【開発】永遠の剣刹那の闇

担当 成瀬丈二(代筆:北野旅人)
出発2017/11/19
タイプ ショート C(Lv無制限) 日常
結果 成功
MVP 平口工助(ka00157)
準MVP 湧口 瑞希(ka01873)
根子 ナラ(ka01549)





オープニング

◆言霊狩り
「違う! これじゃ、俺の魂がこもらないんだ!」
 来世人のために刀を鍛える若き刀工『忠二(ちゅうじ)』は、鍛えあげた刀を前に、ひとり叫ぶ。
「やはり、打つ時に念じる言葉が悪いのか──永遠の虚無より来たれ、絶望の風‥‥あらがうものに闇のくちづけを──く、ダメだ!」
 忠二はいいながら、包帯を巻いた左腕を押さえつける。


登場キャラ

リプレイ

◆向かうは煉獄
「中二的‥‥もといアカシックなノートを無くした。無くした人は鍛冶屋さんを訪ねていた。その鍛冶屋さんが中二病‥‥もといアカシックなパワーワードに目覚めて来世人を頼った、ということは‥‥」
 空木 椋が状況を整理すると、マティルダ・モロアッチは、「なーんだ」と肩をすくめ、鷹の機巧を手元に戻す。
「確定的に明らかなんだね、どこにありそうか、は。なにも上から探すまでもないんだ」
 マティルダは思う。こういうのは誰かに拾われているのがお約束と思っていたが、まさかこんな展開になるとは、と。
「日本には難儀な人達がいるもんだねえ。まあいいや、せっかくだし皆で一緒に訪ねようか。風彦と一緒に仕事するのも久しぶりだし」
「うん、よりによってこんな難解な依頼で一緒になっちゃったけどね」
 伊吹 風彦は疲れたような目で久里を見やる。なにかぶつぶつ言っている少女のおかげで、どうやら中二的なことをさせられることになったのだから。
「私の芸名も中二感があったのか、ギルドから指名されちゃったよ」
 希有亭 波新も苦笑する。そもそもそんな芸名は、自分でつけたのか師匠につけられたのかは議論の余地があるところだが、今回これ以上の面倒事は控えさせていただく。
「おぉー、こう眼帯とかカッコいっよな!」
 平口 工助は、雷キジムナーの『ライ』を肩に載せたまま、久里に笑いかける。眼帯セーラー少女に対し、工助も眼帯、傾奇な浴衣に巨大長巻、肩に妖怪周囲に鬼火という、なかなか中二なスタイルだ。
「海賊の衣装なら持ってっぜ。ハロウィン用だけどいるか?」
「海賊なんて下賤な格好はお断りだ。ポセイディーナの高貴なドレスを頂戴」
「ぽせいでぃーな? ‥‥いたっけそんなの」
 工助は『知ってる?』的に皆を見たが、みな一斉に首を振った。
「さて、無くした場所が分かっているのなら、あとは返してもらうだけですね」
 根子 ナラはそう言いながらも、そんな簡単にいくかな、と考えていた。忠二が拒否したらどうするかとか。はたまた、シラを切られたら――

◆中二の力学
 忠二の鍛冶場に着き、いったんは歓迎されたギルド員だが(呼んだのは忠二だから当然)、ノート返却の旨を告げると、忠二の顔色は変わった。
「は、はて、なんのことかな? 俺はそれらしいものを見た覚えはないが‥‥」
「ならばなにゆえ、なにやら来世めいた言葉を求めた書状を送ったのです?」
 大和人の湧口 瑞希が詰問する。大和人、でなくともわかるが、忠二の手紙は明らかに来世の(というか中二病の)影響を受けたものであった。
「それはだな‥‥そ、そう、天啓! 冥界より選ばれたのだ、俺は! 定めし運命が俺の記憶を呼び起こしたからなんの問題もないのであって、ノートなど見た覚えもないし隠したことも‥‥」
「そんな‥‥アレがないと、私は‥‥」
 どっ、と膝をつく久里。それを見たナラは、いそいそとミニスカサンタに着替えると、KKK由来の真っ赤な鞭を取り出し。
「ハハハ、愚かなり水底の騎士! いや、橘 久里。所詮は貴様もニンゲンという事か!」
「な、何を!? あっ痛い!」
 ビシィ。ナラの鞭が決まる。
「選ばれしノートを失うということは、もとより資格がなかっただけのこと! 貴様のような卑賤な輩が、森羅万象をレコードなどと笑いすぎて片腹痛いわ。そのような身の程知らずはこうだ――!」
「ああっやめて、私は、私は‥‥!」
「つまりはそのノートに書かれたことも、しょせんはくだらぬ妄言に過ぎなかっただけのことよ! わかったか脆弱なる凡愚の子――」
「待ってくれ、悪かった、俺が隠してたんだ!」
 忠二は、久里をかばうようにしてナラの鞭を受ける。そのとき「あぁん♪」となにかに目覚めたようだが、今回これ以上の面倒事は控えさせていただく。
「あ、あれは凡俗が書いたものなんかじゃない! 真に選ばれた超越存在が書いたものでなければ、俺が神命に覚醒することもなかったんだ!」
「おや、なんだかステキな論法で自白を引き出されましたね」
 藤枝 梅花は、感心感心とナラに微笑むと、忠二にも微笑みかける。
「それにしても、刀鍛冶屋さんが中二病ぽくなってもあんまり違和感有りませんねえ。やっぱり刀を作るという行為自体がそれっぽいからでしょうか」
「あーわかっな、それ。俺は好きな子に合わせてポエム書いた過去が! 黒歴史!」
 工助がナハハと告白。
「来世の引き出しに残したままじゃないといいですねえ。さて、そろそろ本題に入りますか?」
 梅花が話を向けると、忠二は背筋を伸ばして。
「そ、そうだ、ぜひお願いする! 見たところ、みな一流の、真の英霊とお見受けした。ぜひ、俺の刀創作のための、天に秘されし真言を!」

◆今年のパワーワード大賞
「まあ、噺家の端くれとして、言葉の言い回しは得意なんだけど‥‥中二病的台詞ね」
 波新は血に染まったような忍者装束のまま、両手に忍者刀を構えると、玄武水帝占術、からの朱雀炎帝占術を成就させ、人魚の尾と紅の翼の幻影を纏った。
「おおおっ!?」
 圧倒される忠二! そして!
「闇よりも漆黒の鉄よ、我が魂の槌に鍛えられ、疫讐(えきしゅう)を刈る刃となりて生まれ出でよ!!」
「エキシュウ!?」
「水底より産まれし聖なる大太刀、名付けて『疫讐刈刃(えくすかりばー)』!!」
 波新は両の刀で『架空の大太刀』を振り回す!
「おおおおお‥‥神よ‥‥」
「いやー、厨二病セリフのはずが、刀剣の駄洒落になっちゃった。アーサー王は何処だ」
 波新はギルド員に向け、頭をポリポリしながら下がる。続くは梅花だ。
「まあ折角ですから、演技力を駆使して実演して見せましょうか。楽しそうですし」
 梅花は姫ロリ婆和ゴス装束、そしてプロ仕様のサングラス姿で、壺中天道術を成就させた。世界が、モノクロの特殊空間へと変化する!
「な、なにが!?」
 面食らう忠二!
「今時空にアストラル界から干渉し切り離した。この空間は私の世界‥‥」
「あすとらるのおおかみ!?」
「いでよ我がしもべ。我が名において!」
 梅花は続けて式神を生み出す。忠二は呆けた顔をするばかり。
 ――で、やがて通常空間へ戻ると、今度は工助が、自慢の一振り、『怨鬼』と刻まれた謎の長巻を忠二に見せる。刀鍛冶としては、当然、とっくりとそれを眺める。工助がにこやかに問う。
「怨鬼。名前からしていいじゃん? しかも無銘なところに心くすぐられねぇ?」
「これは‥‥名物だ。だが、上品さがなく荒々しさばかりが見える。いかなる想いでこれが鍛えられたのか‥‥っと、その手は一体!?」
 忠二は愕然とする。いつの間にか工助の両手が、漆黒の炎に包まれていたからだ(漆黒ノ掌、成就しました)。そしてその手で、怨鬼を掴み、振り上げると。
「地中奥底深くから湧き出る怨念と共に蘇りし暗黒の炎纏わし者‥‥ぜりゃあ!」
 ぶぅん、という長巻のうなりと、肩に乗ったライの放った雷撃がシンクロし、鍛冶場の空気が激しく揺らぐ! 忠二はぺたんと尻もち。
「‥‥どう? いかにも地獄の使者っぽくて良くねぇ?」
「まさしく、地獄よりのシ者だ」
 と評価したのは久里のほうで。

「刀を打つ時に気合いが入れるのが大切なら、愛の力で変身して悪と戦い世界を救う魔法少女はどうでしょうか」
 椋はそう言いながら、セクシーな魔女衣装を、忠二に提示した。
「こ、これは‥‥これまでとは何か違うような‥‥」
「こんな服で、髪はポニテとかツインテールなのです、手伝うので着てみますか?」

 まげをばらし、強引にポニーテールにされた忠二は、魔女の杖を持ちセクシー魔女のコスをしながら、ぼーぜんとたたずんでいた。
「さあ、教えたとおりにやってみてください」
 椋に促されるが、忠二はおずおずと杖を持ち上げるばかり。
「こ、これはなにかその、全然違うような‥‥」
「何をおっしゃられますか!」
 と、いきなりグイグイきたのは瑞希だった。
「来世人様の知識を取り込み、さらなる進化を目指すその心意気に感動していたというのに‥‥貴殿の覚悟はその程度だったのですか!」
「えっ、いや、そんなわけでは‥‥」
「及ばずながらわたくしも力を貸します! されど来世の言霊には疎い故、別の形での手助けを致しましょう! 内側から溢れるその思い、この菓子で更に燃え滾らせるのです! そ‥‥…炎と鋼を統べる王の如く!」
 瑞希が差し出したのは、queenな悪戯菓子、KKK製の、女王様のような気分になるというブツだ! 食べちゃった忠二、いきなり目をキラッキラさせて、魔女杖をブンブン、腰だってブンブン、くるくるり~んとスピンすると!
「をーっほっほっほ! 悪臭漂う変態少女趣味なおぢ様は、例え天が許しても私が許しません! ママに代わっておしおきよ★」
「そう、それです! 大事なのは愛です! 魔法少女は愛の化身なのです」
 椋はぱちぱちと拍手を送った。ナラは、ふと思いつき、例の鞭で忠二をピシャリとやった。「あぁん」と忠二、これでMだけでなく、魔法少女趣味も覚醒させてしまった(なお中二病も継続中)。

◆リクエスト・ザ・刀
「ふう~‥‥よ、よかった」
 妙に恍惚な忠二は、あらためて来世人らから、刀のリクエストを受け付ける。
「新たなる武器か。ボクだったら魔的な忍者刀を希望するね。忍者は武器探し大変だからね。有ったらすごく便利なんだよ」
 マティルダの意見。
「望むは速き敵を捉え得る刃‥‥」
 瑞希は、蛇腹剣ガリアンズソードと、超巨大剣ギガンティスを提示すると、さらに一ノ太刀と抜刀ノ太刀について説明し。
「この二振り、二つの術より避け難く強き刀を所望します。来世人様の言霊を身の内に入れ、邪まなる者を打ち倒す一振り、見事打ってみせて下さいませ!」
「わ、わかったわ! じゃない、わかり申した! ではさっそく、炉に火を――」
「あ、ここにちょうどいい焚き付けがありますよ」
 ナラが『アカシックノート』を燃やそうとすると、久里が「時空の法則が乱れるー!」と噛み付く。
「やれやれですが、中二病は、永遠に治らないなら、それはそれで幸せなのかもしれませんね」
 梅花は勝手にお茶を淹れてずずずとやると、「ではよろしく」と席を立つ。
「よっし風彦、マティルダと一緒にお茶して帰っか! 俺は途中で消えるけど」
 工助に肩を組まれ、風彦は「なんで消えるんだろう」と思いながらもうなずく。
「意欲が出たのはいいけど、これ‥‥マトモな刀を造ってくれる気がしないなあ」
 波新が苦笑しながら鍛冶場を出ると、椋は。
「いや、案外、すごいのができるかもしれませんよ。伝説の竜をも、地獄の魔王をも打ち倒せる刀とか。逆に、神殺しの刀もできたりして」
「神殺し‥‥KKK殺しの刀なら需要ありそうですね」
 ナラがそう言うと、上空より一陣の突風が吹いた。天上の神がくしゃみでもしたのかもしれない。


※お詫び
 担当マスター急病により、北野旅人が代筆させていただきました。
 このたびはご迷惑をおかけし、まことに申し訳ございません。



 6
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参加者

c.それじゃ風彦やみんなと一緒にノート探そっか!
マティルダ・モロアッチ(ka00124)
Lv169 ♀ 16歳 忍傀 来世 異彩
a.んー、まぁ、中二の方は頑張っとして!漆黒ノ掌とか燃えっよな!
平口工助(ka00157)
Lv112 ♂ 22歳 武僧 来世 異彩
b.中二病よくわからないので、魔女っ娘なセリフを考えてみますね~
空木椋(ka00358)
Lv230 ♂ 20歳 傀僧 来世 異彩
b.其れでは創作意欲がわくように中二病文句考えましょうか。
藤枝梅花(ka00566)
Lv94 ♀ 22歳 神陰 来世 麗人
c.忠二様に話を伺って、後は虱潰し……お?
根子ナラ(ka01549)
Lv81 ♀ 22歳 神僧 来世 異彩
b.ゴメーン。厨二病の筈が刀剣駄洒落になったかもw
希有亭波新(ka01670)
Lv137 ♀ 23歳 忍流 来世 麗人
a.言霊は来世人様にお任せし、内に滾る思いを菓子で後押し致しましょう(済
湧口瑞希(ka01873)
Lv232 ♀ 19歳 武空 大和 傾奇
 ノート知りませんか? あったら教えて下さい、中身は読まないで‥‥。
伊吹風彦(kz00031)
♂ 16歳 傀僧 来世人