【SE04】白の日920

担当K次郎
出発2020/03/17
種類イベント 日常
結果大成功
MVPドミニク・レノー(da1716)
準MVPシース・エイソーア(da0926)
アイン・クロービス(da0025)

オープニング

◆オーディアを白く染め
 ローレックの街は3月14日‥‥そう、白の日を迎えていた。
 え、白の日って何かって?
「なんか新しく始まった風習らしいぜ。なんでも‥‥ああ、そうそう。ケイってシフールが始めたって話だ」
 真偽のほどは定かではないが、そうやって始まったらしい。しかし、当のケイ本人は全く覚えていないとか‥‥。
「先月の愛の日のお返しとか、友人へ、家族へ、ああ、もちろん恋人への感謝の気持ちを込めて贈り物をしよう。相手もきっと何か用意しているぞ。贈り合うのが最高だな」

登場キャラ

リプレイ

 彼女は記す。白の日を。
「これは英雄王が治めるとある街の新たな祭りの記録でございます」
 その記録を残すことはカシスの、吟遊詩人であり公証人を称する彼女の、生き様であり、義務なのだろう。
 果たして、その日は、どんな日だったか。

◆白の日は素敵な音と共に
 お祭り、それだけでも心が躍るものだ。
「わふぅ、みんな楽しそうですね」
 なんだかウキウキする街の雰囲気を感じたアレックスは散歩に出かけた。
「わふっ!」
 予感的中。早速ハープを抱えたドミニクと遭遇だ。
「こんにちはドミニクさん、何をされているんですか?」
「今日は白の日らしいから、それに相応しい歌なんかを作れないかとおもってね」
「わふぅ、それは素敵ですね。ご一緒してよろしいですか?」
「よろこんで」
 折角だからもっと人のいるところへ、二人は酒場へ。
「わぁ、ドミニクさん! これ、ありがとうございすですの!」
 店に入るなりドミニク目掛けて飛んできたのはレネット
 プレゼントにもらった花冠を指しながら、スカートを摘まんで一礼。
「似合いますかしらっ?」
「とても」
 わーい、とばかりにレネットはくるくると飛び回りだし。
「そうですわ、感謝する日ですの? でしたら、いつも一緒に遊んでくれたりする方々に感謝のお歌を歌いますわっ!」
 何やら思い立つ。
「なるほど、感謝の歌か、それはいい」
 レネットの案をいただこう、といった調子で感謝の歌のメロディを即興で奏でだすドミニク。
「おっと、それならセッションはどうだい?」
「わふっ! アレッタ! ここにいたんですね」
「まぁね。って、昼間から飲んでたわけじゃないよ?」
 彼女もなんだかウキウキしてここへ来たクチである。
「ありがと~♪ ありがと~ですのっ♪」
 奏でられるハープのリズムに合わせてレネットが歌いだす。
「なになに? うたっちゃう? おどっちゃう~???」
 そこへリズムよくカスタネットの音が響きアンリルーラ登場。酒場の天所付近を歌うレネットと共に回りだした。
 酒場は早速盛り上がる。
「お、盛り上がってるねぇ。待たせちまったかい?」
「ううん~今来たところよ~」
 入ってきて席に座ったセイは先にいたカモミールに声を掛ける。今日は恋人とかいるわけではなく、女二人で飲んだくれようと‥‥いうのも体裁がアレなので連れてこられたのは飲みの番犬、いや飲みの用心棒シーザー。彼は既にジョッキをいくつか空けている。
(俺は飲むぜ、俺は飲むぜ、俺は飲むぜ)
 とにかく飲みそうな気配しかない。
「まぁ、なんだ。色気のない飲み会になりそうだねぇ」
「ん~、私らみたいなのには寂しいもんよね~」
 ぼやくセイとカモミール。
 何せ、この酒場にもカップルや、カップルもどきがいるわけで‥‥。
「さて、お次は大切な人と過ごすのに似合う歌でも」
 と、ドミニクの歌声がムードを帯び‥‥。

◆白の日に感謝
 友と過ごす者あり。
「少し賑やかでしたが美味しい食事でしたね」
「ええ、春も近くなって食材も変わってきているんですよ。そうだ、賑やかなのは白の日というものができたとか」
 酒場での食事を終え、シャルルセヴランにそう切り出した。誘ったのはシャルルの方だ。白の日についても織り込み済み。
「感謝を伝える行事、でしたか」
 頷くセヴランも出かける前に気付き頭を悩ませた。
 何に? 当然感謝の贈り物に、だ。
「これを‥‥」
「ええと」
 シャルルとセヴラン。同時に取り出したのは‥‥香油。
「「!」」
 お互いに驚く。
「‥‥感謝を伝える日、と聞いて最初に思い浮かんだのはアンタでしたから」
 とシャルル。
「こちらこそ、色々教えて下さり、私の世界も広がっているんです。その感謝を込めて」
 セヴランもそう返す。
「これは‥‥マタタビの香り」
「猫、お好きでしたよね?」
「あぁ‥覚えて‥大切にします」
「こちらは杏ですね。甘い良い香りです」
「ええ、香りも植物が持つ不思議な力で、その効能は‥‥っと、こんな日に失礼」
「いえ、ぜひ聞かせてください」
 シャルルらしい、とセヴランは微笑む。
「ありがとうございます」
 シャルルも珍しく、ちょっと微笑み返すのだった。

 こちらは正統派(?)カップルも。
「ささ、日ごろの感謝を込めて、って建前でご馳走するんだけど」
「建前を暴露したら意味が‥まぁ、そこはお前らしくていい」
 ショウベルは豪快に飲み食いしている。
 でも、本音は一緒にいたいんだ。
「ちょ、お酒のペース早すぎない?」
「ああ、ショウならいいだろう」
「何がさ!?」
 それはいつもの他愛のないやりとりのようにも見え。
「ショ、ウ~」
 とベルはショウの胸元に手を伸ばすとベタベタと触ってくる。
「ベル、酔ってる? いや、そんなことないよね!?」
「ん~、ふふっ、さてど~かなぁ~」
 今度は身体を押し付けて来た。
「腹筋さわらせろ」
「いや、ちょっと待って、ここ酒場」
「照れるな。お前だって、いつでもこの私のカ・ラ・ダを堪能していいんだぞ?」
「またそうやってからか‥むぐっ」
 抵抗するショウの口をベルの唇が塞ぐ。
 甘い、ドキドキするのはお酒の影響だけじゃない。ただただ、触れある温かさが気持ちよくて。一緒にいられるだけで幸せで。
「ふふ、お前やっぱりかわいいな」
「ベルもね‥‥」
 酒場の喧騒寄せつけぬ二人の時間。

 街に出てもカップルが。
 川の畔、静かな場所でアインドールはお互いに贈り物をし合う。
「傘、大事に使わせてもらうよ。俺からも」
「ん、ありがとう」
 受け取ったドールの手には‥‥口紅。
(もう‥‥口紅を贈るってそういうことでしょ?)
 アインの本心はわからない。だが、それに乗るのもイイ女というものだ。
「早速‥‥どうかしら?」
「ああ、似合っているよ」
「素敵な贈り物ありがとう。ショコラみたいに分け合わなきゃね?」
 桜色に彩られた唇を近づけるようにドールは男に身体を寄せる。
「‥‥分け合うって、そういう!?」
 女の大胆な行動に動揺しつつも男は近付く唇を拒まない。
 刹那の間重なった唇は名残惜しく男の口元に桜色を残し離れ‥‥。
「‥‥これじゃあ貰い過ぎだな」
 男は女の手を取り、その甲へと少し桜色を返す。
「ねえ、愛の日にも言ったけど‥‥お礼とか感謝って、何の?」
 女は知りたい男の胸の内を。
「励まされた、っていったろ? お前さんが以前、俺に言ったこと」
 アインの中で何かが動き出す。その切っ掛けを与えてくれるかもしれない。このドールという存在は。
 話しをしよう、この白の日、あともう少しだけ‥‥。

 ソルサースは広場にいた。
「さぁて、今日の旦那方は運がいい」
 旅芸人らしく道行く人を集めるために軽くリュートの演奏をしてみせたソルはこれからが本番、とサースに視線を送る。
「さぁさ、今日はもう一人紹介したい歌い手がいるんでさぁ! ちょいと恥ずかしがりだが優しい星の歌声は是非ご拝聴!」
「‥‥わあ」
 その賑やかさに緊張するサース。
 だが、折角のソルの素敵な演奏を自分がしり込みして終わらせるわけにはいかない。
「‥‥うん、頑張る」
 そう呟き、少女は歌う。
 そして、返ってくるのは温かい拍手だ。まだ未熟だとしても堂々と歌い切った。
「‥‥私、足引っ張っていなかったかな?」
「ああ、そりゃあもう立派にもんでさぁ。貰ったおひねりで美味いもんでも食いに行きやしょ」
「‥‥はい!」

 大聖堂前でナインコニーがやってくるのを迎える。
「よろしくお願いします」
「お気になさらず。これも神に仕える者としての当然の務めですので」
 デート? という雰囲気ではないが。
「先ずは青空市場を見つつ、街中へ入っていきましょう」
 コニーの返答を聞かぬままナインは歩き出す。
「あ、はい」
 慌てて追い掛けるコニー。女性に先を歩かせてはならない、と慌てて彼女の横に並ぶ。
(はぁー、こんなべっぴんさんに街を案内してもらえうとは、おらも出世したもんだなぁ)
 つまりは、今回、ナインがコニーに街を案内してくれる、という企画である。田舎者気質のコニーは一人ではなかなか街の素敵スポットなんかに足を運べなかったようなだ。
「青空市場は一般的なものなら概ね揃います」
「ええ」
 ここは知ってる、とは言いだせないコニー。正直、ナインは美人だが表情が変わらずちょっと怖い、と思っているのだ。
「ここが繁華街。賑やかな店が多いんですねよ。これが」
「ここが‥‥」
「ここが‥‥」
 気付けばルナ湖であった。
「あの、ナインさん。今日はありがとうございました。その、えー、俺と食事でもいかがでしょう?」
 何とか、言えた。礼を。
「ええ、喜んで」
 そこにいたのは笑顔のナインだ!

「こっちだ」
「ちょっと待ってよぉ」
 グイグイ前にいくソレイユは立ち止まり遅れるハナの手を引く。
 ソレイユはひょいひょいと路地裏を抜け、気が付けばちょっと高い建物に立てかけられた梯子を指差す。
「えっ‥‥」
 そこを昇って屋根の上へ。
「ね、ねぇ、怒られないの?」
「大丈夫だ。ほら、着いたぜ」
 とソレイユが示すのは‥‥ローレックの街だ。
「うわぁ」
 ハナは感嘆の声を漏らす。
「ここは偶然見つけたんだけどさ。街を見回せる絶好の場所なんだぜ」
 聞こえてくるのはここに暮らす人々の賑わいや息遣い。
「ここを、私に?」
「ああ、いつかハナに見せたかった俺の一番のお気に入り」
「へぇー」
 研究で篭りっぱなしだった身体に吹く風が心地いい。ハナもその景色を一発で気に入った。
「ご飯食べたりも楽しいけど、こうやって景色を見るのも楽しいね」
「あ、さっき買ってきたクッキー食べようぜ」
「もー」
 やっぱり食い気も必要で。
 でも。
「こんな風に俺たちが知らない景色も見に行きたいよな」
「うん、またこうやって見ていたい。ソラと一緒に。約束だよ」
「ああ」
 それは白の日の約束。

 リザベドウィールはいつも通り。
「リザ、なんだかご機嫌ですね?」
「ほら、今日は白の日じゃん。白の意味はよくわからないけど」
「私は何かをねだるような手の意味がわからないですがね」
 くれ、というのだ白の日の、日頃の感謝の贈り物を。
「えーっ、愛の日にはショコラあげたじゃない、日頃の感謝と親愛を込めて! そのお返しは? ‥‥この朴念仁め!」
 肩を竦めるベドウィールに対しリザは拗ねたようにぼやく。
「私も先月、リザにショコラを贈りましたよね? つまり、お互いに贈り合っているので、お返しは発生しないのでは‥‥?」
「なにさ、その『カウンターキメたからノーカン』みたいな理論。おかしくない?」
 抗議するがなしのつぶて。
「はー、仕方ないよねウィールだし」
「どういう意味ですか、それは」
「はいはい、ほら、クッキー」
 とリザは取り出したクッキーをベドウィールの口にねじ込んだ。
「むぐ‥‥はぁ、まぁ先ほどのは冗談ですが‥‥いいでしょう今のお返しにクッキーを用意しましょう。リザも一緒に作りましょうか」
「へ? うーん‥まあ、仕方ないね!」
 やっぱり二人はいつもの調子だ。

 そしてこの二人も‥‥。
「これ、愛の日にもらったお返し。美味しいショコラを食べさせてもらったわけだし」
 ヴィルヘルムが取り出したるは彼特製の手作り菓子だ。
「そ、それはさっき食べたいと言った‥‥」
 アリアドネは、お礼に食べたいものがある? と聞かれ要望した菓子が出てきてパっと笑顔になる。
「うまそーですよ‥‥! 相変わらずいい腕してるですよ‥‥!」
「いやー、それほどでも」
「美味しいものは、ちょっとくらいの悲しいことなんか吹き飛ばしてくれやがりますからね。それを作るヴィルヘルムはやっぱりすげーです」
「そこまで言われると照れるなぁ」
 照れるけど嬉しいヴィルヘルムであった。
「私からは‥‥定番のプレゼントですまねーですけど」
「これ、俺?」
 アリアドネが取り出したのは小さなキャンバス。そして、そこに描かれたのは‥‥料理をするヴィルヘルムだ。
「ありがとう。大切にするよ‥‥ん?」
 と、そこでヴィルヘルムは気付く。絵の隅っこに今日の日付と、そしてメッセージが書かれていることに。
「なになに『これからも私の壁でいてくださいね』?? 壁?!」
「えっ、壁は駄目です‥? じゃあ盾で!」
 アリアドネ曰く、人見知りで困ってたら隠れさせてね、といいたいのだ。
「は、はは‥‥ま、まあ、任せてよ」
 今はまだ、そんな二人で!

◆讃えよ、白の日
「ふふっ」
「わふ? どうしたんですか、アレッタ?」
 おや、と思い問い掛けるアレックス。
「ん、いやー、きっといつも通りなんだろうな、と思ってね」
 酒場のカップルを観察しながら、そういえばあの二人もと思い浮かび、苦笑いのアレッタなのだ。
「ところで、これはどうです?」
「ん‥はふ」
 アレッタは口に送り込まれたポリポリとした食感とほんのりとした甘さに思わず目じりが下がる。
「クッキーだね」
「ええ、たくさん作ったのでお裾分け。あとで兄さんにも持っていこう。今日は大好きの気持ちを伝える日だから」
 家族にもちゃんと大好きと感謝を。アレックスはそれを忘れない。
「へー、白の日にクッキーか。流行るかもね」
「ドミニクさんもいかがですか?」
「いいのかい? では俺の歌声のお代に、白の日の贈り物としていただこうかな」
 とウィンクしながらドミニクはクッキーを口へ運ぶ。
「美味しそうですのねっ!」
「わーい! クッキーたべれるの? だったらあたししろのひだいすきー!」
 シフールズもやってくる。
「まだありますからどうぞ」
「あ、それはあたしの分!」
「アレッタの分はまだ家にもありますよ」
 またもや一気ににぎやかに。
「どうしてドミニクさんは新しいお歌を歌うんですの?」
 ふと気になったのか、それとも何となく口から出たか、レネットが問い掛ける。
「そうだね‥‥新しい文化、流行。そういったものを伝えるのも吟遊詩人の役割だからね」
「ぶんか? りゅーこー? それってたのしいのかな?」
 難しい話だ、と首を傾げるアンリルーラ。
「ああ、楽しいことだよ。でも‥‥実はそれを口実にみんなと一緒にいたいのかもね。なにせ俺は寂しがり屋だからさ」
 ドミニクはそう嘯くのだった。

 いや、本当に寂しそうなのは‥‥あ、そうでもないか?
「まったく、ドワーフの男どもときたら新しいことに挑戦する気概も無いのかねぇ」
 ハウンドになるドワーフ男性を自分が知る限りは見かけないことを嘆くセイ。
「そうよね~、こんな美女たちが飲んでいるのに声もかけてこないなんて、ドワーフに限らず男性の根性が足りないのかしら~」
 うんうん、と頷きながらジョッキを空けるカモミール。
「‥‥」
 なお、一応男性としてその場にいるシーザーは二人の話を聞くでもなく、ただ酒をぐびぐびと飲むのみ。
「おっと、盛り上がってるね」
 おお、ついに声を掛ける勇者が!?
「なんだい、トウカかい」
 残念、トウカちゃんでした。
「ああセイ殿。妹を見なかった?」
 妹のアンカの姿は無さそうだ。
「なんでも義理の従兄さんのデートを見物に行くとか?」
「はぁー、それはまたアンカらしいなぁ」
 えらい言われようである。
「ところで、私もお邪魔してもいいかな?」
「あたしは構わないよ」
「大歓迎よ~」
(俺は飲むぜ、俺は飲むぜ)
 シーザーからは特に反応は無いが。多分問題無いだろう。トウカも飲み会に混ざる。
「うん、今日は飲むぞ!」
 決意も新たに。いや、そんな決意がいるかどうかは置いておいて。
(何せ飲んでもセイ殿がいるから安心だしね)
 姉妹で迷惑をかけていくパターンだ。
「しかし、アンカは上手くやってるのかな? 後で報告くらいは聞いておくとしよう」
 そう、今頃妹たちは一体どういう状況なのだろう?
 気にはなるが‥‥今日は、飲む! それも白の日のひとつの形なのかもしれない。

◆これから始まる大デート
「つ、付き合ってあげてもいいんだから!」
 そういってエクスからのデートの誘いをOKしたシース。実はワクワクなデートになりそう‥‥余計なものがついて来なければ、だが。
「こちらアロー1、二人は森に行く模様」
 出歯亀‥いや見守り隊のリーダーであるアステは兄に森を勧めた張本人でもある。
「シースも研究好きだからはしゃいでるね」
 とは義妹を見守るセースの弁だ。
「あれ?」
「どうしたんだい、シースちゃん?」
「気のせい、かな?」
 視線を感じる? 多分気のせい。
「あ! 珍しい花がこんなところに‥きゃあっ!」
 気分を切り替え、森を駆けるシース。木の根に足を取られる。
「おっと、慌てて走ると危ないよ」
 支えるエクスが頼もしい。
「べ、別にいつもは違うのよ! 今日は‥その、はしゃいじゃっただけ!」
「うんうん」
 照れ隠しも可愛く。
「こちらフィッシュ2、案の定、甘々な兄が理想の妹を溺愛してる感じが半端ないですよ」
「はぁ!? まぁ、私はブラコンじゃないので二人が仲良くなるのは大賛成ですが」
 などと実妹アステを煽るアンカ。
「シースも素直じゃないんだから」
 とセース。
「世の兄は、現実の妹よりも理想の妹をめでるものなのですよ」
「おいてくよ」
「あ、ちょっと待つのです」
 そんなことやっている間に、二人はどんどん森を進んでいる。
「はいはい、こちらシルバー4、二人はお弁当を食べるみたいだよ」
 エアが近づくのは慎重に、とハンドサインを送り、見守り隊をステイさせる。
「念のためお弁当を作ってきたけれど、食べたいのなら食べても良いよ!」
「手作り? ありがたくいただくよ!」
 お弁当を広げる二人。
「あー、そこでアーン、とかしないのかな?」
「うーん、シースはまだそこまで出来ないかなぁ」
 エアの言葉にセースは首を振る。多分、自分だってそんなこと出来ない。
「ここはエクスさんから行くのもありですね」
「いやー、兄さんも無理でしょ」
 言いたい放題である。
「うん、とっても美味しいよ」
「え、あ、その、えっと‥‥ありがとう‥‥」
 耳まで赤くなるシース。その反応にエクスもちょっと照れる。
 うーん、甘い。甘々だ。
 そんな二人に近づく影がある。
「あ、エクスさんだー!! シースちゃんも一緒かぁ。お弁当のにおいがするー!!」
 無邪気の化身。シフールのチャウは何故か森に。
 そして発見したのは同じクランにも所属するエクスの姿。
「わーい!!」
 デートだなんて気付かない。何せ白の日だってよくわかっていない。真っ白に燃え尽きている人がいるのかと思っているくらいだ。
「こちらシルバー4、大変のモノを発見」
 気付いたエアが仲間に知らせる。
 いけない、チャウを行かせたらデートに水を差してしまうかもしれない。
「ちょっと待つのです」
 アンカが魚を掴むがごとくキャッチを試みるが、チャウはひらりと躱す。
「うわー、流石に兄さんは気付いているかなぁ」
 騒ぎの発生に心配するアステだが、エクスはこちらを一瞥すると気付かない振りをしているようだ。
 だが、それも時間の問題か。もうすぐチャウはそちらへ行ってしまう。
「だめー!」
 最後の砦であるセースがチャウに向けて決死のダイビングキャッチ!
 ガシッ、と見事にチャウを掴む。
 が、しかし。
「うきゃー!」
 どすーん、と倒れ込み、大きな音がする。
「え、なに? な、ななな、なんで!?」
 流石に気付き、目を白黒させるシース。
「なんで、皆いるの!?」
 恥ずかしさのあまりエクスの陰に隠れる。
「やれやれ。仕方ない、皆でお弁当食べるかい?」
「わーい!!」
 エクスの提案にチャウは無邪気に手を挙げるのだった。

◆白の日よ、また来年
 夕日が沈みかけ、ローレックの街に夜の足音が近づく。
 しかし、街はまだ夕食の準備などで青空市場が賑わいを見せる。
「日頃の感謝‥‥かー」
 ゴンスケは露店の店先を覗きながら呟く。
「にいちゃん、何をお探しだい?」
「あ、いや、ちょっと眺めてただけさァ」
 声を掛けて来た商人に、いやいや、と手を振るとその場を離れるゴンスケ。
(うーん、ああいう装飾品も悪くねェが‥‥一人一人に用意するにゃちょいとなァ)
 懐が心細いのだ。何せ兄弟たち全員に贈ろうと考えると結構な出費である。
(不甲斐ない兄ちゃんですまねえ‥‥)
 ペタン、と耳と尻尾を垂らし落ち込むゴンスケ。まだ冷たい風が身に染みる。
 すると‥‥。
「ふんふん‥‥」
 その鼻が何か捉えた。
「白の日名物の焼き菓子だよ~」
「これだ!」
 名物、とは完全に捏造だがきっと文化はこうやって出来ていくのだろう。
「♪」
 ゴンスケは尻尾ふりふり、菓子を抱えて家路を急ぐのだった。

 空には星。
「‥‥二人で食べると美味しかったね」
「そりゃあもう」
 食事を終えたソルとサースは帰り道。
「綺麗なもんでさぁ」
「‥‥えっ!?」
「今日は星がよく見える、ってね」
「あ‥‥」
 赤面するサース。
 でも、勇気を出して。
「いつもありがとう‥これ、白の日のお礼」
 クッキーを渡し。
「また素敵な時間を過ごそうね‥‥」
「へへっ、喜んで」
 白の日は過ぎていく。

 これが各々の白の日の過ごし方。これが脈々と受け継がれていくことだろう。
「これもまた人が生きている証、でございますね」
 そう記録を残し、カシスはペンを置く。
 こうして、オーディアの歴史が、また1ページ‥‥。



 11

参加者

a.さぁて、今日の旦那方は運がいい。ほらさっそく行きやすぜ?
ソル・ラティアス(da0018)
♂ 24歳 人間 パドマ 月
b.しろのひー!!って、なぁに?おまつり?
アンリルーラ(da0020)
♀ ?歳 シフール カムイ 水
a.はは、こっちこそ。…うん?ああ、そうだな、今日も楽しもうか。
アイン・クロービス(da0025)
♂ 28歳 人間 ヴォルセルク 陽
b.感謝のお祭りですのね? 楽しそうですの!
レネット(da0035)
♀ ?歳 シフール パドマ 陽
a.もらった分はお返ししないとね。
ヴィルヘルム・レオンハート(da0050)
♂ 22歳 ライトエルフ パドマ 火
b.こちらアロー1、兄さんとシースちゃんはノエルの森に行く模様
アステ・カイザー(da0211)
♀ 23歳 人間 カムイ 水
a.うーんうーん(考えている
アリアドネ・ウィステリア(da0387)
♀ 18歳 ライトエルフ パドマ 地
c.今のところは、こちらで。
カシス(da0412)
♀ ?歳 シフール マイスター 月
z.ふんふん…
ゴンスケ・アステール(da0465)
♂ 21歳 カーシー(小型) カムイ 水
b.わふぅ。みんな楽しそうですね
アレックス・パーリィ(da0506)
♂ 24歳 カーシー(大型) ヴォルセルク 地
a.日頃の感謝を込めて御馳走するから、なんていう建前はどう?
ショウ・ジョーカー(da0595)
♂ 16歳 人間 カムイ 月
b.ま、なんか適当に弾こうかねぇ。
アレッタ・レヴナント(da0637)
♀ 21歳 人間 パドマ 月
b.相手がいる人たちは良いけど、寂しい独り者はご同輩と飲んだくれてるわね~
カモミール・セリーザ(da0676)
♀ 30歳 ライトエルフ パドマ 陽
a.ナインさんにローレックの街の案内をして貰う事になりました
コニー・バイン(da0737)
♂ 18歳 人間 マイスター 月
a.ハナに見せたいものがあるんだ。ついてきな!
ソレイユ・ソルディアス(da0740)
♂ 17歳 人間 ヴォルセルク 陽
a.あげたから貰えるのかなー(わくわく)
リザ・アレクサンデル(da0911)
♂ 19歳 人間 ヴォルセルク 水
a.き、緊張する…でも頑張るね…!
サース・エイソーア(da0923)
♀ 16歳 ライトエルフ カムイ 月
b.よーし、『見守り隊』突撃ー!
セース・エイソーア(da0925)
♀ 16歳 ライトエルフ カムイ 陽
a.つ、付き合ってあげても良いんだから!
シース・エイソーア(da0926)
♀ 16歳 ダークエルフ マイスター 月
b.俺はやるぜ
シーザー・ハスキーヌ(da0929)
♂ 21歳 カーシー(大型) ヴォルセルク 地
a.素敵な贈り物ありがとう、アイン。ショコラみたいに分け合わなきゃね?
ドール・ジョーカー(da1041)
♀ 21歳 人間 パドマ 陽
a.成程…お返し合戦ですか…
ベドウィール・ブランウェン(da1124)
♂ 23歳 人間 ヴォルセルク 月
a.建前を暴露したら意味ないな。まぁ、そんなものなくても行くぞ
ベル・キシニア(da1364)
♀ 24歳 人間 ヴォルセルク 風
a.感謝を伝える日、ですか。良いですね。
セヴラン・ランベール(da1424)
♂ 25歳 ライトエルフ マイスター 風
a.しろのひ、ですか。……。
シャルル・ムーフォウ(da1600)
♂ 29歳 ダークエルフ マイスター 地
a.シースちゃん、今日はありがとうね うん、私は視線を何も感じないな(笑)
エクス・カイザー(da1679)
♂ 26歳 人間 ヴォルセルク 火
a.ソラ、どこに連れてってくれるの?
ハナ・サルタバルタ(da1701)
♀ 19歳 人間 マイスター 地
b.耳を傾けてくれる全ての人に、俺は平等に、全力で、歌声を届けてみせよう。
ドミニク・レノー(da1716)
♀ 21歳 ライトエルフ パドマ 水
b.こちらフィッシュ2、エクス従兄さんとシースさんを見守るのですよ
アンカ・ダエジフ(da1743)
♀ 24歳 ダークエルフ パドマ 水
b.さて、あたしゃ飲み仲間と飲んだくれてるかね
セイ・ローガン(da1834)
♀ 37歳 ドワーフ ヴォルセルク 火
b.あ、エクスさんだ☆ シースちゃんからお弁当の匂いがするー(悪気はない)
チャウ(da1836)
♀ ?歳 シフール カムイ 月
b.たまには友や妹と飲むのも悪くない。
トウカ・ダエジフ(da1841)
♀ 26歳 ダークエルフ ヴォルセルク 地
b.アハハハハ。僕、何やってんだろ? >見守り隊その4
エア・カイザー(da1849)
♀ 24歳 人間 ヴォルセルク 風
a.コニー君の案内を務めますので、「見守り隊」はご遠慮しますのよ、これが
ナイン・ルーラ(da1856)
♀ 25歳 人間 ヴォルセルク 水


白の日だってさ

誰かに感謝を込めてプレゼントを贈ったり、まったり過ごしたり。なんだっていいし。なんだってできるんだ。