【PF05】守るべき子ら

担当旭吉
タイプグランド 授業(島外)
舞台ルーマニア(Europa)
難度やや難しい
SLvC(紛争地域、島内)
オプ
出発2018/06/03
結果成功
MDPマクシム・ヴェッカー(pa0436)
準MDPイザベル・クロイツァー(pa0268)
劉文(pa0392)
斧箭鎌刀(pa1581)
イリヤ・ヴォエヴォーダ(pa0440)
ヤスケ・クロボーズ(pa1163)
ステラ・ワード(pa1302)
黒鳥由理(pa1427)
石動詩朗(pa0059)

オープニング

◆ターゲット:スケアクロウ
 セルティックフルート島でオリジンフェスが華やかに開催されていた裏で、世界各地で明るみに出た児童誘拐事件とその組織。場所は様々ではあったが、共通して関わっていた組織名がある。
 東欧にその拠点があるという巨大人身売買組織『スケアクロウ』。それが、各地の組織に誘拐した児童を『流通』させていたのだ。

 『スケアクロウ』の脅威はその流通力だけではない。これまでの調査を鑑みるに、この組織の背後にはさらなる強力な組織の存在が推察できる。現状から考えて、世界規模の『流通』を維持するだけの経済力は持っていると見ていいだろう。
 また、調査で捕らえられた『スケアクロウ』関係者の話によれば、通称『仮面の男』――内部ではクロウと呼ばれているらしい、本名かどうかはともかく――という存在が組織を率いているそうだ。仮面は、大きなヤケド痕を隠すためのものらしいが、それが逆に怪盗の奇抜な装いと取られたのか、怪盗特別対策班長の可児丸警部に目を付けられてしまったらしい。

登場キャラ

リプレイ

◆先遣部隊:今、守るべきもの
 巨大人身売買組織『スケアクロウ』。
 その本拠地にほど近い立地に、道を挟んで二軒のペンションがあった。
 一軒はヴェロニカ・ラプシアが子供の保護用に、もう一軒はブライアン・ビリンガムが作戦会議の場としてそれぞれ手配したものだ。
「過去の取引履歴は‥‥オフライン端末ですか。顧客情報の扱いは三流ではないようですね」
 二軒のうちブライアンが用意した方では、マクシム・ヴェッカーがトランクPCを前に腕を組んでいた。相手はブギーマンのような正式な企業ではないとはいえ、この地域一帯を股にかけて展開している違法組織である。情報の扱いに慎重になるのもうなずけた。
 だが、ひとつのアプローチが失敗した程度でつまずく怪盗ではない。
「オフライン情報の一つが確定したという事か。目標が明確なのは助かる」
「パパのつての方で、それっぽい筋書きを作っておきますよ♪」
 アルフォンス・サインツルイ・ラルカンジュは、その結果を前向きに受け取っていた。ちなみにルイの言う『パパ』とは血縁上の父親ではなく、今回協力してくれる地元マフィアのボスである。『スケアクロウ』相手に一芝居打とうとは面白いじゃないかと、情報提供にも乗り気で応じてくれたいい人だ。
「ねえ、エリ様‥‥ううん、僕のベス。必ず君を守ってあげますからね。『商品らしい』感じでいきましょう、ね?」
「貴方の物になった覚えはありませんし、私には私の段取りがありますわ」
 親しげに歩み寄ろうとするルイに、つれない態度を取るエリザベト・バリンデン。学生達に先んじたい彼女は今回、取り巻き達との単独行動ではないものの『偵察班』という形で先に情報を得る方法を選んだのだ。当然、班を率いるのも自分のつもりでいた。
「同行を希望するなら私に従って――」
「責任、取れるんですか?」
 銃匠に突撃銃のカスタマイズを頼んでいた天空院星が、そんなエリザベトに厳しく釘を刺す。
「自分の手柄のために勝手な行動をとった結果、作戦が大失敗に終わってしまったら。あなたがその全責任を負ってくれるんですか?」
 その覚悟があるなら単独行動をしていい、という意味ではない。それでは取り返しがつかない、言ってしまえば『迷惑』だから、『仲間と歩調を合わせろ』という警告だ。
「私が信用できない‥‥そのような意図と受け取りましたわ。確かにブギーマンでは失態も犯しました。不信も罵倒も甘んじて受けましょう。ですが」
「足並みを揃えて、注意しながら突撃すればいいんだよ! 楽しい事とか、今回みたいに苛立つ事とか、私も急ぎたくなるからわかる!」
 自分も鉄砲玉的なところがある推裾スエソが共感しながら提案する。エリザベトは何か反論したかったようだが、その前にイザベル・クロイツァーが尋ねてきた。
「リーザ。リーザって記憶力いいよね? 私の山の話、忘れちゃった?」
 危険な山では、全員で下山するために一番足が遅い者に合わせる、という話だ。それを判断するのは山で仲間を率いる責任ある者であり、誰かに合わせられる余裕を持つ優れた者でもある。
「ですから、付いてこれないノロマは不要だと、その時お話ししたはずで」
「覚えててくれたー!! ありがとう! 嬉しいよ私!」
 イザベルが大袈裟に抱き着くとエリザベトも混乱していたが、これもイザベルには考えあっての事だ。
(手柄を焦っちゃうのは、バリンデン家の責任と気負いがあるからだよね。それを少しでも軽くできたら)
「そんな余裕あると思ってんの」
 その馴れ合いを一蹴したのは、常の天然ぶりを完全に封印したショコラ・ブラマンジェだった。彼女はむしろ、不安因子たるエリザベトをこそ無力化させて作戦から排除すべきとすら考えていたのだ。
「今回の作戦が、お守りのついででできるとは思ってない。でも皆が面倒見るっていうなら、その女の事は任せたよ。僕はお断りだけど」
「確かに、偵察潜入は僅かな隙が命取りだケド‥‥彼女に同行しないなら、貴女はどうするつもり?」
 はっきりとお荷物扱いされたエリザベトの眉が歪むのを、アルカ・アルジェントが制してショコラに尋ねる。
「先遣隊のさらに偵察役、ってところ。この姿なら一人の方が入りやすい所もあるだろうし、コネもある。情報共有はするよ。無理するつもりもない」
 ショコラの年齢の割に幼い外見は、これから向かう本拠地に囚われている子供達にも紛れやすいだろう。確かに単独行動の利点もあるのだが。
「‥‥どうしても、一緒に行動はできませんか?」
「一時でなく、常時単独でいるリスクは高いですよ。情報の無い場所ですし」
 エリザベトの先走りについて危惧していた推裾ソスエ集推スイホ。他にも、普段なら突出しそうな学生たちさえ、ショコラを、そしてエリザベトを『危険視』した――その視線がさすがにイタかったのか、エリザベトもショコラも、無茶や突出はしない、ということで約束した。
「私は、こちらの失礼な、お菓子っぽい名前の甘い女学生を監視していますので」
「こっちのセリフだよ、自称怪盗エリートのファッk‥‥ファッ!?」
 ショコラのセリフは、ケーブルに足を引っ掛けて倒れこんできたエヴァ・マルタンの胸によって遮られた。彼女のバストは豊満であった。

「やれやれ、話はつきましたか。では、オペレーション・クロウハント‥‥作戦開始と行きましょうか」
 マクシムは、窓から先遣部隊を見送ると、切り替えるように白衣を纏った。
「私は私の戦場で戦いますよ」

 敷地外から偵察を行なう先遣部隊――そのの役目は、情報の無い施設について広く浅く把握する事だ。その目的は、危険な場所や情報がありそうな場所の目星をつける事で、他の班の行動を援護する事にある。
「倉庫と車庫と、事務所‥‥おっさんはなんて言ってたっけ」
 偵察役として一足先に施設に来たショコラ――甘き夢の魔導人形――は顔色一つ変えず、自分のアームギアを蛇型ドロイドに変形させ噛み付かせる。噛み付かれた構成員と思しき男は、すぐさまその場へ崩れ落ち寝息を立て始めた。
 『おっさん』とはこの辺りに縄張りを持っているマフィアのボスであり、ルイの『パパ』と同一人物でもある。彼の情報によると、ここ数年急に情報の扱いが厳しくなり、融通も利きにくくなったという。
「どこから攻める。オフライン情報があるのは確かだが、オンライン情報を抜きやすくするのもありだな」
 後方から同行してきたアルフォンス――スパローホーク――がこう言うが、
「そういうのってどこにあるもん?」
 ショコラにこう問われ、
「‥‥あるとすれば事務所、じゃないか?」
 わずかに動揺してしまった。
 さて、二人の視線の先には、黒スーツ姿の何者かが出入りする三階建ての建物があった。
「人が多く、警戒レベルが高いですわね。まったく気付かれずに潜入、ましてや脱出など」
 エリザベト――華麗なる蝶――が歯噛みするも、ソスエ――アビエイター――はその肩をそっと叩いて。
「大丈夫です。こんなときのための、電脳班ですよ」

◆電脳班:千の腕、万の知性
 ペンションでは徐々に、敵施設のセキュリティの概要を把握しつつあった。
「人身売買か‥‥俺が住んでいた所でも、誘拐に近い形で子供が攫われて売られていった。その時力がなかった俺は、何もする事が出来なかった。だから、今度こそ止めてみせる」
 推橋ソロラ――カンパニーレ――はファントム仕様のノートパソコンを激しく叩く。外部からひとまず掌握できそうなのは、監視カメラシステムと基本的なコンピューター関係のようで、それ以上に関しては、内部から確認してもらうのが早そうだった。
「危険なトラップはなさそうだけど、監視カメラだけでディフェンスしてるとは思えないわよね‥‥」
 エルミラ・ベルトラム――蒼雷の蜃気楼――は、高性能パソコン内蔵型フェイスギアとファントム用タブレットを併用して、電子世界へ切り込んでいく。そして、掌握したカメラ映像から中身を確認し、建物の構造を分析さえする――己の腕だけでなく、その知性をも信じて。やがて、赤外線センサーの存在と、その種類を突き止め、結果、その具体的な掌握方法が皆に伝わった。
「先遣部隊聞こえるか? カメラやセンサーの大部分は掌握した。だが全てではない。オフラインのものは対応を頼む」
 そう伝えるエヴァは、すでに魔女のような怪盗、プロヴィデンスとなっていた。
「案山子風情が魔女に敵うものか!」

◆事務所潜入:極上の仕掛け
「了解しました‥‥行くしかなさそうですね」
 フロウティア・モリスン――月下の蛍灯――は、光学迷彩のコートをひるがえした。電脳班のバックアップも、先遣部隊の偵察情報も得られた。あとはもう、潜入し、路を拓き、可能であれば隠密裏に脱出するだけだ――情報と子供らを伴って。
 すでに、子供らが倉庫にいることは判明している。ここからは二手に分かれ、それぞれの建屋に潜入することとなる。
 まず、ヴェロニカが動いた。だが、怪盗ヴルぺスの姿ではなく、さきほどから見られる黒ずくめの連中と同じ姿で。事務所裏口の見張りはちょうど1人。
「おい‥‥? っぐ」
 ライフルを持ち上げた手を、鋭いカードが斬り裂く。直後、音もなく距離を詰めたヴェロニカが特殊万年筆を見張りに突き刺す。毒が注ぎ込まれ、すぐにぐったりと見張りが眠りこむ。
 それを機に何人かが裏口へ回った。栄相サイス――アムリタ――が素早くピッキングし、皆で内部へ。そしてガブリエラ・ユレ――ブラックスワン――が周囲をチェック。
「監視カメラはOK、赤外線も‥‥OKね」
 特殊コンタクトごしに、赤外線は確認できない。すでに切られている――電脳班のおかげだ。
 カメラで得られる情報は潜入班に伝わる。つまり、巡回が廊下を通ってくるなら、事前にわかる可能性が高い。
 だが、この施設は全ての部屋にカメラをつけてるわけではない。つまり、そこらの部屋から誰かが出てきてもおかしくない。そんな状況であった。
「ロクデナシな大人どもめー。やれるだけやってみよーじゃねーの」
 アスマ・スィーン――白きセクメト――は、トンボと鼠のドロイドを先行させた。見つかりづらいうえ、見つかってもただちに潜入に気付かれない、優秀な偵察ツールだ。
 イザベル――ヴィントシュティレ――もまた、トンボドロイドのドラコを送り出す。“甘き夢の魔導人形”の、蛇の片腕もしかり。
 そうした様子を、“華麗なる蝶”も冷静に見守っている。だが、このピリピリした空気は――
「‥‥潜入の緊張感、だけじゃないですよね、きっと」
 “アビエイター”は、仲間同士がぶつかりませんように、と、変な汗をぬぐった。
「大丈夫大丈夫! やらかしがちな者同士、仲良く足並み揃えようね!」
 スエソ――ウェイファーラー――がこんなことを言うので、“アビエイター”はますますため息。
 やがて、パソコンのある部屋がいくつか見つかり、それらにクラックドングルを差し込んでいく。この超科学USBは、潜入したファントムらの通信機器を経由し、電脳班のクラッキングを容易にする。今回は数人が持ち込んでいるため、在庫はあまり気にせず差し込んでいけた。
 しかし――本命のマシンは、きっと最上階、クロウのいる部屋だろう。そこへ気付かれずに潜入というわけにはいかない。
「他にできることは‥‥ん、何をしている?」
 “スパローホーク”が声をかけたのは、影猫の如き“ヴィントシュティレ”。彼女はワインボトルに、『たまの息抜きを』と書いたメモを添えて、机に置いたのだ。それは、飲んだ者に発信機ジェルを送り込む特殊高級赤ワインであった。
「仲間の敵探索補助になればと思ってね。あとはこのネイルの睡眠薬を、あちこちの飲み物へ入れて、と‥‥」
「よくやる‥‥」
 “スパローホーク”がそうぼやいた瞬間、少し離れた部屋でも、よくやっていた。

「ねぇ‥‥私で遊ばない?」
 アルカ――甘き死――は、チャイナドレスの深いスリットから、下着の権威ビリーブ作の怪盗パンツをチラ見させていた。こぐまちゃんが描かれているが、催眠効果はばつぐんだ。
「し、侵入者か‥‥?」
 偶然、遭遇してしまった構成員はしかし、銃を構える手もうつろだ。“甘き死”は確信を持って迫ると、そのまま、つまり、こう――1、2、3、4、5――男は骨抜きになった。チーン。
 だが、さらに隣室から出てきたもう1人の男が、その生々しいシーンを目撃した。こうなると、警戒心が高まる。
「貴様、何してる!」
「おっと、貴方の相手はこのぼ・く♪」
 ずい、と横から迫ったのは、ルイであった。怪盗としてではなく、今回は――
「ん? お前はたしか‥‥ああ、『商品』か」
 男は手元の紙を見て、納得したようにうなずいた――実は、マクシムが事前に、取引先を装ったメールにより、『こうした商品が届く』と偽情報を送っておいたのだ。
「どう見ても子供じゃないが‥‥けっこういかついし‥‥まあ、美形だし、特別な発注があったのかもな。念のためクロウさんに引き合わせる。そっちの女は‥‥見なかったことにしておく」
 構成員は、ルイの腕を掴んで引っ張ると、明らかに女に骨抜きにされた同僚に対し「しっかりしろよ」という視線を送った。同僚は、「ああ、バッチリだ」というサインを送ったが、その後、“甘き死”に甘く殺され、警備体制とか仮面の男のこととかペラペラさえずった。

◆倉庫潜入:熱く、冷静に
 事務所潜入に合わせ、こちらも作戦が進められていた。
「敵確認‥‥排除開始」
 斑鳩恭耶――存在しない虚無、ヌル――は、倉庫の見張りのわずかな油断を見逃さず、光学迷彩を駆使して肉薄した。そして、ほぼゼロ距離から拳法めいた肘打ちを、見張りのみぞおちに、ごりり。見張りは声も出せず、ボヒュウと息を吐き出し、そして気絶した。
 すかさず“月下の蛍灯”が、ペンダントに隠されたピッキングツールで、ドアを開ける。エルミラ、いや“蒼雷の蜃気楼”からの情報によれば、潜入OK。ドアを静かに開け、皆で中へ潜り込む。
「ミーも正直スケアクロウをぶっ飛ばしたいネ。でも、そっちは信頼している皆が行っているからネ。子供達の安全は任せるヨ」
 エラ・ウォーカー――忍者な怪盗、風魔玉響――は、はやる気持ちを抑えながら、トラップチェックを開始する。
「いえすショタロリ! のータッチ! 二次元の中だけにしておけよぉ‥‥」
 などと申しているのは比良賀ソラ――クラウド・ナイン――だ。一般ピープルな腐れサブカル女子を自認する彼女は、
この悪夢のような組織に対し、複雑な想いをもてあましていた――ドン引き、怒り、もどかしさ――たとえこの作戦が成功しても、助けられた子供は、被害者のほんの一部にしか過ぎないのだし。
「‥‥それでも! クラウドナインは、助けたい!」
「理由も思想も、現実も成果も知らん。知ったところでやる事は一緒だぜ。熱くなりすぎるなよ、ナイン」
 ルシアン・グリフレット―銀朱の幻影――は、“クラウド・ナイン”の背中をそっと叩く。そして、廊下の角を曲がってきた巡回員(電脳班により、こいつが来る事はすでにわかっていた)に、抜いた指輪をヒョイと投げつけ、それが閃光を発し巡回員の視界を奪ったところで、メレディス・メイナード――遭難信号メイデイ――が、スパイ秘密道具な万年筆をぷっすり。そして、眠り薬が送り込まれ、ぐっすり。
 そして異変に気付かれる前に、エイプリル・レモン――ポンコツお姉ちゃん――が、超科学レーザーカッターで脇のドアの下部に穴を開ける。そして、いかにもな時限爆弾をそこに押し込むと‥‥ボムッ。
「ゴホッゴホッ!」
「な、なんだ、うう、ぅ」
 ――中に詰めていた構成員6名は、なすすべもなく昏睡させられた。
「小鳥が巣だつ邪魔をしてはいけない。小鳥も飛ぶ勇気を持たなければ飛べない‥‥私は鳥籠を壊し小鳥を放つ」
 “ポンコツお姉ちゃん”の決意は固い。皆と一緒に全員を縛り上げると、いよいよ、子供らが監禁されている区画へ。
 廊下と、左右にいくつもの小部屋。見張りは現在1名だけであり、これも迅速に無力化すると、皆は手分けして、子供らの牢の鍵へと取り掛かる。
「よし、開いた‥‥」
 “アムリタ”がピッキングを終えると、
「さすがサイス! 本当に潜入捜査は得意だね!」
 栄相セイス――ネクタル――は中へ入り、驚く少女に声をかける。10歳くらいの、赤毛の子だ。
「皆、もう大丈夫だよ。沢山の人達が、皆のために行動しているよ。だから、安心してね」
 少女はぽかーんとしたが、すぐに、怯えることも泣くこともなく、こくりとうなずいてくれた。
「私は、セイ‥‥じゃなかった、ネクタル。君の名前は?」
「ルビー‥‥」
「きっと、髪の色から名づけられたんだね。さあ、ついてきてね」
 ――しかし、全ての子供が、こう簡単にはいかない。“ポンコツお姉ちゃん”がなだめ、マティアス・リブラン――春風の狂詩曲――も必死にあやすが、一丸となって気付かれずに脱出するのは、一筋縄ではいかなそうであった。
 “メイデイ”も、彼ら彼女らが、自分のような『不良在庫』とは違うと感じ、腕を組む。
「管理、教育‥‥いや調教というべきかもしれないけど、ストックホルム症候群の子もいそうだし、難しいわね‥‥」
「いいや、諦めたらそこで任務終了だッ!」
 ズバァン、と陰から登場したのは、紅嵐斗、もとい!
「怪盗サイドスワイプ参上! 悪い奴らから君たちを取り返しに来たよ!」
 奪われた幸せを取り戻すために。大仰な仕草で、子供らの気を牽きつける。
「そう、怪盗だからこんなこともできるんだ!」
 続くは、ゲルト・ダール扮する、ウートガルザ・ロキ。神をも騙す幻術師が、子供数人を鼓舞させずにおるものか。激しい動きから繰り出される高速手品芸に、子供らが「おおっ」と食いつくと。
「さあ、帰る場所があるなら、帰ろう。ないなら、作ろう。君達が幸せになるために、僕達は全力を尽くすよ」
「そう、誰にもあなた達を傷つけさせないから」
 こう続くは、アリス・クラーク扮するワンダー・ウィッチ。それが科学であれ魔法であれ、ただ、目の前の夢を護り抜く。
「子供の未来は地球の可能性よ。親でもそれを奪うことは許されないわ。あなたの絶望をあたしが奪ってみせる! あなたが信じてくれるなら、魔法少女は無敵なんだから」
 ファントムらの奇術と思いが、子供らの気持ちをひとつにしていく――やがて、移動に問題ないと判断された第一倉庫の子供ら20名は、一丸となって脱出を開始する。
「けど、隙を狙って独断で動こうとする子もいるかもしれない。俺がまさにそのタイプだったんだよな‥‥イッヌ、セガタ、子供達がはぐれないよう、ついててやってくれな」
 “銀朱の幻影”に命じられ、優秀な北海道忍犬のセガタと、やや八の字な眉の黒柴イッヌは、一団の左右に並び、フンフンと並走した。
 こうして、まずは倉庫1つ、まったく安全に子供解放を成し遂げたのだった。

◆事務所潜入:ピンチは唐突に
 プルルルル‥‥おもむろに電話が鳴り、ファントムらが互いに顔を見合わせた。「誰だ誰だ? いやいや自分じゃない」というふうに。
「ちがうちがう、コレだわ」
 “ヴィントシュティレ”は、さきほど昏倒させた構成員の胸元を探り、スマホを取り出した。受信中で、番号が通知されているが、名前は登録されていないようだ。
「どうしよう‥‥出たほうがいいんでしょうか」
 スイホ――モンティワグス――の言に、「では私が」と手を伸ばす“華麗なる蝶”だが、“スパローホーク”がその手を制し、スマホを奪い、見つめ、そして。
「声を真似るには、男は俺だけだが‥‥そも、ここで寝てるコイツがどんな声だったかもわかってない。出ないほうがいいだろう」
 直後、電話が切れた。あとは、これで何も起きないことを願うばかり、だが――
「動きあり。男4、いや6名、ライフル武装、走ってそちらへ向かってます。接触まで1分弱」
 マクシムからの通信。“スパローホーク”はギリッと爪を噛むと、スマホをヒョイと投げ捨て、皆に告げる。
「逃げろ」
「貴方は?」
 “甘き死”の問いに、“スパローホーク”は肩をすくめて、
「時間を稼ぐ」
 そう言うと、倒れている男を物陰に隠し、MNでその男に変身した。そっくりとはいかないが、パッと見はそう変わりない。
「物理的に関係者になりすまして、人の眼をくらますことも、ハッキングの一つさ」
「そんな無茶な‥‥」
 “アビエイター”はそう言うが。
「無茶は承知だが、もう時間がない。どのみちバレるなら、それまでの時間を稼ぐにはこれしかないんだ」

 廊下を回って駆け込んできた構成員達に、変装済のスパローホークは、壊れたスマホを掲げてこう言った。
「すまない、慌てたら落としてしまって、ほらこのザマだ」
「‥‥お前、誰だ?」
 もうバレたか。“スパローホーク”は黒い霧を発し、ファントムへと変身しざま、ファントムワイヤを発射し、天井のライトを1つ破壊した。全て破壊し暗闇にできれば、暗視装置のある自分が有利――
「構わん、撃て!」
 ズバババババ‥‥廊下は轟音に満たされ、直後、闇が落ち、そして反動の静寂が襲った。

「スパローホーク! ‥‥なんて無茶を」
 “華麗なる蝶”はそう言ってきびすを返す。
「無茶はどっちよ!? 今戻って意味があるの!?」
 “甘き夢の魔導人形”がその肩を掴む。が、“華麗なる蝶”はその手をそっと外すと。
「私は暗視装置があります。助けるなら、見える者が迅速にやる必要がありますの」
「なら、あたしも行く。皆は退路を確保してて」
 “ブラックスワン”も引き返す。いずれにせよ無茶だが、“ヴルぺス”は、皆の退避を促した。
「ここから跳ぶわよ。ちょっと待ってて」
 消火器めいた装置から、金属溶解ジェルを金属壁に吹きつけ、バァンと蹴り破る。2階、外は今のところ安全、続く者のためには、下りて安全確保をしておかねばならない。
 続々と飛び降りるなか、“華麗なる蝶”と“ブラックスワン”が、“スパローホーク”を肩で支えながら戻ってきた。あちこち出血しているが、致命傷ではなさそうだ。
「暗闇での同士討ちを警戒している間に回収できたよ」
 “ブラックスワン”はサムズアップ。“華麗なる蝶”は、脱出口に“スパローホーク”を立たせると。
「華麗に跳んでくださいませ。下々の方、うまくキャッチを」
 おいおい‥‥という“ブラックスワン”を無視し、“華麗なる蝶”は華麗にプッシュ。幼きハイタカ(傷だらけのスパローホークのことだが)は、見事な巣立ちを見せ――ることなく、無様に落下した(が、仲間にキャッチされた)。

◆制圧班:カタナ至上主義
 敵に気づかれた以上、隠密作戦は終了だ。だが隠密作戦の終了は、彼らの作戦開始を意味する。
「やっと作戦開始か、待ちくたびれたぜ!」
 イーノク・オルティス――怒りの日――は、各ギアを晒しながら敷地内を疾走する。その横を同じくピグマリオの、推嵩サスウ――パスクワーレ――が並走する。
「制圧。わかりやすくて良いな。前線の軍人だった私にとって、思い切り暴れられて、しかもわかりやすいのが一番だ」
「ああ。まずは潜入班を保護、そしたら、前線に追いつこうぜ!」
 “怒りの日”の横を、バンボディのトラックが追い抜いていった。愛称ウニモビ。むろん仲間のもので、あれが現在の最前線といえる。

 ウニモビは事務所の一階にそのまま突進し、その入口をぶち破ると、操縦者のイリヤ・ヴォエヴォーダ――蒼焔のイリューシャ――は、インカムに向けて鋭く発した。
「今だ」
 トラック後部が開き、即座に仲間が展開する。開けた場所が少なく、狭い廊下や部屋が占める建物だ。原則、徐々に制圧し、先へ上へと進んでいくしかない。
 だが、廊下の先、遮蔽や扉の陰から、早くもマシンガンの迎撃が始まった。うかつに前に出れば被弾必至――しかし、迎撃態勢が万全でない今がチャンスでもある。
「兄には及びませんがこれでも自信はある方なので。銃が刀に勝る、というのは迷信に過ぎない事をお教えしましょう」
 斧箭鎌刀が果敢に飛び出した。防弾衣の性能を信じ、前へ、ただ前で。抜かれた妖刀村正は、今宵は血にでも飢えているかのように妖しく煌いた。そしてその刀身は。
「ぐああっ!」
 返り血を吸って、ますます酔うかのようだった。
「こっちの妖刀もよろしくねーっと」
 続いたシャール・クロノワールも飢えていた。なにしろ“はらぺこくまさん”なのだ。妖刀ならぬ、回転ノコギリギアをぎゅぎゅりと回し、構成員の肩を斬り裂く。
「ちっちゃい可愛い子達が幸せに楽しく笑えない世界って大人にもつまんないよね。じゃあちょっと制圧しちゃおっかー」
「ああ、児童誘拐に人身売買なんて許せるもんか。まだ未熟な自覚はあるが、それでも出来る事はあるはずだ」
 暁靫凜音――覚醒の鐘――もフェイザーガンで果敢に援護。視力を奪うだけの非殺傷兵器だが、それゆえに、気兼ねなく使いまくれる武器である。

 ――そんな仲間の果敢な突撃から、一歩退いて構えるファントムもいた。冷静に俯瞰し、チャンスを待つタイプだ。
「人身売買‥‥売られて、無理やり軍に入れられた話もあったな。まったく、気分が悪くなる‥‥だから、ここで終わらせてもらう」
 集推スイヤ――ティタヌス――は、狙撃銃を構えつつそう言う。その横では、大神隼人――天翔ける紅き狼――が、自身に超硬質化スプレーを吹き付けつつ。
「コネクターもかなりいるようだな‥‥やはりダブルオーと繋がりが‥‥?」

 “パスクワーレ”の機械の両手には、それぞれ、ファントムブレードと霞の忍者刀が握られ、存分に振るわれていた。
「すぐに切られたい奴は先に、少しだけ時間が欲しい奴は後からかかってこい。皆まとめて切り捨ててやる」
「くそっ、退避だ!」
 押され気味の男たちが2階へと撤退する。すぐに追う“パスクワーレ”だが、階段上から一斉に撃たれ、被弾しながら慌てて下がる。
「くっ、上に防衛線を張ったか。少し開けているし、安易な突撃は死を招くぞ」
 ここで膠着するか――と思われた直後、背後から、かっぽかっぽと、黒い影がやってきた。
「相手に不足なし。ここは自分が血路を開く」
 馬に乗った漆黒の鎧武者。ヤスケ・クロボーズの怪盗姿だ。それが、あえて階上に、名乗りをあげた。
「このブラックサムライを恐れぬのなら、掛かってこい! 我が太刀の錆にしてくれよう!」
 そして、馬で階段を駆け上がる! 当然、相当な迎撃を受けるが、銃をものともしない勢いに、雑魚どもは思わず震え上がった!
 狭い屋内で、馬にまたがる、ただでさえ大柄なヤスケ侍。そして大太刀。その黒き猛威に2階防衛線は混乱。すかさず乗り込んだファントム第二陣は、さしたる被害もなくここを制圧した。
 だが――ヤスケの被害は凄まじかった。糸が切れたように倒れこむ愛馬、そして同じように地に落ちる“ブラックサムライ十八”。
「うわーまったくムチャしちゃって‥‥」
 “はらぺこくまさん”が回復アンプルを飲ませると、ヤスケは嘘みたいに回復した。戦いは、まだ始まったばかりだ。

◆倉庫脱出:ルートはどこ
 表の騒ぎ、すなわち制圧班が動き出したとき、子供の救出班は、第二倉庫を押さえて子供を確保、なんとかなだめて、今まさに逃げ出そうとしていたところだった。
「くっ‥‥秘密裏の脱出はもう無理ですね」
 “月下の蛍灯”はすかさず“蒼雷の蜃気楼”に情勢を確認する。いまやスケアクロウ全体が戦闘態勢に入り、動きが各所で活発化していることが伝えられた。
 制圧班が事務所の1階を抑えこめれば、倉庫側への増援は大幅にシャットアウトできる。だが、カメラでも把握できない外部の見張りや、それこそ敷地外から増援がくると厄介だった。
 そして裏口より、銃を持った一団が突入してきたと、電脳班より伝えられる。
「ファーストフェイズ終了‥‥セカンドフェイズへ移行する」
 “ヌル”はイヤリング型手榴弾を投じ、廊下の先へ煙幕を張った。構成員の視界を奪った隙に、一挙に肉薄、赤外線情報を頼りに、高周波忍者刀を振り抜き先頭の男を打ち倒すや、滑り込むようにしながら靴の隠しナイフで2番目の男の足に麻痺毒を流し込む。
 しかし――こうした騒ぎは、子供達をすっかり怯えさせてしまった。このままでは、ふつうに連れ出すのは難しい。
「わかる、わかるよ気持ちはね! ほらほら可愛いビーグルやネズミくんもいるよ! そうそう君達はここを出たら何をしたい?」
 “クラウド・ナイン”は必死になだめる。“春風の狂詩曲”も飴玉を次々手渡しながら、頭を撫でて回る。
「大丈夫、頼りになる人いっぱいいるからね。もう少しで、吸えるんだ、自由の空気を!」
「危ない!」
 アデライン・エルムズ――風操の射手――は、窓から飛び込んできたコネクターに気付き、急ぎ高級洋傘を広げた。怪盗御用達の超機能傘は、コネクターの銃弾を弾き、代わりにサプレッサーを通した気絶モード射撃をお見舞いし、無力化。
「ね、いい傘でしょ。ちゃんと護ってあげるからね‥‥メレディス!」
 “風操の射手”に言われるよりも早く、“メイデイ”は自身が描かれたトランプを飛ばし、銃を持つ男の手元を切り裂いた。そして戻ったトランプをつまむと、胸元に戻し、すぐに子供らの手を取り。
「ここは頼むね、風操の射手」
「任せて」
「さあ、行くよ。怖い思いは、この手から僕に送り込んで。そして大事な人の手を離さないであげて。もし離してしまっても、再び繋ぐことを恐れないで」
 “メイデイ”の思いが、漂流し死に直面する子供らへの信号となりますように――“風操の射手”はそう祈った。

 強力な電撃鞭とブラッディカード。“サイドスワイプ”は正面からの敵勢力を先んじてそぎ、そこへ周立夏――朱雀――が同じくカードで援護に入っていた。燃えるような朱雀の姿は、子供らを勇気づけていたようだ、が――
「‥‥くそっ、ここを行くしかないのか‥‥?」
 “サイドスワイプ”は、脱出するつもりだった正面口を前にして、立ち止まってしまった。何かを察知した少年が怯え出したので、ドロイドの熊ぐるみをそっと渡してやり、落ち着かせる。
「どうしました?」
 “朱雀”は、“サイドスワイプ”の険しい顔を見やる。
「いや、鴉のドロイドで見るに、とりあえず安全そうなんだけど、ちょっと開けすぎてる。どこかから狙撃されると、これだけの子供らを守りきれない。ペンションまで一気に駆け抜けるにはリスクが大きすぎる気がするんだ」
「でも、裏手は続々増援が‥‥子供を守るためには、どうしたら‥‥」
「おーい、こっちこっちー!」
 どこか気の抜けた声は、黒鳥由理――黒百合――のものだった。廊下を先で手招きしている。
「そこの部屋の上方に通気口があってさ、これがいいカンジに、森側の外に通じてるワケ。ハシゴも見つけてきたから、そこから逃げれば見つかる可能性は減るんじゃねーかな?」
「そんなとこ‥‥通れるの?」
 “ウートガルザ・ロキ”の疑問に、“白きセクメト”が。
「へーきへーき。俺が入ってけっこうヨユーあったから、子供は全員行けるはず。ま、黒百合はここで囮かもだけど」
「お、おう任せとけ! ‥‥仲間が守ってくれるっしょ‥‥」
 “黒百合”はベルトをカチャカチャ、バックルからナイフを取り出し、『こんなんで大丈夫かなぁ』なんて顔をしている。
「わかった‥‥お姉ちゃんについてきて!」
 ひとまず“ポンコツお姉ちゃん”が先導役を務める。通気口は――なんとかいけそうだ。ファントムらは協力し、子供らをハシゴの上へ押し上げ、通気口へと導いていく。
 だが、万事うまくはいかぬもの。
「やだ‥‥狭いとこは無理‥‥」
 激しい怯えをみせる少女。閉所恐怖所なのか、なにかのトラウマなのかは不明だが‥‥
「よし、きみは僕と別ルートで出よう!」
 “春風の狂詩曲”は、特殊なスクリーンボックスを組み立てると、一緒に中に入るよう促した。そことて狭いが、中から外がハッキリ見えるため、閉塞感はほとんどなかった。いわば『中から見れば透明なダンボール』なのだから。
「僕はこれで、いちかばちか、正面から出てみる。この暗さなら、ボックスのステルス機能で見つかる可能性もほとんどないだろうし」
「危険だが、やむを得ないだろう。何かあればすぐ援護する」
 “ヌル”が護衛につく。“春風の狂詩曲”は、少女の頭を撫でると。
「慎重に、大胆に。怪盗はね、こういうのが得意なのさ」

 “ポンコツお姉ちゃん”、そして“風魔玉響”が通気口から外に着地すると、すぐに、そばにいた2人の男に襲い掛かった。バタバタ、と倒れる2人。
「し‥‥しんじゃったの?」
 そおっと聞く少年に、“風魔玉響”は「大丈夫、峰打ちネ」と答えた。
 こうして、敵勢力に発見されることなく森に紛れた一行は、子供らを無事にペンションへ移送。残るファントムも正面口より脱出した――もちろん、超科学ダンボールも、ご安全に闇に紛れて、ペンションの優しい灯りへと吸い込まれていった。

◆正面突破:仮面の男
 事務所では制圧班の激戦が続いていた。彼ら彼女らの支援を受けながら、残るファントムらは、一直線に最上階の『ボス』を目指した。
 仮面の男、クロウ。いかなる逃走手段を有しているか不明な以上、これの確保を最優先すべきとし、有志が、ついにその扉に辿り着いた。
 部屋はあらかじめわかっていた――あえて自ら連れ去られたルイが、己の体内(意味深)に発信機を取り付けていたため、それを追うだけでよかったのだ。
 バァン、と扉を蹴り破いた崎森瀧――ナーガ――は、広い部屋の中央に立つ仮面の男と、そのそばに拘束されていたルイ、そしてその周囲の歳若いコネクターを見るや、音が出そうなくらい眉をしかめた。
「なんて光景だ‥‥軍では人を『モノ』として見る必要があったがそれは両者の納得があってだ。一方的に『モノ』扱いするのは許される事ではない」
「そうそう、商品だからって、手荒に扱わないでくださいね? もう少し放っておかれたら、あーんな事やこーんな事されてたと思うと‥‥むぐぐ」
 仮面の男はルイの口を塞ぎつつ、「しーっ」と言う。
「静かにしないと猿ぐつわをはめるよ。君のような商品を頼んだことはないし、頼むはずもないのだから」
「あれっバレバレでした? うわー殺されなくてよかったー‥‥」
「あれさえやればいいんだな」
 “ティタヌス”はスナイパーライフルを向けたが――まだ撃たない。少なくとも殺すわけにはいかない。相手が動かぬ以上、『機』を待つことにする。
「まさか、怪盗達が押し寄せてくるとは‥‥君らはUNICOの、いや、ローゼンナハトの卵たちだね‥‥? 私はクロウ、このスケアクロウの代表だ」
 クロウはそう言うと、大仰にお辞儀し。
「そして彼らが『ドール』だ‥‥私の忠実な下僕だよ」
 ずらり、と並んだコネクターは、どれも美男美女、だが幼く、そして、うつろな目でおのおのの武器を構えていた。
「カカシの親玉クロウか‥‥おそらく男、そしてかなりの腕前、改造済かは不明。クク‥‥楽しめそうじゃねェか」
 石動詩朗――黒き剣――は不敵に高周波ソードを向ける。
「子供の人生を奪う悪夢の連鎖、断ち斬らせて頂きます」
 厳島火練――不殺のソードダンサー――もまた、ファントムブレードをゆっくりと構えた。
「お前が仮面の男‥‥弱者に力づくで言う事聞かせて、楽しいのか?」
 明神刃――赤髪の鬼面剣士、一閃――が問う。クロウは口元に不敵な笑みを浮かべるのみ。
「今までの事件の再発防止の為にも、ボス逮捕は絶対だね。あたし弱いし、ドール達は任せた!」
 ナタク・ルシフェラーゼは、あえて真っ直ぐに突進した。しかし、クロウのマントが翻るや、恐るべき数のナイフが投擲され、ナタクは思わず足を止め、我が身を守るが、その全身を鋭い刃が切り裂いた。
「くうっ、なんて技量!?」
 たまらず足を止めるナタク、だが同タイミングで、
「人を攫い、好きなように弄り、道具として使う行為、許せないわ」
 リュディア・ラヴィオラ――フェイスレス――は一挙に壁の端まで跳んでから、ファントムボウでクロウを狙った。不安定な射撃でも、必ず届くと信じて――果たして、矢はその眉間に命中した、が。
「なっ‥‥」
 はじかれる。一瞬、何か不思議な力が矢を退けたように見えたが‥‥?
「こらこら、焦るでないよ‥‥せっかくの催し、じっくり楽しませてくれ」
 クロウは芝居じみて両手を拡げる。
「いいでしょう。では聞きますが、セルティックフルート島に目をつけたのは、やはり‥‥?」
 月羽紡――咲き乱れる華、一刀繚乱――の問いに、クロウはうなずく。
「私は別に、怪盗を自認しているわけではない‥‥だが不本意にも、怪盗捜査官に目をつけられてしまったので、その目を逸らそうと思ってね。つてを頼り、ICPOに偽情報を流し込ませてもらった」
「けど、やぶ蛇でしたね‥‥こうして島からの使者に追い詰められたのですから」
 “一刀繚乱”はくすくすと挑発するが、クロウも負けてはいない。
「どうかな、怪盗ではない私だが、怪盗より強い自信があるのでね」
「スケアクロウが人身売買組織なら、ブギーマンなどの人体実験や改造をしている所にも‥‥?」
 タリア・フエンテス――護りの騎士、リンドウ――の問いに、クロウは「まさか」と肩をすくめる。
「うちの商品は、そんな用途に使うような安物じゃないよ。手を加えなくとも素晴らしいのだから‥‥もっとも、このドール達だけは、あえてこうさせてもらったがね」
「貴方は‥‥!」
 アガーフィヤ・コスィフ――アヴローラ――は、こみ上げる思いを、言葉を、必死に留めた。もはやこの男に、社会や正義や義務について語ってなんになろう?
 そこで、核心だけを、問う。
「‥‥やはり貴方の悪事にもダブルオーが関係しているのか? ダブルオーの意味とは?」
「知っていて答えるとでも?」
「ダブルオーとは何か、と言わないならば、その存在は知っている、ってことだね」
 シヴ・ゲイルドッティル――優しき大樹、ユグドラシル――はそう指摘すると、さらに。
「答えなくとも、わかることはある。こちらのこと、セルティックフルートのことを知っていたから、UNICOについてもある程度の情報があったんだよね。先ほどの口ぶりだと、僕たちは招かれたのではなく、想定外だったってことかな‥‥ねぇ、クロウ?」
「ああ‥‥白状すれば、予想外さ。だが、想定の範囲内とも言えるかな‥‥実力で言えばね」
「君はどうして、こんなひどいこと‥‥子供を家族から奪って、なんで平気な顔ができるの‥‥?」
 気色の違う質問を始めたのは、ミルク・マクナイト――ホワイトレイヴン――であった。カラスの相手は、カラスがやる。その思いを秘め、しかし、問わずにはいられなくて。
「パパはどんなに周りと違っても、僕とずっと一緒にいて、笑ってくれた‥‥君の言葉も存在も、僕が全部否定する」
「否定などできはしないよ、与えられた日々を過ごした者に、奪われた日々を過ごした者の想いなどね‥‥さあ、おしゃべりは終わりだ、まずはドール達と遊ぶがいい‥‥!」
 それを合図に、居並ぶ少年少女らが、サーベル・マシンガン・ノコギリ等と化した腕をファントムへ向けた。決戦が、幕を開ける。

 交錯する火線、爆音轟音、煌く剣戟――あっという間に激戦の場と化した部屋だが、ドールらは見事にクロウを守る陣形を保ち、そしてファントムらもまた、お互いを支えあうように立ち回っていた(そしてルイもなんとかファントム側へ駆け込めた)。
「犯罪によって失った物がある身としては、これを捨て置くわけにはいきません。子供達も、私達の未来も、このリンドウが守ります!」
 “リンドウ”はパワーレッグにより高々と跳躍すると、くるくると回って撹乱しつつ、少年ドールの背後に見事に着地、しつつその首筋に一撃、気絶させた。誰もが息を呑む動き――気を取られた少女ドールが、それでもすぐに“リンドウ”へ銃を向ける、が、その肩口にガバメントの大口径弾が命中し、肩から先をぶらりとさせた。
「死なせはしないさ、ドールだろうとなんだろうとね」
 ユウキ・ヴァルトラウテ――戦場の勇気――の渾身の銃撃だった。
「ええ、死なせない‥‥!」
 “ホワイトレイヴン”の狙撃は、ドールの胸元に命中したが、それはエレクトリック弾。強力な電撃を喰らえば、コネクターとて無力化させられる。
 その混戦のさなか、ついに劉文――インペリアルドラゴン・皇龍――が、地を這うようにしてクロウへと肉薄した。
「クロウとやら、偽りに満ちた貴様の力を見せてみるがいい!」
 まずは小手調べ。そのつもりで拳を数打繰り出す。クロウはマントをひらめかせてかわしたり、手持ちのナイフでさばいたり――
「貴様の真実は何処にある? 仮面で顔を隠し偽る案山子よ。内なる闇を俺にぶつけて見せろ!」
「そこまで言うならば‥‥!」
 仮面が突如、激しく発光した。強烈なフラッシュ――“皇龍”は素早く目元を覆い回避したが、数名が対処できず、脳を満たした白い光のために、その場にへたりこんだ。
「それが人を超えた力か!」
 “皇龍”の背後から飛び出すように、王玲瓏――羅刹――が姿を晒し、ファントムワイヤを射出する。仮面に打ち込み、パワー型ギアの力で引っぺがしてやろうかと考えていたのだが、ワイヤは不思議な力で弾かれてしまった。
「くっそ、やっぱあれくらい放ってきやがるか!」
 “天翔ける紅き狼”は行動不能の仲間を助けるべく特殊コインで煙幕を張り、斬鉄剣でドールの追撃を牽制。
「あの光線は一対多数でこそ強いかもしれんな‥‥だが、対処は無理ではない」
 “一閃”は陣形を見直し、お互いの間隔をより広く取るよう促した。全方位への発光でない以上、固まりすぎなければ被害は限定できる。
「アニタ‥‥気をつけて‥‥僕は大丈夫だから、フェンとフレスもいるから‥‥」
 “ユグドラシル”は閃光を浴びてうずくまりながらも、アニタ・フィーニ――テラ・マーテル――を気遣った。狼のフェンとハクトウワシのフレスは、主を守るべく傍にいる。“テラ・マーテル”は、“ユグドラシル”と動物たちの頭を撫でると。
「安心して。シヴ姉さんは私が守る」
 ギアのモーターブレードを全開にして、ドールへ肉薄。驚いた相手のとっさの反撃を、“テラ・マーテル”は華麗にかわし、そしてそのドールには、おもむろに拘束用ネットが撃ち込まれ自由を奪う。これは“アヴローラ”の仕事だ。
 一進一退に見えた攻防は、やがて――

◆制圧班:戦いの模様
 クロウの部屋へと仲間を導いた制圧班。だが、その部屋以外も、制圧が終わったわけではない。
「仮面の男に一発喰わせたいのはやまやまだけど、そこはそちらの面々がやってくれると信じて、この施設を全掌握しよう」
 “怒りの日”は、コネクターが浴びせる銃撃を、顔をアームギアでかばうようにしながら対処し、突進、その回転ノコで機関銃を削るや、レッグギアに仕込まれたレイピアを腹部へねじこんだ。
「ぐふっ‥‥」
「すまない、殺したくはないから‥‥降参してくれよ、頼む」
 だが、洗脳されたコネクターは、そう簡単には降参しない。いまだ抵抗せんとするそいつに、今度は黒スーツの影が――
「粛清の蒼い焔、しかと目に焼き付けるんだな」
 両手の指輪を首筋に押しつけ、電撃――痺れた相手のその首に、今度は手刀を叩き込み、気絶させた。“蒼焔のイリューシャ”だ。
「殺さぬようにすると多少やりにくいが、殺しの技があるからこその『殺さずの技』だ」
「すげえ‥‥」
 “怒りの日”は、いまだ制御しきれているか自信がない己のギアを、もっと我が物にしたいと願った。そんな彼に鎌刀が駆け寄り、銃創に超科学的応急処置をする。
「これでひとまず大丈夫でしょう。動けるなら、他の負傷者をイリヤさんのトラックに運ぶ手伝いをしてください」
「ああ、わかった!」
 “怒りの日”は、震えることなく立ち上がった。

 傷を負えども、前へ、前へ――そう心がけていた“ブラックサムライ十八”は、敵の動きの変化を誰よりも早く察知した。
「なぜだ、急に動揺が広がっているように見えるが‥‥?」
《安心しろ、そう仕向けただけだ》
 それは“カンパニーレ”、つまり電脳班の仕掛けだった。
《監視カメラの映像は、クロウ他、3階のモニタールームで確認できるようですが、それを逆手に取りました》
 マクシムが解説する。
《今、彼らが見ている映像には、可児丸警部やその他の勢力が映りこんでいます。情報担当者の混乱がそのまま、指揮系統の乱れとなっているのです》
《そういうこと。身体を改造したとて電脳戦では無意味だ》
 これは“プロヴィデンス”だ。電脳班は、しっかりと前線を支えていたのだ。
「なるほど、学ぶことが多いな、先輩からは」
 煌宵蓮――ブラック・ロータス――は、突如そこに姿を現し、背後よりコネクターの肘を、刀で打ち破壊。光学迷彩を使用していたのだ。
「同じ機械部品が相手なら、その筋を『斬る』のみ」
「そう、『撃つ』のみ‥‥!」
 それは天空院星――スターシーカー――のアサルトライフル。狙い澄ました一撃は、“ブラック・ロータス”と合わせ、コネクター1体の両腕の機関部を破壊したのだ。
「さすが、コングゲヴェールのカスタマイズはいい出来ですね。しっくり馴染みます」
 アバカンと呼ばれる銃を胸に抱える“スターシーカー”、だがその背後から、別のコネクターがひっそりと近寄り――
「あぶないっ!」
 いや、“覚醒の鐘”がとっさに援護。コネクターの首には麻酔弾が撃ち込まれ、事なきを得る。
「これは‥‥助かりました」
 “スターシーカー”の礼に、“覚醒の鐘”は首を振る。
「いいんだ、これはお互い様‥‥というか、俺たちゃ仲間だからな。俺達はとどめじゃなくていい。仲間がクロウを倒せれば、そして組織を潰せればこっちの勝ちだからな!」

 パァン、と鼻っつらに掌底を喰らった黒ずくめのオヤジは、鼻血ブーしながら、ずるずると膝をつく。かましたのは“はらぺこくまさん”。
「大丈夫大丈夫、ちゃんと殺さないように気を付けてるからね、出血多量にはならないし、それ以上ブサイクにもならないはず――あらっ!?」
 ふとももに鋭い刺激。刺された。どうやら気絶させきれなかったらしい。油断した、まずっ――だが、そのオヤジの体が、今度は横っとびにふっとぶ。
「ダメですよー、殺されないようにも気をつけないと!」
 援護射撃は、パメラ・スタイナーだった。スナイパーライフルごしの無邪気な笑顔に、“はらぺこくまさん”も、脱力系の笑みを返した、血をダラダラ流しながら。
 その向こうでは、仮面の男風に変身した“ブラックスワン”が、敵の戸惑いを利用し続々とエレクトリック弾を命中させていく。そんな様子を見て、“パスクワーレ”は確信する。この制圧は成功する、と。

◆別の戦い:無双
 ところで、施設外でも戦いは行なわれていた。いや、破壊活動というべきか。
「相変わらずロクデナシ共は子供を飯の種にするですね、反吐が出るのです。そんなロクデナシはステラが叩くのですよ!」
 ステラ・ワード――ケアフリー――は、戦闘ヘリのコブラを操っていた。ターゲットは、電脳班から伝えられた、森の奥の秘密ヘリポート。
 座標到達、目標視認。ヘリ搭載の対戦車ミサイルが火を噴き、ヘリとヘリポートを完全に粉砕した。
「この空はステラが頂くのです、てへペロ☆」
《あらー、俺様の得意分野が‥‥ほかにぶっ壊せるもの、ないのー?》
 通信は同形のヘリを操るブライアン・ビリンガム――B・B――からだった。“ケアフリー”は親切に教えてやる。
「それなら、林道を増援部隊が北上中って――」
《まじー? ちょっと大掃除してくるわー》
 転進する“B・B”のヘリ。“ケアフリー”は、車列ごとふっとばして皆殺しにするつもりなのかなあ、とか、ちょっとだけ心配したものの、まあいいか釘を刺すのもめんどいし、ってなった。
 結論から言うと――増援部隊はミサイルの直撃しを受け、ガトリングをアホみたいに浴びせられた。全車両が完全にオシャカとなり、阿鼻叫喚の地獄絵図と化したものの、なぜか奇跡的に死者はゼロだったという。こんな天文学的な確率の事象が発生するなど――
「確率なんて知るかっつの!」
 “B・B”は夜空に吠えた。

◆対クロウ:絶望か希望か
 ――情勢は、ファントムに傾きつつあるように見えた。仮面の男のさらなる光線で、再度戦線を崩されたが、無事だった仲間のサポートで息を吹き返す頃には、取巻きであるドールのほとんどが戦闘不能と化していた。
「さすがに焦る頃だろうに、仮面の奥では何を考えているやら‥‥紡が本気を出しても余裕があるなら、もはや人間離れし過ぎだ」
 “戦場の勇気”がぼやくと同時、“蒼雷の蜃気楼”から通信が入る。
《施設内の制圧は完了間近だよ。増援も逃走手段も潰したって》
「了解‥‥もうおしまいだよ、クロウ」
 タキ・バルツァ――銀の腕――は、クロウに人差し指をつきつけると。
「どんな思いも抱くだけなら自由だけど、場に出されたカードが、思いがより弱く、抗えない者の自由と未来を踏み躙るものなら、僕は弱い者の側に付きたい」
 言い終わるや、その腕を、射出アームを発射した。が、クロウはマントでそれを弾き、
「やはり、UNICOにはお花畑が多いようだね‥‥わからないのさ、エリートのぼっちゃん嬢ちゃんにはね‥‥」
 と、搾り出すように返す。
「ワケなど知りません、子供の未来を奪う者は私の敵‥‥それだけにございます」
 ゆらり、と前に出たのは“ソードダンサー”。
「人生を奪われ、数多の命を奪わざるをえなかった子供がおりました‥‥そして彼女は生き長らえてしまいました。ゆえに彼女は誓ったのです‥‥奪った命の数だけ今ある命を救うと」
 ギュン、とモーターブレードで急加速し、ファントムブレードを振り上げると。
「だから! 私は絶望を他人に押し付けはしない、悪意の連鎖を断ち切る剣乱舞踏にて貴方様方を救わせて頂きます!」
 信念の一閃――マントを振り上げたクロウだが、その刀は、硬質なマントを、いやその奥の仮面をも両断した。左手に深い傷を負ったクロウは、よろよろと下がると、その仮面が落ち――素顔が剥き出しとなった。火傷のせいと思われる、歪んでしまったその顔を。
「その傷跡‥‥」
 “ナーガ”は、ふいに哀れみを覚えた。同情などする気はないが――しかし――
「クク、どうだ‥‥? 傑作だろう、なにせ実の父に犯され、それを妬んだ実の母が、丹精込めて焼き上げた顔だ。私が醜くなれば、また父に抱いてもらえるとでも思ったんじゃないか? クク‥‥私に売られる子供達だって、私よりはマシな人生を送っているはずだとも」
「よく言えたものだ、ここの子らを改造させたのは貴様だろうに」
 “皇龍”が紅の目で射抜く――たしかにそうだ、と日暮真央人――怪盗テイルキャット――と思う。思うのだが‥‥
「親に愛されず、守られず、本来の自分を損なって‥‥何だか、覚えのあるような話ですね」
 愛されることを諦めた時、俺もああなるんだろうか。いや、まだ諦める気ないが‥‥真央人は、クロウの火傷の跡から、どうしても目が離せないでいた。
 そんなクロウは、まるで全てを諦めたかのように、ふらふらと自分のデスクへ向かいながら。
「愛だの、正義だの、平和だの、道理だの、そんなものは全て、それを持つ者の趣味にすぎないんだよ‥‥そんなものが、何の意味もなさない、おとぎ話の世界でしかなかった人間が、『現実』をどう生きればいいかなど、決してわかりはしないのだよ、『そちら側』の人間にはね‥‥っと、よし」
 なんと。喋りながらクロウは、引き出しから素早く、新たな仮面とマントを取り出し、装着した!
「ククク‥‥1つだけだと思ったかい?」
「やられたわね」
 “フェイスレス”は再び矢を放った。だが、またも、それは仮面のバリア機能のようなものに弾かれた。
「今すぐにあんたに言い返せるほどあたしは頭よくないよ。けど、知ったことか、理屈はどうでも、子供達の未来への障害はあたしが頂くよ!」
 “魅惑の火花”が感電鋼糸を構えて跳びかかる。が、クロウのナイフがそれを断ち切る。
「いい切れ味ですね。でも、私の刀はそこらの方々とはかけ離れていますよ?」
 “一刀繚乱”の刀は鋭い。クロウのマントの一部を裂いたが、クロウは恐るべき跳躍で距離を取る。
「くっ、なんて挙動だ」
 “一閃”はとりあえずの追撃中断を余儀なくされる。手下に、分身撹乱用の特殊装置を手配させているが、戦闘激しく間に合わなかった。いや、間に合っても、この状況では設置は難しかったか。
 下がったクロウは、一瞬で他方向にナイフを投じてきた。牽制であり攻撃でもあり、その技量には驚かされるが。
「見切ったぜ!」
 “天翔ける紅き狼”は大胆に身をよじりながらあえて前進し、斬鉄剣を振り上げた。断たれちまえ――だが、クロウは両腕をクロスさせ、マントでそれを防ぎきった。
 直後、クロスを解いたその眉間へ、“ホワイトレイヴン”のエレクトリック弾が命中――ダメだ、バリアが弾く。
 しかし、まだだ。左方から音もなく迫った“黒き剣”が高周波ソードを構え、気付いたクロウも身構えるが――
「!? 目が、目がああ!?」
 激しいフラッシュに視界を奪われるクロウ!
「閃光を放つのは俺も得意でね、ご自慢の仮面にも、『目くらましを防ぐ機能』はなかったわけだ!」
 “黒き剣”の紛れ込ませた閃光手榴弾、さすがのクロウも、連携やフェイントを前に対応できなかったようだ。
「よくも‥‥」
 クロウは、振り上げられたソードから、振り下ろしが来ると予測しマントを掲げた。だが、それも引っ掛け。
「ところがぎっちょん!」
 無防備の腹に、“黒き剣”のゼロ距離からの電撃弾が注ぎ込まれた。カハッ、とうめいたクロウは、ついに、その身を横たえた。
「これがチーム戦というやつだよ」
 “戦場の勇気”は静かに告げると、素早くクロウを武装解除し、拘束した。

 さあ、こいつを島へ送り届けなければならない――しかし、できれば2、3、聞いておきたいこともある。
「可児丸警部に偽情報を掴ませる手腕は見事でしたが、BICOあたりにスパイでも‥‥?」
 タリアが問うても、クロウは動じない。
「だから、知っていても言う義理がない‥‥尋問でもなんでもするがいい、言っておくが、痛みには馴れてるほうでね、クク‥‥」
「少し、いいでしょうか」
 そう言って前に出たのは、アイザック・ブライトンだった。彼は、どうしても、話さずにはいられなかった――いや、彼だけでなく、真央人も。だがまず、アイザックが語りかけた。
「貴方は子供が嫌いでは無さそうだ‥‥」
「そうだね、憎い、という感情はもうないかもな‥‥」
 クロウは薄笑いを浮かべる。
「子供の頃の傷は塞がる事はありません。体の奥底で血を流し続ける。私は‥‥貴方が過去の貴方を傷つけ続けているように見える」
 アイザックの言に、そうです、と続くのは真央人。
「愛らしくなきゃ愛されない。嫌な真実だと、俺も思いますけど‥‥でも自分に価値がなかったからだ、って無意識でも親を正しいと思ってるあたり貴方は愛してたんですね」
 2人の説得は続く。クロウは静かに聴いている。やがて、真央人が詰め寄る。
「今も、愛が欲しくはないですか? 俺は欲しいですよ、愛してくれる人も、愛せる人も。自分と似た子を増やして過去の自分を慰めるより、本当に欲しいもの、盗みませんか? 信じましょう、きっと出来ますよ‥‥俺達でも」
「ククク‥‥アハハハハ‥‥そうか、そうだな‥‥大丈夫だ、真央人くん、君ならできる、愛されることができるとも‥‥」
 クロウはそれからしばらく、狂ったように笑っていたが、やがて、それも収まると。
「‥‥私を救済するつもりなら、よしてくれ。私には地獄か、煉獄か、無間地獄しかない。あるいは虚無かな‥‥わからないのかい? 『インディアンは悪い奴だ』と教え込まれ、何百人も殺した英雄に向かって、ある日突然、『インディアンは本当は友達なんだ、平等さ、差別しちゃいけない、一緒に罪を償おう』なんて言ったとしよう‥‥それで何が救済されるのかな? ヒハハ‥‥世の中にはね、闇があるんだ、誰の手も思いも届かない、深い闇が‥‥いいから殺してくれ‥‥それができないなら、せめて、憐れんでくれればいい、憐れみを、お慈悲をくださいな、ヒヒヒ‥‥」
 たしかに彼には、どうしても届かない、深い領域があるのかもしれない――アイザックと真央人は肩を落とす。が、クロウはこうも言う。
「いいさ、どうせ終わりなんだ‥‥なんでも話してやろう‥‥ダブルオーなんざくそくらえさ‥‥ま、そんなに知ってることはないのだがね‥‥ああ、BICOに情報を流したのは、悪いが私じゃない、ダブルオーの誰かさんさ」
 以下、クロウの話である。

・理由は不明だが、ある日、謎の男が接触してきて、そのバックアップのもと、地元の人身売買組織を乗っ取った。組織はスケアクロウと改名した
・謎の男は、ダブルオーという闇の組織の一員だと明かした。だが、名前は言わず、連絡も、渡された携帯電話や、用意された電子ツールでしか行なえなかった
・ダブルオーは抗争や顧客獲得、戦力増強でバックアップしてくれた。代わりにスケアクロウは、収益の半分と、顧客情報をダブルオーに渡した
・今回の仕掛けはみな、ダブルオーの発案・実行であり、クロウは承認しただけだった

「‥‥この程度だよ、知ってるのは。携帯からもきっと辿れないし、電子履歴も探せないだろうよ。もちろん資料もどこにもない。スケアクロウの顧客情報はあるけどね」
「ところで‥‥組織がスケアクロウで主がクロウなのは何故?」
 タキの問いに、クロウは、にやっとして、答えた。
「カカシとは、憐れな私自身、そして憐れな子供達のこと‥‥クロウとしたのは、カカシをやめたかったからだが、結局私はずっと、憐れなカカシ君に過ぎなかったのだな‥‥」

◆移送:雨のあとには
 皆が合流し、いよいよクロウ空輸の時間だ。
「なぁにしてくれちゃってんの、仮面の男とやらよぉ! てめぇか? 俺らの手足をこーんなのにしてくれちゃったのは?」
 ブライアンが、縛られたクロウに顔を寄せる。
「いや、コネクターは別の組織が――」
「ありがとよ! 俺様、これ結構気に入ってるぜ」
「‥‥全然聞いてないじゃん」
 イーノクは苦笑い。
「本人も思わなかっただろうね‥‥まさか自分が警察に『売られる』なんて」
「これでこの事件も終わりだね」
 サイスとセイスが言い合う横で、イリヤは、クロウの胸元に『蒼い焔』のカードを差し込んだ。
「‥‥これは?」
 クロウの問いに、イリヤは。
「警部殿に無事逮捕されたら、渡してくれ。世に悪が蔓延るとき、粛清の蒼い焔は再び目覚め、燃え上がるだろう、と」

「今回は、かなり活躍したんじゃないかしら」
 ヴェロニカは、エリザベトを見やりながら言う。アルカはうなずき、エリザベトに近づくと、その背をそっと叩いて。
「常に優雅たれ‥‥今回は貴女らしかったわ」
「当然ですわ‥‥と、このワインは?」
 エリザベトに赤ワインのグラスを差し出したのは、イザベルだった。
「お疲れさま、の意味を込めてね。余り物だけど、どうぞ」
「では‥‥うん、なかなか気品を感じる香り‥‥ってコレ、ひょっとして追跡用の余り物じゃ!?」
「わっバレた、ゴメンゴメーン」

 クロウはステラのヘリに載せられた。
「どんなに改造しても人は兵器にはなれないのです、なってはいけないのです」
 ステラは一人ごちながら、コブラを上昇。すぐに、ブライアンのヘリもついてくる。と、そこへ通信。
《おーい、方向が違わない? 島は西だぜ西》
「いえ、最寄りの空港にジェット輸送機が待機してるので、そちらへ送ればいいのです」
《えー? 産地直送したいんだけどなー。俺のヘリ、性能表とは違うからさー》
「どんなに違ってもヘリとジェットじゃ勝負ならないのです。鎌刀さんがせっかく手配や確認をしてくれたのですから、そちらを信用するのです」
《くそっ、空港から競争してやんよ。ジェットちゃんにケツをなめさせてやる!》
 などとのたまうブライアンの声を聞きながらステラは、なんでパイロットってこういうタイプが多いんだろう、と内心ごちた。

 そして。救出された数十名の子供たちもまた、BICOの引き取りを待っていた。
「もう大丈夫だぞ。怖い夢は終わったんだ」
 スイヤは皆に声をかける。これで悪夢は終わりだと信じて。
「子供自身が自分の境遇を選ぶのは難しいけど、操るのは絶対ダメだし、どうせなら楽しく自由に生きられるようにしてあげたいもんね」
 アデラインもまた、裏社会で壮絶な目に遭ってきていた――それでも今は、こうして明るくしていられるのだから。
「戦場で見た、未来を奪われる子供達。それの再現なんか、ごめんだね」
 ゲルトも願う。彼らの前途に、幸せがあらんことを‥‥人生は残酷だが、大きな障害はひとつ、倒したのだから。
「そうだ、人生を他人に金でどうこうされてたまるかよ!」
 ルシアンは、誘拐され、そして救出したメレディスを見やりながら言った。
「子供は可能性の塊。だから『子供を守る』事は『未来を守る』事だと思っている。その為におれ達は『今』をより良いものとし、明るい未来へと繋げようとしているんだ‥‥父さんの受け売りだけどね」
 嵐斗は、警察官の父を浮かべながら言った。立夏はその手を、ぎゅっと握った。
「みんながハッピーな身の上とは限らないけど‥‥生きてれば何とかなるさ!」
「ソラ、それ、あんまり慰めになってないわよ」
 ヴェロニカにツッコまれても、ソラは誇らしげに、いいこと言った顔をしていた。
「しかし‥‥実際のところ、あの子達これからどうなるのかねぇ。BICOに預けるといっても、ちゃんと対応できんのかな? そう考えるとどっか素直に喜べねえんだよな‥‥あの警部がしっかりやってくれるのかねぇ」
 由理がぼやくと、アリスは。
「もちろん課外活動として、BICOを手伝うわよ。身寄りのない子は、素性の確かな里親への引き取りを手配したりね」
「いい保護施設も探すよ。そういうのは得意だし」
 エイプリルも請け負う。
「ネットでの調べ物なら俺も手伝おう。皆の力を合わせれば、きっと出来るはずだと、思っている」
 ソロラも愛用のノートPCを指し示した。
「あとは、親元に帰れる子も、もし帰宅を恐れる子がいたら、細やかな配慮をしないとですね‥‥元いた場所で辛い思いをして、笛吹きの手をとってしまった子がいるかもしれないから」
 メレディスはそう指摘しつつ、さらに。
「課外授業なら、もっと大事なことがあります‥‥この、販売履歴。これを元に‥‥」
「そうですね、人身売買者を逮捕できるし、なにより、売られた子を保護できる」
 フロウティアは顔を上げた。そう、もっともっと救うべき子供がいるのだ。

「おーい、大丈夫?」
 シャールはタキに声をかけた。心ここにあらず、であったから。タキは、弱々しい苦笑を浮かべ、答える。
「怒らないで聞いてくれる‥‥? どうしても、あのクロウって男に、共感‥‥とは言わないけど、同情してしまう部分があってね」
「‥‥タキらしいな」
「彼の所業は許されないのだろうけれど。彼が怪物だとしたら、そうなった原因は、より恐るべき深淵の怪物に取り込まれたからなんだろうって。それが、現実なんだって‥‥彼はまだ生きているけど、彼の純粋な魂は、もう、天に召されているのかもしれないな、って」
「そうかもしれんが、やはり同情はせん」
 瀧はそう割り込んだ。割り込んだ、が――やはり、哀れみは、感じていた。
「少し運命が違えば、彼は、同じ境遇の子供の心を誰より理解し、愛せたかもしれないのですが‥‥」
 アイザックは寂しい笑みを浮かべる。そんな彼に劉文は、優しく首を振る。
「皆の尽力で組織は壊滅させたし、アイザックのおかげで、全てを語らせることができたと、俺は思っている‥‥あと、真央人、お前の説得もな」
「だと、いいんですがね‥‥」
 真央人は素直に喜べない。あの魂は、もっとうまくやれば救済できたのだろうか、それとも絶対に救えない魂もあるのだろうか、だとしたらその境目は――運命よ、それでも信じたい、虹の出ない雨などないのだ、と。
「捕えた『カラス』からは、それほど情報は得られませんでしたが、『情報がない』ということも重要な情報です。そこから、ダブルオーの構造が推測できます」
 マキシムは推理する。超科学、秘密主義、繋がりの隠蔽、そしてその無慈悲さ――もちろん、断定できることはほとんどないが、確信的に感じられるのは‥‥その理念、ローゼンナハトの真逆にある、と。

 クロウは無事に、セルティックフルートへ空輸された。その結果がどうなったか――については、もう1つの報告書に委ねたい。
 かくして、東欧最大の人身売買組織、スケアクロウは壊滅した。少年らの取引は目に見えて減った。そして関わった購買者も多くが逮捕された。これならしばらく、別組織も活動がしづらくなるだろう。
 しばらくして、BICOを通じ、UNICOに感謝状、もとい、『ありがとうのおたより』がいくつか届いた。救出された子供らからのものだ。その中の一通を、ここに添付しておく。

『怪盗のみなさんへ
 たすけてくれて、ありがとうございました。
 おとうさんとおかあさんに売られ、つらいおもいをしたけど、いまはやさしい人に育ててもらっています。これもぜんぶ、怪盗さんがたすけてくれたおかげです。
 ぼくも、大きくなったら、正義の怪盗になりたいです。そうすれば、つよくなって、だれかに好きかってにされることもないし、よわくてだめな自分もなくせるからです。
 つよい仮面と、つよいマントを作って、ぼくもがんばります。これいじょう、ぼくみたいな人をふやさないために』

※本リプレイは、旭吉SDと北野旅人CWの共作として制作させていただきました、ご了承ください。



 18

参加者

b.救助の下準備は任せておいて
ガブリエラ・ユレ(pa0050)
♀ 23歳 弾探
f.楽しめそうじゃねェか、なァオイ。
石動詩朗(pa0059)
♂ 25歳 刃忍
b.【OC】中から外へ、物理的に情報を流すよ。この事件、裏がありすぎるな…
アルフォンス・サインツ(pa0087)
♂ 24歳 弾忍
d.無事帰宅できるよう、力を尽くしますわ。
メレディス・メイナード(pa0098)
♂ 21歳 探魅
c.安全なルートの確保に尽力致しますね。
フロウティア・モリスン(pa0099)
♀ 21歳 忍知
d.「子供を守る」事は「未来を守る」事。父さんの受け売りだけどね。
紅嵐斗(pa0102)
♂ 20歳 英忍
d.無事に連れ帰ってやらないとな!
ルシアン・グリフレット(pa0124)
♂ 22歳 英探
f.あの案山子野郎…ひょっとして『OO』と繋がりがあるんじゃねぇだろうな…
大神隼人(pa0137)
♂ 22歳 刃忍
f.子供たちを守る為にも、ボスはお縄にしなきゃね。
ナタク・ルシフェラーゼ(pa0155)
♀ 24歳 乗魅
d.僕はここだね。子供たちを誘導するよ。よろしくね
ゲルト・ダール(pa0208)
♀ 22歳 知魅
a.どこまで通用するやら…ね。
アルカ・アルジェント(pa0217)
♀ 24歳 弾魅
c.子どもたちを返してもらうわ。
ヴェロニカ・ラプシア(pa0222)
♀ 21歳 英忍
a.リーザについてくよ!私からの情報はばんばん外に流すから安心してねー!
イザベル・クロイツァー(pa0268)
♀ 21歳 弾忍
f.伝えたいことを言葉に乗せましょう。
アイザック・ブライトン(pa0348)
♂ 27歳 探魅
f.八極の真髄、見せてやろう。
劉文(pa0392)
♂ 22歳 英刃
サポート
a.【OC】人身売買組織になりすまして「商品」を運ぶ役割になりつつ…僕も?
ルイ・ラルカンジュ(pa0432)
♂ 24歳 英魅
b.【OC】電脳系の後方支援を行います。必要な所へ必要な情報を回しますよ。
マクシム・ヴェッカー(pa0436)
♂ 27歳 探知
e.【OC】制圧部隊。車はウニモビを用意した。暴れたい奴は好きに乗れ。
イリヤ・ヴォエヴォーダ(pa0440)
♂ 25歳 刃乗
サポート
d.子供の未来は地球の未来。何にでもなれる可能性を潰させはしないわ。
アリス・クラーク(pa0456)
♀ 20歳 刃知
d.気を配りつつ、安全に逃がせるように行動するよ。
栄相セイス(pa0459)
♀ 20歳 知魅
c.色々・・・潜入して、道、見つけられたら・・・。
栄相サイス(pa0460)
♀ 20歳 英探
c.願わくば全ての子供達に幸せになって貰いたい
エイプリル・レモン(pa0679)
♀ 27歳 探知
b.案山子風情が魔女に敵うものか!
エヴァ・マルタン(pa0835)
♀ 27歳 知魅
f.……相手に不足無し、ですか。
明神刃(pa0953)
♂ 20歳 英刃
f.仮面に秘されたその正体を暴かせていただきます。
アガーフィヤ・コスィフ(pa0970)
♀ 20歳 英弾
f.やれることを精一杯やるよ
シヴ・ゲイルドッティル(pa1004)
♀ 25歳 知魅
サポート
e.ボス以外の構成員も逃がしません。全員確保しましょう。
天空院星(pa1054)
♀ 21歳 弾知
d.子供達の妨げになるものを排除するヨ。絶対に助けるネ!
エラ・ウォーカー(pa1057)
♀ 24歳 刃忍
d.必ず助けますわ。
周立夏(pa1061)
♀ 23歳 忍魅
f.隙を見て、か・・・。
集推スイヤ(pa1090)
♀ 20歳 英弾
a.出来る限り情報を集めますね。
集推スイホ(pa1091)
♀ 21歳 英魅
d.盾くらいにはなれるかなーって(洋傘キングス持ちながら)
アデライン・エルムズ(pa1094)
♀ 20歳 弾忍
e.悪党どもに情けは無用。通報も逃走もできぬよう懲らしめてくれよう。
ヤスケ・クロボーズ(pa1163)
♂ 27歳 刃乗
d.ここに。僕なら同じルートを進めるだろうから。
マティアス・リブラン(pa1168)
♂ 20歳 弾魅
f.親玉を倒すのを優先させるか。
崎森瀧(pa1178)
♂ 25歳 英刃
c.任務了解
斑鳩恭耶(pa1232)
♂ 27歳 刃忍
d.あばばば…とりあえず子供は!守るもの!
比良賀ソラ(pa1234)
♀ 20歳 忍知
f.さて、やるか。
ユウキ・ヴァルトラウテ(pa1243)
♂ 27歳 英弾
c.ロクデナシな大人どもめー。やれるだけやってみよーじゃねーの。
アスマ・スィーン(pa1281)
♀ 20歳 英忍
e.やっちゃうですよー!てへペロ☆
ステラ・ワード(pa1302)
♀ 19歳 弾乗
f.一刀にて参ります。
月羽紡(pa1364)
♀ 27歳 刃探
f.やりますね。
タリア・フエンテス(pa1415)
♀ 26歳 刃乗
b.ハッキングなどを分担して行うな。
推橋ソロラ(pa1424)
♀ 22歳 英知
c.脱出経路、探すかねぇ。
黒鳥由理(pa1427)
♂ 21歳 忍探
f.カラスの相手は、カラスがしなきゃ……
ミルク・マクナイト(pa1465)
♀ 20歳 弾乗
a.捜査面でのサポートを行うよ!
推裾スエソ(pa1498)
♀ 20歳 探魅
f.【OC】俺様のヘリで南の島まで直送してやんぜ?派手にぶっ壊すからな!
ブライアン・ビリンガム(pa1505)
♂ 25歳 乗機
e.よーし、がんばろっかなー
シャール・クロノワール(pa1528)
♂ 26歳 刃機
サポート
f.でも、解る気がするんですよね、貴方の事……俺と、とても、近いから。
日暮真央人(pa1555)
♂ 22歳 探機
f.思うところが無いわけではない、からね。
タキ・バルツァ(pa1565)
♂ 23歳 忍機
e.【OC】乗せてもらいます。宜しくお願いします
斧箭鎌刀(pa1581)
♂ 20歳 刃知
f.断ち斬らせて頂きます。
厳島火練(pa1582)
♀ 26歳 刃機
e.邪魔を入れさせないよう徹底的にやらねーとな。
イーノク・オルティス(pa1600)
♂ 23歳 英機
f.人攫いをする悪党は許せないわ。その仮面に文字通り一矢報いてあげる。
リュディア・ラヴィオラ(pa1605)
♀ 22歳 弾機
a.まず排除すべきは自称怪盗エリートのファック女。うん、覚えた(ぉぃ)
ショコラ・ブラマンジェ(pa1623)
♀ 19歳 魅機
a.社交と記憶面でサポートできたら・・・と。
推裾ソスエ(pa1632)
♀ 20歳 魅機
b.主にトラップの発見・解除しようかなって。
エルミラ・ベルトラム(pa1648)
♀ 23歳 知機
e.制圧・・・わかりやすくていいな。
推嵩サスウ(pa1692)
♀ 21歳 英機
e.残す訳にはいかないよな!
暁靫凜音(pa1739)
♂ 22歳 弾探
 オーホホホホ! 私に付いてこれるかしら?
エリザベト・バリンデン(pz0100)
♀ 21歳