【PF05】大きさ一番!

担当叶野山 結
タイプショート 連動
舞台Celticflute
難度普通
SLvC(紛争地域、島内)
オプ
出発2018/05/09
結果成功
MDP九曜光(pa0455)
準MDPイザベル・クロイツァー(pa0268)
アシュレイ・ローウェル(pa1435)

オープニング

◆大きさを競え! それが祭りだ!
 アラスカステートフェア。
 アメリカでやっているお祭りの一つ。言ってしまえば「巨大な野菜コンテスト」、だ。
 しかし、ここセルティックフルート島でやろうとすれば、少しばかり趣向が変わる。何しろ、野菜はすぐに大きくなれない。
 という訳で、学生から提案されたのは、「共通のお題を出し、この島を探索して一番大きいと思う物を見つけたら写真に撮ってくる」というものだ。
 ここは怪盗を養成する施設でもある。となれば、推理をしてその場所にある大きな物を撮影してくるのまたも一興。

登場キャラ

リプレイ

◆駆け出す者達
 ナサニエル講師より出されたお題。
 人の出入りが可能な場所であり、自然に面している事。
 この条件にあてはまる場所へ、学生達は向かう。
 彼らの手にある機器はAiフォンであったり、UNICO特製の品であったりと、様々だ。
 どのような物を撮影してくるのか、ナサニエルはプロジェクターに映す用意をしながら待つのだった。

◆陸・空・海
 航空部も使用する空港。
 そこへ、軽飛行機を運転してくれる方々へ挨拶に来た九曜光
 光はアロハシャツにビーチサンダルというラフな格好をし、高性能カメラを飛行機の窓に取り付けた。
「それじゃあ、お願いします」
 唸るエンジン音、そしてゆっくりと前進し、上へと傾く機体。
 少しずつ上がっていく高度と同調するように、心がワクワクしてくる。
 ファインダーを覗き、光は目標の物に向けてシャッターを押した。
 何枚か撮影した所で軽飛行機を空港へ戻してもらう。
 確認して、良いと思った物のみを残して後は削除していく光の様子に、操縦手が興味を持ったらしく、「何を撮影したんです?」と尋ねてきた。
 撮影したのがどんな物なのか、光は画面を見せ、ボタンを操作していく。
 一枚目は島越しに水平線が広がる海。
「大西洋だけどすべての海は一つだからね」
 二枚目は、そこからズームアウトして、島全景。
「セルティックフルート一大きいのは島自体てね」
 三枚目は空。太陽が映らないように注意しながら、所々に雲が見える青い空が映し出されている。
「宇宙まで無限に広がる空は果てないね」
 選んだ一枚一枚に対して感想を呟く光へ、操縦者は「どれも素晴らしく撮れてますね」と褒めてくれた。
「ありがとう」
 はにかんだように笑い返す。
 あとはこれを持って講師に見せるだけだ。

◆公園にて映すそれの意味
 紅嵐斗は眼鏡に扮したカメラではなくAiフォンを使用する予定だ。
「日本だったら有名なロボット物の実物大が立ってたりするんだけど、流石にここには無いしね」
 あったらあったで問題だとは思うが、それはさておき。
 公園にも観光客は居る。当然、UNICOの学生達やこのCF島に住む人達も。
 学生達が観光客と仲良く話しているのを見つけると、彼は声をかけ、事情を話して様子を撮影する許可を貰う。そして、シャッターを押す。
 こういう時、語学が堪能で良かったと思う。様々な国の人と気兼ねなく話せるのだから。
 対象の人物を変えて同じ事を繰り返し、集まった写真。その一覧を改めて眺める。
 肩を組んで笑いあったり、同じポーズをしてみせたりといった、様々な写真があった。勿論、背景に公園を映す事を忘れない。
 彼が撮りたかったものが、そこにある。
 ずっと日本に居たら分からなかった、世界の色々な人達。
 彼らがこの島に居る『奇跡』を表現したくて、彼はこの場所を選んだのだ。
「‥‥けどこれ、流石に多すぎたかな?」
 そんな訳で、選別するのに時間がかかってしまうのだった。

「別にAiフォン限定とは言われとらんしなぁ」
 キティ・ラップは愛用のカメラを持って公園に来ていた。
 フルサイズ一眼レフデジタルカメラは、報道部である彼女が愛用しているカメラだ。
 彼女がこの公園で撮影するつもりでいるのは、記念碑と塔。
 噴水の近くにある記念碑には、島の開拓や発展に貢献した人達の名が刻まれている。
「魚眼レンズでの撮影はスマホアプリでやって‥‥と」
 二通りの写真を用意してみるのも面白いかもなぁ。
 そんな考えでAiフォンで魚眼レンズのスマホアプリを使用した撮影を、愛用のカメラでは普通の写真撮影を。
 パチリ、パチリとカメラに収めて、魚眼レンズと通常のを見比べる。
「うんうん、どっちも良い出来や!」
 どっちを提出してしまうか迷うぐらいによく撮れたと自画自賛しつつ、講師に選んだ理由を問われた時、すぐに答えられるよう脳内でシミュレーションを。
(魚眼レンズでの撮影は自然に面しているのをより強調出来る様にする為、記念碑と塔にしたのは、象徴が刻んだ歴史はこの島にとってどの建造物よりも古くかつ意味の深いものだからや!)
「折角やし、他のも撮ろうかな」
 記念碑と塔だけでは勿体ない。
 自然や人へカメラを向けて、ありのままの姿を撮影し始めた。

 彼女――桜葉杏花は思う。一番大きなものはこの島自体だと。
 故にドロイドで可能な限りの島全景を撮影した。
 なかなか一枚に収まらない。それ程この島は大きいのだと改めて実感する。
 どうしようかなと他の手段を考えた時、一つの閃きが脳裏を駆け巡った。
 その為にやってきた竜血樹公園。彼女はそこで、Aiフォンを使ってニール山を撮影した。
 どの角度から撮ればよく映えるだろうか。
 投稿動画を始めてみたという事で、観る者の意識を考えた撮影を考えた結果、ドロイドも使用して撮影に夢中になる杏花。
 他に、竜血樹は勿論の事、大きそうな工場までもついでに撮影してしまう。
 我に返った時には既にかなりの量になっており、休憩も兼ねてベンチで休憩する。
「とりあえず、提出するのは山にして‥‥と」
 写真を選出し、あとはもう少し休憩してから戻ろう。
 そう思っていると、「お、休憩中か?」と声がかかった。
 振り返ると、キティと嵐斗の姿。そこでたまたま会って合流したらしい。
 撮影が無事に終わった事を話すと、二人もそうだと言う。
「この中の誰が勝っても恨みっこ無しやで」
「でも、他の所に行ってる人も居るよね」
 ツッコミを入れた嵐斗にキティのチョップが入った。
 「言わなきゃいいのに」と杏花は密かに思うのだった。

◆共に学ぶものは同じ
 台場を目指す者は登山用のグッズを持参していた。
 大航海時代の名残りである砲台跡。学び舎に近い位置を目指して登るは、イザベル・クロイツァーエルフ・プレシス
 イザベルがファントムワイヤを利用して登り、エルフの疲れを少しでも軽減するように手を貸す。
 イザベルの頭上では、コンドルが舞っている。紺と名付けられているその鷹は、主人よ早く来いとばかりに円を描いて飛んでいる。
「エルフ、大丈夫?」
「うむ、なんとかな」
 登山靴のおかげで歩くのにも苦労はしない。
 そうして、二人で砲台跡に着いた時、そこから見える景色に、彼女達は揃って感嘆の声を上げた。
 学び舎たるUNICOが見える。少し離れた此処から見えるだけでも、その姿は大きい事が分かる。
「なかなかいい景色だ」
「そうだね!」
 砲台に停まったコンドルの紺を見て、イザベルは話しかける。
「ねぇ、紺。君たちはこんなにスゴイ景色を、ずっと見てきたんだね」
 どうだとでも言いたげに立つコンドルに苦笑する横で、エルフがカメラを構えた。
「ところで、イザベルは何を撮るんだ?」
「UNICOだよ! きみは?」
「奇遇だな、一緒だ。最も大きな物‥‥それは即ち、我らの学び舎であろう!」
「同感!」
 笑いあい、お互いにカメラを回す。
 イザベルはコンタクトレンズを使用したカメラを使用し、撮影する。
 砲台と校舎が比較できるように位置を見ながら、フレームに収めていくイザベル。
 対してエルフは比較対象を島全体とした。島の中で校舎がどれほどの割合を占めているのか。フレーム内には収まりきらないが、ここから見える分だけでも十分表現できるだろう。
「よーし、それじゃあ、お先に!」
 マントを翻し、コンドルに掴まって空を飛ぶイザベル。十分ほどなら主人を連れていけるコンドルだが、無事に降りれる事を、エルフは密かに祈る。
 それから、彼女がコンドルに掴まり、マントを翻して飛ぶ姿を写真に収めたのだった。

◆大きなものとは
「むむ、『ツインタワーホテル以外で大きいものを撮影しろ』ですか」
 シャムロック・クラナドは、しばし悩んだのち、ある場所を選択した。
 彼女が選択し、到着したのは漁港。
 ここに来れば面白いものも見つけられるだろう。
 そう考えて漁港内を回る内、ドゥエイン・ハイアットアシュレイ・ローウェルの姿も見かけたが、彼らは彼らで撮影対象を探しているようなので、声をかけないでおいた。
 彼女が探すのは大きな魚を持った漁船。この辺りだとカジキマグロなどだろうか。
 それらしき船を、人に尋ねながら探す内に、運良くさっき着いたばかりだというマグロ漁から帰ってきた船に遭遇した。
 事情を説明し、撮らせてほしいと頼むと快い返事が来て、感謝する。
「これでいいかい!」
「はい、そのままお願いします!」
 彼らが釣り上げたマグロはどれも大きい。とても信じられない程ファンタスティックだ。
 逆さに吊るしたマグロの横に漁師が立つ事で、その比較が際立つ。
 撮影し、お礼を述べてその場を後にするシャムロック。
 この写真を見せて皆を驚かせてやるのだ。

 シャムロックが撮影したマグロは、そのまま競りの用意がされる場所へと運ばれていく。
 その様子を見ていたのがアシュレイだ。
 彼はこの場所こそが大きいものだと考えていた。島に流通している魚を処理する場所である。そこそこ大きいであろうと予想をつけてやってきた彼。予想通りの大きさに満足し、カメラを構えた。
 UNICOにて学ぶ者達だけでなく、このCF島に住む者達のお腹を満たしている意味でも、ここの役割は大きい。
 そういう意味でも、この漁港はあらゆる意味で大きいと思った。
 無言でカメラを構え、魚や人の出入りを含めた様々な部分を写真に収める。
 調理道具一式を持ってはいるが、今の所、この中から何かを持って帰るのは難しそうだと思う。
 競りを始めた様子や、魚が収められたケースが並んでいる所も映す。
 あらかた撮影を終えて、カメラの画面に映し出された画像を確認する。
 数は多く、大きいと思える部分も撮れてはいる。しかし、満足か、と言われると難しい。
 とりあえず、と一枚を選択し、アシュレイは学園へと戻っていく。
 戻る道すがら、ドゥエインが勝ち誇ったような顔で海を見ていたが、なんとなく声をかけないでおいた。
 彼が何を撮ったのかは、後で分かる事なのだし。

 ドゥエインは口角を吊り上げて笑っていた。
 潮風が、着ているスーツに当たっているが、そんな事はお構いなしだ。
 船が無い場所を探し回っていた彼は、少し歩いてその場所を見つけた。
 万年筆をかざし、写真を撮る。実はカメラが搭載されている万年筆。
 はたからみれば、万年筆を海にかざす青年にしか見えないけれど。
 彼が万年筆に内蔵されたカメラで撮影しているのは船の影も見えない、大海原。
 ここは人が出入りする漁港であり、とても大きな自然の一つである。
 母なる海、と誰が言ったか。父なる大地を踏みしめて、眼前に広がる光景にただただ感嘆の声を漏らす。
「フッ‥‥。残念なのは、ここでは水着の美女でなく、屈強な港湾労働者ばかりが目に入る点だが」
 最近では漁港労働者に女性が混じる事もあるという。
 ネットを探せば、巨大マグロと二時間格闘して釣り上げた少女のニュースもある。
 この漁港で、彼だけでなく誰にとっても目の保養となる女性の漁港労働者が増える事を祈るばかりだ。
「よし、収めたな。では、戻ってやろうではないか」
 他の誰かが似たような写真を収める事もあるだろう。しかし、自分も負けてはいない。
 その自負を持って、ドゥエインは判定人である講師が待つ場所へと向かった。
 まだ勝負は分からず、また、その結果がどうなるのか今から楽しみであった。

◆一番大きなもの
 集まったUNICOの学生達。
 彼らが到着したそばからその写真を見ていくナサニエル。
 プロジェクターを利用する為、写真をパソコンに保存していく。
「私がこの学び舎を『この島で最も大きい』としたのはその存在意義そのものに起因する。この島は何のためにある? 島民は何のために居る? あのツインタワーは、施設は何の為に? 全てはUNICOの為に在る。この島は全て我らを育む為に用意されているのだ、そういう意味でこの校舎ほどこの島で存在意義が大きい物はないと私は考えたのだ」
 中には、エルフのように理由と共に提出してきた者もおり、その説明にも頷いて聞き入る。
 やがて、全員が集い、全ての写真を拝見したナサニエル講師は、たまたま来ていた別の講師と結果についての相談をした後、学生達の前に戻ってきた。
「ご苦労だった。写真を撮るのに君達が考え、努力した結果を、まずは評価したい」
 前置きを述べ、一人一人の顔を確認していく講師。
 続けて、彼は「早速だが、これより結果発表に移る。最初に三位と二位だ」と告げ、学生達の間に緊張が走った。
 ルーレットのように目まぐるしく動く写真。
 三位に選ばれたのは、アシュレイの魚の入ったケースと人が多く集まっている写真。
「漁港の、魚が集まっている景色は圧巻であった。人が多く集まっている事が、漁港の大きさをよく見せていた」
 アシュレイが密かに小さくガッツポーズした。
 次に、二位に選んだのはイザベルの写真だ。砲台と校舎が比較されている。
「砲台と比較する事で、遠近法も用いて撮影しているのは良いと評価した」
 ホッと胸を撫で下ろすイザベル。
 最後に、お待ちかねの一位。
 目まぐるしく変わる写真達。長き時間の果て、現れたのは――――
「これだな。この、島越しに海を撮影したものだ」
 光が撮影した、島越しの水平線。
 飛行機に乗り、空の上から撮影した光の写真が、一位に選ばれた。
「海と比較するのに島を利用した、その着眼点に注目した。おめでとう」
 ナサニエル講師から賛辞の言葉を贈られ、はにかみながらも嬉しそうに笑う光。
「ありがとうございます」
 頭を下げ、カメラを持って下がる。
「君達の着眼点も良かった。今回はどれも良く、正直、ギリギリまで悩んだ。若い君達の発想には驚かされるばかりだ。また機会があれば、是非もう一度審判として加わらせてもらいたい程だ」
 そう言って、笑うナサニエル講師。
 笑うと言っても、僅かに口角が上がったのみで、それに気付ける者は少なかった。しかし、彼が発した声に穏やかなものが混じっていたのは分かるだろう。
 学生達は提出した物を返却してもらいながら、次こそはと思うのだった。
 これにて、オリジンフェスの一つ、大きさを競う祭は終了を迎えた。
 また来年もある事を、夢見て。



 15

参加者

a.ここの台場ってユニコーンガンダムいないよね。
紅嵐斗(pa0102)
♂ 19歳 英忍
b.むむ、大きいものですか。だったら私はこれで行きましょう!
シャムロック・クラナド(pa0160)
♀ 19歳 英探
c.わたしにとって『大きなもの』はこれだー!!
イザベル・クロイツァー(pa0268)
♀ 20歳 弾忍
b.大きいのは私の態度、だと? フッ…御冗談を。
ドゥエイン・ハイアット(pa0275)
♂ 26歳 英弾
z.セルティックフルートで一番大きいというとこれしか思いつかなくてね。
九曜光(pa0455)
♀ 21歳 乗魅
a.ウチが思うに、お題をクリアできるのはここやろな
キティ・ラップ(pa1077)
♀ 19歳 弾知
c.うむ、やはりこれであろう
エルフ・プレシス(pa1173)
♀ 26歳 刃乗
b.よろしくお願いします。
アシュレイ・ローウェル(pa1435)
♂ 26歳 英弾
a.そう、何を持って大きいと定義するか(略)つまり、僕の答えはココにある。
桜葉杏花(pa1513)
♀ 18歳 知魅
 どのような物を撮影してくるか、楽しみだ。
ナサニエル・フォス(pz0018)
♂ 34歳