【褌道宗】紅白繚乱

担当 Toro
出発2017/12/08
タイプ ショート S(Lv350以下) 冒険
結果 成功
MVP 林檎千雪(ka01740)
準MVP 田中 真司(ka01525)
伊東 命(ka01412)





オープニング

◆衣山帯河・上総国
 褌をこよなく愛し、『フンドラ様』なる謎の神格を奉る自称・真言密教『褌道宗』。
 原則として来世人との争いを極力避け‥‥る傾向にあるらしいが、一反木綿亜種の邪悪な化身と結託することが多いためか、しばしばギルドの面々といさかいを起こすことがある。
 もっとも、教義が他人に迷惑をかけるたぐいなのでさもありなんという感じではあるが‥‥一応、来世人に敵対するをよしとしない勢力が少なくないことは言い添えておきたい。
 褌道宗中心派閥である『天元(てんげん)派』もしかり。霜月が迫るなか、彼らの一部、血気盛んな1人の僧がひと騒動起こすことになるとは、誰も思うまい‥‥。


登場キャラ

リプレイ

◆なにから説明すれば
「こころ、茜、高嶺、赤い奴をやっつけるだよ!」
 林檎 千雪の号令のあわせ、忍犬の『こころ』、忍猿の『茜』、忍馬の『高嶺』の3体は赤褌ミイラめがけて突っ込んでいく。すでに忍頭ノ誓の影響下にある3体は、分身をともない、慮外の速度で相手に突っ込んでいく。
 戦場において、状況判断の速度は勝敗に直結する。来世人の何名かは状況をはかりかねていたが、彼女は数が多い方、強そうな相手を先に倒すべし、と認識したに過ぎない。
「むッ‥‥来世人殿か‥‥!」
 白褌ミイラこと、大徳は分身を伴う動物達とその操り手を見て、即座にそれが来世人だと理解した。そして、どこか嬉しそうな声を上げた。『褌道宗』としてみれば、なるほど、中々奇異な反応だ。
(あの男‥‥こちらに敵意は無いのか?)
 田中 真司はその言葉と、他の褌道宗徒を倒すべく身構えた態度をみて、いぶかしげに眉を寄せた。彼の知識の範囲で言えば、褌道宗はすべて来世人の敵である。そう振る舞っていたはずだ。
 それがこちらに協力すらしかねない態度。おかしいと思うし、何故か考えようにも理解が追いつかない。‥‥自らの好敵手たる者がしきりに褌道宗をちぎっては投げしていたことも、その困惑に由来する。とりあえず、彼の近くに向かうことにする。
「「「貴様等、何奴?! 来世人か!」」」
「ふっ‥‥俺は通りすがりの褌狐神様だ、拝むがいい」
 褌狐神様こと不知火 焔羅は狐面の法力で耳と尻尾を生やし、褌一丁で堂々たる姿をさらす。多分、彼の姿は褌道宗の教義として然であり善なのだが、「馬鹿は風邪をひかねえんだぜ! 誰が馬鹿だってんだっくしょいちきしょうめ!」まで言い出した自称・神様なんて扱いづらい事このうえない。
「心安んじ己が肉体を鍛えれば、内紛など起こりようが無いの、で、R」
 腰をうごめかしながらずいっと褌道宗ににじり寄る白羽瀬 倫太郎‥‥そこに拳を構えて近付く赤褌ミイラの一体! さらにその横から襲いかかる高嶺の蹄!
 間一髪で危機を脱した倫太郎は、そんな状況もどこ吹く風でダブルバイセップス!
「まずはお話ぃ、お伺いしますぅ~!」
 焔羅の、来世のコビたニュースキャスター然とした質問口調に、褌道宗徒一同はあっけにとられ、しかし大徳は堂々と『褌道宗が衆中と融和するための戦いである!』とかいい放つ。
 そうなったらもう「大義であった!」としか言いようがないのである。
「無血での解決法を教えて下さい、私にはもう自分の慈悲の所在が分からない‥‥!」
 マシュマロ団員M(以下MM)こと伊東 命は自ら狐面により慈悲を捨てつつ、一欠片の良心とのせめぎあいを繰り広げていた。『全裸とか褌露出してる奴斬り捨てるシステム(通称Z-EROシステム)』とかいう狂気のロールプレイを自分に課した彼女になにか教導してやれる人物がいるだろうか? システムは何も教えてくれない。
「‥‥なあ、いつから彼女はおかしくなった?」
「ノーコメントで」
 困惑する真司に、五十助はコメントを差し控えた。彼も、白褌ミイラに用があったらしい。まあ、それはともかくとして来世人の動向なんですが。
「ワタクシ、今日は気分がおかしいのですわ。貴殿方をみるとなんだか興奮してしまって」
 高杉 蘭子の身振りは、はたからみると『エッロォォォ~(はぁと)』とかいう擬音すら漂う妖艶なものだった。手にした武器はハンマーと最上大業物の太刀という物騒さなのに、水着姿で上気した頬に笑みを浮かべて歩く姿は、もはやエロスの塊でしかない。
「なんという不遜な態度‥‥! そしてその得物! 危険極まりない! あ奴をなんとしてでも止めねばならん!」
 褌道宗は自分達の状況を棚に上げ、まず彼女を倒さねばと危機感を募らせる。数でいえば優位に立っている彼らであれば、強敵を足止めできればあるいは‥‥そう考えるのも道理であろう。
「脱ぐのですか? クリスマスは思いやりの季節、ならばお互いに脱がせっこしましょう」
 いや、むしろ止めないと来世人からしてもまずいことになるので、ぜひ止めてほしいモンなのだが。

「おい、白褌。基本的な事から確認させてくれ。褌道教の教義と歴史を全て教えろ。真っ当な宗教ならこちらも攻撃はしない」
「む、我にか‥‥だが、褌道宗の歴史は長大で壮大である。戦いながらというのはいささか‥‥」
 ひっでぇ混乱のなか、真司はあらためて大徳に向け、神楽を舞いつつ問いただす。聞きたいことは多い。だが彼とて多くの戦いをこなしてきた身である以上、褌道宗の群れを放置するわけにはいかぬのだ。大徳は、何から話せばいいやら、と困惑気味。
「俺がギルドで分かってる範囲でかいつまんで話してやる。そこの白ミイラともども戦いに集中しとくといいぜ」
 というわけで、五十助が色々と説明しているのを横目に、真司は神楽法を放つのだった。

◆どうやって沈静化すれば
「我輩の肉体と語り合い、己の迷いを断ち切るが良いの、で、R」
 倫太郎は脱いでいた。先程も、都度、光ったり褌が風で揺らめいたりしていたが、股間に(原理不明で)大根棒を据え付けてぶんぶん振り回し始めたらもう止められない、止まらない。
 それが褌道宗相手にどの程度効果があるのか、と言われると疑問符しか残らないのだが‥‥それはそれ、これ(漆黒ノ掌と拳での格闘)はこれである。
「なるほど‥‥来世人に喧嘩を売っていた褌道宗は『反来派』で、お前達や別の宗派は荒事を起こすほど強要するわけではないというわけだな?」
「然様(さよう)である。確かに強引な論理は多少あろうが、それは一側面に過ぎぬ。そればかりでは広く教義を伝えることは難しいゆえ」
 着弾した神楽法を確認しつつ、真司は聞き及んだ情報をまとめて大徳に問いかけ、大徳はそれに応じた。
 彼らは彼らで善意ありきで動いているのだろう。だろうが、やはり相容れないこともあるのだろう。そして、それは一朝一夕で済む話ではないのだ、とも。
 ‥‥それにしても彼らの精奪波の魔法は厄介である。真司は力の抜けるような感覚に舌打ちしつつ、来世人のやりたい放題ぶりに頭を抱えた。

「おほほほほ、魔法なんて当たりませんことよ!」
 蘭子は、之定を振り回しながら迫りくる魔法をあろうことか『受け流し』、ずんずんと前進する。神使ノ太刀と魔王神璽ノ舞を駆使し、魔法の妨害をものともせず、また、攻めと守りの両面において、大いに強化されているのだ。
「やりよる、やりよるが‥‥それでもなお、遅い!」
「あうっ!?」
 だが、赤褌ミイラの【脱衣撃】を避けるにはまだ、足りなかったか。過去にこの手合いに遭遇した者達の末路を思えば当然なのだが‥‥赤褌ミイラの褌道宗徒は、『確実に避けうる回避力すら凌駕する』ことがままあるのだ。そして、蘭子は。攻めに意識をすべて割いていたことも災いし、その身を駆け上る脱衣衝動に耐えることができない!
 幸いなのは、着衣が水着のみであること。不幸なのは、脱ぐことに思考を割いてしまい、武器と道具の一切を手放してしまったことだ。襲い来る魔法に、法力で抗わねばならぬのだ!

「着衣ではないが暖かそうだろう…愛でてもいいのだぞ‥‥来ませい!」
 焔羅の耳と尻尾、作り物では到底出せないリアリティの前に、数名の褌道宗徒は二の足を踏んだ。そのモフモフっぷりにやや魅了されたのだ。彼らは修行中の身ゆえ、業の深さは隠しきれぬ。
 初冬であることも原因のひとつだろう。ぬくもりを求めるのは人の道理、動物の体毛にそれを求めた彼らになんの咎があろうか?
「ぬ、ヌゥー‥‥ッ!」
「隙あり! ‥‥いや、『好き』アリか?」
 おもわず近づいた相手は、焔羅による首投げから関節技にもっていかれ、あえなくその身を絡め取られる。するすると絡まった焔羅の体が、褌道宗徒の体を、絡める(意味深)!
「こころ、茜はそのままそいつを逃さねえようにするだよ! 高嶺はもう1人を足止めするべ!」
 千雪は褌道宗徒の1人を縛り上げつつ、お供の動物達に指示を飛ばす。いかに速度と回避力が上がろうと、普通であれば赤褌ミイラの攻撃を避けるすべはなかっただろう。だが、彼らは分身を伴っている。確実に当てた、という確信が空振りにかわり、返す刀で重い一撃をもらえばただでは済むまい。なにより、赤褌ミイラは3倍の速度で動けるとはいえ、ベースが褌道宗徒、たかが虚無僧であるのだから底も知れている!
「グ‥‥グワーッ!?」
 赤褌ミイラ、たまらずうずくまる! 一反赤褌は宿主の敗北を知って即座にその宿主を捨て、次の褌道宗徒へと‥‥向かおうとして、その身を風車の柄で貫かれた!
「逃がすと思ってるんですか。あなたがたを斬ればいいんですね? 褌道宗は斬り飽きましたので一度褌を斬りたかったんですよ」
 ゆらりと大鎌を持ち上げたMMは、すでに褌道宗徒の何名かを斬り伏せ、命を絶とうとして止められたりを繰り返していた。目がマジだ。彼女の着用している狐面の同型を持つ者がその様子を見れば、とんだ風評被害に顔を覆いたくなるに違いない。
「『フンドウシュウ』の変人共でなければ意味がない! お呼びでないのだ、来るな娘!」
「そう言われると行きたくなりますね。ええ。切れ味を試したいのですよ‥‥とっても」
 一反赤褌は褌道宗に『4体まとめて』取り付きたい。MMはとにかくなんでもいいからかっさばきたい。利害の不一致のもと、お互いは力と力、布と刃を交えるしかないのである。
「大丈夫なのか? あいつら、ほっといて」
「大丈夫だろ。元々こうなる予定だったし‥‥大徳殿には謹んでお帰り頂いて、布教をもうちょっと脱衣だけじゃないカンジにしてくれるよう進言いただくとして」
 真司は、やりたい放題の一同をまえに、呆れ気味だ。五十助はもう、何度も見た光景なので達観している。都合8体の一反赤褌の撃破と、褌道宗徒の捕縛が第一義だったのであとは大徳(無害なので説得して様子見)さえなんとかなれば、程度。
 ‥‥程度、なのだが。

「さあその股間の褌を剥ぎ取って差し上げますわ! まあこんなに粗末なモノを恥ずかしげもなく‥‥強度も確認したほうがよろしいですわね!」
 蘭子は全裸になったため、水着(KKK謹製)のエロ効果から逃れられたものの、それでも男性の強度計算(意味深)にドワーフハンマーを振り上げる。その所業に半裸の変態2名が思わず股間を押さえて顔をそむけたのも、致し方なし。
「アハハハハハ! 弱い、弱いわ! 脱衣がなんだというの!? 殺せれば一緒! 一緒!!!!」
 MMはその狐面がわずかにずれ、顔の一部が露わになっているのだが気付いていない、気にしていない。無慈悲に鎌を振り回す彼女の前には、一反赤褌の脱衣波の魔法も無力!
「‥‥あ、あれ? 服、服を着てるのが恥ずかしくなってきたべ‥‥」
 他方、千雪は遠巻きに動物達を心配しつつ見守っていたのだが、なかば流れ弾めいて触れた脱衣撃が彼女の常識を反転させる!
 だが、脱ぎちらした彼女の服は即座に茜が回収し、彼女の裸身を体を張って守ったのだ! 献身!

「我が輩の筋肉の前には、おぬし達の筋肉と度胸では到底、届かぬものがあるの、で、Rな!」
「無念‥‥このような変態に折伏されるとは‥‥反来派の恥さらしよ‥‥」
 倫太郎の堂々たる立ち姿に、褌道宗徒達は悔しげに地面を叩く。だが立ち上がる力は残されていない。彼らは完膚なきまでにズタボロにされ、勝ち誇る倫太郎を見守ることしか出来ないのだ。無慈悲!
「やっぱりィ、褌道宗の皆さんってぇ、覚悟とか少し足りないのかな? って思っちゃったりするワケぇー!」
 焔羅の口調は、もはやレポーターじゃなくてJK風だったがイラつくのは一緒である。だが、彼が、彼らが勝者なので文句を言えぬのがひどい。
 蘭子が滅多打ちにしている相手は、意識がない。それに巻き付いた一反赤褌だが、宿主の命のため、結果的に巻き添えをくらい、すべてただの布と化していた。
 あと一歩で宿主の命も危ない、となったあたりで蘭子がものすごく可愛い声でくしゃみをした、まあそのあたりで今回の殲滅戦はおひらきとなったのだった。

「拙僧には覚悟が足りなかったようだ‥‥来世人殿の勇姿を伝え、来世人に仇をなす者共の牽制にできれば幸いであるが‥‥」
 大徳は、一同との別れ際にそんなことを口にする。例外的に見逃された彼は、おそらく約定を違えはすまい。それがどんなに馬鹿馬鹿しいものであっても、だ。
「でも、結局『褌道宗』ってなんなんだ? 『フンドラ様』ってなんなんだ?」
「それは‥‥まあ、分かんなくてもいいんじゃねえかな‥‥」
 真司の戸惑い気味の言葉を、五十助はなんかそれっぽく濁した。だってなんか、明らかにすると今以上にエラいことになるし。御神体を見られたとかで全面戦争になりたくないし。



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参加者

b.一糸まとわぬ攻撃で両軍入り乱れるってやつだぜ!!
不知火焔羅(ka00012)
Lv246 ♂ 23歳 武僧 来世 異彩
b.心安んじ己が肉体を鍛えれば、内紛など起こりようが無いの、で、R(腰クイ
白羽瀬倫太郎(ka00283)
Lv171 ♂ 19歳 武僧 来世 傾奇
a.あら、いやーん。そんな格好じゃ寒いでしょう?
高杉蘭子(ka00512)
Lv387 ♀ 20歳 武神 来世 傾奇
b.システム起動…。戦闘レベル、ターゲット確認…。排除開始…!!
伊東命(ka01412)
Lv154 ♀ 27歳 忍傀 来世 大衆
c.あー……援護すればいいのか? この不審者を?(ジト目
田中真司(ka01525)
Lv98 ♂ 18歳 武神 来世 異彩
a.こころ、茜、高嶺、赤い奴をやっつけるだよ。
林檎千雪(ka01740)
Lv236 ♀ 17歳 忍誓 来世 大衆
 ‥‥どっちでもいいんだけどな。
梶田五十助(kz00042)
♂ 27歳 武陰 来世人