【SH08】Treat is Trick

担当 Toro
出発2016/11/03
タイプ イベント C(Lv無制限) 連動
結果 成功
MVP 大文字渚(ka00052)
準MVP 升田 千絵代(ka00869)
吉弘 龍重(ka00291)





オープニング

◆はろうぃん終わらず
 江戸でのはろうぃん仮装行列を終え、今年のはろうぃん祭りは大過なく終えることができた‥‥と、江戸の人々も来世人達も、疑いはしなかった。だが、この催しに先立って、のぼり湯で置きた騒乱を少しでも知る人間であれば、それがいかに甘い考えだったかを考え直し、悔いることもあったろう‥‥全ては、出来事が起きてから思い出すものだ。
「来世人だな。九条蜘蛛次郎鎌足様がお呼びだ。神々の前で、はろうぃん祭を披露せよ、との命だ」
 唐突に現れた数名の烏天狗は、出し抜けにそう告げた。すでに終わった、と来世人が抗弁しても、烏天狗はどこ吹く風。
「大丈夫だ、神代の神々は1~2日くらいずれても誰も気にしない」
 気にするのは披露する側なのだが、神代での来世人の立場はきわめて低い。仮装したまま、抗弁していた来世人も観念したように両手をあげた。

登場キャラ

リプレイ

◆神宴ノ席
「さあさ、お菓子を食べるのだよー。なんならくじ引きでもして選ぶのだよー」
 九条 蜘蛛次郎鎌足はずい、と自らの6本の手を器用に円状にととのえ、手を差し込むように来世人へと突き出す。
 その、あからさまな罠を前にして‥‥割と、来世人達はノリノリであった。是非やらせてくれ、むしろ進んでやってやろう的なノリを見せる彼らには、クモカマ様もにっこりだ。表情がいまいち読めないが。
「じゃあ私からいっちゃうよ? どうなっても知らないから!」
 不動 早苗は、不穏な言葉を残しつつ先陣を切った。すごくいい笑顔をしている彼女は、金平糖をつまみとると色を見ずに口へと放り込む。ごくり、と嚥下(えんげ)する音が聞こえたか否かのタイミングで、彼女は素早く、来世人の側を見た。
「いい体、してるねぇ‥‥?」
 早苗はグヘヘとか言いつつ女性の来世人を舐め回すように見回した。
 吉弘 龍重とクモカマ様の目がひかった。ついでにKKKのぬいぐるみの目もひかった、ように見えた。
「す、ストップストップ、私の胸はまだ早いですよ!」
 餌食になったのは土方 萌だ。必死に引き剥がそうとし、まあ事実引き剥がすことはできたのだが、よもや標的になろうとは。
「いいじゃない、減るもんじゃないわよね?」
 早苗の目がぎらぎらしている。なんかコレ、悪戯菓子の影響ってより普段のリビドーが表出しただけなのでは。
「これからくじ引きをする身としては見せ場が減るじゃねぇか!」
 萌の反論はもっともだ。なにしろ女性二人がくんずほぐれつしていたら気づいたら宴会が終わったなんてこともありうる。ここは彼女に頑張ってもらおう。
(現世と来世でバレなきゃぁどんな恥かいたってかき捨てなんですよ‥‥)
 すでに胸を揉まれて恥をかいている気がするがそれはともかく。萌は割と覚悟がキマっている方だった。覚悟というか、自身の楽しみのためでもあるのだが。
「はいはい、神様が喜んでくれるなら、貧乏くじでも引きますよっと‥‥よっ、っと、はぁ~♪」
 蜘蛛次郎の手の中から引き抜いた金平糖を見ずに口に放り込むが早いか、酔っぱらいのような千鳥足からステップを踏み、湯船で歌うような節回しで歌い始めたではないか。だが、そんな『おふざけ』の境地にあってなお声音には魂がこもっている。どこかステップが激しくなっていき、テンションが上がっているのが見て取れる。もしかして、ではなく。彼女は緑と赤、2つ同時に口に入れたのだ。リズミカルに自らを表現する彼女に覚悟がなかったとは誰も言うまい。ほぼ間違いなく、彼女は進んで自らを投げ打って神々を楽しませようとしているのだ。
「神様達! 雁首揃えて見てるだけで、そんなん楽しいわけあるかー!!」
 森住 ブナは、そんな萌の全力に乗っかった。いつの間にか、赤の金平糖を口にしていたようだ。普段すらかし‥‥明るい彼女がそんなものを口にしたらどうなるかなど、語るまでもない。ドンドンチャカチャカ、どこからともなく響く音楽に合わせて踊っている。
「ワタクシが何かいう前に演奏を始めてしまいましたわ、実に愉快ですわね!」
 高杉 蘭子のテンションがどこかおかしいのは、恐らく赤を‥‥否、彼女は『現時点では』何も口にしていない!
 しかも彼女は、この時点で天照大御神ノ舞を成就させ、自らに付与し、光を抑えているのだ‥‥だが、何故?
 未だ宴の入りであるというのにこの混乱、そして来世人の謎の行動。果たして彼らは無事で済むのであろうか――!?

◆人理ノ際
「素敵な女神様情報くれなきゃ、イタズラするぞー!」
 龍重は、割と欲求に正直だった。黒の金平糖を口にした彼は、悪戯衝動によってクモカマ様へとつめより、ぬいぐるみをぐりぐりと押し付けながら女神様はいないのかと聞いているようだ。
「残念ながら、今日はきていないのだよー。ここにいる神様で全てなのだよー」
 クモカマ様はしかし、無慈悲な現実を彼につきつける。自分の似姿を押し付けられても特に不満げではないのは、器の広さゆえか。
「くっそう、それじゃあここにいる神様に筆先でくすぐったりくすぐられたりしてきゃっきゃしてやるわー!」
 悪戯衝動をうちに秘めた龍重は、女神不在でもなおその衝動を抑えることはできない。走り出した衝動を抑えるすべがないのであれば、ひたすらに発露をうながす他ないのである。‥‥でもなんで筆を持って触手の神様に突っ込んでいったのか。これがわからない。
「こちらは蜘蛛次郎がお作りに鳴った焙烙玉です。煙を吸った場合、悪戯をしたくなる類のものになります」
 藤枝 桜花は、まだ混乱の渦中にない神々の前に静かに歩み寄り、手にした焙烙玉を差し出した。ちなみに彼女、ジャック・オー・ランタンの意匠をほどこしたバルーンパンツを履いているのを始めとして、仮装としてこの上ないインパクトを醸し出している。割とこういうのは楽しんでいる派なのだろうか。
「ほう、悪戯をしたくなる、とな。まあワシらはお主達の乱痴気(らんちき)騒ぎを見るだけでも十分だが、のう」
 狼頭を複数持つ神は、体の正面に付いた狼頭を振るって悩ましげな反応を示した。まったく興味が無いというわけではないらしいが、さりとて自ら混沌に身を任せることは気乗りしない、らしい。姿が混沌としているのに。
「それはこの際、いい機会と思って頂ければ。どうしても無理なら来世人に投げていただいても。悪戯するなら武技かなにかを教えてくれるとなお喜ばしいのですが」
 そう言うや否や、桜花は焙烙玉を狼頭の神に放っていた。足元に転がるよう、自然に預けられたそれに、神は目を丸くするが、小さく唸ってから、前脚で自らが抱えるように引き寄せた。
 若干の驚きをみせた桜花を前に、煙に包まれた狼頭の神はくすりともせず、佇んでいた。
「‥‥何も起こらなんだな。残念だ、ワシの姿で見せられる業(わざ)など、仮にあっても真似できんだろうしのぅ‥‥」
 そうは言っても、一斉に大小様々の狼頭を向け、舌を出して迫る神を前に、桜花はただただ硬直するばかりであった。
 ‥‥大丈夫、この神様は真摯で紳士。
「男渚、度胸の見せ所よォ!」
 大文字 渚は、気合いの入った言葉とともにクモカマ様の手が隠した闇の中へと己の手をつっこみ、乱雑に掴んだ金平糖を口にほうり込んだ。
 それを飲み込むや否や、彼は顔以外すべての着衣‥‥河童装束もふくめてスポーンと脱ぎ散らし、武者兜で股間を隠しつつ踊りだしたではないか。全力で壊れにいった彼の態度に、さしもの神々も興味深げにその動向を見守っている。
「あ、ソレ! ソレ! ソレ、ソレ、ソレェ~、っと!」
 普段からテンション高めである彼にかかれば、裸踊りもこの通り。兜飾りの「愛」の文字もなんというか実に、それっぽくなってしまっている。
「鬼どもにもユーモアのひとつでもあれば和解できそうなモンなんだけどなー、そこんとこどーなんすかね神様?」
 とはいえ、渚も状況に流されるばかりではない。近場の神に踊りながら近寄り、それとなく問いかけた。
「私もよくは知らんのう‥‥なにせ会ったこともない。お前達のいう『ゆーもあ』があったとして、あやつらと同じ感性とは思えぬがなあ」
 意外にも真面目に応じた神に、はぐらかされるかと思っていた渚はやや驚きを感じていた。この場にいる神は‥‥クモカマ様の話に乗ってここに集っているのだから、人間に興味は少なからずあるはずなのだが、それでも鬼は知らぬという。
「教えてほしいな、鬼の事。あいつら一体何なのか? いったい何考えてるの? 苦手なものはあるのかな? 怖いものはあるのかな? 大切な相手の事だからもっと詳しくなりたいな」
 東雲 渓は、その話題に割り入るように、節回しをつけて矢継ぎ早に問いを投げかけた。悪戯菓子を口にしたあとであることは、間違いあるまい。
「‥‥さぁて、どうだろうなあ。何を考えて、何を恐れているかは、度々切り結んだお前たちの方が詳しいとおもうのだが。来世人のことは、大なり小なり嫌って恐れているだろうが」
 だがやはり、鬼について委細を知らぬ神にとっては、詳しくどう、とか、鬼の倫理観などについてはさっぱりというふうであった。
(質問の切り口や内容を変えてみれば、また違った答えが出てくるかしら‥‥ちょっと、興味深いわね)
 升田 千絵代は、混乱の色を濃くする自体を見守りながら、来世人と神とのやりとりを耳に入れ、油断なく知恵を巡らせていた。来世人の力を増す手段は、この機会では得られまいが、しかし鬼に関してわずかでも情報を得られるのではないか、と。

◆未知ノ知
 ‥‥という深い考えがあるかどうかは別として。来世人達は大盛り上がりの様子である。
「あー‥‥やっちゃったー、どうせ脱ぐのですわ」
 蘭子は、全種鷲掴みにして口に放り込むという荒業をやってのけた。結果どうなったかと言えば‥‥ご覧の有様、なのである。もう脱ぐこと前提で顔面ビリジアンブルーになっているかと思えば、ぐわっと顔を上げる。憂いの色は、ない。
「おーっほっほっほ! こうなったらワタクシもろともエロエロになればよかろうですわよォー!」
 ドレスを脱ぎ捨てた蘭子は、ごく自然な移動で早苗の迷彩服の上を剥(は)ぎ取ると、ぐいと腕を掴んで‥‥社交ダンスの『ヒンジライン』の姿勢で一旦動きを止め、体を振って回転、その勢いで手を離し、早苗を回転させ‥‥どうやったのか、迷彩服の下衣もその一挙動で剥いでいた。そのまま早苗をぺたんと床に座らせると、蘭子はそのままビキニを一枚一枚脱いでいく。
 片足をあげ、腕を広げてを左右のステップで行い、正面を向いて光を放つ。まばゆい姿はシルエットでしか見えず、後光とすら見まごうものだ。
 そのまま背を向けて腰を捻り、なまめかしく動く‥‥それらを繰り返す。彼女の卓越した踊りの技術により、人間業とは思えぬ流麗さではあるのだが‥‥何故、そこに全力を尽くしたのか。それがさっぱりわからない。
「さあさあ、仮装して『トリックオアトリート』って言って、相手からのおもてなしを待つんだよ! 神だとか、人だとか。ナンセンスだね! 祭りってのはなぁ、ブレイコーと昔から相場が決まってやがんでぇ!!」
 ブナも、勢いを全く衰えさせずに神々を巻き込むべく尽力していた。惜しむらくは、仮装ができるほど人間的な体型をした神がいないこと。救いがあるとすれば、神の姿がすでに仮装顔負け‥‥というくらいか。
 狼頭の神との交流を終え、なぜか着衣が乱れてやや全身が湿り気味の桜花も、狂乱の様相に交じるように踊っている。いつの間に2つ目の悪戯菓子を口にしたのか定かではないが、楽しそうなのでよしとしよう。渓もまた、その流れに沿うように踊り続けている。
「神様がトリート(見返り)くれるってんなら私だってねぇ!」
 萌もまた、巫女服を脱ぎ、テンション高く踊っていた。ひとしきり踊った後に膝から屈して自らの行為に後悔するまで、蘭子と動揺のムーブとは大したものである。
「ほーらほらほら、まだまだ悪戯すアッー! ア゛ァーッ!」
 龍重は、触手を生やした神に挑みかかり、筆と触手の一騎打ちにでていたが‥‥ポトリ、と落ちた筆を見れば、その結果は一目瞭然であろう。
「まだヘタるには早いわよ、きっちり鬼について聞かなきゃいけないわ!」
 千絵代はそう言うと、ぐったりしている龍重を鞭打ち、奮い立たせようとする。『隠されし特殊な趣味に覚醒する可能性が一打毎に幾何級数的に高まる』という触れ込みの鞭で叩いたらさらに混沌としたことになりかねないが。
「そーいや、鬼の大将が『鬼が溢れ出す』みたいな事を言ってたけど。え‥‥なに、地下に鬼埋まってる系?」
 興奮から立ち直った渚は、鬼がどこから来たのか、についてあらためて疑問を口にし、神に問いかけた。封印されていたとするなら、むしろ封印した人がすごいのだろう、とも。
「地下かどこかはわからんなあ‥‥そも、話を蒸し返すようで悪いのだが、ワシは鬼と会ったことがないのだ」
 渚の問いに、神の一人は頭をひねる。その身振りから、それが嘘であるとはとても感じられない。どうやら、事実であるようだ。
「さっきも似たようなことを聞いたわ。見たことも聞いたこともない、というのはどういうことかしら?」
 千絵代は、即座にその言葉に疑問を挟み込んだ。徐々に狂乱の様相が収まりつつあり、一部の来世人が潰れ始めた状況で、しかし彼女は落ち着いて周囲を見て、聞いていたようである。
「言葉通り、じゃな。二百年前から百年前にかけて、ワシも『大人しい姿』で俗世に降り、人間に接しておったが‥‥鬼の話などついぞ出たことがなかったのだ」
 狼頭の神は、ふるふると頭を振ってそういい切った。言葉通りであるならば、鬼が俗世‥‥つまり人間の世に現れたのは、直近百年に満たない期間からであるようだ。
「なるほどなー、昔は鬼もいなかったんだねぇ‥‥あ、クモカマ様、この神様に金平糖を。あとこのグミもどーぞ」
 話を横で聞いていたブナは、うんうんと頷いてから、自らの手のひらにグミを乗せ、狼頭の神に振る舞った。鼻先で転がす神の様子は‥‥そこだけ見れば、穏やかなものであった。
 神代の宴会は、狂乱と波乱、そしてあらたな謎を生み、過ぎていく。



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参加者

a.かかってこいやー!
大文字渚(ka00052)
Lv144 ♂ 19歳 武僧 来世 婆娑羅
a.くっ、ここは身を捨てた方が楽しいという芸能人の悲しい性が。
土方萌(ka00069)
Lv131 ♀ 18歳 武神 来世 異彩
a.なるほど。話は聞かせてもらった。
吉弘龍重(ka00291)
Lv150 ♂ 17歳 武忍 来世 大衆
b.神様達の積極的な参加を促してみるよ~
森住ブナ(ka00364)
Lv160 ♀ 15歳 神陰 来世 異彩
b.神様からの呼び出しには応えねばなりませんわね
高杉蘭子(ka00512)
Lv287 ♀ 20歳 武神 来世 傾奇
a.こういうものは参加してこそかと。踊る阿呆にとも言いますし
藤枝桜花(ka00569)
Lv223 ♀ 23歳 武忍 来世 大衆
c.教えてくれないと悪戯よ
升田千絵代(ka00869)
Lv168 ♀ 25歳 武陰 来世 異彩
b.よろしくお願いします。
東雲渓(ka01290)
Lv175 ♀ 21歳 武神 来世 異彩
a.折角だから籤をひいちゃうよ!どうなっても知らないから
不動早苗(ka01640)
Lv124 ♀ 26歳 武流 来世 異彩
 たのしいはろうぃんを演出してほしいのだよー。
九条蜘蛛次郎鎌足(kz00000)
♂ ?歳 神々