アニマル・ハンドメイド

担当もこな
タイプショート 授業(島内)
舞台Celticflute
難度やや易しい
SLvC(紛争地域、島内)
オプ
出発2017/12/01
結果大成功
MDPシヴ・ゲイルドッティル(pa1004)
準MDPアイザック・ブライトン(pa0348)
花鼓紫(pa0975)

オープニング


「さて、今日の授業はハンドメイドをするぞ」
 レヴィ・アルシアが呼びかけに応じて集まった学生たちに言った。
「作ってもらうのは、動物。自分のペットでもいいし、好きな動物でもいいし。動物に関する物なら何でもいい。ちなみに、私はこんなものを作ってみた」
 レヴィは、例として見せるために作っておいたハンドメイド品を取り出した。


登場キャラ

リプレイ

◆恋人へ贈るレジンアクセ
 石動詩朗は小さなパーツを手に取りながら思案顔。
「こんな細けェの、どうやってアクセサリーにすンだ?」
 普段ハンドメイドとは程遠い所にいる彼が今回の授業に参加したのは、恋人に手作りの贈り物をするためだ。そのことはまだ、彼女には内緒だが……。
 その彼女は隣に座っていた。
「石動のハンドメイドアクセかー。何が出来るんだろうね!」
 恋人であるシヴ・ゲイルドッティルが、けらけら笑いながら言った。
「まあまあ、そこは見守ッててくれよ。作るもンは、もう決まッてンだけどなァ。先生、レジン液、どのくらい使やイインだ」
 講師のレヴィ・アルシアに細かく教わりながら、詩朗は楕円形のミール皿に切り取ったコラージュペーパーを置いて、その上にレジン液を流し、UVライトで硬化させた。
 植物をモチーフにしたミール皿に、月に向かって遠吠えする狼の絵柄が映える、ペンダントヘッドができあがった。
「キラキラして綺麗だなァ。我ながら、上手くできたぜ」
 少し気泡が残っていたりもするが、初めてにしては十分な仕上がり。
「よし。あとは鎖に付けるだけだな」

◆想いを編み込んで
 詩朗が懸命にレジンに取り組んでいる横で、シヴは慣れた手つきで棒針を動かしていた。
 得意という訳でもないが、ハンドメイドの知識は一通り持っているシヴ。
 そんな彼女は詩朗の他に、ペットの怪盗狼フェンにニットのマントを贈るつもりだった。
「フェンにもあったかく過ごしてほしいからね」
 シヴの側に寝そべるフェンを見下ろしながら言うと、フェンは目だけをシヴに向け、しっぽをパタパタ。
「待ってると退屈だろうけど……」
 そこでシヴは考えると、毛糸をくるくると纏め、簡単なポンポンを作ってフェンの鼻先へ。
「暇潰しにはなるかな?」
 フェンは鼻でポンポンを突いたが、すぐに目を閉じてしまった。
「フェンにはちょっと子どもっぽかったか」
 からりと笑って、シヴは手元に集中することにした。

 グレーの毛糸が大きな四角形になると、シヴはそれに紐を付けて首に巻けるようにひと工夫。

 続いて、手に取ったのは黒……。いや、紺? 藍?
「ぜーんぶ似合うから、全部使っちゃお」
 マフラーは網目が飛んだりしがちで、気付けば先細りになっていたり、末広がりになっていたりで、簡単なようで難しい。
「私も編みかけて何年にもなるマフラーがあるな」
 レヴィは手芸をする者のあるある話のように言ったが、贈る相手がはっきり決まっていれば編むのも楽しいだろう。
「編んでると、ほんわか心もあったかくなるのが編み物だねー」


「ブリーシンガメンのようにはいかねェが、お前への愛を込めた」
 詩朗はできあがったペンダントをシヴにかけてあげると。
「どんな時も、俺の想いはお前と共に……。お守りになるかはわからねェが」
「綺麗だねえ。キラキラピカピカしてるー。石動、ありがと! うん。これを着けてると、いつも石動に守ってもらってる感じがするよ!」
 嬉しそうにレジンのペンダントヘッドを眺めていたシヴが、おもむろに取り出したのは編み上がったマフラー。
「石動、ハッピーバースデーだよ!」
「おお、サンキュな。そういや、誕生日だったなァ」
 サプライズっぽくなったバースデープレゼントは、受け取ろうとした詩朗の首にふわりとかけられ。
「石動と一緒に巻こうと思って長くしちゃったよ」
 マフラーの半分がシヴの首に巻かれていることに詩朗は破顔した。
「ああ、そうだな。こうやって、いつも一緒に……」

◆感謝を込めて
「さて、私はおじい様への贈り物を……」
 アイザック・ブライトンは家事全般得意とするが、細かい手作業をする手芸だけは少々苦手。
 今回は、その苦手を押しての参加だった。
「お世話になっているおじい様に、手作りの物を差し上げたいと思いましたから」
「分からないことがあれば、小さい事でも聞いてくれよ」
 行き詰るとレヴィにやり方を尋ねながら、時には義兄弟の絆を結ぶことになった悠来紀うつつのことを気に掛けつつ。
「おじい様に使っていただけるといいのですが」
 できあがったのは、少々不恰好だが、温かそうなベスト。
 緑色の地に白のラインがポイントになっている。
「アイザック……は、何しても、やっぱり、上手、だね……」
「ありがとうございます。けれど、やはり、手先でする細かい作業は苦手ですね。つい時を忘れて熱中してしまいましたが、変な所に力が入っていたのか、思いの外疲れてしまいましたよ」
 自分のことながら、くすくす笑うアイザックに、うつつは。
「きっと、大叔父さん、喜んで……くれる、よ……」
「そうだといいのですが……。うつつの来訪と合わせて、二重に喜んでくださるといいですね」
 感情表現の苦手なうつつが、大叔父の気持ちを気にかけてくれたことが嬉しくて。
 アイザックはうつつの頭をわしゃわしゃと撫で回した。

 アイザックはできあがったベストを目の前に掲げながら。
 故郷の大叔父に。
 日頃の感謝を込めて……。

◆新たな絆に……
 うつつは、何かと気にかけてくれるアイザックへの贈り物を。
 編み物なんて初めてだったけど、とにかく心を込めて編み上げてみよう。
 アイザックなら、きっと受け取ってくれるだろうから。
 
 アイザックのことを思い浮かべて糸を選ぶ。
「イギリスでは、黒猫が……幸せの、象徴、らしいけど……。うつつは、青に、しよう……」
 それはアイザックの瞳と同じ色。
 この青い糸で、青い鳥のモチーフをマフラーに描くことにした

 編み始めてみると存外難しく、何度か解いてやり直したりもしたけれど。
「イギリスは、きっと、寒いだろうから……」
 一緒に行くことになったアイザックの故郷。
 どんな所だろう。
 大叔父様はどんな方だろう。
 歓迎、されるだろうか……。

 いろんなことを思いながら編んでいるうちに、うつつは次第に手元のみに集中するようになって……。
 青い鳥のモチーフを編んでいる途中で時間が来てしまった。
「し慣れて……ないと、時間、かかる、ね……」

 その後、何度かレヴィを訪ねて完成させたマフラー。
「イギリスに……行く前に……渡したい、な……」
 
 綺麗に包んだ手編みのマフラーを抱えて。
 うつつはアイザックの部屋の扉をノックした。


「やあ、こんばんは。うつつ」
「えっと……。これ、ようやく、できたから……」
 そっと差し出された包みに、アイザックは顔を綻ばせた。
「私にだったんですか? あの時のマフラー」
「う、ん。アイザックに……イギリスで、温かく過ごして、もらい、たくて……」
「巻いてみてもいいですか?」
 くるりと巻くと、ちょうど青い鳥のモチーフが胸の辺りに。
「これは……いいですね」
 アイザックの反応に、うつつははにかんだ笑顔を見せた。
「よく、見たら、網目、がたがた……だったり、する、けど……」
「いいえ。とても温かいです。もっと帰省が楽しみになりましたね」
「良かった。作って……」
「弟が一生懸命作ってくれたのです。大切に使いますね」
 そして、アイザックはうつつの頭をわしゃわしゃと。

「わかった……。アイザック、頭、わしゃわしゃ、する時、は……照れてる、時、なんだ……ね」

◆仲良し姉妹のハンドメイドな時間
 傍らには姉。
 その状況を嬉しく思いながら、花鼓紫はマフラーを編んでいる。
「がんばって、高速編み編みです」
 大好きな姉にこの授業のうちにプレゼントしたいという思いから、素早く編み棒を動かしていく。
 
 すると姉の視線を感じ、横を見ると……。

「何をどうやったら、そんなに早く編めるのか」
 初めてのハンドメイドに悪戦苦闘している花鼓鴇が感心したように言った。

「でも姉さんもしっかり予習してきたじゃないですか」
 紫は、授業が始まる前に鴇が、手芸本を読んだり、動画サイトで編み方の予習をしていたのを知っている。
「まあ、そうだがな。講師殿にも手順を聞いて、何とかやってみてはいるが……。まったくの門外漢ゆえ、期待はしないでいておくれ」
「ふふ。姉さんが作ってくれたものなら、どんなものでも嬉しいですよ」
 鴇は、紫が手元を見ないで編んでいく様を目を丸くして眺めていたが。
「自分なりに仕上げられたら良いのう」
 と気を取り直したように言って、自分の作業に戻った。
 
 マフラーの土台が仕上がると、紫は鈎針に持ち替えてモチーフを編み始めた。
 紫の持つ、鴇のイメージは『虎』。
 だから、トラのモチーフを編むと決めていた。
 しかし、編み上がってみると……。
「姉さん、これ、何に見えますか?」
「ふむ。猫だな? 可愛らしい黄色の。黒のしましまのある?」
「猫にしか見えませんか!? そんなー……」
「我もな。描いてみたぞ。奇しくも、紫と同じ動物になったな」
「ふ、ふふ、姉さん。私の作ったのはトラなのですよ。姉さんの力強いイメージを表現してみたんです」
「なんと。そうであったか。紫には、我がそのように見えているのだな」
 どことなく嬉しそうな姉の顔。
 その顔が見られただけで良かったと思う紫だった。

 鴇のマフラーは時間内には仕上がらなかったけれど、その後も紫に励まされつつ編み続け、猫のモチーフのついた可愛らしい色合いのマフラーが仕上がった。

「姉さん。お疲れさまでした。これ……姉さんに」
 姉の編み物が終わるまで待っていた紫が、マフラーを渡すことができたのは授業から数日後のこと。
「もうすぐ実家に帰るし、ぜひ使ってくださいね」
 作り直す時間はたっぷりあったが、マフラーに付けられていたのは、猫のようなトラのモチーフ。
「凄く力強いイメージの虎に作り直しても良かったんですけど、優しい雰囲気もある方が、より姉さんらしいかなと思うようになりました」
「そうか。ああ、とても味わい深い猫……いや、トラだぞ。ありがとう、紫。我もようやく編み上がったのでな」
 ふわりと紫の首に掛けられた姉からの贈り物。
「ふむ。淡い色合いが紫によく合ったな」
「姉さん、ありがとうございます。心を込めて編んでくれたのが、よく分かる温かさですよ」

 もうすぐ帰省。
 鴇と紫の日本の冬は、ぽかぽかと温かい気持ちで過ごせそうだ。



 11

参加者

c.さァて何を作るかねェ
石動詩朗(pa0059)
♂ 24歳 刃忍
b.【兄弟】(うつつは何を作ってらっしゃるのでしょう)
アイザック・ブライトン(pa0348)
♂ 25歳 探魅
b.【兄弟】スーツにも、合うように……派手に、ならない、ように……(黙々)
悠来紀うつつ(pa0653)
♂ 18歳 忍知
b.鴇姉さん、編み物にレジン、羊毛と一杯ありますがどれにしましょう?
花鼓紫(pa0975)
♀ 18歳 知魅
b.何作ろっかなー
シヴ・ゲイルドッティル(pa1004)
♀ 24歳 知魅
b.どうにも、作ると使うが切り離せん…編み物に挑むとしよう。
花鼓鴇(pa1172)
♀ 20歳 英刃
 ニードルで指を刺したら痛いぞ……!
レヴィ・アルシア(pz0015)
♀ 32歳