【CP】怪盗ニンニンズ

担当もこな
タイプショート 事件
舞台バングラデシュ(Asia)
難度普通
SLvB(アメリカ程度)
オプ
出発2018/12/12
結果成功
MDP斑鳩恭耶(pa1232)
準MDPアルカ・アルジェント(pa0217)
馬並京介(pa0036)

オープニング


「奴らが悪い役人たちですね。難民の人たちをいじめるとか、絶対許せないのです。ニンニン」
 MNで忍者装束に偽装した木崎由良が、インカムを通して仲間たちと連絡を取り合うなかでそう呟いた。
 彼女がいるのは、東南アジアのジャングルの端っこ。そこに生えた木の枝の上。
 そこから見ているのは、いくつかのバラックが並ぶ更地。
 敷地内は明々とライトに照らされていた。

登場キャラ

リプレイ

◆ツリーを求めて
 ヴェロニカ・ラプシアは難民キャンプの外れのジャングルから、比較的背の低い、まだ若い木をチェーンソーで切り出していた。
 夜中に大きな音を出したら仲間たちの作戦に支障をきたすかと案じたが、どうやら深いジャングルの中ではその心配もなさそうだ。
「もう少しね。子どもたちが待ってるわ」
 作戦が成功した暁には向けられるはずの笑顔を思い浮かべながら、ヴェロニカはレンタルした重機で切り倒した木を運んだ。
 
 しばらくして、ヴェロニカの切り出した若木が、難民キャンプの真ん中に立てられた。
 クリスマスツリーには不釣り合いな熱帯の植物ではあったけれど。
 集まって来た子どもたちに、イルミネーションやオーナメントを配ると、彼らはたちまち笑顔になった。
 難民となって久しく触れていない美しい物を、掲げて眺めたり、友達と笑い合ったり。
「さあ、飾り付けましょう」
 ヴェロニカの掛け声で、ツリーの飾り付けが始まった。

◆潜入そして奪還
 すっかり夜の帳が下りたジャングルの、その端っこにある広場に簡易的に造られたバラックが並んでいた。
 そこは難民キャンプを管理する役人たちの出向所だが、敷地内には軍から派遣された警備兵が見回りを行っている。
 その警備兵の動きを探る人影がひとつ、ふたつ……。

 『ヌル』こと斑鳩恭耶は、闇にまぎれるように敷地内の様子をうかがっていた。
「ニンニンズか。ネーミングセンスはどうかと思うが、その思いに共感はできるぞ」
 義賊として、子どもたちのために。
 そのためにここに来た。
 潜入の準備は整っている。あとは『彼女』が動くのを待つばかり……。

 エラ・ウォーカーもまた忍びを愛するひとりとして、ひっそりと行動を開始していた。
(ニンニンズからプレゼントネ!)
 盗聴器で情報を収集するために、そっと警備兵のポケットに万年筆を滑り込ませた。
 その目論見は当たり、Aiフォンを通して、いくつか敷地内の情報がもたらされた。
「ふふ。情報ダダ漏れネ」
 エラはほくそ笑んだ。
 得た情報を仲間たちに共有し、
「ニンニンズ、行動開始だヨ!」
 
 エラからの情報を受けたアルカ・アルジェントが、出向所の敷地内に足を踏み入れた。
 警備兵に呼び止められたものの、それを魅了し籠絡。
「私はNPO法人の者よ。銃を突き付けられる謂れはないわ」
 すっかり骨抜きになった警備兵は、アルカをすんなり警備隊長の元に案内した。
「ご苦労さま」
 そのまま警備隊長に近付くと、彼には催眠術をかけ、
「無線機のある場所、教えてくれる?」
 隊長は鼻の下が伸びきった顔で、すんなり告白した。
「そう。これが無線機ね」
 アルカは拳銃を構えると、躊躇うことなく機械に向け発砲した。

「中の様子も分かったところで、由良はどうするかね?」
 エリアス・ツヴァイクは、木の枝から降りてきた木崎由良に尋ねた。
「俺は横領の資料探しをしようと思うんだが」
「おー、いいですね! お手伝いしますよ、エリアスさん」
「そうか? なら、他の奴らとはちょっと別行動だな。騒動が起きた隙をついて潜入するぞ」
「了解です。ニンニン!」
(俺はさすがにニンニンとは言えねぇな)
 とは思ったが、楽しそうな由良には言えず、エリアスはその時を待った。

「任務開始」
 恭耶は警備兵に近付くと、靴に忍ばせたナイフで一撃。警備兵は地面に崩れ落ちた。
 その場に留まり周囲の気配を窺っていると、発砲の音。
 しかし一発聞こえたあとは、また静寂が辺りを包んだ。
「アルカが仕掛けたな」
 なら無線機は使い物にならなくなっているはず。これで、しばらくの間救援の心配はないだろう。
 恭耶は闇の中を気配を消し、足音を消し進んで行った。
 エラもまた警備兵を無力化しながら、アルカから報告を受けた支援物資を保管している建物に向かっていた。
「ニンニンズの参上ネ!」
 と言いつつ、気付かれる前にカードを投げつける。
 倒れた警備兵の首には、『私は横領をした悪人です』と書かれたカードをかけていった。
 そうして辿り着いた一棟のバラック小屋の前には、無線機を壊したアルカの姿が。
「物資を運び出しましょう。ヴェロニカがトラックで待機してくれているわ」
 恭耶が倉庫の開錠をし、中にあったたくさんの支援物資を運び出した。

 エリアスは書類の束を調べながら、横領の証拠を探していた。
「由良、見つけたか? っと、これがそうか?」
「ありましたか?」
「ちょいと証拠には弱いかも知れんが、ないよりはマシだろう。これを警察に届ければ任務完了だな」
「はい!」

 外に出たところで、敷地内にいた警備兵の誰かが報告したのか、数人の兵士が駈け込んで来た。
「お前たち、何してる!」
「ああ、やっぱ、こうなるか。俺が引きつけてるから、由良、これ持って走れ」
 エリアスは由良に書類を渡し、兵士に向かって行った。
「うおー、これは重大な任務ですね。ニンニンズの一員として、がんばります!」
 由良が駆けて行ったのを目の端で見送って、エリアスは暗器で応酬。
 そこに支援物資を運び終えた恭耶とエラも駆け付けた。
「あとはアルカとヴェロニカに任せた」
「了解」
「さくっと片付けるネ!」

◆綺麗に飾られたツリーとお馬さん
 支援物資を見事奪還したニンニンズを、イルミネーション煌びやかなツリーが出迎えた。
「まあ、素敵ね。ヴェロニカ」
 恋人であるアルカからの称賛に、彼女に寄り添うことで応えるヴェロニカだった。
「猟師が持って来てくれた食材があるのよ。料理するわね」
「そうね。私はちょっと子どもたちと話して来るわ」
 美味しそうなお肉の匂いがキャンプの中に漂い始める頃、アルカの周りでは子どもたちの笑い声が弾けた。

 無事戻って来たエラは、子どもたちとおにごっこ。
 難民キャンプの中を縦横無尽に駆け回る。
 そのエラを追って、子どもたちも走る。
「いっぱい遊んで、いっぱい美味しいご飯食べるヨ!」

 ひとしきり遊んだあとは、ヴェロニカの料理でパーティの始まりだ。
 ツリーの下のテーブルについたところで。

 どこからかシャンシャンという鈴の音が聞こえて来た。
 それまでわいわい騒いでいた子どもたちが途端にしーんと静まり返ると。
 彼らの視線の先に現れたのは、機械で動くトナカイ。
 パカパカと会場に向かってやって来たと思ったら、背中から出てきたのは……。

「馬?」
「馬だ」
「おうまさんだー!」
 大人たちの戸惑いをよそに、子どもたちははしゃいでいる。
 そう。トナカイの背中から出てきたのは、馬並京介だった。

「さあ、さあ、お集まりのみなさま。ここからは手品をご披露しますぜ」
 そう言って手品道具を取り出すと、京介はまずトランプの手品を始めた。
 それを、子どもたちは目を輝かせて見守っている。
「おお、今日の手品は冴え冴えだぜ!」
 トランプの次は、コインを使った手品。
 その次は、帽子の中から熱帯雨林に住む小鳥が飛び出して来た。
 手品が成功するたびに会場は大盛り上がり。
「俺の手品をご堪能いただきありがとうだぜ!」

 京介の手品に拍手を送っていたエリアスが、隣に座る由良に話しかけた。
「クリスマスってのは、いい子にしてなきゃプレゼント貰えないんだっけか。由良の子どもの頃はどうだった?」
「まあ、一応貰えてましたよ。いい子だったかどうかは覚えてませんが。エリアスさんは?」
「どうだろうな……。まあ、いい。俺からのプレゼントだ」
 ほいっと手渡されたのは、マカロン。
「わあ、美味しそう! ありがとうございます!」
 由良は一口でマカロンを頬張った。
 
 そう言えば京介のトナカイはどうしただろうと目をやると、手品を終えた京介の介添えで、すっかり子どもたちのおもちゃになっていた。

 恭耶は離れた所から、点滅を繰り返すツリーのイルミネーションを眺めていた。
 子どもたちの笑顔を見るにつけ、この難民キャンプの置かれた悲観的な未来が胸に押し迫る。
「平和っていうのは、子ども一人ひとりの、本当の笑顔の上に成り立つんだろ?」
 大それたことを望みはしない。
 ただ楽しげな笑顔を零す子どもたちが、これ以上大人の都合の犠牲になることのないようにと。
 ジャングルの端っこの難民キャンプから、クリスマスの星空へと願いを飛ばすのだった。



 9

参加者

c.さぁさぁお集まりの皆様方!ショータイムだ!
馬並京介(pa0036)
♂ 26歳 刃魅
a.私の仕事は子供に見せられないわね?(クスクス
アルカ・アルジェント(pa0217)
♀ 24歳 弾魅
b.ニンニンズとしての役目を果たすわ。
ヴェロニカ・ラプシア(pa0222)
♀ 21歳 英忍
a.ニンニン♪
エラ・ウォーカー(pa1057)
♀ 24歳 刃忍
a.任務了解…
斑鳩恭耶(pa1232)
♂ 27歳 刃忍
a.これしかできねぇな…
エリアス・ツヴァイク(pa2266)
♂ 22歳 忍機
 怪盗ニンニンズは子どもの笑顔の味方なのです!
木崎由良(pz0032)
♀ 19歳