湖水の7人

担当九里原十三里
タイプショート 授業(島外)
舞台ベルギー(Europa)
難度やや易しい
SLvB(アメリカ程度)
オプ
出発2019/09/04
結果成功
MDPナタク・ルシフェラーゼ(pa0155)
準MDPルイ・ラルカンジュ(pa0432)
ゲルト・ダール(pa0208)

オープニング

◆湖水の晩夏
 木橋から身を乗り出すと、川魚の群れが水藻の中を泳いでいくのが見えた。
 澄んだ流れの中をたゆたう水藻は無数の白く小さな花を咲かせ、それが水の上で儚げに揺れている。
「コテージはあっちだ。先に荷物を置きに行くぞ」
 ゾフィ・ヴァルブルクはそう言って、UNICOの学生達を促した。 
 湖水の中に浮かぶ小島には小さなコテージが点在している。

登場キャラ

リプレイ

(語り部)アデラインとメレディスが楽しげに森の中を歩いている。
合宿場所がこんな綺麗な所で良かったねー! 景色もいいし雰囲気も素敵!
僕達のコテージからも景色がよく見えましたね。
合宿中の学生のフリ、っていうか割とそのまんまかな? だけど、怪しまれないようにしないとね。
僕達のターゲットはエステさんですね。そういえば例の7人の名前はもしや……?
? メレディス、どうしたの?
寿命星の無い北斗七星……。
いえ……多分、関係のないことなので。
では行きましょうかアデルさん(手を差し出し)
うん!(手を取り) 
何か普通に楽しくなってきたな♪ メレディスが一緒だし♪
ええ……僕も……
(それにしても僕達……先へ進む機会が無いですよねぇ)
あっ、エステさんいた! あの人だよね?
(エステ)はぁ……あのバカ兄貴。いつまであいつのコバンザメやってんだよ。
水切りの練習、でしょうか? 石投げてますね(ひそひそ)
何かやさぐれ系……? いろいろ溜まってそうな顔だね(ひそひそ)
こんにちは、お兄さんもこの辺りにお泊まりですか?
(エステ)ああ……まぁ。
私達、今日来たんです。おすすめスポットとか知りませんか?
(エステ)カップルならボートがいいんじゃねえの? あれ、タダで乗れるぜ。
あ、ホントですか? 
(エステ)ああ。よけりゃ、レストランのサービス券もやるよ。俺、今夜泊まらないでもう帰るし。
え、何かあったんですか?
(エステ)職場の慰安旅行なんだけどさ。上司がウザくてダルいからもうフケて帰る。
え、職場の人たちと? 帰っちゃって大丈夫ですか?
(エステ)ああ。どーせクビになりたくてもなれねえ職場だし。
よほど何かあったんですね。そんな顔に見えます。
(エステ)なんかさー、年下の男の部下いじって盛り上げようみたいの? そんなんあってさ。
ああ……そういうタイプの上司ですか。
(エステ)そうそう。研究のことなんも分かんねぇただの脳筋のくせに態度だけでかくてさ。
威張り散らす人っていますよねー、考えが古いっていうかぁ。
っていうか研究? 何のお仕事なんですか?
(エステ)んー……技術開発、かな。俺自身は「プログラマー」なんだけどさ。
プログラマーなの? 
(エステ)ああ。だけど、俺、職場で一番下でさ。扱い酷いんだ。
上司の人はみんなそんな感じなんですか?
(エステ)いや、優しい人もいるよ。イルビソ……兄貴も一緒に働いてるし。
お兄さんが一緒の職場にいるんですか?
(エステ)ん~……でも、何考えてるのか分かんなくてあんま信用できない。
他の上司さんがいれば、そういう人に相談するのもいいかもですよ?
(エステ)ああ……そうだな。アイレさんもエルシエロさんもいるし……ドノルテさえいなけりゃな。
大変そうですね。でも、味方がいるなら良かったです。
(エステ)帰る前にアバソさんにだけは言ってかないと。じゃあな、これやるよ。
あ、ありがとうございます。お気をつけて。
サービス券もらっちゃいましたね。アバソさんって確か……?
7人の中にいたね。
そうか、エステさんがあの中で一番下なんだね。

(語り部)船着き場でぶつかる2艘のボート。若い女――スーラの乗ったボートが大きく揺れる。
(スーラ)きゃっ! すみません!
いえ、今のは僕が悪いです。
ごめんなさい、僕、こういうの慣れてなくて。お怪我とかなかったですか?
(スーラ)私は大丈夫。水が跳ねてびっくりしただけですから。
良かった。もしかして、もう戻るところでしたか?
(スーラ)ええ。ボートって1人で漕ぐと疲れちゃって。あ、でもあなたもお1人ですね(くすくす)
どうして一人で、って思ってます?
(スーラ)ええ。もしかして……私と一緒かもって。
ちょっと嫌なことがあって、みたいな?
(スーラ)ふふふふ。そうね。
……大学でね。遊びに来たのはいいんだけど、仕切り屋がいて。なんだかつまらなくなっちゃって。
ほんっと、上から力で押さえつけようっていう奴には、ウンザリ。
(スーラ)あー……いるわよね、どこにでも。分かるわ。
あなたも何か……ふふっ、何か悩みでも?
僕でよければ、お話、伺いますよ。
(スーラ)え? いいの? 結構重い話になるかもしれないわよ?
大丈夫、ボートで遠くに出てしまえば……誰にも聞かれませんよ?
(語り部)スーラを自分のボートに乗せるルイ。だが、コンタクトレンズに仕込まれたカメラはしっかり回っているようだ。
(スーラ)ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ(吐き出される大量の愚痴。主にセクハラ関連)……ってわけ。こっちが嫌がってるのに全然通じないのよ。
確かに、もはや言葉が分からないレベルの鈍感さですね。
(スーラ)そう。意地でも私を自分に都合のいい女だと思いたいのかしら……だからもう怖くって。
部下ではなく、恋愛対象の若い女、と見ているようですね。
もしも僕がスーラさんの上司なら、あなたをそんな風に扱ったりしないのに。
(スーラ)ふふ、そうね。あなたがいてくれたら心強いと思うわ。
もしよかったら、続きは僕のコテージでどうですか? 
(スーラ)えっ……でも。
ふふっ、嫌です?
(スーラ)嫌じゃないわ……だけど私、今日は職場の……。
お友達も一緒で構いませんよ(ちらりとスーラの背後で釣りをしている男を見る)
(スーラ)えっ?(振り返り)
(アバソ)何だ。ナンパじゃなかったのか。黙って知らん顔しててやったのに。
(スーラ)アバソさん! いつからいたんですか?!
ふふっ、あなたが心配でずっと見張っていらしたみたいですよ。
上司の方です?
(スーラ)ええ、職場のサブチーフで……あの、アバソさんさっきの話は。
(アバソ)ドノルテに言うかって? んなわけないだろう、イルビソじゃあるまいし。俺はそんな事はしないさ。
よかった。ちゃんと味方もいてくれるみたいじゃないですか。
ところでこの後、どうです?
(語り部)コテージに戻ったルイは、2人から何かの研究を仕事にしているという話を聞いた。スーラは今回の一件でルイに自分の心を盗まれたようだったが……それはルイの「秘技」が冴えた結果だったかもしれない。
へぇ……お2人共、研究所にお勤めなんですね。
(スーラ)そうそう。アバソさん、すごい人なのよ。
確かに何かオーラを感じます。
(アバソ)いやいや……今はただの雑用係さ。昔は軍に務めたことなんてのもあったがね。
スーラさんは?
(スーラ)私は研究職よ。でも、まだまだ下っ端。
(アバソ)何をいう。この歳で脳科学のスペシャリストだぞ。我チームの宝さ。
へぇ、優秀な女性なんですね。素敵です。
(研究所、脳科学……どういう組織なんでしょうね)
(スーラ)そんな。私はまだ何にもできてないわ。セクハラされて泣いてるだけの役立たずよ。
(アバソ)いずれ、ドノルテの奴は俺とエルシエロさんがどうにかするさ。今だけだよ。
(スーラ)でも、チーフは上と繋がってるし……きっとまた戻ってくるわ。
複雑な事情があるようですね。上って、親会社とかですか?
(アバソ)ああ、まぁ……そんなようなものだな。
なるほど。
(どうも、ただの組織じゃなさそうですね。皆さんに情報共有しておきましょうか)

あっ、あの2人かな……よーし。
今日のあたしは「ゼミの生態調査を名目に釣りを満喫する学生」! じゃ、行ってきます!
(ベンタブラックの煙をどろん、と纏う)
(語り部)湖にシーカヤックで漕ぎ出したナタク。釣り竿を手に、エルシエロとアイレのボートに近づく。
こんにちわー。いい天気ですねー。
(エルシエロ)やぁ、お嬢さん。釣りかい?
ニジマスの大きいのが釣れるって話を聞いたので来てみました。
実際どうです?
(アイレ)さっき、アバソが1匹釣ったわよねぇ、あなた。
(エルシエロ)ああ。ここは、悪くなさそうだよ。
それじゃ一寸この辺で釣ってみますね?
情報ありがとうございます。お礼にこれ、1枚どうぞ♪ 
(エルシエロ)おや、絵葉書かい?
(アイレ)あら嬉しいわ。ちょうど、旅先からお友達にお手紙を出したいなと思っていたの。
それは良かったです。じゃあ奥様にこれ……
っと、あああっ?!(思いっきりシーカヤックが揺れる)
(エルシエロ)おっと、大丈夫かね?
すみません、手が滑っちゃって。絵葉書濡れなくてよかった。
じゃあ、これ。あたしそろそろ行きますね。
(アイレ)ありがとう、お嬢さん。たくさん釣れるといいわね。
(語り部)実は、ナタクが渡した絵葉書は盗聴器仕込みだった。さらに、ナタクはシーカヤックで転びかけたふりをして、ボートの縁に発信機を忍ばせていた。
(さてさて。何か聞こえるかな……?)
(エルシエロ)アイレ、組織がエステを「J-3000」に入れろと言った理由は、あの子の能力だけが理由だと思うか?
(アイレ)どういうことです?
(J-3000……?)
(エルシエロ)我々は国を追い出された身だ。そんな集団に入れれば……未来ある若者に要らぬ不幸を背負わせることになる。
(アイレ)若者の未来を本気で考えるほど優しい組織じゃありませんよ、「ダブルオー」は。
(ちょっ、今、何て言った?!)
(アイレ)国も、秘密組織も、一皮むけばみんな同じでしょう。目指すものはお金と権力。所詮はちょっと頭がいいだけのお猿さんの群れですもの。
(エルシエロ)……私はそうは思わんがな。
(この人達……ダブルオーなの?)
(エルシエロ)私は、ダブルオーのもとで世界を変えたいと本気で思っている。
(アイレ)そのお考えは変わりませんか。
(エルシエロ)悲しい生き方だと思うか? だがアイレ、これが私なのだ。
(アイレ)分かっています、エルシエロ。私はあなたに……どこまでもついていきますよ。
(どういうことなの……? J-3000? それから、ダブルオー?)
(も、もう少し詳しく探らないと!)
(エルシエロ)そろそろ私達は「ガンショットシステム」の失敗を忘れるべきなのだ。
(アイレ)でも、組織やドノルテは諦めていません。
(エルシエロ)我々が今すべきは「ヴァニタスシステム」の完成だ。何としてでも成し遂げねばならない。
(アイレ)ええ……それしかないのですね。
(ガンショットシステム……ヴァニタスシステムか。一体、何なんだろう?)
(語り部)ナタクはその後、ボートからスポーツカーに乗り換えて2人を追った。だが、彼らが「J-3000」という名、そしてダブルオーの名を口にしたのはこのときが最後だった。

(語り部)川辺のオープンテラスで飲むドノルテとイルビソ。そこへ、酔っぱらいの女子2人に変装したゲルトと紫が近づいていく。
うぅ……私もう、無理ぃ~。私もう無理なんです~。
大丈夫だから! 大丈夫だから、ほらもう、飲もう!
今日はとことん飲んで忘れようって言ったでしょ?
えーん、だってぇ……。
あー……イケメン発見~。隣座っちゃお~。
(ドノルテ)おっ、なんだなんだ? イケてるギャルが来たぞ。
ああ、すいません。この子ちょっと失恋したてで悪酔いしてるんです。
フラれちゃったんですぅ~。え~ん。
(イルビソ)そうかぁ。じゃあ、俺達と一緒に飲む?
え、いいんですか?
(イルビソ)もちろん。いいですよね、ドノルテさん。
(ドノルテ)ああ。スーラはまた夜に誘えばいいしな。で、可愛子ちゃんをフッた男ってのはどんな野郎なんだ?
あ~ん、聞いてくださいよぅ……サイテーなんですぅ。私、すっごい尽くしたのにぃ~。
あんなの、小さい男だよ。年下にびびっちゃっうしさ。忘れたほうがいいって。
だって好きだったんだも~ん……しょうがないじゃないですかぁ……(おもむろに身につけていた椿の花をブチブチと千切る)
(ドノルテ)こらこら、何千切ってるんだ? せっかくかわいいのつけてるのに。
いーんですよ、こんなの(椿ブチブチ)
(あ、出た。紫さんのフェロモン椿)
それ、元カレから貰ったらしいですよ。
(ドノルテ)ああ、そうかそうか。確かに、こんな可愛子ちゃんを袖にするような小さい男は忘れたほうがいいな。
お兄さん忘れさせてくれます~? 
ていうか、名前聞いてないです~。教えて下さい~。
(ドノルテ)俺ぁドノルテってんだ。こっちのツレはイルビソ。
ドノルテさんって何か逞しい名前~。
ホントそうだね。何してる人なんですか?
(ドノルテ)IT系ってのかな、今流行りのアレさ。
(イルビソ)すごいプロジェクトチームのリーダーなんだぜ、この人。めちゃめちゃ稼いでるし。
(ドノルテ)よせやい(照)
へー、かっこいいー。完璧じゃないですかー。
(ドノルテ)あとは、嫁さんでもいればいうことなしなんだがな。今年中にスーラを……。
えー、好きな人いるんですかー? 私じゃだめですかー?
(ドノルテ)おっとごめんよ。今目の前にいるのは君だったね。
そうですよー。何でこんな可愛い子がフラれちゃったのか本当に分からないですよね。
運命は弱い人間に悪戯……ってことなのかな。ドノルテさん、守ってあげてください。
(ドノルテ)そうだな。君なら俺を支えてくれるかもしれないしな。
ふふふふ~。尽くしちゃいますよ~?
(ドノルテさん、すっかりオチてるなぁ。流石は紫さんだ)
(ドノルテ)なぁ、可愛子ちゃん。俺がとある「巨大な秘密組織」に属してて、世界を変えようとしてるって言ったらどうする?
え……?
(ドノルテ)最終目標は世界征服だ。そんな場所で生きる男を、君はどう思う?
世界征服……ですかぁ~(ゲルトさん、これって?)
(な、なんか目つきが怖いです)
何かすごい話だね。ホントなの?
(何か、ヤバい気配かも。そろそろ撤収しよう)
(ドノルテ)ああ。詳しく聞きたければ俺たちの部屋においで。教えてやるよ……俺たちのすべてを。
面白そうですねぇ~。あ、だけどその前におトイレ~。
僕もついてくよ。ドノルテさん、すぐ戻ります!
(語り部)ドノルテ達のそばから離れる2人。もう戻る気はなかった。
裏切りは女の宝飾……ってね。
いやな雰囲気の男だったなぁ。ねぇ、巨大な秘密組織ってやっぱり……。
ダブルオー……その可能性が高いですね。
私達、あのままついていってたらどこかに連れて行かれてたかもしれません。

エステさんはプログラマーって言ってたよね。
スーラさんが脳科学の研究職、アバソさんが技術職、でしたっけ?
そうみたいですね。そう言ってました。
エルシエロさんとアイレさんはハッキリ「ダブルオー」って言ったよ。
それから、「J-3000」っていうチームの名前みたいなのを話してた。
優しそうな人達だったのになぁ……あの人達、あの組織に関係してるのかぁ。
やっぱりそうだったんだね。僕達もそうじゃないかと思ったんだ。
怖かったですね。あの、ドノルテさんて人……多分普通じゃないです。
(語り部)7人に関するこれ以降の調査は次の担当者に引き継がれる事となった。「J-3000」とは何なのか? 怪盗達はその名に、言いようのない胸騒ぎを覚えたのだった。


 12

参加者

c.成程…わかりました(分った顔)
メレディス・メイナード(pa0098)
♂ 22歳 探魅
a.あたしはボートでエルシエロさん達と接触しようかな?
ナタク・ルシフェラーゼ(pa0155)
♀ 25歳 乗魅
c.紫さんと、ドノルテを狙う予定だよ。よろしくね。
ゲルト・ダール(pa0208)
♀ 23歳 知魅
a.スーラさんメインで、周辺を探ってみますね♪
ルイ・ラルカンジュ(pa0432)
♂ 24歳 英魅
c.ゲルトさんと一緒に頑張ります
花鼓紫(pa0975)
♀ 20歳 知魅
c.メレディスと一緒にお散歩しつつ、エステさん狙いの予定だよ!
アデライン・エルムズ(pa1094)
♀ 20歳 弾忍
 ゼミナール、な。そういえば、UNICOにはないんだよな、ゼミってのは。
ゾフィ・ヴァルブルク(pz0025)
♀ 39歳