない行為である。
 だが、自分が想像した以上に盛り上がっている村人達の姿に、魅かれるものがあったのか。
 ドラケイは、何度も二人に頭を下げながら、黙っていて欲しいと訴えてきた。

「あの人達、凄く楽しそうなの。だから、だから‥‥!」
「‥‥内容は兎も角、楽しんでいるんです。その邪魔をする必要もないでしょう」
「寧ろこの場合、俺達の方が邪魔者になってしまうかも、ね」

 発端は単なる悪戯であったとしても、今、村人達は全力で楽しんでいる。
 わざわざ嘘であったと伝えて、それを台無しにする必要は何処にもない。
 このことは、ハウンド達の心の中にだけ留めることを約束する。
 するとドラケイは、ありがとうっと礼を言いながら姿を消した――‥‥。

 後に、このオイルレスリングは好評だったこともあり、村の名物になったそうな。



 13

参加者

a.なんだ…この……なんだ?
ソーニャ・シュヴァルツ(da0210)
♀ 19歳 カ
a.お相手するわ、姉様。
アザリー・アリアンロッド(da0594)
♀ 24歳 人
a.私とヤってもらうわよ、アザリー…。
アルマリア・アリアンロッド(da0672)
♀ 30歳 人
a.よくわからないけど…私は誰の挑戦でも受ける!
マリカ・ピエリーニ(da1228)
♀ 24歳 人
a.ほう……
ベル・キシニア(da1364)
♀ 24歳 人
a.なっ……!一般人って……!屈強すぎ過ぎるじゃろがっ!!
ビクトリア・アイビン(da1579)
♀ 15歳 ダ
c.……こういう時だからこそ、警戒は怠れないでしょう。
シャルル・ムーフォウ(da1600)
♂ 29歳 ダ
a.僕は村の子供と楽しく勝負するんだよ!
モエ(da1613)
♀ ?歳 シ
c.そうだね、今回は俺もシャルルさんと一緒に警戒してまわろうか。
ドミニク・レノー(da1716)
♀ 21歳 ラ
b.いっしょうけんめいおうえんするわよー!
リリィ(da1748)
♀ ?歳 シ
a.一期一会、自分は村人達に相手をしてもらうのである!
ノワール・トゥーナイン(da1749)
♂ 25歳 カ
a.細かいこと考えずに、楽しみましょうねー♪
サレナ・フランセット(da1754)
♀ 17歳 ラ


油塗れで組んず解れず

どうぞどうぞ、ハウンド様っ。是非ともご参加下さいっ!お強い皆様が参加されれば、きっと祭りも盛り上がる筈ですから。ほら、村人達も期待しておりますので‥‥!(とある漁村の村長の言葉より)