【SH11】狙われた善光寺

担当 K次郎
出発2017/04/15
タイプ ショート C(Lv無制限) 連動
結果 成功
MVP 筒井蔵之介(ka01755)
準MVP 藤枝 梅花(ka00566)





オープニング

◆鬼に釣られて善光寺
 鬼の出現。狙われているであろう善光寺。
 なぜ、善光寺が狙われるのか? 高野山が襲われたのと同じような理由があるのだろうか?
 わからない。だが、わからないなら調査してみるしかあるまい。
「わっ、こんなに大勢来世人が来るなんて!」
 やって来ました善光寺。

登場キャラ

リプレイ

「修学旅行は京都行く予定だったんだけどよ、なんで善光寺なんだよ」
 最近こちらへ来たばかりの来世人、筒井 蔵之介がぼやく。まだこちらの状況にはイマイチ慣れていないようだ。
「まぁいいか、ちょっとお姉さん、俺に善光寺案内してくんない?」
 それでも、やることはやらねば。少なくとも自分よりは間違いなく現地に詳しいであろうお林にチーッス、と頭を下げる。
「ええ、いいけど‥‥その髪型って来世で流行っているの?」
 お林が指摘した蔵之介の頭は‥‥。
「お、これか。これはリーゼントってんだ。気合入ってっだろ」
「気合‥何か己が意志を示すような髪型なのかしら」
「まぁ、そんなとこだ。これは俺の誇り、そこんとこ夜露死苦」
「へー、中々奥深いのね」
「まあな」
 顔を、といっても主に頭だが、女の子にジロジロと見られるのは悪くない、と思う蔵之介であった。
「ぐぬぬ」
 そこへ嫉妬の混じった視線を向けているのは吉弘 龍重である。俺の方が先に話し掛けるつもりだったのに、的な。
「あ、おまえは確か‥‥」
 が、お林が龍重に気付く。
「いやー、奇遇だなぁ。あ、そうだ、これはお近づきの印に‥‥」
 心の中でガッツポーズしつつ、平静を装い龍重は何か取り出す。
「これは?」
 紺色の‥‥なんか布?
「すべすべしてるな‥‥絹でもないし?」
「これは来世ではお林ちゃんぐらいの年頃の子が着るものだから」
「ほー、来世の服なのか‥‥じゃ、じゃあ、ありがたくもらっておくよ」
 龍重からそれを手渡され広げてみるお林。
「ス、スク水っ!」
 その様子を見て思わず吹き出しそうになる蔵之介。
「やべぇ、龍重くんパねぇわ。やべぇ」
 こいつはやべぇパイセンだ、と蔵之介は恐れにも似た感情を宿し龍重を見る。
「ら、来世では大半の娘さんが着てるはずだし‥他意はないぜ!」
 穢れ無き(自称)瞳で龍重は弁解する。
「そうなのか?」
 とお林が問い掛けた相手は茂呂亜亭 萌瑠だ。
「えー、まぁ、最近はそうでもない面もあるようですが、確かに着るのは若い女性がほとんどですね」
 いつもは愛想の良い萌瑠が、なんとも微妙な顔をしながら応える。
「だが、私はおまえの服の方が好みだな」
「あ、これですか? これは来世の江戸の‥‥神田明神にほど近い場所で流行っている服なんですよ」
 萌瑠は自らのアキバメイド衣装をヒラヒラさせながら話す。まぁ、間違ってはいない。
 まぁ、そんなノリで善光寺散策が始まるのであった。
 ホントに大丈夫か?

「え、駄目なんでしょうか」
 どうやら大丈夫ではないらしい。
 いや、散策の話じゃなくて、五百田 衛の言である。
「いや、いくら来世人の方のお願いでも軽々しくお見せするわけにはまいりません」
「んー、そうですか」
 首を振る僧。
 衛のお願いとは、善光寺に収蔵されている古文書のようなものを拝見したい、ということなのであった。もちろん、簡単に見せてもらえるとは思っていなかったが、好奇心も手伝って、真っ先に頼み込んでいたのである。
「そこをなんとかなりませんか? もしかしたら鬼に襲われる理由をしる手掛かりが見つかるかもしれないので」
「そうですねぇ‥‥照元様に許しをもらえれば、あるいは」
 見せてもよいかもしれないものもあるだろうし、見せられないものだってあるかもしれない。僧の一存ではなんとも、というところだ。
「わかりました、照元様に聞いてみましょう」
 と頷く衛であった。
「‥‥」
 しかし、それはそれで一筋縄ではいかなそうである。

「はぁ、今、なんと?」
「ですから、高野山の話を‥‥」
「ああ、長者さんの話を。はいはい」
「‥‥なるほど、そういうことですのね」
 照元に話し掛けている高杉 蘭子は察する。この老僧、かなり耳が遠いな、と。現代ならば補聴器とかあるのだろうが、ここは寛永、そんなものはない。
「仕方ありませんわね。ぺったん子、よろしくて?」
 蘭子が合図すると、壁が‥‥いや、壁と思われていたものが動い出す。ぬりかべのぺったん子だ。
「ぎょええ、か、壁が!」
「さっきこの子が来るのを見てらっしゃいましたわよね‥‥」
「おお、そういえばそうじゃった」
 との照元の返答に何か言いたげな蘭子だが、ここは我慢だ。
 そして、何故か口紅を手に取ると、ぬりかべの身体に文字を書き出す。
「あら、達筆ですねぇ」
 とは藤枝 梅花の言葉。
「ええと‥」
 なんと書いてあるか読もうとしたが、しっかりとは読めない。この時代の文字にもかなり慣れてはきているが、読み書きを十全にこなせるわけではない。蘭子のようにそっち方面の教養があれば別だが。
「ふむふむ」
 それを読んでか照元はなにやら頷いている。
 何か鬼に襲われる心当たりはないか? 高野山が襲われた時の例を出し、問うている内容らしい。
「心当たりと言われてものう」
 首を捻る照元。
 まぁ、鬼に襲われる心当たりなんぞそうそうあるわけがない。
「そうですよ、お茶でも飲みながらゆっくりお話ししましょう」
 と、何かお高めの茶碗に茶を点ててスッと差し出す梅花。道具を一切合切持ち込んで即席茶会である。
「おー、これはかたじけない」
「焦らずに、蘭子さんもどうぞ」
「ええ、いただきますわ」
 ぬりかべを前にちょっと険しい顔をしていた蘭子も表情を緩める。
「こうなると、お茶菓子が欲しいところですね」
 と、いつの間にかちゃっかり衛も座っている。現れるなら茶菓子の要求。
「ええ、お茶菓子はこの辺りで買おうと思ったのですが、ねいさまが‥‥」

 その藤枝 桜花ねいさまは何やら頑固そうな僧と何やら話している。
「台所を使いたいだと? いかんいかん、ここは拙僧らの持ち場だ。立ち去られよ」
「そこを、なんとか、お願い出来ませんか」
 それでも、と桜花は頼み込んでみるが。
「だめだ」
 の一点張り。
「鎮元さん、どうにかなりませんか?」
「そうですなぁ‥‥この者は、こういったら頑として動かぬので‥‥」
 と、同行した鎮元も歯切れがわるい。
 まぁ、簡単に厨房を貸してくれるか、というのはケースバイケースだろう。
「仕方ありませんね、他に調理が出来そうな場所は‥‥」
 ない事もないだろうが、すぐに見つかるか、というと謎である。
「それなら私が探しに!」
「いやいや、私が!」
「まてまて、私が‥」
 と何故か寄って来る若い僧たち。そういえばさっきから視線を感じまくっていた桜花であった。彼らの視線だったのだろう。
 何やら好意的に対応してくれる僧もいるようだ。
 彼らを伴い、別の調理場を探すのであった。

「―――で、そのお血脈の印を持ったまま鬼武者はですね、スゥーっと極楽に、あ、でも鬼だから地獄か」
 チャンチャン。
 萌瑠の古典落語『お血脈』のアレンジバージョンが一席打ち終わる。善光寺を舞台にした落語だ。
「へー、極楽往生出来る印か、そんなものがあれば便利で」
 落語を楽しそうに聞いていたお林。
「私も特に実在しているものだとは聞いてませんね」
 と萌瑠。
「でも、拝んだだけで極楽往生疑いなし、っていうのならここにもあるよ」
「え?」
「あれ」
 と、お林が指差したのは3つの燈明だ。
「なんでも善光寺開闢以来絶やされることなく灯されているのだとか」
「へー、お姉さん物知りだね」
 蔵之介、よいしょ。
「褒めても何も出ないよ」
「え、別にそんなつもりじゃねーし、じゃあ、いいこと教えてもらった俺にこいつのお腹さわる?」
 そういうと蔵之介は、ずいっと連れて来たゴマフアザラシのマゴちゃんを抱え、お林に差し出す。
「え、いいの?」
「おう」
 蔵之介が頷くのを確認し、恐る恐る手を伸ばすお林。
「きゅー」
 マゴちゃんが鳴いた。
「うわっ」
「もっと触っていいからさ、もっとここの見どころ教えてくれよ」
「仕方ないわね。じゃあ、ついて来て」
 何か琴線に触れたのか、笑顔で請け負うお林であった。

 さて、照元の方は、というと、中々に苦戦していた。
「戦国時代はこちらの仏像や僧の皆さまは武田や上杉などの庇護下を移り変わり、家康公が信濃へ戻したのを秀吉公が勝手にゲットしてしまった、ということですわね」
 蘭子がどうにか聞き出した話をまとめる。
「確かに来世に伝わっている史実もそんな感じでしたかね」
 と衛。どうにか見せてもらった書物に記されていたのも概ねそんな感じの内容だ。
「さすがに、秀吉さんが病に罹り、ここの本尊を奪ったせいだといわれて、再度戻した、という記述まではここには見当たりませんね」
 照元の話と書物に記されたものが同じとは限らない。
「その辺りは噂の範疇、という可能性もありますわね」
 推論を述べる蘭子。
 しかし、この程度では襲われる理由になるのか何とも言えない。鬼の首領が秀吉だ、という話もあるが、その辺が関係しているかは不明だ。
「ご本尊の『一光三尊阿弥陀如来像』が『絶対秘仏』だというのはまぁ、そこそこ知られた話ではありますね」
 本尊に関して何か記述が無いか、と書をめくる衛。しかし、これといって手掛かりになるようなものは出て来ない。
「そもそも、本当に秘仏、がここにあるのかしら」
「たわけぇー」
「!」
 疑問を口にする蘭子に反応したのか、照元が声を挙げる。
「‥‥?」
「あら、寝てらっしゃいますね」
 顔を覗き込んだ梅花は、寝息が漏れるのを確認する。
 お爺ちゃん。
 大勧進を統べる貫主といえど、お爺ちゃん。
「少し休んでいただきましょう。起きた時に備えて、また湯を沸かしておきますね‥‥あとはねいさまの茶菓子が間に合えば」

 で、桜花は餅屋の前にいた。
「あれ、桜花さん」
 店から出て来た萌瑠が彼女を見つける。
「どうしたんですか?」
「ふむ、少し色々ありまして、気が付けば何故か門前町の観光案内に‥‥」
 桜花の取り巻きにはなんかテンション上がり気味の僧たち。
「で、そちらは何を?」
 餅屋からもちろん。
「これを土産にゲットしてたのさ」
 餅をもちながら出て来る蔵之介。
「前に、照元様が、若い頃はコッソリ抜け出してここのお餅を食べてたって聞いたら」
 とお林。
「なるほど、この際、手間は省きましょう」
 桜花は頷くと、彼らに茶菓子を用意しようとしていた事情を説明する。
「なるほど、では、この餅をとりまして‥‥貫主様におとりもち、いたしましょう」
 ひょい、っと餅の包を摘み上げる萌瑠。
 後はこれを照元に食べてもらうのだ。
「しかし、町はかなり発展してるな」
 辺りを見回し呟く龍重。
「徳川の世になってからは、家康公が寄進をして復興を手助けしたおかげでもあるの」
 何とも複雑な表情をするお林。
「良い町並だけど、戦い向きじゃないなぁ」
「そりゃあ、善光寺を攻める、なんて罰当たりもいいところだものね。って、さっきから、ここは防衛するならここがどうとか、裏の山手から攻められたら大変だ、とかもう少し愉しんだら?」
「いや、えーと、はい」
 お林に諭される龍重。
「でも、本気で鬼から守ろうと考えてくれているのは嬉しいけどね」

 そして、餅は照元のところへ。
「おおー、この味は‥‥懐かしいのう」
 昔を思い出す味?
「そうじゃそうじゃ、ご本尊じゃがな‥‥」
 唐突に話し出す照元。
「若い頃に当時の貫主様から聞いた話では‥‥天竺から持ち込まれたこの日ノ本で初めとなる阿弥陀如来の像とうことじゃ。それには逸話があって‥‥」
 じりっと距離を詰め話を聞こうとする来世人。
「えー、と、んー」
「お茶をどうぞ」
 ここは喉を潤すべきか、タイミングよく梅花がお茶を差し出す。
 ズズッと喉に流し込み。
「そう、かつて聖徳太子が『難波の堀江』に沈んておった本尊に触れられてな、そこでなにかを為された‥‥と伝えられておる」
 突如、浮かんだ『聖徳太子』というパワーワード。
 これは、鬼に関係あるのだろうか?
 そして、聖徳太子が為した、何か、とは?



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参加者

b.来世ファッション好きだと聞きましたのでご用意しました。
吉弘龍重(ka00291)
Lv150 ♂ 17歳 武忍 来世 大衆
z.aかcですね…
ナタリア・ロス(ka00471)
Lv174 ♀ 24歳 陰忍 来世 異彩
a.何かわかるとよいのですが
高杉蘭子(ka00512)
Lv287 ♀ 20歳 武神 来世 傾奇
c.寺の古文書を調査させていただけないかと
五百田衛(ka00535)
Lv223 ♂ 20歳 神陰 来世 異彩
a.お茶なんぞをご馳走しながら根気よく聞き込んでいきますね☆
藤枝梅花(ka00566)
Lv206 ♀ 22歳 神陰 来世 麗人
a.善光寺の大勧進にはたしか武田信玄と上杉謙信の位牌があるのでしたか
藤枝桜花(ka00569)
Lv223 ♀ 23歳 武忍 来世 大衆
b.えー、では散策の後は場所をお借りしまして、落語「お血脈」を一席。
茂呂亜亭萌瑠(ka01356)
Lv136 ♀ 23歳 神傀 来世 麗人
b.おっ、おっ、修学旅行先でナンパって感じだぜ
筒井蔵之介(ka01755)
Lv151 ♂ 17歳 武誓 来世 異彩
 あっちにも来世人、こっちにも来世人。来世人来世人来世人!
疾風のお林(kz00044)
♀ 17歳 大和