プロレス!

担当槻又ともこ
タイプショート 日常
舞台Celticflute
難度易しい
SLvC(紛争地域、島内)
オプ
出発2017/11/07
結果大成功
MDPキティ・ラップ(pa1077)
準MDP斧箭槍剣(pa0114)
ブリジット・サティ(pa1245)

オープニング

◆セルティックフルート島、砂浜にて
 今日の砂浜は何やら騒がしい。
 色々な機材が運ばれて、それを汗を流しながら組み立てている体格の良い男女。
「プロレスだって!」
 様子を見に来ていた子供達が言う。
 島にプロレスの巡業が来たようだ。

登場キャラ

リプレイ

◆間もなくです
『テステス。マイクテスト』
 ゲルト・ダールの声がマイクを通して会場に響いた。
「マイクよし」
 呟いたゲルトの横では、キティ・ラップがタオルで汗を拭いている。
「しっかし、あっついなー」
「うん、‥‥ところで、目の下のクマ?」
「今日の為に、ありとあらゆるプロレス団体さんの勉強してきましたよって、突発な解説もまかせてんか」

 そして、こちらは観客席のブリジット・サティ
 寮に出された看板を見た時、すでに彼女は自分がこの場にいることを確信していた。
「プロレスなんて、筋肉の祭典の代名詞でありますからね」

 そして、こちらはレスラーの控えテント。
 斧箭槍剣大神隼人小林三代李紅花ら含む8人のレスラー達は最後の打ち合わせも終わり、円陣を組んだところだ。
「シナリオはほぼ決まっているが、途中で体力がなくなったり、動けなくなったりしたら、フォールの体勢に入るので、勝敗は終わってみないとわからない。皆全力を尽くそう」
 ジョージの言葉に、皆は『オォッ!』と気合いの入った声を上げた。
 さぁ試合開始だ。

◆第一試合・マーニー対三代
『赤コーナー、マーニー!』
『青コーナー! 三ー代ー!』
 マーニーの入場の次に、琴で演奏されるスローな和風音楽にのせて、三代がリング傍へ。
 鉄扇を持ち、自前の浴衣をコスチューム代わりに、舞妓風に舞う。
 観客席から、ヒューという口笛。隼人の仕込んだコネのサクラが良い仕事をしている。
 そして、三代が浴衣を脱ぎ捨て、試合開始のゴングが鳴った。

『さぁー始まりました。第一試合、三代対マーニー。まずは睨みあいからです』
 三代が、マーニーの首に腕を巻きつけようと片手を伸ばすが、
「させないわよ」
 マーニーはその手を取ると、そのまま三代の体を自分に引き寄せ、腰を持って逆さに持ち上げマットに三代を叩きつけた。
『三代、初手を逆手に取られた、そしてマーニーがポストへ、そこからっ飛んだぁー!』
 ゲルトのアナウンスに合わせて、マーニーは近くのコーナーポストを踏み台にして高く飛び、腹から三代にダイビング。
 それをギリギリのところで躱した三代は、マットに転がったマーニーの上に乗り、足を持ってエビ反りに締め上げた。
 それを逃れようと、腕をマットにつき体を持ち上げるマーニー。
『これは、エビ固めですね? 解説のキティさん』
『さよですわぁ、いやー綺麗に極まってはりますなぁ』

 そして、もろもろの攻防が続き五分後。
 息のあがってきた二人、合気柔術スタイルで優位に試合を進めていた三代は、段々とマーニーに押され始め、立つので精一杯のようだ。
 それを見たマーニーは、そんな三代を置いて、ロープ外へ。
 リングエプロンからトップロープに飛び乗り、反動をつけて飛びあがると、その勢いに乗って三代めがけて、ドロップキック!
『三代、吹き飛ばされたぁ! そして倒れて動けないっ!』
『ミサイルキックですなぁ!! スワンダイブ式や!』
 ゲルトとキティが、興奮して声を上げているあいだに、マーニーがフォール。
 レフェリーがカウントを取り‥‥。
 カンカンカン!!
『試合終了―! 制したのはマーニーだ!』
 ワーワーと観客席から声が上がる中、三代がマーニーだけに聞こえるように囁いた。
「これで限界です。手段を選ばぬ鎮圧が本分なので」

◆第二試合・あやめ対李紅花
『第二試合ー、赤コーナー、あやーめー!』
『青コーナー、紅ー花ー!』
 艶やかな黒髪の二人。
 紅花は、チャイナドレスで拳法家に扮している。
 彼女は、リングアナウンサーからマイクを奪い取り、ドレスのスリットから自慢の美脚を伸ばし、大股をあけてトップロープに足をかけ、忍者衣装のあやめを指さした。
「キミがクノイチあやめかい? フフン‥‥中国4000年の技でヒィヒィ言わせてあげるよ」
 カンッ! 第二試合のゴングが鳴った。
「ヘイ!」
 紅花が叫んだ!

『さぁ、第二試合ですっ、あやめは関節技が得意のようですが、紅花はどうせめるでしょうかね? キティさん』
『せやなぁ、紅花はんも関節技メインのようやから、マット上の絞め技に注目やな』
 実況と解説がアナウンスしている間に、紅花はロープから跳ね返ってくると、あやめの手前で向きを変え、あやめを背にして飛び上がった。
『紅花、さらに右足を素早く蹴りあげたぞ、これは蹴りか!? いや違うぞ!』
『旋風脚ですわっ、予想外に派手な技が来ましたで!』

 紅花は、旋風脚であやめを飛び越えその背後に回り込み、あやめの脇に頭をすべりこませると腰を両手で抱え――!
『バックドロップや!』
「アヒャヒャ!」
 狂気めいた笑い声をあげながら紅花は、両足であやめの腰をカニばさみ。
『そして、これは?』
『三角締めですわ』
 互いに体をずらしながら、絡みあう二人。
『あっ! あやめの衣装がはだけてきています、レフェリーさん!』
 あやうくポロリのところで、レフェリーがストップをかけた。
 そして、2人は衣装を整えてから再度元の組んだ体勢に。
 そこから、あやめは技をエスケープし、
『こんどは、あやめのフロントスリーパーホールド! ですよね?』
『正解やっ』
 首を締めあげられ、うつ伏せの状態で喘ぐ紅花。
 しかし、この状態から足でマットを蹴り上げ、向きをひっくりかえした!
『そして紅花が反撃!』
『首と腕をロックした三角締めや! これは逃げられませんわ』
 そして、試合終了のゴングが鳴った。
『三角締めで、あやめギブアップ、紅花の勝利です』

◆第三試合(タッグ戦)・ジョージ、侍丸組対槍剣、ザ・牙狼組
『赤コーナー! ジョージアーンド、侍丸ー!』
『青コーナー! 槍剣アーンド、ザ・牙狼ー!』

『ギャーー!!! 筋肉きましたぁぁ!』
 ゲルトの後ろにいたブリジットの叫び声を、ゲルトのマイクが拾ってしまった。
 会場が一斉にブリジットに注目した。
「うぇっ!?」
 突然の注目に、目を見開いたブリジット。
『こほん。失礼いたしました。第三試合はタッグマッチですね、槍剣の相方の紅い狼マスクは誰なのか!?』
『誰やろなぁ、フフフ』
 そしてゴングが鳴る。

『まずは侍丸と、ザ・牙狼がリングに出てきました、互いに様子を見ながら、リングに円を描いています』
『この二人は、派手な技が期待できますな、と言った傍から、牙狼が後ろ蹴りやっ! 踵が侍丸の顎に直撃やで』
 侍丸がふらついた。しかし、侍丸も上段の回し蹴りで反撃、牙狼がふらついた隙に、
『侍丸、ロープへ走った! 隼っ‥ゴホン。牙狼が追った! その間に侍丸、ロープに飛び乗って立ち上がり、せまってくる牙狼に‥‥ジャンプだ!』
 ジャンプした侍丸は、正面から牙狼の両肩に足をかけて逆肩車状態に、さらに太ももで頭を挟み込み、頭から振り子のように牙狼の股の間に潜り込むと、反動で牙狼がひっくり返り、頭部をマットに強打!
 技を極め、一旦牙狼から離れた侍丸は、牙狼が立ち上がると、飛び上がって首に蹴りを繰り出そうとするが、
『牙狼、避けました!』
 そして、体勢を立て直して、牙狼が大きくジャンプしドロップキック!
『たっかいジャンプですわ!』
 さらに、そこから起き上がり、同じく立ち上がった侍丸との間合いを詰め、膝蹴り!
 そこから、牙狼は飛び上がり、両足で侍丸の頭を挟み込んで、バク宙。
 巻き込んだ頭がマットに叩きつけられた!
『フランケンシュタイナーや!』
『さらにさらに、倒れた侍丸に向かって、コーナーポールに登った牙狼が飛んだぁ!』
 背から回転しながら、侍丸の腹部に落下。
 そして、立ち上がれなくなった、侍丸をフォール。
 カウント、1‥‥2‥‥。
『ああっとここで、コーナーからお猿マスクのジョージが飛び出してきたぁ!』
 フォールする牙狼の背中を足で踏みつけた。
 フォールのカウントが止まり、ロープの外に戻ったジョージと侍丸がタッチ。

『さぁ、出てまいりました、ジョージ! 早速牙狼に蹴りを‥‥あ!』
『金的ですわ、反則や!』
 しかし、レフェリーは見ていなかった。
『最初に、レフェリー指さして、指を空に向けはったわ、よそ見させたんやわ』
『卑劣ですねぇ』
「交代だ!」
 槍剣が叫んだ。
 牙狼からタッチを受け、槍剣がリングに出た。
『さぁ、ジョージと槍剣、互いに様子を‥‥っとぉ! ジョージが槍剣の脛に蹴り! これは痛いです、しかし槍剣、 頭を振ってから、おおー』
 観客もどよめいた。
 槍剣が、来いよとばかりに手をチョイチョイと動かしたのだ。
 挑発に乗ったジョージ、さらに脛を連続で蹴る。
「効かねぇな!」
「へっ、やせ我慢かよ! じゃこれはどうだ?」
 お猿のマスクは、言うとロープから跳ね返ってきてそのままスライディングでキック。
「うごぉ!」
『これは痛いです! しかし槍剣まだ立っています!』
『脛は鍛えると言っても痛みに慣れる程度やから、これは辛い』
「しかし、受けねばならんときもある、今がその時だ!」
 観客がオォーと声を上げ、声援を送りはじめた。
 槍! 剣! 槍! 剣!
 それにまじってブリジットも声援。
「槍! 剣! 頑張ってくださいでありますよー!」
 その心の中では、
(はぅ‥‥あっちもこっちも筋肉筋肉! 筋肉旋風巻き起こっているでありますね! 
 いやぁ、もう‥‥触ってみたい。ゴツゴツしてるのも、しなやかな柔らかさも、どれも甲乙つけがたい。
 美しい上腕二頭筋、埋もれてみたい大胸筋!!)
 ‥‥覗かなければよかった。

『槍剣コールの中、ジョージ、脛への蹴りが効かず業を煮やしたか、槍剣を持ち上げたぞ、そして、あ! 下がってー!』
 バキッ!
 持ち上げられた槍剣がロープの外に投げられ、実況席のゲルトのほうに運悪く飛んできて、木の長テーブルが折れた。
『ジョージも降りて来たぞ、あっ! ちょ!』
 ジョージがゲルトからマイクを奪い取り、槍剣の額を――。
『ゴツン!』
 マイクが額に当たった音が会場に響き、槍剣の額から血が。

 そして、どさくさに紛れたブリジット、レフェリーの目を盗んで、ゲルトの後ろから手を伸ばし、ジョージの腕にタッチ。サワサワ‥‥。
「やったであります!」
 感無量の表情で空を見上げる彼女。目の端には感動の涙がキラリと光った‥‥かも。

 そんなこんなで、再びリングに戻った槍剣とジョージ。
 額の傷からの出血はそのままだが、会場は全員槍剣に大声援を送り、徐々にジョージは追い詰められていき‥‥。
 カンカンカン! 試合終了のゴングが鳴った。

『勝者、青コーナー、槍剣、ザ・牙狼ー!』

◆打ち上げもあるよ!
 全ての試合が終わり、会場からは観客の姿が消え、リングとパイプ椅子だけが残されている。
「良い興行になった。怪我は少しあったが、手伝いに感謝するぜ」
 控えのテントでジョージが手を出すと、額に絆創膏を張った槍剣がそれをガシッと掴みながら、
「こちらこそ、良い勉強になった。血は大げさに出たが、傷はこの程度とは、さすがプロといったところだ。
 ‥‥ところで、この島の郷土料理をケータリングしたのだが、良かったら一緒にどうだ?」

 ここで、テントの外で中に入るタイミングを計っていたブリジットが、入り口の幕を上げ、
「レスラーさん、筋肉を触らせてください!! ご飯はいらないのであります、それだけでいいのです!」
 突然の乱入者に戸惑うレスラー達。
「彼女も、学生なんです。観客として応援頑張ってくれてました‥‥たぶん?」
 ゲルトが言うと、じゃどうぞとなり、
「ではではさっそく!」
 と、筋肉を順番に撫でまわしていく。
 レスラー達は困った顔こそしているが、されるがままにしてくれた。
「ブリジットはん、よだれよだれ」
 言われて、ハゥッと正気に戻るが、すぐに筋肉の旋風に巻き込まれて恍惚とするブリジットであった。

 そして、テント内に料理が並んだ。
 食事をしながら今日の話に花が咲く。
「ところで、あんなかんじの解説でよかったやろか?」
 キティは、前日の打ち合わせで、レスラーにやってほしい解説を聞いており、それに基づいて頑張ったつもりだ。
「バッチリだぜ、ありがとうな!」
 侍丸が言うと、ホッとして気が抜けたのと、食事の満腹感から目がトロンとなってきた。
「キティさんは、徹夜だったね」
 ゲルトが言うと、じゃ、そこで横になってて。とあやめが言う。
「お言葉に甘えますわ‥‥疲れましたわぁ」
 キティはヨロヨロとテントの隅の長椅子へ向かい、そこに横になるとすぐに寝息を立て始めた。

 そしてあやめと紅花は並んで食事中。
「服を剥いたのわざとでしょ?」
「もちろんだよん♪」
 パクパクと料理を頬張りながら紅花が言うと、あやめがフフッと笑った。

 食事を味わっているマーニーの横には、隼人がやってきてヒソヒソ。
「このあと、あやめと槍剣と一緒に4人でbarに行かないか? 雰囲気のいいとこに連れていくぜ?」
「おおっっと!! 牙狼が女子をナンパかぁ!?」
 隣で聞いていた三代が、実況よろしく声を上げると、テント内に笑いが響いた。
 その隣でゲルトは、食事を口に運ぶ途中、アッと何かを思い出した顔をしたが、盛り上がっている食事会でそれに気が付くものはおらず、
(試合の後、レスラーにインタビューする予定だったのに、場外乱闘ですっかり忘れてたよ)
 でも、いろいろ勉強になったよ、と再び止まった手を動かした。
 そうして、食事会は遅くまで続き、疲れた面々はそのままテントに雑魚寝。
 ブリジットは、筋肉と一緒に一晩寝れてとても幸せな朝を迎えたそうな。





 10

参加者

a.了解だ。俺は隼人みてぇに身軽でもねぇから真っ向勝負になるな
斧箭槍剣(pa0114)
♂ 20歳 刃乗
a.んじゃ、いっちょファントムの実力ってやつを披露しちゃいますかね♪
大神隼人(pa0137)
♂ 20歳 刃忍
b.キティさん、よろしくね。
ゲルト・ダール(pa0208)
♀ 21歳 知魅
a.それではマーニーさんと試合させていただきます。合気柔術スタイルですが。
小林三代(pa0527)
♀ 19歳 英魅
b.ゲルトはんは宜しくなー!
キティ・ラップ(pa1077)
♀ 18歳 弾知
a.アヒャ、あやめとバトっちゃうよん。
李紅花(pa1128)
♀ 20歳 弾乗
c.皆さん、頑張ってくださいでありますよー!
ブリジット・サティ(pa1245)
♀ 19歳 刃忍