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7つの大悲劇を回避せよ

◆7つの大悲劇を回避せよ とは
 寒おで2017で行なわれた、ライブゲームです。
 公開されたオープニングに対して、寒おで参加者がその場でプレイングを書いて、寒おで参加CWがリアルタイムでリプレイを仕上げる、というものでした。

◆オープニング

 大変だ! 悲しみの水瓶が「近い将来、7つの大悲劇が起こる」と予告した。

 悲劇1 ビール大好き冴島CWが、プリン体によって、プリン魔人になってしまう!
 悲劇2 おめでたいハッピーCWが、酉年のため、鳥人間になってしまう!
 悲劇3 ガルバが性懲りもなく再々来! 世界にあらとあらゆる災厄をもたらすという「パンドラの箱」をなんのためらいもなくパカァと開けてしまう!
 悲劇4 デュルガー王がなんの前触れもなく復活! 世界は、魑魅魍魎が跳梁跋扈する暗黒の地と化す!
 悲劇5 サイバー技術で蘇ったメカ・ルシファーが、ルシファー・パパを連れてお礼参り「あれがボクを虐めた人類だよ」「よくも息子を虐めてくれたのう」
 悲劇6 天竜宮が浮力を失って東京に落下する。天竜宮落下の衝撃で東京は壊滅。巨大クレーターと化す。
 悲劇7 百鬼夜行の10倍スゴイ「千鬼夜行」が発生! 生き残った人々は鬼に襲われ、死に絶える。

 はたして、予告とおりに、冴島CWがプリン魔人に、ハッピーCWがアヒル人間になってしまった! なんてこった!
 このまま悲劇が起こり続ければ、世界は破滅する!
 さあ英雄よ来世人よ、お互いに切磋琢磨して己を磨き、アイテムを集め、7つの大悲劇を回避するのだ!

◆リプレイ(前半)

 寒おで開催中を狙いすましたかのように、未曽有の大悲劇が起きまくり!
 ハチャメチャがこれでもかってくらいに押し寄せてくる!
 さあ、みんな、はっちゃける準備はオーケイ?
 では、ゲームを始めよう!(N瀬マスター並感)

・あしたのキュリボー
「大変だーー! 冴島さんがプリン魔人になっちまったーー!」
 悲痛な叫びが上がる。おおむね棒読み。だが、それが良い。
 のっけから脱力感満載でgdgdだが、そこはソレでアレがコレで、まあ、大人の事情ってやつなので、許してやって欲しい。
 ともあれ、頭が黄色いゆるキャラと化してしまい、一部女子から「元のおっさんよりも可愛い」など失礼なことを言われてしまっている冴島さんを救おうと、一人の男が立ち上がる。
 そいつの名はキュリボー。
 すごいメロウだ。
 どうスゴイのかと言うと、本人いわく「ビール変異メロウ」で、ビールからパワーを得ることができるらしい。
 飲んだらマッスル! 東京ドーム5杯分のビールがあったら、世界を救うこともできる!?
「飲み過ぎで、プリン魔人になってしまった? ならば、プールでじゃぶじゃぶ泳げるくらい、ビールがあるはずッ!」
 すごい勢いで、駆けつけたキュリボー。
 しかし現実は非情だ。
 ビールは一滴もない。
「バカな‥‥ビールが全てプリンになった、だと‥‥吐け! 吐き出せ! ビールがなければ、力が出ないではないかッ!」
 キュリボー、プリン魔人の胸倉を片手で掴んで吊し上げ。
 もう片方の空いた手の拳を固め、脇を締めて、
 打つべし!
 打つべし!
 打つべし!
 ビールの恨み。
 憎いあんちくしょうの顔めがけ。
 叩け!
 叩け!
 叩け!
 キュリボーの拳が唸る!
 プリン魔人を滅多打ちだ!!!
[悲劇1:プリン魔人瀕死。冴島CWは全然助かってない]

・ガルバと愉快な仲間たち
 ありとあらゆる災厄が詰まっているという禁断のパンドラの箱。
 そんなもの開けられてたまるか!
 しかし、相手はいくつもの世界を渡ってオイタしてきた、強敵ガルバ様。
 止められるとは思えない。
 ならば、いっそ――
「開けられる前に、僕が開けてやらぁ〜!」
 なんということでしょう!
 未来の世界の猫型忍者、どんなもんだい僕、ミア・カイザー!!
 隠密行動を得意とするニンジャらしく接近、アーンド、ガルバに開けられる前に、自分からパンドラの箱を開けちゃったのだ!!
 その途端。
 あふれる! なんか、禍々しい瘴気というかドス黒い霧っぽいもの!
 これが災厄か?
「ああ、もう駄目だ。もうおしまいだー!!」
 誰もがそう思ったその時。

(場に流れるチープでデジタリックなミュージック)

(くねくね変な踊りをしながらやって来る、黄色っぽい服に身を包み、ヒョウ柄ストールを首に掛けた、パンチパーマ+眼鏡+ちょび髭の、怪しげなおっさん)

「OPPAP!(オッパイナッポーアッポーパイ)」

「アイハブア 魔法♪ アイハブア【大結界】♪ OH! 大魔法!!」

 キタアアアァァァーーー! おで次郎の、時事ネタパロだーーーーー!!
 あまりの寒さに、会場が凍り付く! ガルバも凍り付く! 災厄も動きを止める!
 あれ‥‥ある意味、大成功?

「今がチャンスだわ!」
 すかさず、パシフローラがエンダール魔法で、災厄をパンドラの箱に封じ込めようとする!
 が、ここで思わぬ事態が起きた!
「な、なに‥‥私の髪の毛が‥‥!?」
 伸びる伸びーーる。【カオスに侵食されて】異常なまでの速さで髪の毛が伸びていく!
 秒速1メートルくらい。あっという間にそこらじゅうが髪の海である。
「こうなったら‥‥使えるものは何でも使わなきゃね!」
 パシフローラはめげない。伸びた髪の毛を活かして災厄とパンドラの箱を絡めとろうとする‥‥ある意味、怖い絵面である。
 ともあれ、災厄を絡めとって、箱の中に無理やり押し込む!
 そして【大封印】!!
「やったわ‥‥!」
 おっと、何かフラグを立ててしまったパシフローラ。
「パンドラの箱ってなにが入ってるのー?」
 おおっと!
 災厄と一緒に、好奇心いっぱいのシフール、アンリルーラが箱の中に入ったままだった!!
「あれー? 出られないーー!?」
 閉じ込められた!
 そこにダメ押しとばかりに!

 バカーン!

 肝っ玉かあさんにして、四十路とは思えぬ美魔女、藤枝藤花の【身体強化】された拳が叩きこまれる。
 パンドラの箱の錠前を破壊!
 これでもう開けられない!?
「あーけーーてーーー!!」
 中からドンドン。アンリルーラ。
「開けてやろう」
 意外! ガルバ様が親切にも、アンリルーラを助けるために、物凄いパワーで、パンドラの箱を粉砕してくれたぞ!?
「わーい、出られた―♪」
 無事出られたので、手をつないで小躍りする、アンリルーラと災厄。
 つか、手あるのか、災厄。
「サイヤクって、どんななのー?」
 しかも、和気あいあいと会話しちゃってたりするし。
 ‥‥割といいやつかも知れないな、災厄。
「ちょっと見直したよ。あんたもたまにはイイことするね」
 藤花の言葉に、フッと鼻で笑うガルバ。
「なに‥‥この方が、より多くの人間に苦しみと混乱をもたらすことができるからゲフゥッ!!」
 前言撤回&鉄拳制裁。
 藤花のスマッシュが、ガルバの顔面を捉えた。

 この後、ガルバと英雄たちの間で、本格バトルが始まりそうだったが、
「ワワワハハハアーッハッハッハ!! 皆の者、落ち着け。まあ、茶でも飲もうではないか!!」
 尊大で傲慢な破壊の伝道者にして神聖なる邪竜マーヤ・ワイエスが現れ、茶菓子持参でティータイムを開始。
 無駄に友好ムードを醸し出しつつ、ガルバからいろいろ話を聞いたりなんだり、最後はサインを貰ったりした。
[悲劇3:ガルバ軽傷。災厄はティータイムのどさくさに紛れてどっか行った]

・なぎはらえっ!
 デュルガー王が復活し、地に闇の尖兵どもが満ちる。
 人々は恐れ慄き、逃げ惑う。
「このような悲劇、許すわけにはいきません!」
 グリーヴァに造詣が深い英雄レイナス・フィゲリックは、本来クラス的に使いこなせない【レアお札】をマテリアル化で素材にすることによって、ホーキポーキである自分仕様にして活用するという、荒技を使った。
 レアお札の元の力の何割が発揮されたのかは不明だが、それでも雑魚デュルガー数十匹を囲みこんで一網打尽にするだけの効果は出ている。
「ギョワワワワ!」
「グワーーー!」
[雑魚デュルガー66体消滅]

「ちみもうりょう(漢字は書けない)なら、アレしかないでしょう!」
 何がアレかは、知らないが。
 時はまさに世紀末。
 いかついトゲトゲ肩パッドをつけ、頭はモヒカンな僧兵、トリア・エーズマン。
 恰好もそうだが、名前もふざけている。
 ふざけた時代へヨウコソ!
 うーん、実によくマッチ。
 トリアはとりあえず、無数の雑魚デュルガーに立ち向かう。
「ほあたたたたたたた、ほあたぁっ!!」
「あべしっ!」
「たわばっ!」
「ひでぶっ!」
 素手で雑魚デュルガーどもを蹴散らしていく。
 外見はとにかく、実力はなかなかのものだ。
「デュルガー王? 誰か知らないけどきっと仲間がやっつけてくれるぜ!」
 仲間を信じる心もステキ!(他力本願ともいう)

「人々に害なすことは許さん!」
 一方、ナーガ族のクマリ・メノンはドラゴンフォームで竜に変化し、レイナスやトリアが切り開いてくれた隙に、デュルガー王に突撃する!
 が。
「ぎゃああああああーーー」
 さすがに単騎で勝てる相手じゃなかった!
 デュルガー王の口から極太の破壊光線が発射され、100メートル以内の全ての生物や地形を道連れに、クマリは蒸発した。
「GRUUUUAAAAAA!!」
 甲冑とか着こんだ北欧の伝説のバーサーカーっぽいアレックスが、倒壊した街灯やら街中にある物をぶん回して大暴れ。
 魑魅魍魎の群れを、ちぎっては投げ、ちぎっては投げの、大乱闘。
 しかし、気が付けば周囲に誰もいなくなっており、そこに、デュルガー王の破壊光線第二波が――――
[悲劇4:雑魚デュルガー2割減。英雄2名が消滅後、遺品よりクローン再生。なお、デュルガー王は健在]

・愛は地球を救う?
「あれが僕を虐めてくれた人間だよ」
「おうおうおうおうおうおうおうおう。よくもわしの息子を虐めてくれたもんじゃのう、ワレェ」
 蘇ったメカ・ルシファーと、ルシファーより断然強いルシファー・パパ。
 超仙級ディアボルス2体。ルークス市国の精鋭SINNを総動員しても、まったく勝てる気がしない。
 が、その2体を、たった一匹のケットシー、マティアス・ネルケが相手するというのだから、無謀を通り越して、むしろ痛快と言える。
 だが、マティアスには奥の手があった。
「――――プリズマティクフィールド!」
 異次元に抵抗の余地なく取り込む魔法。
 そして、青と藍の力。
 魔法を使えなくして人類への敵意を愛に変換する!
「‥‥こ、これは‥‥!?」
 悪魔となって何万年(?)の人生、もとい、悪魔生で初めて味わう感覚に戸惑う、悪魔の親子。
「変だ。胸がどきどきするよ、パパ」
「わしもだ‥‥おかしい、まさか‥‥これは‥‥!」

 恋。
 いや、身を焦がすような、全存在をかけての、強い強い、愛。

「おおおお」
「神よ! ルークスよ!」
「汝らの心、今、ようやくわかった‥‥これが、これが真の愛――――!」

 アガペーーーー!(謎効果音)

 ルシファー親子が感動にうち震え、つぶらな瞳から、とめどもなく涙を流す。
 滝のように流れ落ちる、穢れなき涙。
 男泣き。
 聖なる男泣きである。

 この日、歴史上ありなかった事が起きた。
 悪魔が人類と和解したのだ。
 ‥‥プリズマティクフィールドが解けるまでの、ほんの少しの間だけどな。
[悲劇5:超仙級ディアボルス2体健在]

・天竜宮アーマゲドン
 巨大質量の天竜宮が落下すれば東京壊滅は決定的!
 ならば、天竜宮に衝撃を与え、軌道を変えてやれば良い――そう考えた英雄たちが、決死のミッションに挑む。
「仕方ない、行ってお願い、キティドラ!」
 得留・場合仁具(エル・バーニング)に命じられ、小さな竜が飛んでいく。
 推力マックス!
 こんな岩の一つや二つ! キティドラゴンはダテじゃない!!
 ・
 ・
 ・
 いやいやいや。無理でしょ。
 人間より小さいんだよ、キティドラ。
「‥‥やっぱり無理だったかぁ」
 あっさり言うエル。
 激突して犬死したキティドラは報われない。
 機銃で弾幕を浴びせてみてもダメなものはダメ。

 続いて【飛行フンドシ】を装備したバカ‥‥げふんごふん(咳払い)、命知らずな男たちが挑む。
 一人目は、私立松岡修造学園二年生。狼の被り物がデフォルトのへんた‥‥個性的な男子学生、大狼忍、20歳。
「天竜宮の落下を阻止するため、全力で立ち向かうぞ! フンドシパワーでスカイハイ! 英雄、もとい、変態の力を合わせれば、やってやれないことはない!」
 二人目は、マッチョでダンディ。イケメンでフンドシスト。むしろ、褌が本体。しらぬい・あきら、23歳。
「おお、やってやるぜえええーー!」
「俺が!」
「俺たちが!」
「「フンドラーだ!」」
 息もピッタリなフンドシバカコンビ。バカもここまで来ると痛々しさを通り越して、むしろ、爽快だ。
 そんな彼らを応援するのは、錬金術師にして、おてんば少女、言動がだいたいノリで決まる、エアリーデ・シュルツ、16歳。
 彼女があきらのフンドシを【レア素材】で魔改造したのも、「なんか、楽しそうだった」というのが正直な理由です。
「バッチリ強化したからね! 思いっきり天竜宮にぶつかってきて!」
「おっけー」
「行くぜ、相棒」
「おう」
「アイキャンフラアアアアアァァァァィ!!」
「ゆーきゃんふらーい!」
「「ウイィキャンフラアアアアアァァァァィ!!」」

 もっと! もっと!
 フンドシ マイハート!
 空の果てまで!
 熱い夢を飛ばせ!
 なんだってできるさ!!!!

  「「いっけええええええええええぇぇーーーーー!!」」

 二人は天竜宮に正面から突撃――そこで、エアリーデが施したギミックにより、あきらのフンドシが大爆発。

 ドッカァァァーーン!!

(無茶しやがって‥‥)

 尊い犠牲だったわ、と、涙と敬礼で見送るエアリーデ。
 あきらと大狼が、大空に笑顔でキメ。
 サムズアップ。
 歯きらりん。

 この爆発により、天竜宮は見事、崩壊。
 大小さまざまな破片となって地球各地に降り注ぐことになり、被害は広範囲に及んで、一層ドイヒーなことが予想される。
[悲劇6:英雄2名爆散の後クローン再生。天竜宮は多数の破片に変化、なお落下中]

・千鬼夜行だわっしょい
 いろんな鬼や妖怪が大行進! こりゃすごい!
 数が多いし、場所が東京だけに大混雑。
 しかしそこは、社会経験豊富な中年サラリーマン、中村誠さんの仕事術の見せどころ。
 式神に旗を振らせたり、結界で強制ストップかけたりと、様々な陰陽術の応用を駆使して、千鬼夜行を交通整理。
 滞りなく行進してもらい、他の英雄が対応しやすくするのです。
 家に残してきた妻子のことも気になりますが、やることやって無事に家に帰るのが、心の支えだ。

 おや、一部で鬼同士のケンカが起きているぞ?
 実は、陰陽の倉田亮のいやがらせ。式神を使って同士討ちを誘ったのだ。
 楽して儲けるスタイル!
 敵が勝手に潰しあってくれるほど、楽なものはない!

「千鬼夜行なら逆におどかさないと!」
 仮装と言えば、俄然張り切るのはこの人、シエル・ラズワルド。
 ドラゴンの仮装をしてなりきり、演技も凝って、鬼や妖怪に混じっています。
「お前ら、俺の言うことが聞けないのならこうだぞ!」
 口からぼぉーーっと、ブレスを吐いたりして、周りを威嚇。あわよくば主導権を得ようという試みです!
 なお、ブレスを吐けるのは、着ぐるみの中にペットの【キティドラゴン】を入れてブレスを吐いてもらうという工夫。
 なかなか凝っている!

 シフール、ケイちゃんは、鬼にビールの大飲み勝負を挑む!
 身長何メートルもあるような巨大鬼を指名し。
「しょうぶだーーー!!」
 どうなる? 体格差はいかんともしがたいぞ!
 おおっと!
 ツルリッと、【不慮の事故】により、ケイちゃんが間違ってビール樽に落ちてしまった!
 しかし、さすがはビール妖精。
「わーい! びーるーーー!」
 まったく気にせず、むしろ、樽の中で泳いで飲んで楽しんでいます。
 ビールの海は、俺の海。俺の果てしない憧れさ!
 ところが、
「ぎゃあああーーーー!!」
 巨大鬼はケイちゃんが中にいる樽をジョッキ代わりに、一気飲み!
 ビールごとケイちゃんは、鬼に飲まれてしまったーー!!

 ――なんか皆、楽しそうですね。
[悲劇7:千鬼夜行、絶賛開催中]

[悲劇2]
 ハッピーダック「ぐわぐわっ(訳:誰も助けてくれない、しくしくしく)」


◆リプレイ(後半)

 英雄や来世人たちは7つの大悲劇を回避しようと頑張った。
 しかし、事態は良くならないばかりか、かえって悪くなっちゃった感じもする。
 まあ、泣いても笑ってもこれが最後だ!
 では、ゲームを始めよう!(N瀬以下略)

・お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?
 やりすぎたと反省している。
 殴りまくった結果、プリン魔人は目から鼻から耳から口から、あらゆる穴から、カラメルソースのようなものを流してぐったりしてる。
 ヤバい。
 よく考えたらコレ、元は冴島さんだ。殺しちゃったら、レクシィの次回作、できないじゃないの!?
 キュリボーは自分の犯した過ちの重大さに気づき、さっと顔を青ざめさせる。
「か、かかか、回復魔法を!」
 しかし、悲しいかな、キュリボーは脳筋、ヴォルセルク。そんなもの(回復魔法)使えない。
 近くに味方もいない。
 なんとかしなくちゃ!
「うおおおおおおおおぉぉぉーーーっ!!」
 焦りまくったキュリボーは【魅惑のムタンガ】を重ね着した。
「ふおおおおおおおおぉぉぉーーー!?」
 瞬時に、なんとも言えぬ男の魅力がキュリボーに備わる!
 たぎるダンディズム!
 あふれるフェロモン!
 これらがあわさって最強に見える!
 寒空の下、季節外れの、生足魅惑のマーメイド、爆誕!
 キラキラ輝くイケメンオーラをまとい、
「ハァイ、子猫ちゃん」
 甘いマスク。優雅な微笑み。斜め四十五度、カメラ目線。
「カモーンベイビィ(超訳:誰か助けてください)」
[悲劇1:通りかかった女子が救急車を呼んでくれたので、プリン魔人は一命をとりとめた。めでたしめでたし‥‥?]

・死して屍、犬に食わるる
「グワッ、グワグワッ(困ったなあ、誰か助けてくれないかなあ)」
 アヒルと化したはっぴーが鳴きながら右往左往。
 そこへ、キュートで天然な魔法少女ショコラが偶然、通りかかった。
「グワッ?(助けてくれるの?」
「あ、美味しそうな鳥だー♪」
「Σグワワッ!?」
 ガシッ!
 バキッ!
 ボカッ!
「グワアァァァァーーーッ!!」
 ショコラは、ハッピーダックを魔法のステッキで物理で攻撃(撲殺)。
 その場で羽根をむしりむしり。
「焼いちゃって♪」

 ゴオオオォォォ

 お供の【キティドラゴン】のブレスでこんがりロースト。
「いただきまーす‥‥‥‥って、うええっ! おいしくないっ!」
[悲劇2:その後、ハッピーダック肉は、ショコラの飼ってる【忍犬】の餌になりました。ひどぅい‥‥]

・感動の結末! 全俺が泣いた!
「サイヤクー!」
 アンリルーラは探す。いなくなった災厄を。
 短い間だったけど、狭くて暗い箱の中で、励ましあったり助け合ったりした大事なトモダチだ。
 いなくなったらさびしい。
 そんなアンリルーラの純粋な思いが奇跡を起こした。
 人けのない薄汚い裏路地に黒い霧は、いた。
 隅っこで小さく震えている姿はまるで、捨てられた子猫のようだった。
「サイヤクー! なんで、いなくなったんだよー!」
 不安で寂しいのなら、なぜ逃げたの?
 アンリルーラが訊ねると、サイヤクは悲しそうに答える。
(ぼくの近くにいると‥‥不幸になるから)
 落ちてたバナナの皮を踏んで滑って転んだり、通りすがりのゴリラに襲われたり、タンスの角に足の小指をぶつけたり――と、あらゆるハプニングが起きるらしい。
(だから‥‥ぼくに近づかないで。ぼくはキミを不幸にしたくないし、誰にも不幸になって欲しくない‥‥)
「やだよ。ボクたちトモダチなのだよ! みんなもトモダチなのだよ! だから、みんなとなかよくしてほしいのだよー!!」
(でも‥‥)
「だれかがきずついたら、ボクが治すからー!! サイヤク、ひとりで苦しんじゃだめーなのだよ!!」
(ありがとう!)
 アンリルーラとサイヤクは抱きあった。
 イイハナシダナー(棒読み)

「くだらん茶番だ‥‥」
 ガルバ様、脱力。
 その隙を見計らって、

(ぴこぴこぴこーー!)(アイテム取り出し音)

「よーびーの、ぱーんーどーらーぼっくすー」
 お腹の四次元ポケットから、都合良く【便利道具】を出す、ミア・カイザー。
「そぉい!!」
「うおっ!? 何をする、出せ! 出さぬか!」
 ガルバ様を予備パンドラ箱に入れ、閉じ込める。
 その上で、紆余曲折を経て手に入れた超常の力、【パワーワード:除去】を発動!
「ハッハー。別世界(SINN)にいるママ(ニア・ルーラ)から『消しちゃって(はぁと)』と頼まれてたんだ」

 『ガルバをいなかったことにする』

「あー、今日も平和だ」
[悲劇3:災厄はアンリルーラと幸せに。そして、ガルバなんてものは最初からこの世界に存在しなかった。めでたしめでたし!]

・彼は犠牲となったのだ
「GRUUUUAAAAAA!!」
 アレックスは伝説の剣を振り回して大暴れ。
 もともと敵味方の区別が怪しいのに、クローン再生時に化身に魅了されたらしく、ますます、バーサーカーである。
 前回同様、まわりにいる者を斬るだけ斬りまくって、周囲に誰もいなくなって、要するに、目立つ。

 ぷちっ

 デュルガー王に踏み潰された。
 ま、仕方ないね。

「うわ。問答無用で一撃死かよ! つか、デュルガー王強すぎ。ヤバくない? 倒せない? なら、とりあえず、アレしかないでしょう!」
 アレってなんだ。
 あいかわらず何を言っているのかわからないよ、トリア・エーズマン。
 でも、そんな彼とて、過酷な修行の末に最強の言霊【パワーワード:結合】を習得した猛者。
「合体だ!」
 ドリルゥゥゥゥーー!
 錐もみ大ジャンプから、ねじ込むように、デュルガー王の頭部にパイルダーオン!
「これが言霊の力かよ。たいしたもんじゃねえか!」
 今から、とりあえず、トリア・エーズマンがデュルガー王だ!
「おい、動きを封じてるから、俺ごと、こいつを倒せ!!」
 と、トリア。
 なんと自己犠牲な、お熱い展開!
 だが、残念なことに‥‥まわりに味方はいなかった。
[悲劇4:仕方ないので、トリア・エーズマン・デリュガー王は隅田川に身を投げたのでした。めでたし‥‥?]

・人類は滅亡しました
 スカイドラグーンが落ちてくる。
 これを止めねば、世界が終わる。
「‥‥全ての悲劇は俺が止める」
 真顔の、しらぬい・あきら。
 マジです。
「あきらさん、頑張ってね」
 パシフローラが【魔法の剣】を手渡し、あきらを見送る。
 雄々しく、いざ、飛び立て、英雄よ――といったところに。
「こりゃ、何とか止めないとだねえ」
 藤枝藤花が走ってきた。
 ところが、藤花はKKKの【クモカ魔法】を被ってしまい、えろえろな衝動に駆られた!
「ああーー! もう限界。我慢できないよっ、クロスアウッ!!」
 服を全部脱いで、生まれたままの姿に!

 ブブーーーーーーッ!!

 お約束として、藤枝藤花のエロエロボディをうっかり見てしまい、あきらは、すごい勢いで鼻血を出す。それはもう、尋常な量ではない。【カオスの侵食】の影響だ。
 このままでは1分ともたずに出血多量で死ぬだろう。某アシルじゃあるまいし、鼻血の出し過ぎで死ぬのは、さすがにカッコ悪い。
「ええと、何か詰めるもの、詰めるものっと‥‥」
 必死に手探って触れた【便利道具】は、布のようなもの。
「手拭い? いや、これは――――フンドシ!! フンドシじゃないか!」
 さっそく装着!
「なじむ! フンドシは、実によく股間になじむぞぉー!」
 大幅パワーアップだ!
 ‥‥などと言って喜んでいる、あきらの元へ、【守りの指輪】によって正気に返った藤花がやって来て。
「さっきはよくも‥‥恥ずかしいところを見てくれたね‥‥記憶を飛ばしてやるよ!」
 問答無用の顔面パンチ!
「ぐはっ!!」
 さらに、
「真面目にやると思ってたのに‥‥信じてたのに‥‥なにが鼻血ブーよ! このバカ! エッチ!! 変態!! 死んじゃえ!!」
 援護射撃をしようとしていたエアリーデ・シュルツがプッツンきて予定変更。【エルフィンボウ】と【伝説の銃】で、あきらを滅多撃ちだ!!
「ぎゃあああああーーーー!!!」
 鼻血に加え、矢傷から出る血の勢いも手伝って、あきらは空を飛ぶ!
 血を推進剤に急上昇だ!
「アイキャンフラアァァァァイ!」
 このまま天竜宮にぶつかってもろとも爆散――――といきたいところだったが、しょせん、血塗られた道(血まみれだけに)。そう上手くはいかない。
 あきらは天竜宮との衝突コースを大きく外れ、空しく空に散った。

 パーン

(汚ねえ花火だぜ‥‥)

 様式美として、エアリーデ、敬礼。
 もはや万策尽きたか?
 エアリーデの脳裏に、「蛍の光」が、寂しげに流れる。

 ♪
 この世界にお住まいのお客様に ご案内申し上げます。
 大変勝手ながら 地球は全地まもなく滅亡のお時間でございます。
 ご存命中のお客様はすみやかに人生を終えられますよう、ご案内致します。
 今生は、ご来世いただきまして、誠にありがとうございました(謎アナウンス)。
 ♪

「まだだ。まだ諦めるな。諦めたらそこで試合終了だぞ!」
 魔法の杖を握りしめ、厨二病のライトエルフパドマ、マーヤ・ワイエスが立つ。
「くくく、ははは。落ちてくる天竜宮の破片を全て滅しようぞ‥‥さあ、破滅を始めようか!」
 今こそもてる魔力全てを解放する時!
 マーヤもまた最強の言霊取得者なのだ。
 【パワーワード:強調】と【大結界】で、最強に強まった必殺の、

 エ ド ラ ダ ワ ー ! ! ! !

「ククククククク、ハハハハハ、アーーーッハッハ! くくくくくくくくくはははははっははあーーーーはっはっは!!!」

 高笑いと共に、破滅的な大爆発が起こる。
 強烈な閃光、地獄の業火のごとき熱、全てを薙ぎ払う衝撃波。
 【伝説の刀剣】や【ライトアーマー】で武装し、真面目に護衛をしようと思っていたクマリ・メノンであったが、この光景を見て、悟った。

――うん。どこに逃げても死ぬわ、これ。

「良い破滅だ――」
 それが今際の一言だった。

[悲劇5:天竜宮の破片を極大エドラダワーですべて吹き飛ばすことに成功。しかし、この爆発により地球滅亡]

・ここは寒いわ地獄へお帰り
 プリズマティクフィールドが解けて戻ってみれば、地球はエドラダワーの炎に包まれ、海は枯れ、地は裂け、全ての生物が死滅したかのように見えた。
「‥‥あっけない最期だったな。息子よ」
「ちぇ。仕返ししてやろうと思ったのに、なんだい、勝手に滅亡しやがって!」
[悲劇6:復讐の対象である人類が滅亡したっぽいので、ルシファー父子、仕方なく、地獄に帰還]

・力技リセット
 だが!
 人類は死滅していなかった!

「ふぅ‥‥危ないところでした。誘導してくれなかったら、死んでいましたよ」
「えへへへ」
 にっこり笑う、マティアス・ネルケ。
 彼は【忍犬】と【大探知魔法】を使って、エドラダワーの爆発がおよばない場所をあらかじめ探して、そこへ、レイナス・フィゲリックを誘導したのだ。
 そして、レイナスが【レア素材】と【パワーワード:結合】を用いて、驚天動地の大アルケミーを行う!

『エドラダワーによって引き裂かれた森羅万象を、結合します』

 マーヤの極大エドラダワーで引き裂かれたもの全てが結合され、元通りになった!
 しかし、天竜宮の破片は落下中だ!!

「あうううぅ‥‥天竜宮‥‥天竜宮なんで!?」
 絶望的な状況に、得留・場合仁具(エル・バーニング)は頭を抱える。
「そもそも、なんでグリーヴァに天竜宮来てるのかしら? これは夢よ。バクが見せる夢に違いないわ!」
 現実逃避を始めた。
 が、エルもまた最強の言霊の取得者!
 【パワーワード:並替】を使って、「天竜宮の落下」に関する順序を操作、そこへ、【パワーワード:除去】の効果を割り込ませる。

「天竜宮が爆破されて破片と化す前に、天竜宮が『浮力を失って落下する』ことを無かったにするわ!」

[悲劇5改:そもそも天竜宮は落下しなかった。よって、フンドシバカコンビにより爆破されて破片になることもなかった。めでたし!]

・千鬼夜行
「大変、ケイちゃんが飲み込まれちゃった!?」
 こうなったら、コスプレを極めたシエル・ラズワルドとしては、究極奥義を発動さざるを得ない。
「【パワーワード:並替】大鬼がビール樽をケイちゃんごと飲み込む前に、ケイちゃんがビールを飲み干したことにする!」
 そして時は再編され――
「ぷはー、飲んだ飲んだ―」
 しかし!
 いっぱいビールを飲んでお腹が重くて動けないケイちゃんは、樽から退避できない。
 一方、図体がでかくて力は強いが、グズでノロマな大鬼は、ケイちゃんが飲み干したことに気づかず、樽を飲み込んじゃうのでした!
「あーーーれーーー!!」
 胃袋の中で、息苦しくてたまらないケイちゃんは、苦し紛れに【パワーワード:逆転】を発動!
「ええと‥‥おおおにと、いしきを、いれかえるーー!!」
 なんと!
 大鬼の身体にケイちゃんの意識が宿り、ケイちゃんの身体に大鬼の意識が宿った!
「よーし、みんなー、わるもんはたいじするよー!」
 大鬼ケイちゃん大暴れ!
 鬼や妖怪をちぎっては投げちぎっては投げ!
「同士討ち‥‥いや、さっきの口調は、ケイちゃん? どういうこと‥‥」
 戸惑いつつも、鬼を攻撃している大鬼が味方ということを、シエルは理解。【銀の弾丸】で、それ以外の鬼の角を狙い撃ちしていく。
「アイエエエエエエ、角ガ! オレノ角ガアァァァァ!」
 角を折られた鬼は、「ブサマな恥さらし者」であり、大変シツレイである。セプクするか、鬼を引退しなければならない。
 鬼社会の鉄の掟は非情。ショッギョムジョなのだ。
 シエルの攻撃は、実際、危険である。
「さあさあ、どんどん角折って美味しく食べちゃおう。巨大鬼はビール煮込み! 赤鬼は刺身! 青鬼は焼いても干しても美味しいよね!」
「「「アイエエエエ!!」」」
 シエルの脅し文句に、鬼たちはびびって逃げていく。
 追撃しようと武器を構えるシエル。ところがそんな彼女を――
「ハァハァハァ‥‥お嬢さぁん‥‥!!」
 がばっと押し倒そうとする、中村誠。妻子もちの中年サラリーマン、ご乱心か!? いや、【クモカ魔法】でえろえろになったせいだ!
 しかし、心の奥底までは屈してはない。
(ダメだ。やめろ‥‥‥私には、妻も、子供も‥‥!)
 色欲に必死に抗う中村は、左薬指にはまっているものに目を留める。それは――――妻への永遠の愛を誓った【守りの指輪】マリッジリング。
(やめるんだ‥‥‥!)
 ついに、中村の意思は、エロ衝動に打ち勝った!
「すみません。魔が差しました‥‥」
「ううん、許すよ。KKKのせいだから仕方ないよね。‥‥KKKは絶対、ゆるさないけど!」
 頭を下げて謝る中村を許すシエル。さすが、KKKの仕業だとわかってらっしゃる。
 気を取り直して、中村は式神や結界などで鬼たちに対抗する。
 さらに、
「前回の俺はどうしようもない奴だったが、今度の俺は上手くやってくれるでしょう!」
 クローンの狼ヘッド学生こと、大狼忍。
 【飛行フンドシ】と【魅惑ムタンガ】の両方を装着し、いざ、大空へ!
「魅力MAXの俺を見ろオォォ!」
 飛んだあああぁぁぁ!
 アイキャンフライ&ベリーチャーミング!
 きたあああぁぁぁぁぁぁ!!
 フンドシが絶妙モッコリラインを形成し、大胆ムタンガが否が応でも、注目を集める!
 空飛ぶセクシャルバイオレンス!
 視覚を襲うカリスマの嵐やーーー!
「そうだ! もっと見ろ! どうだ、フフフ‥‥ハハハ‥‥ハァーッハッハッハ! 見える、見えるぞ! 鬼女どもが悩殺されて骨抜きになる姿が!!」
 鬼だけでなく、東京都民にも多大なる精神的ダメージと混乱を与える。
 ある意味、千鬼夜行よりもたちが悪い。
 その時ちょうど、大鬼ケイちゃんが【邪眼の餌食】によって鬼に魅了され、味方(?)である大狼をターゲットロックオン。

「ま゛っ」

 ぷち

 蚊でも潰すかのように、大鬼ケイちゃんは両の掌で、変態飛行物体(大狼)をダイナミックプレス。
 もう、なにがなんだか、わけがわからなくなってきた。
 さあ、最後の追い打ちだ!

「ポウ!!」

 千鬼夜行会場に潜入した、おで次郎が、キレッキレのダンスを披露。
 今度はなぜかマイコー風である。
 鬼や妖怪に混じって、スリラーダンス!
 踊りに合わせ、【パワーワード:逆転】!!
 千鬼夜行の進行方向を逆転させ、元居たところへお帰りいただく。
 お帰りの際は、ムーンウォークで。

「ボウ!! PPAP(ポウ パーティ アリガト ポウ)!!」

[悲劇7:英雄たちに攪乱されたり脅されたり、散々な目にあった鬼たちは帰っていった。なお、ケイちゃんの身体は胃液の海にとけていきましたとさ]

 〜 完 〜

 ご愛読ありがとうございました。今後もREXiにご期待ください!


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