【SH19】終末が浮かぶ前に

担当 北野旅人
出発2019/01/13
タイプ グランド G(Lv無制限) 冒険
結果 成功
MVP 空木椋(ka00358)





オープニング

◆変質者・秀吉
 怪獣とみまごう、恐るべき巨体。
 次々と生み出される分身体。
 異常な再生能力。
 掌より迸るエネルギー弾、そして口から放たれる恐るべきビーム――


登場キャラ

リプレイ

◆決戦直前:死のにおいを掃うようにして
 前田 轟介がトッコータイチョーを開始する少し前――

「鬼秀吉め、寛永だけでなく来世の大和まで滅ぼそうとは‥‥」
 湧口 瑞希は、まだ静かな戦場の片隅で、倒すべき鬼神を見つめていた。寛永より駆けつけた大和の助っ人として。
「まったく、まさか最後は怪獣になるとはね。ホントに想像を裏切るお猿ね。でもここで呆れているわけにも行かないわね」
 藤枝 藤花が鉄拳を入念に握り直すと、クリスタル・カイザーはその横で「ふっ」と不敵に笑い。
「やれやれよね、本当に‥‥おおごともいいとこだわ。しかしここでツメを誤れば世界は滅ぶ‥‥ふ、まさに命の賭け時という奴ね」
「今回ばかりは、そのギャンブルに私もベッドしてみましょうか」
 藤枝 梅花は、自分の流儀じゃないのだが、とでもいうふうに肩をすくめると。
「元々、色々迷惑な存在でしたがさらに迷惑な存在になっていますねえ。このままだと万が一の可能性に賭けて核の雨が降ってきかねません。人の業です。そうならないよう出来る事からかたづけていきましょう」
「核を使うとなったら最悪ね。私は貴方や両親と会えなくなる」
 升田 千絵代は夫の遠野 絃瑞を見やる。絃瑞は、何か言おうと言葉を探したが、その間に越中 団次郎が割って入った。
「失敗したら馬鹿蘭子や千絵代は残って核を浴びなきゃいけないんだろ? 来世人はつらいけれども、そっちの方がつれぇよなあ」
 ――まだなにも決定事項ではないが、仮に核兵器による殲滅作戦を行なう場合、秀吉の再生力を抑制するために、『玉』を持つ来世人は、ある程度秀吉へ接近しなければいけない可能性が高いと見られている。そして、複数の核兵器の爆心地で、生き延びられる来世人など――
「‥‥いざとなれば、わたくしが千絵の『玉』を譲り受けたいものです。もし、それが叶うならば」
 絃瑞は静かにそう告げたが、千絵代は救われた気分にまではならなかった。自分が死んでも、夫が死んでも、引き裂かれる結果はまったく一緒なのだから。
「もしそれが叶うなら、この団次郎に玉を押し付けるわよ」
「僕かーいっ」
「さ、気分が暗くなるから、倒す事前提で考えましょう」
 千絵代は会話を打ち切ろうとしたが、馬鹿蘭子と呼ばれた高杉 蘭子は、それでも言わずにはいられなかった。
「私の望む世は鬼も核も存在しない世界。誰もが願う平和な世‥‥しかし、たとえ勝てても、そうはならない気もしますわね」
「核なる物は存じませんが、人々をこれほど悲しませるもの、使わせは致しませぬ」
 そう述べるのは瑞希。皆に斬鉄ノ太刀を付与して回りつつ、その決意を新たにする。
「鬼秀吉‥‥必ずやここで撃ち滅ぼしてご覧にいれましょうぞ!」
「ええ、それこそが核を避ける最善でしょう」
 羽柴 司は渋い顔でそう言った――万が一の核発射を避けるためにと、米軍のハッキングを試みていた司だったが、その電子セキュリティはあまりに強固すぎたようだ。
「巨大化して戦闘本能のみになるなんて堕落の局地! 堕落を絵に描いたような怪物なんて存在価値無しです! ここは一つ! やっこさんに私たちの怒りを教えてあげましょう!」
 ヒデコ・ルーラの檄に、皆が燃え上がる。だがいまだに不安そうな絃瑞――それを見た八十神 不動は、そんな彼の肩を優しく掴むと。
「旦那サン‥‥その気持ち、意気込みもわかるけど、千絵サンは肉を斬らせて骨を断つ戦法が主体だからね。無理するなったってそれは無理さ」
「ええ‥‥わかってはいます」
 しかし、馴れない。毎回。ましてや今回はとくに――それをほぐすべく、不動は肩を揺する。
「彼女の意に添うように、しっかりサポートするからね? 解ってるって。千絵サンは死んでもぶっ生き返すから安心して? でもその前に僕が死んだら困るから、形代もいっぱい貼っておくからさ。その辺は考慮して、ね」
 不動はペタペタと自分に除傷の形代を貼りながら、にやりと笑った。絃瑞は友人に微笑み返した。思ったよりは上手くできたと思った。

 立ち昇る決戦開始の気配――奮起する者、恐怖する者、様々だが、中には独特の嫌悪に悩む者もいた。
「戦闘とか‥‥争いごとって大嫌い」
 遠田 きゆ。心優しい娘の、曇った顔。空木 椋はしばし考えてから、きゆにこう言った。
「それでも、あなたはここまで来た。それはとても立派なことです」
「ありがとう‥‥椋さんだって、好きじゃないのに頑張ってきたんだものね」
「これが最後だというならば、僕はここまでの自分を誇りにしますよ。戦闘を繰り返してなお、争いを好きにならなかった自分を‥‥慣れなかった自分を」
 その言葉を聞き、きゆはいくらか救われる気がした。椋は続けた。
「寛永で僕は、鬼や一部の化身とは分かり合えない事を学びました。守るものに優先順位をつける必要があると。でも今でも、考えてしまいます。人の憎しみから生まれて、絶望で育った秀吉は本懐なのでしょうか? 憎悪の奥で、受け入れられたいと願ったのではないかと」
「‥‥かもしれん。かもしれんね」
 潤賀 清十郎は目を閉じてうなずくと。
「だとしてもやはり、取るべき道はこれしかない‥‥被災した人、ボランティアする人。鬼秀吉の行いに影響受けてしもた人達は、嘆き悲しむ中でも来世人を信じてくれとう。そんな人らからこれ以上、何も奪わせん為に、これを最後の戦いにしようやないか」
「ほんとに最後にしてほしいね。何千年もしつこいったらないもん、希望もないくせに」
 相葉 楡が吐き捨てるように言うと、ミア・カイザーが突如『ぽん』と自分の手を打って、
「あ、考えたらこれ、かげろうお銀と風車の弥七の仕事なんだ」
 そう言うと、光照から渡された滅鬼カプセルをしげしげと眺めた。
「つまりこの戦い、いつもの世直しと考えれば気も軽くなるね、ハハ。さあさあ、暗い気持ちはうっちゃって、これにて一件落着、と決めちゃおうぜ」
「そうよそうよ、ガンガン行っちゃいましょ」
 ふん、っと気合を見せるは神宮寺 咲夜で。
「あたし程度の能力でも、何にもしないよりはマシよね。どんなにでっかくったって、鬼は鬼よ。転がして、角を折って、ぶっ潰すだけのことよ」
「あれを転がすとは豪気よの」
 富栄弩院 頼伝はそう言ってカラカラ笑うと、急に坊主らしい生真面目な顔をして、なにやら手を合わせ拝み出すと。
「カプセルを打ち込む勇士の必勝を祈願し、これより拙僧の法力の全てを搾り尽くして、朱雀炎帝占術の付与を執り行う。秀吉は恐るべき魔物じゃ。だが奴は愛と勇気を知らぬ。愛と勇気を知る者だけが、難局を克服する魂力と胆力を発揮する。愛と勇気とは即ち生命賛歌よ。皆、生きて勝利の喜びを分かち合おうぞ!」
「私も朱雀を付与するわよ。めでたしめでたしで終わるには、犠牲を出す訳にはいかないわ」
 溢田 純子も、仲間に朱雀の翼を授けていく――その幻影の翼は、空を飛ぶ力だけでなく、不死鳥の如き復活力も与える。端的に言えば、一度は死んでも蘇るのだ。即死をまぬがれえぬ巨大怪物との対決には、なんとも心強い魔法であった。
「あの鬼秀吉に近付いてカプセルを打ち込むには、勇気も力もいるもの。気持ちの後押し、望んだ様に動ける速さ、守りの力と翼をみんなに!」
 純子のほか、クリスタルも朱雀付与で貢献。そして藤枝 菫花もまた、その流玄の秘術を付与して回った。
「わたしなんてそんな強くないから‥‥でもわたしにだってやれることはあるから‥‥!」
 自分を、家族を、友人を、仲間を守るべく――こうして手分けし、また法力回復のサポートもあり、戦域外に残る者を除く全員に、朱雀の翼を付与することができた。
「さてさて、お次はこちらです」
 茂呂亜亭 萌瑠は、いそいそと皆の前へ。
「一介の噺家が担うには、座布団十枚を貰うよりも難易度の高い挑戦な訳ですが。シューズでもブラでも、見えない部分での底上げは重要なものです。皆様の作戦成功率を底上げする為、ここで私の出番な訳です。これから行なう榊樹女ノ舞さえ受ければ、ビーム回避、カプセル射ち込み、夫婦円満間違いなしなわけでして――」
「あ、榊樹女ノ舞なら神級なやつをもうかけたっぺよ」
 牧葉 真夏がとっくに終わらせていた、というので、萌瑠は神楽舞の途中でズッコけた。
「じゃお次はあたしさ」
 池袋 春子が付与した舞は、猩々ノ舞。これで仲間が扱う魔法は、相手の魔法抵抗を25%程度まで低減させる強力な支援魔法だ。巨大秀吉に、これがどこまで通じるかは未知数だが、分身を相手に魔法を使うなら確実に効果が上がるだろう。
「あたしの浅草めちゃくちゃにしといて立ち去るってか。お天頭さまが許してもあたしが許さないよ」
 さらに天照大御神ノ舞で日射効果も付与。これで黒鬼への攻撃力も倍増だ。
「うーんバッチリ! わしもゴンスケやクロ達と共に仲間たちを援護するのじゃ! 戦う力はミジンコレベルじゃが、出来ることをしようぞ」
 ヤームル・アイマーヴィが拳を振り上げれば、ヤームルのお供の柴犬たち(機巧含む)は、ミジンコらしさをミジンも感じさせぬ吠え声を発した。
「あ、念のため、玉所持者の皆さんの髪を、一房ずつ頂いて参りますね」
 根子 ナラがそう言いだしたので、伍法 月天は「おっ?」と応対。『信』の玉を持つ者として、「なんだろな?」と思いながらも、自分の髪の毛を切って渡す。
「なんに使うか知らねえが、手があるってんなら乗ってやらあ!」
「ご協力ありがとうございます。まあ、私の髪コレクションになるだけですけれど!」
「ズコー!」
 そんなやりとりを、グレース・マガミはクスクス眺めると、それでも率先して自身の黒髪をナラに少し分けた。『礼』の玉を持つ者として。
「あら、いいのですか?」
「ええ、たくさんあるし、遺髪として使えるかもしれないしね」
「滅多なことは言わないでください、グレース様」
 真神河 絶斗が困ったようにそう言うと、グレースは「冗談よ」と謝りつつ。
「本当は死ぬ気なんかないわ。ミネルバたちの未来の為、来世にまで加勢に来てくれた極奴君の為、力尽きる訳にはいかないものね。今こそMMOで『イスの偉大な勇者』と呼ばれた豪運を発揮する時‥‥ファイアーオン!」
 掛け声と共に、着装機巧、つまり法力的パワードスーツをその身に装着する。機巧技研の変態最終兵器が、彼女に決戦への力を与える。
「かつて裏社会で生きていた私を雇い入れてくれた旦那様のご恩に報いる為、生涯かけて仕えると誓ったこの身の上。どうなろうと運命は一緒です」
 絶斗は決意をこめて斬鉄ノ太刀を成就する。
「私の役目はお義母様を狙う鬼どもを近寄せない事ですわ! 絶斗と共に、礼の玉の発揮を祈るお義母様を守ります!」
 ミネルバ・マガミはそう宣言すると、妖鳥のようにふわりと浮き上がった。

 そして、戦いの火蓋は切られる。だが、多くがトッコーするより先に、ソレはギルド員を襲った。

◆対秀吉:振り撒かれる死のエネルギー
 最初に動いたのは、秀吉を惹きつける者たちであった。
 そのおそるべき攻撃を自分に振り向けることで、他の仲間の活路を開くという、重要ながら非常に危険な役回りである。
「アハハ。一介の噺家が相手するにはキョーレツな相手だけど、お客さんを引き付けるのは噺家の本分だからね」
 凄まじい速度で駆け込んでいくのは、希有亭 波新。正面から一挙に距離を詰めると、朱雀の翼でふわりと浮き上がり、さらに拡声器を持ち上げて。
「いくよ、落語家のボキャブラリーを駆使した、名付けて忍法『キューティー流罵詈雑言』! やーい、イボンコペッタンコー☆ 来世人に泣かされて寛永から逃げ出した和製ドンキーコング~!」
 キューティな罵詈雑言が効果あったのか、単にわずらわしい存在が飛び込んできたからなのか。秀吉はすうっと腕を持ち上げ、掌を開くと。

 ズドドドドド!

 大気を震わせ、白い、巨大な光弾が、何発も発射され波新を襲った。波新は悲鳴さえかき消され、その猛波に翻弄、そして力尽き、地に落下する。
 波新は即座に殺された――だが即座に蘇生した。
「うーん死ぬかと思った‥‥不死鳥サマサマだわこりゃ」
「さっさと逃げなさい!」
 クリスタルの念話が届き、波新は急いで立ち上がる。一度は復活できても、二度はない。クリスタルは波新の逃げる時間を稼ぐため、横っ腹にロケットランチャーを撃ち込む。
「グアア‥‥」
 激しい爆発が起こったが、秀吉はなんともないふうに向きを変えただけで、そのまま口を開け、あの恐るべきビームを放った。それはクリスタルを激しくはじき飛ばした、が、彼女はまだ無傷。鬼信長の髪留めが彼女を守ったのだ。ただしこれも1回限りの効果。
「さいわい私は二回攻撃を受けられる‥‥けどこんなペースじゃどうしようもないわね」
「無理はするな、皆で惹きつけるのだ!」
 お次はグレン・ギーガーがロケットランチャーを放つ。そして秀吉の視線が、グレンを捉える。覚悟はできていたが、それは生きた心地のしない瞬間。
「ミスト君はかつて秀吉の攻撃の回避に成功したと聞くが、同じ真似が私にできるかどうか‥‥いや、できるできないではない、覚悟を決め、ベストを尽くすのみだ」
 そしてグレンも死ぬほどの蹴りを受け、すぐに復活する。そこへ、今度は俺だ、とばかりに遠前 九郎が駆け込んでくる。
「引き付けるなら一秒でも長くだ‥‥! 貧乏神サマ、俺に限界を超えさせてくれ!」
 そして九郎もまた、灼熱の光線に包まれ、一歩、死神に近づいた。

「今の攻撃‥‥何キロメートルくらい届きましたかねぇ?」
 加神 銀志は、かすめていったビームに、思わず足を止めてしまっていた。だが、ここで踏みとどまっては、なんにもならない。
「本日は安全圏からのアンカちゃん、としゃれこみたかったですけど、ぜんぜんアンゼン圏ではないですね」
 藤枝 杏花は戦域に突っ込むつもりはなく、おもに機巧で惹きつける予定だったが、これだけ離れていても死んでしまうかも、と思うには十分な序盤戦だった。しかし、今さら距離を取る気もない。
 それが銀志にもわかったから、銀志は再び、走り出した。
「皆さん、万が一の時には私の骨くらいは拾ってくださいね?」
「拾って、復活させてあげるから、安心して死ぬのだよー」
 それは藤 あきほからの念話。彼女は死者蘇生のため、後方で待機していた。
「でも骨だけじゃ困るのだよ。少しお肉を残しておいてくれないと蘇生できないかも」
「き、気をつけます‥‥!」
 銀志は目から冷や汗が出た。

◆対分身:せめぎあう波と波
 秀吉本体の恐るべき蹂躙は、全方位のギルド員に衝撃を与えていた。
 土方 萌もその一人だった。が、ビビりはしても、逃げる気は起こらず。
「あの猿にここまで付き合わされるとは‥‥ま、今度こそ普通のアイドルに戻りますけどねっ!」
「人々を幸せにするのがアイドルの使命。人々の笑顔を奪うあのお猿は許しておけない!」
 沖田 芽衣子もこう言えば、田中 カナタは、続けるようにして。
「この決戦の前に、長い間、離れ離れだったファンの皆との交流は済ませてきたよ」
「あらま、立派にフラグを立ててきちゃって」
 萌はニヤリとそうツッコむが、カナタも不敵に笑い返すと。
「ライブでいつも応援してくれていた何人かの顔は見えなかったけど‥‥僕たちは皆の応援を受けてここにいるんだからね。さあ、最高のライブと行こう!」
 駆け出す仲間達。と、そこで秀吉が、背中からボコボコと分身体を生み出し始めた。それは成人鬼や大鬼の姿が多いようだった。その数、数十か。
「ふむ、しむ、しゅみゅ‥‥しょむれーそん通りだな。よし、分身は引き受けた! 来世人よ、秀吉の始末は任せたぞ!」
 大和人の藤枝 真沙花がこう言えば、
「それでは~輝く明日に向かって、レディGO☆」
 カーモネギー・セリザワは亀甲車の機巧を起動させて、距離を詰める仲間の後方からさっそく、真玄武砲で支援の砲撃を開始。
「弾数には限りがあるんで、あんまり無駄撃ちしたくないけど、乱戦になって近づかれて壊される前に撃ち尽くさないとね~」
「では、近づけないよう暴れてきてやる」
 アイナ・ルーラはずかずかと、カーモネギーを背にして前へ。
「秀吉にとどめを刺すのも悪くなかったが、じっと待つのは性に合わん。ミアたちに任せて、私は鬼どもと存分に殴り合うとしよう」
 そう言うや、ズルリと抜き放った、6.5メートルもの超巨大刀を振りかざし、寄ってきた分身を一刀でねじ伏せる!
「鬼と戦うのもこれが最後の機会だからな‥‥存分に楽しむとしようか!」

 同時刻、別の位置では。
「今が何時だろうが、俺がいるこの時代が『現代(いま)』だ。寛永だろうが平成だろうがやる事は変わりはない。『現代』を生きるみんなの為に、この『現代』を守り抜く!」
 莱堂 凌駕が、分身の出現を機に、その足を加速させた。猿飛ノ術だけでなく、韋駄天仙道真言をも合わせ壁面さえも縦横無尽に駆け抜けながら手裏剣を投げ続けると。
「来世人、莱堂凌駕だ! 見知っときな!」
 華麗な跳躍から、大風神たる高橋紹運の手による三鈷杵を大鬼の角に叩きつける! 折れこそしなかったが、そのダメージは回復しない。『玉』が奴らの再生を封じているのだ。
「あっ抜け駆けずっこ! お、俺も今‥‥」
 轟介が大型バイクのエンジンを始動させる、も、その肩をがっしり掴んだのは不知火 焔羅で。
「おう轟介いいバイク乗ってんじゃん、俺も乗せてけよー」
「お、おい勝手に2ケツすんなよ――」
「よっしゃリンタローも乗れ乗れ! プリ☆ケツ最後の晴れ舞台だ!」
「ヌウン!」
 どっか、とケツを乗せてきたのは白羽瀬 倫太郎だ。大型バイクといえこれは絶対に良い子はマネしちゃいけないやつである。
「3ケツゥ!? プリケツゥ!?!? ええい振り落とされても知らねーぞ、ってか振り落ちろコラ」
 三匹のケダモノを乗せたバイクがふらふらとケツ振って蛇行してるのは、轟介のハンドルテクか倫太郎の腰のせいかはさておき、それを見た村正 一刀も、大型ロードバイク上で戦隊ヒーローを思わせる明光作の総面をかぶり。
「轟介の奴に遅れは取れないな。寛永の道じゃ飛ばし難かったロードバイクで、いざ出陣!」
 凄まじい加速はあっという間に轟介を追い抜き(そして倫太郎が振り落とされた)、爆音を上げて分身軍団の鼻っつらを駆け抜ける。
「モンスタートレインってやつだ、付いてこい!」

「おー始まった始まった。それじゃーマリンもいっちゃうよ♪」
 マリン・カイザーは朱雀の翼をはためかせ、ピカピカしながら(天照大御神ノ舞を貰って光ってます)宙に浮くと。
「歌って踊って飛んで目立って、分身惹きつけてお茶の間のみんなも惹きつける! カメちゃん、しっかり撮影してね!」
 お供の『かめらお』に撮影を頼むが、
「かめらおは映像を撮影し自身に投影する力はありますが、アウトプットはできないので保存や放送には向きませんよ。アナログな手段を使えばできないこともないですが」
 中村 誠に指摘さて、あちゃあ、と頭を抱えるマリン。
「行方不明中にレギュラー全部潰れてるのでここで目立って枠を確保しないと世界が助かっても私が助からないんです!」
「だいじょぶだいじょぶ、マリンやみんなが頑張っている姿をバッチリ動画で撮って、いっぱいレクスタに上げるわ! すごい『いいね!』がいっぱいつくと思うの」
 江藤 ぴり花がそう申し出ると、マリンは「サンキュー!」とサムズアップ。
「いいとこっすか、見せます見せます! うおおーっ! いまこそ寛永で鍛えに鍛えた逃げ足の速さを見せる時っスよー!」
 不来坂 はずむもガムシャラに駆け出す。その先ではすでに、久保 零が3体もの大鬼を相手に耐えていた。
「だ、だいじょうぶッスかー!?」
「オネーさんもこう見えてホントにヤバい時の逃げ足は速いからだいじょーぶだいじょーぶ。ま、どっちみち逃げるつもりはないけどネ!」
 再生鬼身により鬼ノ体を得ているほか、荒神鬼身によりその肌は灼熱に赤く染まり、殴る大鬼にカウンターで大ダメージを与え続けていた。つまり、テキトーに耐えていれば相手が勝手に倒れてくれる状態だ。
「すげえな、零オネーさん‥‥俺だって!」
 巽 遥香も再生鬼身を活かし、壁に徹する。
「耐えることが俺の得意だってなら、死ぬ気で耐え続けてやるまでだ!」
 歯を食いしばる遥香の元へ、
「助かる。だが死ぬなよ!」
 そう言って援護にきたのは由良 悠頼、そして由良 紫苑だ。兄弟で、そしてお供の柴犬たち3匹で、鬼へ猛然と斬り、噛みかかる。柴犬たちは特別な風呂敷を首に巻いているおかげで、鬼を圧倒する突進ぶりを発揮。なんとも頼もしい、鬼退治のお供だ。
「この程度の鬼で、俺達の絆は揺るがねぇよ!」
 紫苑の小太刀が遥香の右側の鬼を裂き、左側の鬼は、悠頼の背負い手裏剣がズバリと両断した。
「おお、助かっ‥‥おおっと!」
 気を抜いた遥香は、背後から迫っていた鬼の棍棒に殴られかけたが、それは振り向いた彼の目の前で止まった。誰かが押さえたのだ。
「ふふ、油断大敵ですよ」
 伊東 命。土遁ノ術により地面から出現するや、強力な鞭で鬼の手首を捕えたのだ。そしてその鬼は、3人と3匹に同時に襲われ、ドロリと溶けて消えていった。
「ありがとう、助かったぜ。カッコいい登場だったよ、ほんと」
 遥香に礼を言われた命は、少し微妙な表情を浮かべながら、向こうのほうを見やった。
「ええ、まあその‥‥今回は変態枠として『あの連中』と一緒にされないように距離を取っただけなんですけどね」

 あの連中その1、倫太郎は、士気も高く鼻息も荒くいろいろ猛っていた。
「ヌゥン‥‥あの分身共の目を眩まし、このかぷせるを注入する者を助くる事こそ我輩の天命と心得た! 行くぞ焔羅、プリ☆ケツ、おん、すてぇじ、で、R!」
 倫太郎は尻をまくってフンドシ(正確にはフンドシ型の妖怪)を剥き出しにするや、大日如来真言でペカーッと発光!
 しかし、これで目をくらますのは無理があるし(ゆれる尻たぶで目を汚すことはできるかもしれないが)、この光には鬼にはなんらの効果もないため、その光る尻は単に、大鬼に踏み潰されて終わった。
「うおっ倫太郎、さすがお約束をわかってやがるな!? お、俺はええとそうだな‥‥やるなら俺の尻をやれーい!」
 焔羅もケツを差し向け、そして踏み潰された。
「ああもう、なんでこっちにいるんは、こんなヘンタイばっかなん?!」
 蓑下 海里はブツブツ言いながら、つぶれた尻を2つ回収。馬に乗せて撤退させようと思ったが、いろいろめんどくさくなったので、その足にロープをくくりつけて馬で引いていくことにした(ずるずるずるずる)。
「ったく、尻どもの尻ぬぐいかよ」
 御堂 マリナは天下五剣に数えられし数珠丸を手に、仙石秀久の巻物を口に、阿修羅王真言を成就すると。
「とにかくたくさん殴れば勝つ! すっこんでろ、ドサンピンども!」
 連続攻撃につぐ連続攻撃で、大鬼さえも1体、2体と次々沈めていく。
「‥‥にしても、数が多い! 第二陣がくるぜ!」
「では、優雅に削っておきますわー」
 北里 瑠璃は代わりに前に出る。ドラゴンアーマーにマジカルシールド、エルヴンブーツと、そこまではいかにも西洋ファンタジーな姿だが、その手にあるのは、三種の神器たる草薙剣であり。
「まとめて喰らいなさい、ですわ!」
 草薙烈風。強烈なソニックブームが複数の鬼を斬り裂き、そしてまた斬り裂き、再び接戦が始まるまでにかなりのダメージを与えた。
 そしてその接戦のなかで、水上 澄香が狙うのは。
「鬼秀吉を惹きつけ続ける負担‥‥それはどれ程のものでしょう」
 自分にはは前へ出て戦う手段がない、それは三太に『孝』の玉を託されてすぐの戦いで痛感していた。
「いま衣依さんと背を預け合って戦おうと願っても、その方法が思い浮かばない‥‥悔しい。けれどそれでも、わたしにできる方法で皆さんも衣依さんも世界も守ります!」
 必死の思いで黒い大鬼に貼り付けたのは――呪禁霊符。それはついに、大鬼をしもべとすることに成功した。

◆対秀吉:なだれゆく命
 秀吉と対峙する――それは1分1秒が、ぎりぎりと絞られたピアノ線の上を、駆け足で綱渡りするかのような極限状況の連続といえた。
 すでに多くの者が『一度死んだ』。その分時間は稼げた。たしかに。だが当方の手札が失われれば失われるほど、『完全なる死』のリスクが這い寄ってくるのだ。
「必ずお守りいたします、千絵。道は必ず切り開きましょう」
 絃瑞は、なんとしても妻の千絵代が決定的作戦に残れるよう、その身を賭す。
「貴方‥‥死んではダメよ、絶対に」
「大丈夫、どんな一撃でもかわせる術を、わたくしは会得しております故」
 その絃瑞に、うなる巨大拳が襲いかかる。命中直前、彼はその脇へ転移していた。神威ノ伎だ。だがこれとて、もはや確実に成就する状態ではない。
「次はこっちや!」
 清十郎が激しく動いて気を惹く。地面を走り、そして飛び、その周囲で挑発。それもまた秀吉の巨大裏拳で叩き潰――される直前に転移。三種の神器、八咫鏡の恩恵だ。だがこれでもう、この鏡は力を発揮しないだろう。
 その秀吉の目が九郎に向く。今の九郎は、直撃を食らえば、死ぬ。
「へっ‥‥来いよ、デカブツ」
 九郎は挑発した。待て、と叫んだのは鈴城 透哉だった。しかし彼の必死の行動は、わずかに間に合わなかった。いやでも自分に目を向けようという試みは。
 無慈悲で圧倒的な奔流が、九郎を、さらに波新をも巻き込んだ。しごくあっさりと、変わり果てた死体が2つ生まれた。
「この‥‥このおおおおっ!」
 透哉は秀吉のアキレス腱あたりを、やたらめったら斬りまくる。そして踏み潰される。だが蘇生し立ち上がる。踏まれたとき、秀吉には妖黄金の南蛮胴の力により同等の威力を与えたはずだが、いかなる傷もいまのところ、完全に回復させている。
「てめぇがすげぇ強ぇのは知ってるさ、あっさりあっさりみんなを殺しやがって‥‥でも人間だって強ぇんだ! 喰らえ、喰らえ! 喰ら――」
 再び踏み潰された時、透哉はもう、起き上がらなかった。

「まずいですね‥‥想定どおりにならないとは思っていましたが」
 蘭子は、現状に危機感を覚えた。
 秀吉を複数人で惹きつけ、蘇生や転移や無効化や回復をうまく使って長く時間を稼ぐ。シミュレーションでは十分有効とされていたが、今ちょうど、全体的な指揮、あるいは士気のバランスが崩れていた。
「時間稼ぎ組のために今こそ、追加で時間を稼ぐ必要がありますわ」
 蘭子は秀吉の鼻先へ飛んでいく。今こそ、自分ひとりで、ある程度の時間を稼ぐために。
 強烈に顔を斬られた秀吉は案の定、蘭子を狙った。拳で、法力弾で、ビームで――対する蘭子は、皆とは違い、合気ノ舞や、魔改造されたドラゴンアーマー、さらにはあきほによる鎮宅霊符道術の力も借りて挑んでいた。その霊符には『汝の竜鱗の鎧の効果上昇あたう』と記されている。高い確率で、ビームさえも無効化するはずだった。
 そして期待通り、3回も攻撃を無効化した。だが無効化できなかったビームで蘭子は地に墜ち、すぐに蘇生したが、もはや彼女は明確な死のリスクを背負っていた。
「くっ‥‥まだ‥‥!」
「いえ、いったん下がってください、時間を稼ぎます!」
 椋だった。彼は根子 楤、ナラ、楡とも一緒だった。だからだろうか、ビームのターゲットは、その集団となった。
 シュバアアアアアアア‥‥広範囲の地面をなぞる灼熱。焼け焦げた地面の上には、息絶えた3人と無傷のナラが残り、そして、皆すぐに蘇生した。
「あれ、舎那天の結界が効きませんでしたね‥‥?」
 椋は想定外に、あちゃあ、という顔をする。
「防げない、となると、困りましたね、これは」
 ナラがそう言うと、楡は「ちょっとちょっと」と慌てて、
「き、君らといると命が足りなそうだから、俺は別行動するね、うん」
 そそくさと撤退。
「あー俺もここまでかなあ」
 楤が肩をすくめ、そこへ秀吉が掌を向け――と思ったら、3人の前に突如、黒い大鬼が出現した。地面から突き出てきたのだ。
「こんな時に!?」
 慌てるナラだが、
「いえ、これは澄香さんです」
 椋はピンときた。操り人形と化した大鬼を、壁に差し向けてくれたのだ。そして大鬼が代わりにやられると、今度は秀吉の周囲を熊鷹と金鷹の機巧が飛び交う。これは杏花のもので、機巧大仏ノ法で巨大化したように見せているものだ。

「はい、皆さんと違い蘇生なんかしてくれない、虎の子の機巧で時間稼ぎするのです――あ、もう2体ともやられました。あんだけタフにしてたのに、一瞬でバラされた気分なのです」
 杏花は、今度こそ安全圏まで逃げようかな、と一瞬思ったが、その手にある滅鬼カプセルを見やると、うー、と一声、そろりそろりと前進を開始した。

◆鬼神:思考
 もはや豊臣秀吉は、論理的な思考をやめていた。人間的な思考をやめた、といってもいいかもしれない。
 彼の中に文章も言語もなかった。だが、感情と、本能的、あるいは情緒的な精神の揺らぎは健在だった。
 秀吉は何を考えているのだろうか? ――あえて、我々人間に近い形で翻訳するならば、こうなるかもしれない。
 殺すべきものがそこにある。滅ぼすべきものがそこにある。許せない。許せない。自分を生み出し、こんな目に遭わせた人間を許せない。
 人間は殺す。人間は絶滅させる。人間の作り出したものも滅ぼす。人間の住まうこの世界も。世界は人間のものらしい。ならば世界ごと滅ぼす。
 今、その目的を阻害する『来世人』が自分を攻撃している。来世人さえいなければ、自分の欲求はもっとたやすく達成されるはずなのに。
 許せない。いま、もっとも許せないのは来世人だ。殺す。殺す。殺す。殺す。殺して殺して殺して殺して殺す。

◆拠点:心強くも、有限
 山の如き巨魁、秀吉と対峙する仲間たち。それを支えるため、前線の後方には『拠点』が築かれていた。
 支援の拠点。回復の拠点。治療の拠点。ともかくそこは、皆にとり非常に重要なポイントであった。
「やれやれ、こんな野戦病院がかつてあったかね。傷ついた兵士を休ませるためじゃなく、即座に回復させて、とっとと送り返すんだから」
 霧原 矢塚はそう言ってニヒルに笑う。彼は治療担当として『拠点』の中にあった。そこでふと、与えられた滅鬼カプセルと、対物ライフルをまじまじと見やって。
「ところでこのカプセルってのは、弾に籠めて撃つのはありなのかい?」
「それは開発が追いつかなかった、って話で」
 夏祭 順子がそう指摘すると、
「やれやれ、ロマンはおあずけかね」
 矢塚は肩をすくめ、やはり治療に専念かな、と思いなおす。
「キューカンじゃー! キューカンじゃー!」
 と、そこへヤームルが駆け込んできた。グレンの死体を引きずっている。それを見たあきほは、即座に察し、吉祥天慈悲真言を成就させ、グレンを死の淵から蘇らせる。
「‥‥ここは? ‥‥そうか、俺は死んだのか」
「この世が終わりなら、皆ゾンビになるといいのだよー。そうならないように頑張ろーというわけなのだよ」
 あきほは続けて届いた波新と九郎と透哉も蘇生させる。その向こうでは、倉賀野 好一がなにやら叫んで指示を飛ばしている。かように『拠点』もまたてんやわんやであった。
 そして透哉には、渋谷 冬彦が充魔ノ誓や法力回復用の巫女噛酒での、いわば法力充填も施し。
「た、助かったぜ‥‥鬼信長の髪留めを復元してくれただけでも心強いぜ」
 透哉がこう言えば、冬彦はニヤリと笑い。
「運がよかったね、復活できて。俺の故郷を亡くさないためには、非力な俺が精一杯やるしかないさ」
 非力――そんな『居酒屋冬彦』が、皆のためにどれだけ貢献したか。冬彦がいなければ、皆はより不安定なマネジメントを強いられただろう。
「非力でもやれることがある。それでいいんだよな?」
「ええ、そういう人材も必要です」
 司はそう言いながら、情報分析の結果を精査する。
「思えば、電子の海も龍脈の波も同じです。流れを掴む者が勝利するのです‥‥本体との戦闘状況は、かんばしくはないですが、かろうじて戦線を維持できそうです。あとは、分身をどこまで殲滅できるか」
 と、そこへミネルバの死体が運ばれてきた。それは不動の魔法で蘇生され、そして。
「すみません、生き返らせていただいて‥‥さあ、これからです鬼どもよ、お義母様には指一本触れさせませんわよ!」
「無理は禁物だよ。一度生き返った以上、次は‥‥きっと、ないからね」
 不動はミネルバの肩を叩く。そう、蘇生の手段や、復活の手段、アイテム効果補填の手段が数あれど、それが無限でない以上、ジワジワ忍び寄るのは、戦線の緊迫、そして決壊可能性の拡大なのだった。

◆対分身:人と鬼を分けるもの
 分身から被る損害は、決して少なくはなかった。だが、ギルド員が呑まれることはなかった。怒涛を受け止め、跳ね返すだけの力が、そこに集っていた。
 挑み、受け止め、殴り殴られ、傷つき癒され、戦いは繰り返し、繰り返し、繰り返された。そう、つねにそうやって繰り返されてきたのだ、寛永のときも、平成のときも。
 その、癒しを担当していたボースン・カイザー。親戚が命懸けで戦う姿を見ながら、こうして後ろに控えているジレンマを抱えてはいたが。
「回復、助かる。では、もうひと暴れしてくるか」
 アイナがそう言ってきびすを返すと、
「皆の死亡フラグは俺様が引き受けとくから、皆は『あー、死ぬかと思った』と言って帰ってくるのねー!」
 ボースンはそんな言葉を贈った。
「あらら、ボロボロだねー。よし、いまこそ――地蔵菩薩慈悲真言!」
 霧ヶ峰 えあ子の神級の回復魔法が、多くの仲間を同時に大回復させる。
「お、おおきに‥‥よっしゃ! ザコの相手は引き続きウチにまかせとき! 平成のヴァルキリーちゃんや!」
 瀧沢 麗瑠は槍をかかげ、再び朱雀の翼で舞った。

「巨大鬼対正義の鬼か。ふふ、結構良いカードだよね」
 白鳳 栗花は強力な鬼ノ体を駆使し、強引な立ち回りで鬼を惹きつけ、そして殴っていた。
「ボク達には後が無い。正直追い詰められている。でもそんなときだからこそ全力を出せる。だから僕の全力見せて上げるね!」
 ぶうん、と妖黄金の金砕棒がうなりを上げてブン回され、同時に4体の鬼がそのまま死滅した。
「ふっ、やるな。そりゃああああ!」
 アイナが振るうは巨大刀、それが再び鬼を両断した。
「さあ、派手に行こうか! 闘志を燃やさずして勝利がつかめるか!」
 しかしこれで何体めだろうか。斬っても斬っても、終わりは見えない。
「私も秀吉には頭に来ているので、もう堪忍袋のリミッター解除! 纏めてやっつけてやる!」
 アステ・カイザーの水龍神霊迎えノ舞が連発される。伏姫の巫女装束のおかげで、仲間を巻き込む心配もない。鬼は、うめき、よろめき、膝をつき、やがて溶けていく。
「もう1体、大鬼を操りたいのですが‥‥」
 澄香は渡会 衣依を見やった。それだけで衣依は、全てを察し、うなずいた。
「霊符を貼り付けるリスクはわかっている。背中は預かっている‥‥共に行こう」
「‥‥はい!」
 そうして再度、マリオネットと化した大鬼は、さながら同士討ちのように他の大鬼に組み付いた。
「大丈夫、戦域はコントロールできていますよ」
 梅花は念話で皆に状況を伝える。こうして要所で、各所で、戦場を俯瞰し指示や連絡に貢献する者の存在も、鬼軍団に振り回されずにいる大きな要因であった。
「では私も、戦いに貢献しましょう!」
 梅花の素戔嗚息吹迎えノ舞は、効果上昇ノ舞だけでなく、蜘蛛次郎が魔改造に魔改造を重ねたイヤンな巫女装束のおかげで、凄まじい威力で鬼を飲み込んだ。
「‥‥私はあれです、分身相手でも社会的には即死しやすいので、皆さんサポートよろしくです」
 梅花は、脱げませんように、と再度神々に祈った。

 カーモネギーの亀甲車は、ついに真玄武砲を撃ち切った。
「あちゃー弾切れね。でも機巧武者ノ法もあるし、あとは特攻あるのみ! 最初にして最強最後の地球防衛軍、今こそ決戦の時~! ってね」
 その突進に合わせ、芽衣子は山姥の槍を大きく振り回し、鬼3体を転ばせた。それを真沙花がすかさず斬り裂いたが、その顔は浮かない。
「まったく、妙な初夢を見たせいで、秀吉に挑む気が失せた‥‥」
「ちょっとこんなときに世迷ごと言ってないで、必死になれっての!」
 萌が発破をかけながら、大太刀を振り回している。
「そうよ、真沙花もFresh GUMIの一員なら、ファンのために、アイドルらしく!」
 カナタも刀を振るってそう煽る。真沙花はやっと奮い立つ。
「ふれっしゅ組か。武士の実力を見込まれたのなら、期待には応えんとな! ‥‥しかしいつの間に加入させられたのだ?」

 悠頼は、殴られ傷つきながらも戦意を失わない柴犬たちに、深い感銘を受けていた。
「ありがとう、一緒に来てくれて。でも決して無茶はするなよ、俺達は生きるために戦うんだから」
 わん! という返事。だがすぐに、ぐるる、という警戒のうなり。向こうから赤い大鬼がやってきたのだ。
 だが、犬たちはすぐには向かわず、やや怯えを見せ始めた。
「そうか、あいつは‥‥」
 その体自身から灼熱を発するタイプ。強力で厄介な個体だ。再生能力は封じられているはずだが、挑む者も火傷はまぬがれない。
 が、その灼熱はすぐに。
「ガウッ!?」
 大鬼は驚いて振り向く。そこには大太刀を振り下ろした瑞希が立っていた。
「霧散ノ氣、見たか!」
 そう、灼熱の魔法は文字通り、霧散していた。
「チャンスだ、サンキュー瑞希! さあ悠頼、ユオ、れいも頼んだぜ! 恐怖なんて一ミリも無い!」
 紫苑の掛け声で、仲間たちは一気に大鬼へ挑み、そして結集された力は、大鬼でさえも瞬殺するのだった。

 凌駕は終始、戦場を縦横無尽に駆け、分身を惹きつけ続けていたが、ついに三方向から挟撃された。
「きたな‥‥だが狙い通り!」
 ずぶり、と凌駕が地面に沈む――土遁ノ術。そして。
「やっと元の時代に帰ってきたんだ! 友達にお土産話たくさんしたいんだ! だから鬼なんかにこの時代を終わらせない!」
 控えていた朱凰 魅衣奈が、素戔嗚息吹迎えノ舞でまとめて攻撃。だが倒し切れるはずもなく、大量の鬼が魅衣奈に群がる、が――
「微塵隠ノ術!」
 爆発を浴びせつつ、魅衣奈自身は100メートル後方へ撤収。と、そこへ一刀も鬼の一団を引き連れてきて、鬼が一塊となる。
「いまだ、お前達容赦はいらないよ、やっちまいな」
 春子の強烈な吹雪が、
「少しでもお役に立ちたいのデス!」
 サバンナ・キャメロンの雷撃が、きゆの光矢が、皆の水撃が、銃撃が、鬼をきりきりと舞わせ、それでも前に突き進む大鬼には、楡の八連撃が、瑠璃の一閃が、藤花の鉄拳が、打ち込まれ、撃ち込まれ、鬼は討たれ討たれ討たれて。
「きゆはね、ハッピーエンドだいすきなんだよ! だからいっぱい、めいっぱい、みんなと未来のために。好きなものには本気出す!」
 きゆの指先から放たれた白いエネルギーは、目指すべき未来のために飛翔し、最後の黒大鬼に吸い込まれ、そして黒い肉体がどろりと地面に流れると、その黒さもやがて消え、むき出しの土には、まだ花はおろか草も生えてはいなかったが。
「‥‥ここに、希望の種は蒔かれたのかしら」
 高峰 ダイアモンドはぽつりと言うと、胸元から滅鬼カプセルを取り出した。いよいよこれの出番となる、そんな予感がしたから。

◆拠点:そしてまた戦場へ
「法力が切れた? 仕方ないわね、この沢庵漬けを食べなさい」
 沢庵 宗彭は、ちゃっかり拠点にいて、アステに漬物を差し出していた。
「いただきます、ポリポリ‥‥ん? 別になにも‥‥」
「あら、やっぱスーパーで買ってきたのじゃ回復しないか」
「市販品ん!?」
 ずっこけるアステ。
「だってこっち来て自分で漬けるヒマなかったんだもの。でもこれもけっこう美味しいわよ」
「美味しさは今はいらないんです! すみませーん、ほかに法力回復の薬とかありませんかー」
 アステの求めに、冬彦は「あるよ!」と答え。
「ほら、飯神様の壺で巫女噛酒を大量生成したから、ちょっとやそっとじゃなくならないぜ」
「うわあ‥‥酔っ払わない程度にいただきます」
 冬彦の『居酒屋冬彦』は、客足が絶えぬ大盛況であった。充魔ノ誓も駆使していたが、鬼信長の髪留めはちぎれ飛んだ端切れを回収し、編み直したうえでないと効果を復元できないため、思ったほどの成果は出せずにいた――それでも多くの者の『命の保険』を再生している点は変わりなく、頼もしい成果だ。
「生き返るのは一度きり。不死鳥再生も一度きり。ムチャだけはしないでほしいのだよー」
 あきほはそう言って透哉を送り出す。不動は、生き返らせた絃瑞に向かって。
「やれるだけのことはするし、無茶が必要なのも知ってるけどさ‥‥ここを生き抜いてもらわなきゃ、僕だって困るんだ。2人の子供の顔も見たいしね」
「‥‥そのご注文は、少々お時間をいただきますよ」
 絃瑞はそう言い返すと、再び、秀吉へ向かう。そんな彼らの背中を、咲夜は歌声で押す。

あたしたちは生きている
美しいこの世界
戦いは終わらないなんて
誰が決めたの
憎悪も 悲しみも
力に変えて
みんなが笑える
明日に向かって
生きていくのよ

「‥‥さて。素敵な歌に誘われて。そろそろ俺も出向くとするか」
 九条 鰤々之進は仲間に託されたカプセルをよいしょと抱えると、ゆっくりと戦場へ足を向けた。

◆対秀吉:滅鬼カプセル
 巨大秀吉に、文字通り振り回されるも、その間に分身体を殲滅し続けた来世人ギルドの精鋭達。
 その、決死の囮が、怒涛の殲滅戦が、優秀なる支援と補充と情報が、今、この状況を作り出していた。すなわち、これ以上戦闘を長引かせればもはや無数の死は避けようもないが、いまや分身体のほとんどが死滅している、という状況だ。
 つまり、機は熟したのだ。
 グアアアア、と秀吉が口を開けた。だがその口へ向け、清十郎は特殊爆薬を取り付けた『対鬼特攻兵器』を刺し込んだ。
「終わりの刻や‥‥これは慈しみやない。けれど死をもってその憎しみから解放されればええ。それくらいの情けはかけてやりたい」
「グバッ!?」
 強烈な爆発が秀吉の口から噴き出し、その動きが一瞬、止まる。ビームは止まった。だがその凄まじい爆発は、刺し込んだ清十郎本人にも及ぶはずだ――特攻兵器なのだから。実質、自爆攻撃なのだから。
 そしてすでに、蘇生や転移の手段がないのだ、清十郎は。
「清十郎!?」
 魔神 極奴は愕然と爆煙を見やった――いた。無傷のようだ。
「‥‥どうやらドラゴンアーマーが効いたようやね」
「ムチャを‥‥だが、今こそ無茶をすべき時!」
 ミスト・カイザーは、ここぞとばかりに秀吉のうなじに取り付いた。大虚ノ術で気配を消しての接近だった。
「喰らえ、カプセル!」
 ずぶり。滅鬼カプセルが首筋に射ち込まれ、注入される。秀吉はすかさず巨大な手を首へ伸ばしたが、ミストは命中直前で転移した。
「神威ノ術‥‥ムチャはするが、死ぬ気はござらん。無事に帰還して見せる!」
 そしてミストに続くのは、カミラ・ナンゴウ、ミア、極奴の仲間たち。
「カプセルの完成の為、私の納豆餃子が少しでも貢献したのなら、このカプセルを射ち込むのも私の務めです」
 カミラは韋駄天仙道真言により、巨大秀吉の足を重力に逆らうかのように駆け上がる。グワァ、と秀吉の拳が襲ったが、鬼信長の髪留めがそれを防ぎ、無事、背骨のラインに注入。その隙に、ミアが太腿に、極奴が腰に注入。
 グオオ、と秀吉が吠え、凌駕に法力弾を放った。だが凌駕は全てかわすと、すさまじい跳躍を見せ、そのまま延髄にカプセル注入。
「ふはははは、ほらこっちこっち☆」
 ミアは分身ノ術で複数に増えた状態で、秀吉の鼻先で飛んで挑発。仲間のための時間稼ぎ――だったが、直後、ビームをもろに受け、分身も全部巻き込んで焼却された。
 とはいえ、ミアはまだ不死鳥の力が残っていた。
「あー死ぬかと思った‥‥」
「もうムチャは禁物ヨ! さあこっちネ!」
 パオロ・ベルカントが、やたらめったらアキレス腱を薙刀で斬り裂く。直後、秀吉のヒールキックがパオロを遠く遠くへ蹴り飛ばした。
「ぐう‥‥でも死んでないヨ‥‥!」
 その隙に、秀吉の腹部には千絵代が忽然と出現していた。透明化して接近し、インスリンを打つ要領で、薬の吸収の良さそうな腹に射したのだ。
 皆も続く。瑞希も死角から膝裏へ、命も地中から足裏へ。
「射ち込んでない場所は‥‥やはり顔ですかね」
 藤枝 桜花は猿飛の跳躍力で、ヒョイヒョイと巨体の鼻先へ到達すると、なんと口へ飛び込み、喉へ直接、それを刺し込んだ。
「グガァ!」
 ビームが放たれた。上空へ向かって。だが桜花は肩の上にいた。神威ノ伎によって。
「一応生還する気はありますから。しかしやりづらそうですねこの猿。巨象のポテンシャルより、アリンコの器用さが勝っているのでしょうね」
 桜花の指摘するとおりかもしれなかった――あまりにも巨大な秀吉に対し、来世人らはあまりに矮小だった。しかし。個々の動きは驚異的であり、なにより、見よ、そのアリンコにはまだ、不可逆的に滅ぼされた者が、ただの1人もいないのだ。
「派手にいくで!」
 白鳳 桃花もパワードスーツ的機巧を活かし、飛びついて脳天にカプセルを射ち込む。
「わたくしは非力かもしれませんが、小さな積み重ねが良い結果を生みます」
 絃瑞は足の甲へ。クリスタルと頼伝は共に飛行し、左右の翼状の付け根へ。
「こ、殺されませんように!」
 波新は大胆にも、眉間へ注入。グワァ、と振り上げられた拳は、さいわいにも波新をかすめただけで済む。
 ついに秀吉は怒りに任せ、四方八方、狙いもつけずに法力弾を乱射しだした。ダムダムダム、と地面に穿たれるクレーター。
「おおっと、当たるか!」
 一刀はバイクを器用に蛇行させてクレーターを避けると、乗り捨てるようにして飛び降り、そのままカプセルを足へ。
「ウマナミはん、きばってや!」
 海里も名馬を駆り、馬上から足へ注入、。
「うわわっ、でもこの程度ならまだ!」
 これはマティルダ・モロアッチの声だ。自身の操る亀甲車が被弾したが、地ノ秘伎法による頑強な車体は、一発や二発はものともしない。
「正直僕はそんなに強くない。機巧を維持するのが精一杯だよ。でもそんな僕でも出来る事がある‥‥よし、到着!」
 マティルダは亀甲車を秀吉のそばまで進めると、みずから車外へ飛び出した。続いてヒデコと伊吹 風彦が飛び出し、マティルダと共にカプセルを注入。
「ありがとう、助かったよ」
 風彦はそう言うとすぐに車内へ飛びあがり、マティルダの手を引き上げる。
「いったん距離を取るけど、戦いはまだこれから‥‥ボク達は負けない。風彦との今後の生活は壊させないんだから!」
 亀甲車と入れ替わるように、今度は黒大鬼がやってきた。これは澄香の操る個体だ。その陰に隠れるようにしてきた者も、一斉に散らばる。
 なかでもマリンは颯爽と浮かび上がると、秀吉の頭上に降り立ち、カプセルを射つやいなや、そこでアイドルっぽいダンスを始めた。
「この映像がバズれば決戦後の仕事も安泰――あぎゃ!」
 べしん、と秀吉の掌に潰された。蚊でも潰すかのように。しかしすぐに起き上がって。
「ふう、この命ごと炎上するところでした‥‥バッチリ撮れたかなー? じゃ撤収!」
 飛び立つ彼女に向け、カメちゃんとぴり花が、立てた親指を向けていた。
 なあんて間にも、カプセル注入は続々と続き。
(十蔵さん、まだ貴方の元にはいけないけど‥‥私達に力を貸して‥‥!)
 グレースが腰への注入を終えると、飛んできた拳からかばうように、絶斗がグレースを抱きすくめ、共にはじき飛ばされる。
「ぐう‥‥っ! 私の役目は玉を司るグレース様を守護する事です。亡き旦那様の為にも、グレース様とミネルバ様には指一本触れさせはしません!」
「絶斗、ムチャを‥‥ええい、現世に悪意のひとかけらも残させませんわ!」
 ミネルバは助けに行きたい衝動をこらえ、まずカプセルを脇腹へ。
 隙をつくように、蘭子が胸へ、瑠璃が膝へ、そして萌瑠は太腿の裏へ。
「私の分は終了‥‥続く皆さん、信じてますよ、ってうわわ」
 萌瑠、カプセルを射ち終え油断したのか、その不意討ちをモロに受けてしまった――脱法着衣状態な焔羅と、おおむね全裸な倫太郎の突進をモロに見てしまったのである。
「遅れんなよ倫太郎ーゥ! ケツの穴にカプセルぶち込んでやらぁー! ラブ☆注入!」
「ヌゥン! 我輩はオス最大の急所を‥‥むむ?」
 倫太郎は、かろうじて体についていた最後の衣類、いや正確には付喪褌(フンドシになりきっている付喪神)が、ハラリとほどけて飛び去るのに気づく。
「巨大な化身を前にして臆して逃げた、で、Rか‥‥だが構わぬ! 我輩にはまだこの大根が、いやもはやこれとて不要! そして輝く『真裸魂(マッパノソウル)』!」
「ヘエイ!」
 焔羅が「ヘエイ」と拳を振り上げた瞬間、倫太郎と焔羅は巨大な足に完全に踏み潰された。カプセルは無事ではなく、2人の命も無事ではなかったが、うつぶせに地面にねじこまれたので映像的には無事であった。
「付喪褌は危険を察して逃げたわけか‥‥でも時間は稼げた、そしてしばらく蘇生しなくていいぜ」
 蓮美 イヴは倫太郎の尻に優しい言葉をかけると、そのままカプセルを足へ。
「俺達はひとりじゃない。だから何だって――勝ちだって掴めるはず!」
 紫苑がこう叫べば、
「ああ、一緒なら百人力だ。俺達の、みんなの未来を守るために!」
 悠頼もこう答え、同時に、左右の足へ。
 続々と、着々と射ち込まれるカプセル。秀吉は抵抗するが、何重にも群がる来世人を止めることはできない。苦し紛れに放ったビームは、空中の月天を直撃したが、彼も鬼信長の髪留めがその身を守った。
「へへ、ザマァねえな、自分の部下が遺した装備に翻弄されるなんてよ」
 月天はゆらりと背後へ回り。
「わりィなお信、約束破っちまったがダチを見捨てて寛永で暮らすオレなんざオレじゃねえ! ‥‥だからヒデヨシぶっ倒して必ず帰るぜ!」
 背中へ、注入完了――直後、秀吉の鼻先で、まばゆい光が炸裂。
「グアッ!?」
 光によって視界が奪われる――それは純子の放った、妖黄金の弓からの一射。刺さると閃光を発する魔の力だ。
「今よ! まだカプセルが刺さってないのは、顔や頭、腕などが多いわ!」
 純子の檄を機に、仲間たちがさらに殺到する。
「ここまで来たんだもの、何とか勝って‥‥皆で生きて帰りましょう!」
 立花 流々子が、
「そこだあ!」
 マリナが、
「おねがい!」
 きゆが、
「よいしょ!」
 杏花が、
「オラァ!」
 日比田 武竜が、
「死にましぇ~ん!」
 ボースンが、
「光差す世界に汝ら暗黒棲まうところなし!」
 皇樹 久遠が、
「父さまや母さまの居る、この世界を壊させはせぬぞ!」
 ヤームルが、
「この世界の希望たる子を守るわよ!」
 藤花が、
「誰にも、あたし達が生きる今を邪魔させない!」
 魅衣奈が、
「終わらせてみせます!」
 真実 心志が、
「怖いけど、やります‥‥!」
 菫花が、来世人が、大和人が、皆が、仲間が、一斉に秀吉に取り付き、その全身に同時にカプセルを注入する。
「グアア! グガアアアアア!」
 秀吉は頭を抱えるようにして悶え苦しんでいる。その目元に、ダメ押しの妖黄金の弓矢が刺さり、再び視界が光に染まる。
 その隙に、仲間から複数のカプセルを託されていた楤と鰤々之進が、その全てを確実に、急所になりそうな場所へしっかりと注入する。
「よーしうまくいったな。お客さん、もうおかわりは出ないぜ」
 鰤々之進は颯爽と跳び去り、
「完璧だね。みんな見直してくれていいよ!」
 楤も悠々と撤退。
 こうしてカプセルは、その大部分を有効に注射することに成功した。

◆鬼神:反旗
 論理的思考を放棄している秀吉にとり、自分がなにをされたかなど、理解できるはずもなかった。
 だが、なにかされたことは、感覚で理解していた。そしてそれにより、自分の体に変化が起こったことも。
 なんだこれは。俺の肉体が暴れている。俺自身を喰わんとしている。よせ、やめろ。
 俺の肉体が、俺に反旗を翻している。俺自身さえ俺に逆らうのか。
 許せぬ‥‥俺自身さえ許せぬ! だが、この程度の反旗、潰してくれる。
 そして目の前の人間ども。お前達もだ。この手で潰す。殺す。滅ぼす。

◆対秀吉:力の結集
「あとは‥‥祈りながら戦うだけ、か」
 冬彦はそう言って、自身も祈った。仲間の健闘を、無事を。そしてこれですべてが終わりになることを。

「鬼神秀吉、今度こそ無間地獄に帰れ!」
 極奴の益洲刈刃(えくすかりばー)が、凄まじい太刀筋で肩口に打ち込まれた。血がしぶき、その傷は――癒えない。再生しない。する素振りを見せない。
「今ね! でも、あの作戦は‥‥」
 千絵代は、闇ノ義助の銘打たれた鉄拳を握りながら、眉をしかめる。この武器は対象のツボを突いて大ダメージを与えられるものだが、秀吉のツボがわからないのだ――ないのか、見つけられないだけか、それは彼女にもわからない。
「このデカブツを倒すのに針を使うなんて、馬鹿蘭子の馬鹿らしい策に乗ったあたしが一番の馬鹿だったよ」
 イヴはハハッと笑う。
「なあに、僕にはまだ三日月宗近があるさ!」
 団次郎は一ノ太刀を成就させ、名刀を振り下ろした。それも大きな傷を与え、そしてやはり、鬼ノ体は完全に封じられているようであった。
「父と門下生の仇討ち、かもしれませんので」
 桜花が振るうは太郎太刀。3メートル近い巨刀が脇腹をえぐる。天草 四郎も朱雀の翼で飛びながら、村雨丸で斬りつけると。
「鬼神よ、観念しろ」
「グオオオッ!」
 拳がうなり、四郎を大きくはじき飛ばした。だが四郎は空中で制止し、その傷は徐々に癒えていく。
「チャンスや、ついに総力戦やー! 自衛隊のおっちゃん、頼むでー!」
 桃花は10式戦車の操縦を、有志の自衛隊員に委ねていた。
「ウチらの怒り受けてみろやー!」
 そして自身は、その主砲を背中に撃ち込む。
「その酷い仏頂面ごと叩き斬ってやるから、覚悟しなよ。それならいっそ諦めもつくだろう?」
 楡は正面から顔を狙って、非人清光なる5メートル超の超大太刀を、なんとなんと八連撃。猪鹿蝶の外套の突撃効果もあり、それだけで秀吉の顔は醜い傷で覆われた。
「俺としては一応、手向けのつもりだよ。憎悪の頸木から解放してやるよ」
「ギャオオオオ!」
 返答は奇声と、拳。楡も大きく吹き飛ばされ大打撃を負ったが、まだ、自分の力で立ち、飛ぶことができた。
「この程度で死んでたまるか」
「いかにも。拙者も猿退治程度のちょっとした冒険で、愛する人を残して死ぬ気など無いのだ」
 ミストの妖黄金銃が、秀吉の眉間に明らかな穴を穿った。
「打ち首獄門、とはいきませんが」
 蘭子はその間に、首筋に一ノ太刀による鋭い斬撃を繰り返していた。何度も、何度も。
「あとはひたすら殴って殴って殴り倒すまでだね」
 零は、大鬼由来の巨大な金棒を、脛に打ちつけ、打ちつけ、打ちつける。真夏が喚び出した風神雷神も、絶え間なく容赦なく強力な魔法を浴びせ続ける。
 秀吉の肉体が、徐々に、徐々に、滅びに向かっていく。
「世界の片隅で、世界の中心で、あたしたちは叫ぶ‥‥生きて、生きて、生きて!」
 咲夜の、桃太郎の大太刀が、歌に乗せて打ち込まれる。生きるべく、人間は最後の力を振るう。そして秀吉は、死に、死に、死に近づいていく。
「シラコルさんが言っていた。全てに意味があるのなら、私の命は今この時の為に!」
 グレンの籠手の大砲が秀吉の耳の中で炸裂する。
「ゴリ公、今度こそ究極の急所へおいしい一撃だ!」
 焔羅(蘇生しました)の鉄拳に備わった針が、股間を一撃する。倫太郎の漆黒の拳も、続けてそこに叩きこまれる。
「うわあ、痛そうだなあ。でも、僕の金棒も痛いよ!」
 栗花の黄金棒も脛を狙う、零と違う左足を。そんな仲間たちを、強烈な吹雪が包み込んだが――これは春子の魔法であり、その効果は、仲間には及ばないよう制御されていた。
 さらに遠距離からも――矢塚が対物ライフルを、着々と撃ち込んでいた。
「こう見えて外人部隊の従軍経験があったのさ‥‥ゴリラと心中は勘弁だよ。寛永でのんびり隠居暮らしする夢があるのさ」
「のんびりしたいですうー!」
 アステもアサルトライフルをフルオートで注ぎ込むや、ダメ押しのグレネードランチャーをスポンと発射、ズドン。
「さあ、いざ勝負!」
 真沙花の大太刀『超桃太郎』も、太腿を大きくえぐった。
「秀吉を倒して貧乏クジを清算だ!」
 九郎は村雨抜刀術で喉元を狙い。
「Fresh GUMIの皆と共に頑張るわよー!」
「必殺の!」
「F・G・アターーック!」
 芽衣子、萌、カナタのジェットでストリーミングな連携攻撃が、左膝から多大な出血を促し。
「ハッピーエンドのために! みんなと未来のために!」
 きゆの放った矢は、秀吉の脇腹に突き刺さり。
「この国を護る、それが皇樹家次期当主としての役目だ」
 久遠の之定は、その腹部に一文字の線を穿ち。
「なんでも為せば成るってなぁ!」
 月天の軍配斧は、その脳天に叩きつけられ。
「寛永でまた春に勝負する、鬼秀吉からみんな守る、チーズタルト持って帰る、全部、約束した! だから俺は鬼秀吉を倒し、生きて寛永へ帰る!」
 透哉の大太刀が眉間に突き刺さると、秀吉はふらぁ、とよろけだし。
「ええい、いい加減倒れてください!」
 ヒデコの、血ノ代償を伴う強烈な極打がアキレス腱に極まると、ついに秀吉はバランスを崩し、無様な格好で仰向けにひっくり返りだす――巻き込まれると危険なので、慌てて距離を取る仲間たち。
 やがて、ずぅん、と地響きが起こると。
「ちょっと離れてー! 火力を注いでダメ押しやー!」
 桃花が戦車砲を、カーモネギーは対戦車用RPGを発射し。
「秀吉の勝手な理屈で私たちの世界を滅ぼされてたまるものですか!」
 命の対戦車誘導ミサイルも、1発、2発、3発と命中し爆発を起こすと、もはや、秀吉はぴくりとも動かなくなった。
「さ、さすがに‥‥死んじゃったかな?」
 魅衣奈はそう願った。千絵代は鋭く観察する。
「出血量、傷の深さを考えれば、人間でいえば確実に死亡したところね‥‥」
 追い討ちをするべきなのかどうか。しばし、ためらった来世人たちに、あの光照から連絡が入った。
「米軍が介入する、離れるんだ!」
「ええっ!? どど、どうしたんですか、急に」
 菫花は、よからぬ事態が起こったのかという予感に襲われた――光照は解説した。
「生物学的には、秀吉は死亡したはずだ。だが、それはカプセルの影響下にあるからに過ぎない。呼吸が止まり、心臓が止まっても、奴の細胞は完全には死滅していないんだ。つまり、カプセルの効果が弱まれば‥‥」
「生き返る、ってわけか。冗談きついね」
 楤は吐き捨てるように言うと、光照は、ゆっくりと、かすかに震える言葉を続けた。
「そうだな‥‥細胞が再生力を復活させれば、おそらく、止まった心臓さえ動き出すだろうな‥‥そしてそうなるのはいつか、計算では導き出せない。数時間後か、数十分後か、数秒後か――」

◆鬼神:生と死と
 死の定義とは、なんだろうか。
 死というものが、二度と復活しないという、不可逆性で判断されるならば、心臓が止まり、あるいは肉片になっても魔法で生き返る来世人は、それを『死んだ』とは呼ぶべきではないのかもしれない。
 秀吉は死んだ。だが生き返るかもしれない。しかし、そもそも秀吉は生きていたのだろうか?
 生命とはなにか。思考を、理性を捨て去った秀吉は、すでに知的生物としては、死んだも同然だったのではないか。
 あるいは、あれほど死と破壊に取り憑かれた時点で、彼は『生ある存在』としての資格を、とうに失っていたのではないか。
 今、秀吉に残されたもの――死んだ肉体。だが生き返るかもしれない肉体。その鬼神の細胞のひとつひとつには、限界を超えた生存本能のようなものが植えつけられている。それが今、覚醒しようとしている。
 だが、それが覚醒したとして――それによって動き出すものは、それは生なのか、死なのか。

◆対秀吉:爆撃
「――だがそうなる前に、細胞をくまなく焼却してしまえば、さすがの秀吉も、完全に死亡した、滅んだことになるはずなんだ」
 光照の説明を受け、ギルド員は皆、その作戦を見守ることにした。少なくとも核は使わないそうだから。
 十分に距離を取りながら(しかし、玉を持つ者は、離れすぎるわけにもいかず、急遽用意された鋼鉄の遮蔽に身を隠したが)、行く末を見守る来世人ギルドの者たち。
 始まった。在日米軍の戦闘機が隊列を組み、秀吉上空に飛来すると、遠目にも爆弾とわかるものを次々と投下した。それは秀吉自身、およびその周囲に綺麗に着弾し、あっという間に強烈な火の手が上がった。
「あれは‥‥ナパーム弾?」
 ボースンの問いに、グレンは首を振る。
「Mark77などの焼夷弾だろう。米軍はナパーム弾を保有していないことになっている。非人道的だという理由でな」
「焼夷弾とナパーム弾の違いってなんなのさ?」
「そうだな‥‥かなり非人道的であるか、すごく非人道的であるか、の違いかな」
 グレンがそう言うと、ボースンはおおげさに肩をすくめた。
 強烈な炎は、身じろぎもせぬ秀吉の巨体を『火葬』していく――はずであった。
 だが、おとなしく焼死体とはならず、それが、蠢きだした。
「くそっ、間に合わなかったってか!?」
 一刀は拳を握り締める――やがて立ち昇る炎の中から、何かが立ち上がった。無傷の秀吉だった――ただし、その身長は20メートルに届かないようだったが。
「なにが‥‥起こったんや‥‥」
 海里のうめきに、通信で、答えが返ってきた。光照だ。
「まだ生きてる細胞が、生存のために短時間で進化したんだ‥‥すでに焼け死んだ表層の細胞を捨てて、再構築したんだ‥‥」
 秀吉はどこまで不死身なのか――しかし、新たに立ち上がった秀吉は、その瞬間から、衰えぬ炎に焙られており、さらに第二編隊が、そこへ爆撃を集中させた。
 さらなる炎が広がった。新たに生まれた秀吉は、生まれた瞬間から火刑に遭い、もがき苦しむようにして、静かにうずくまった――その背中がべりりと裂け、そこから、大鬼サイズの何者かが生まれた。それは寛永の秀吉を、巨大化したような姿に見えた。
 そこへ第三陣が注がれた。炎はますます猛り、全てを喰らい尽くさんとし、秀吉はじたばたと無様な苦悶を見せると、仰向けに倒れ、そしてその腹が割け、今度は人間サイズの秀吉が出現した。
 爆撃はここまでだった。だが十分だった。炎は衰えず、生まれたての秀吉は即座に焼却され、天に向かって手を伸ばしながら、今度もまた背中から、何かが生み出された。小猿のようだった、寛永の思念体のような。そしてそれもすぐに激しく焼け焦げた。
「ええ‥‥もう、ええ‥‥よすんや‥‥」
 清十郎は、いつしか涙を流していた。いや彼だけではなかった。
 小猿の口から、なにか小さき者が飛び出したのが、かろうじて確認できた。だが、飛び出したきり、そのまま地面に落下した。 確認できたのは、そこまでだった。あとは地獄の業火に覆われ、それが鎮火するまで待つしかなかった。

◆決着:秀吉の『玉』
 ついに鎮火したとき、そこには黒い焦げ痕だけが残っていた。
「なんちゅう戦いだったんや‥‥あんなになってまで生き延びようとして‥‥ん、なんや?」
 桃花は、光り輝くものを見つけた。秀吉が完全に燃え尽きた、その痕に。
「これは‥‥玉?」
 あの、八つの玉に、実によく似ていた。しかし、なんの文字もない。光照は直接、それをまじまじと観察するも、はっきりとした考察はできぬ様子。
「むむむ‥‥秀吉が最後に遺したものだとすると‥‥進化の最終系‥‥自己防衛の究極形なのか、なんらかの種なのか。わからないが、危険だ。壊したほうがいいと思うが‥‥」
 だが、それは壊せなかった。誰がどんな名刀で、どんな魔法で攻撃しても、傷ひとつ付かなかったのだ。それが光照をますます不安にさせた。
「なんだこれは‥‥壊せないなら、いっそ宇宙の果てにでも捨てたほうが‥‥」
「その必要はないぞ」
 と、割り込んできたのは、十人ちゃん
「それは、秀吉の『善性』を封じ込めた結晶じゃ。鬼は皆、本来備わっていたはずの善性を封印されておるのじゃが、それは触れられぬほど小さいものでな。じゃが秀吉ほどになると、これほどの大きさになるということじゃ‥‥これは危険なものではない、来世人が大事に持っておけばよいじゃろう」
 そうのたまうと、椋にそれを、ヒョイと預けた。
「え、これは、どうしろと‥‥?」
「言ったとおりじゃ。大事にとっておけ。たぶんなんの役にも立たんが、少なくとも害にはならん」
「というか十人さん‥‥いろいろ思い出してませんか?」
「うむ、さきほど記憶が全部戻った。が、その話はあとにしようぞ」
 十人ちゃんはそう言うと、しばし、秀吉がいた、その跡を見やって。
「‥‥おぬしらの役目は、これで終わりじゃな。礼を言うぞ、心より」
「まー、勝手に召喚されたのはイケてないけど、でもめぐりめぐって、自分らの世界も救えたんだしねー。そこは恨みっこなしかな」
 ミアがそう言うと、ミストは「ちょろい冒険でござった」と、ぷひー。
「全ては運命、因果よの‥‥しかし、憐れな存在であった」
 頼伝は、秀吉の跡に向かって手を合わせると。
「犯した罪も、業も、なんと深すぎる存在であったことか‥‥今は滅びて、産まれ直すがよい」
「憐れ、か‥‥」
 清十郎も、知性まで投げ捨てた秀吉が、憐れでならなかった。過去に囚われたものが、やもすれば、どういう末路を迎えるのかも、あらためて考えさせられた。
「憎しみの反対は慈しみ‥‥慈しんで憎しみ消える訳ないし、敵意抑え込めても慈しむ事はできん‥‥でも、彼には、なにかもっと注がれるべきものがあったような気がしてならないんや‥‥」
「受け入れられたいと願った、のかもしれませんね」
 椋は、手にある玉を眺めながら。
「それとも、憐れまれるのは気に障りますかね? まあ、貴方が何を考えていようと、人の一生は短いものですので、僕もそのうち、そちらへ行きますよ。その時は‥‥仲良くしてくださいね?」

◆エピローグI:向かうべき道は
 在日米軍が去り、死線をくぐり抜けた皆が再度合流すると、せきを切ったかのように、祝勝ムードが立ち昇った。
「おかえりなさい! 待ってましたよぉ~!」
 桃月 かおるは、いつの間に用意したのか、お弁当と風船をあちらこちらに配り始め、それが皆の笑いを誘った。
「こんなところで潰えるわけにはいかないですからね。これから先、子々孫々のためにも。まだ、ご両親に結婚のご挨拶もしていませんからね」
 絃瑞は風船を手に、千絵代へちらりとそう言うと。
「貴方、もう私の両親への挨拶は考えたの?」
「いえ、ですが誠意を込めて話せば――」
「今さら言っておくけどお父さん怖いわよ‥‥」
「エッッ」
 絃瑞がフリーズすると、不動は「除傷形代やっとく?」と茶化し。
「考えるといえば、名前は考えてくれた?」
 千絵代の問いに、絃瑞は「名前?」と首をかしげ。
「赤ちゃんのよ‥‥お腹の」
「エッッッッ」

「核で万事解決、とならない結末で、ワタクシとしては本望ですわ」
 蘭子はそうつぶやく。団次郎も「そんな世界はよくないよねー」とうなずく、が。
「でもさ、核よりは遥かにマシだろうけど、あの爆撃もなんだかエゲつなかったねえー。あの秀吉もエゲつないっちゃ、そうなんだけどさ」
「それを言うなら、ワタクシたちの力だって、十二分にえげつないと思いますわ。過ぎたる力を持ってしまった気がします‥‥これで平和が訪れるなら、一番戒めるべきは、ワタクシたち自身かもしれませんわね」

「さー派手に宴会を行うわよー! お酒が待ってる!」
 芽衣子はすっかり舞い上がっていた。栗花も「肉だ肉だ」と大はしゃぎ。
「いえいえ、まずはお風呂‥‥できればスーパー銭湯で!」
 早瀬 美夏子がこう言えば、イヴも「そいつぁいいや」と乗り気で。
 そんな様子を微笑ましく眺めながら、きゆは、この場にいない者へも想いを馳せる。
「今はとおく胸の中に抱く大切なひとたち‥‥かねちかちゃんとももっと仲良くしたかったな。みんな、だいすき」

 澄香と衣依は、いつしか手を繋いでいた。どちらからともなく。そしてそのまま、秀吉のいた場所へ背を向け、仲間のいるほうを眺めていた。
「平和を取り戻した世界‥‥いろいろ見に行きましょう」
「ああ。一緒にな」
 ――そんな様子を、梅花は微笑ましく見送ると。
「戦いは終わりましたが、まだまだいろいろ大変でしょうねえ。でも、道を見出すのはいいことです」
「道‥‥えあ子の道(みち)は、ダンス道(どう)! でも、高校生ダンス甲子園って、出ていいのかわりと心配‥‥」
 えあ子がそうぼやくと、梅花は「たしかに」と苦笑。
「今後ですか。徳川光照さまは生活力にいささか問題のある方のようですので、押しかけメイドになるのも悪くない選択ですね」
 カミラがぽつりと言うと、冬彦は「それよりも」とグイグイ前に出て、
「十人、安倍晴明の記憶が戻ったって言ってたよね? だったらいろいろ、聞いておくべき大事なこととか思い出してないか?」
 冬彦にそう言われるや、十人ちゃんは「うむ」と言って、語り出した。

◆エピローグII:晴明の記憶
「晴明のしたことや考えは、わらわの中にほぼ蘇った、っぽいぞ。じゃが、知識としてココ(頭)にあるだけで、わらわがやったことじゃないから、わらわに恨み節を言うでないぞ‥‥と、あらかじめ言っておかんとな」
 十人ちゃんの言い訳じみた前置きに、藤花はくすりと笑い。
「あなたらしいわね。いいわよ、今さら激怒する人もいないと思うから安心して」
「そうだといいのじゃがな‥‥ちなみに、晴明とて、鬼の正体や成り立ちを詳細に知ってるわけではないから、そこもよろしくな。そのへんは聖徳太子や蘇我馬子のやったことじゃ。ただ、鬼とは、人間の体を基礎として、本来誰しも備えているはずの『善性』を封じ込めることで、心身を凶暴化させたりなんかしたようじゃな」
「善性‥‥」
 純子は眉をしかめた。それではまるで、人々は誰しも鬼になりうる、と言ってるようにも聞こえたからだ。
 十人ちゃんは続ける。
「で、鬼を封印したのが聖徳太子じゃが‥‥この封印は千年しかもたぬもので、それを大きく延ばすことは、誰にもできなかったことはすでに話したとおりじゃ。もちろん晴明にもな。だから晴明は、自分の生きた時代の千年先より、鬼に対抗しうる者を召喚したのじゃ。千年先とは、すなわちこの時代じゃ。それを、封印が解ける時代に向け転移させたのじゃ‥‥この千年というのは、暦と関係しているのじゃが‥‥時空や空間を超える秘儀は、千年周期がやりやすいものでな‥‥まあこれはフクザツな陰陽道の話とかになるのでやめるぞ。わらわもわかってるようでうまく説明できんからな」
「大丈夫ですよ、懇切丁寧に解説されても、私らのほとんどもどうせ理解できないでしょうから」
 萌瑠はのほほんと言った。
「じゃあ続けるぞ‥‥そうそう、気づいてる者もいるようじゃが、この時代と、あの寛永の時代、実は純粋な過去未来ではない。それぞれ別の、並行した世界なんじゃ。つまり、鬼が生み出され気脈が乱れ法力や化身が跋扈する世界へ、鬼も存在せず法力も化身もない世界から、おぬしらを喚んだ、ということになる。じゃが、一見、法力がないように見えても、人間が持つ才能は、本来一緒‥‥おぬしらは、時と次元を大きくまたぐという、一種の荒療治によって、強引に、秘めたる法力に目覚めたわけじゃ。むろん、現代人の全てがそうだったわけではなく、大きな素質を秘めながら、この世界にいれば目覚めるはずもなかった才覚を有する者だけを選んで召喚したのじゃ」
「やはり、選ばれるだけのモノがあったのですわー」
 瑠璃はおしとかやにドヤ顔した。
「これも言い訳に聞こえるかもしれぬが‥‥この、並行したお互いの世界は、それぞれ独立しているようで、実はそれぞれが影響しあって存在しておる。あえて形にするならば、いくつもの世界は、縒り合わさって未来へ向かっているのじゃ。じゃからもしも、あの寛永で秀吉が人間を支配し、世界を制圧しておれば‥‥おそらくはこっちの世界も、なんらかの理由で滅んでいたのではないかのう」
「たとえば‥‥核戦争とか、ですかね。あるいは、環境破壊か、それとも‥‥」
 司は、そこまで言って、口を閉ざすことにした――なんと、この現代にも、『鬼』の多く存在することか。
「ところで、我々はどうなるのでしょう? たとえば、法力とか加齢とか」
 梅花が訊ねると、十人ちゃんは、しばし考え込んでから。
「おそらく‥‥元に戻っていくじゃろう。もはや晴明の『召喚の儀』は完全成就され、その役目を終えておる。おぬしらはゆっくりとこの世界との調和を取り戻していくじゃろう‥‥一年程度で。一年かけて、ゆっくりと法力は失われ、いや正確にいえばしかるべく眠りにつく。加齢も同じじゃな、ゆっくりと歳を取り始め、これも一年後には普通の者と同じになるはずじゃ」
「あの、念のため聞きたいんだけど‥‥加齢が元に戻るってことは、たとえば寛永で五年過ごした人は、一年後には5歳分老けるってことじゃあ‥‥?」
 マリンはおそるおそる聞いたが、そういうことではないらしい。たとえば17歳0ヶ月で寛永に召喚された者は、そこで何年過ごそうと、その者は2020年1月頃に、肉体年齢がおおむね17歳6ヶ月となり、そこから普通に老化していくのだそうだ――なお、これは後で決まることだが、戸籍上は寛永で過ごした時間に関係なく、出生日から年齢を算出することになる。
「そうそう、法力は消えていくが、得た技能はそのままのはずじゃ。それと、法力を宿した武具も、その力を内へ閉じ込めていくじゃろう。そして、連れてきた化身らは‥‥やがて、いなくなるはずじゃ。小さくなるか、見えなくなるか、本来のモノに戻るかは、それぞれじゃろうがな」
「わかりました‥‥ところで十人殿、我々はどうなるでありましょうや?」
 瑞希は、大和人として訊ねた。もともと、この時代・この世界の者ではない大和人たち。秀吉を倒すため、あえてこの現代へ来てくれた者たちも、少なからずいるのだ。
「おぬしらの体も、この世界に合わせたものになっていくじゃろう‥‥すなわち法力は失われる。氣とやらはわからんがな。あれは技能みたいなものじゃから、おそらく使えるじゃろう‥‥というか、そうそう、大事なことを言い忘れておった」
 十人ちゃんは、かたわらの巨大犬、十房を撫でると。
「実はこの十房はな、十尾ノ犬なのじゃ」
「十尾ィ!? なんかすごすぎるの!」
 ヤームルはびっくりして十房を見たが、十房は変わらず「へふへふ」と舌を出し、シッポも出さない。
「すさまじく長生きの、すさまじく法力を宿した獣ノ怪なのじゃ。なので、おもに『晴明の転生者の護衛』を任せておった‥‥とはいえ、あまりにも長く生き過ぎて、ご覧の通りモウロクしておる。めったなことでは喋らんし、力を見せぬし、したがって尻尾も出さん」
「うー‥‥見たかったのう」
 ヤームルは十房をツンツン。へふへふ。すると十人は。
「少なくとも一度は見られるぞ。十房にはもうひとつ大事な使命があるのじゃ。それは、晴明の魂を、晴明の時代である千年前に連れ帰ることじゃ。そのときくらい、尻尾を現すじゃろう」
「え、それってまさか‥‥」
 菫花が目を丸くした。十人はうむうむとうなずいた。
「十房の法力をもってすれば、独力で時空を超えることが可能なのじゃ。こうして、晴明の魂はあるべき場所へ戻り、すべきことをする‥‥すべては陰と陽、縒り合わさり、繰り返すのじゃ。あ、わらわはわらわのいるべき場所、つまり寛永に戻るぞよ。そこで晴明の魂と分かたれ、十房は魂だけを連れて、さらに時代を遡るのじゃ‥‥でな、さっき十房に聞いたんじゃが、寛永に戻るとき、来たい者は一緒に連れていけるそうじゃ。数十人くらいいっぺんにいけるらしいから、寛永に戻りたい者は、そのとき十房のそばに来るとよいぞ」
「なんだよ、結局寛永に戻れるってことかよ! 先に言えよそういうのは!」
 マリナは十人ちゃんの胸元を掴んで揺すった。
「あががが、すまんすまん、記憶が戻ったのさっきじゃし‥‥あ、これも忘れんよう言っておくが、寛永に帰れる機会は一度だけじゃぞ」
 十人ちゃんは、少し時間をやるから考えろ、という。数日後、十人と十房はこの時代を去る。そのときまでに、生きるべき時代を決めねばならないわけだ。平成か、寛永か。
 なお、『あちらの寛永』ならば、法力は失わないそうだ。ただし、加齢は開始されるはず、とのこと。
「戻れるのか、寛永に‥‥」
 極奴は笑みがこみ上げてきた。しかし、どうすべきか? そんなこと即断はできない気もした。
「風彦は‥‥どうする?」
 マティルダは風彦を見た。風彦はしばし考えると。
「ちょっと考えてみるけど‥‥マティルダと同じ道を行こうかな」
「道、ね‥‥」
 グレースは空を見上げた。道はいくつも分かれており、ときに人と人は、それにより分かたれ、そして永久に会えなくなることを、彼女は知っていた。
 そしてグレースのかたわらには、自然なかたちで、絶斗が立っていた。ただ静かに。
「どうしちゃおっかなー」
 ミアは、どちらが冒険めいているだろう、とニヤニヤ考えた。それを見てミストは思った。この姉ならば、この後寛永に戻っても、自力で現代に戻る方法でも見つけてしまうのではなかろうか、と。
「ま、そういうわけじゃ‥‥わらわ達は、あんまりこの時代に長居できぬのじゃ。急かすようですまんが、迷ってる者は早めに決めるのじゃぞ」
 十人ちゃんはそう言うと、「それじゃ今のうちにすーぱーせんとうじゃ」と歩き出した。

◆エピローグIII:来世人の歩み(ここからのあらすじ)
 どうも、安桜 真琴です! 私も実は決戦にいて、カプセルとか射ち込んでたんだけど、報告書には詳しく書かれなかったみたい、残念。
 さて、来世人ギルドのおはなしだけど、大事な部分は、これでおしまい。みんな、お疲れさま!
 でも、物語の全てが終わったわけじゃない、よね。むしろ、ここから始まる物語だって、たくさんあると思うし。
 現代に戻ってきた来世人は、これからどうするんだろう? 元の生活を楽しむのか、技能や知名度をフル活用した新生活を模索するのか。
 現代に残った大和人も、大変だろうね。どういう扱いになるのかなあ、戸籍とかもらえるのかなあ。きっともらえるよね。ひょっとして有名人になっちゃったりして。
 寛永に戻る、あるいは残ってた来世人もいるよね。だから、きっと来世人ギルド自体はなくならないんだろうね。これまで通り、みんなの互助会として‥‥でも、化身退治の依頼が激減するだろうから、お金を稼ぐの、大変そうだなあ。いよいよ本格的に商売とか必要かもね、来世のスイーツとか売ったり‥‥
 うーん、鬼はいなくなったし、平和っちゃ平和になったけど、みんなこれからも、なんだかんだで大変そうだね。
 そうそう、私は‥‥やっぱり、現代で生きようと思ってるんだけど。もし可能であれば、みんながこれから、どんな生き方をしていくのか、できるだけ知りたい、教えてほしいな。
 だって、そうした人生のひとつひとつが、私たちみんなの力で獲得した、未来なんだから!



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参加者

d.注入☆サポート 最終ケツ戦ファイトー!ゴリラのケツにカンチョーしたる!
不知火焔羅(ka00012)
Lv251 ♂ 23歳 武僧 来世 異彩
d.やれやれ、俺には戦場が似合いってことかね? やれるだけのことはするさ。
霧原矢塚(ka00031)
Lv199 ♂ 32歳 陰傀 来世 大衆
b.チッ、久々に大暴れしてやるよ。
御堂マリナ(ka00057)
Lv267 ♀ 24歳 忍僧 来世 大衆
b.私、この戦いが終わったら、今度こそ普通のアイドルに戻るんだ…(無理)
土方萌(ka00069)
Lv141 ♀ 18歳 武神 来世 異彩
b.皆で頑張って何とかしないとね!
沖田芽衣子(ka00120)
Lv204 ♀ 22歳 武忍 来世 大衆
d.よろしくお願いします。
マティルダ・モロアッチ(ka00124)
Lv197 ♀ 16歳 忍傀 来世 質素
c.きゆが、すきなもの。
遠田きゆ(ka00206)
Lv264 ♀ 15歳 神傀 来世 異彩
d.男魂注入!!、で、R!!(全身光輝く脱衣メン)
白羽瀬倫太郎(ka00283)
Lv176 ♂ 19歳 武僧 来世 傾奇
e.分身の撃破を狙いますわ。本体はお任せいたします。
北里瑠璃(ka00342)
Lv371 ♀ 20歳 武僧 来世 婆娑羅
g.機巧盾(ぬりかべ・伊舎那天)を展開し、うまく秀吉に近づく所存です
空木椋(ka00358)
Lv193 ♂ 20歳 傀僧 来世 大衆
c.戦いを少しでも早く終わらせられる様に、敵の手数を減らし盾を増やせたらと
水上澄香(ka00399)
Lv150 ♀ 17歳 陰傀 来世 異彩
e.でかい一撃喰らってでも、鬼秀吉を惹きつけ続けてやるぜ!
鈴城透哉(ka00401)
Lv155 ♂ 15歳 武僧 来世 傾奇
e.この世界に貴方も核も不要。負けたら全世界におっぱい晒してさしあげますわ
高杉蘭子(ka00512)
Lv392 ♀ 20歳 武神 来世 傾奇
e.熊鷹と金鷹で目の前をチョロチョロさせて、背中を向けさせてやるのです。
藤枝杏花(ka00565)
Lv164 ♀ 15歳 傀僧 来世 異彩
b.全て(恥じらいともいふ)をを捨ててお猿さんの群れを滅ぼしましょう!
藤枝梅花(ka00566)
Lv216 ♀ 22歳 神陰 来世 麗人
f.敵討ち、というのも柄ではありませんが
藤枝桜花(ka00569)
Lv233 ♀ 23歳 武忍 来世 大衆
f.これを、最後の戦いにできる様に、力を尽せたらて思うよ。
潤賀清十郎(ka00609)
Lv232 ♂ 27歳 神忍 来世 異彩
a.猿飛と韋駄天で駆け回って分身どもを誘導する。猿は任せた!
莱堂凌駕(ka00613)
Lv259 ♂ 17歳 忍僧 来世 大衆
f.身を潜めて耐え忍び、必殺の時を待ってこそ、忍者の極意と見つけたり。
ミスト・カイザー(ka00645)
Lv206 ♂ 24歳 武忍 来世 質素
e.仁の玉を授かった我が妻、千絵さんには指一本触れさせる訳には参りません。
遠野絃瑞(ka00651)
Lv157 ♂ 28歳 武忍 来世 質素
f.嫌だわ、早く磨り潰さないと…
神宮寺咲夜(ka00666)
Lv212 ♀ 20歳 武神 来世 異彩
f.あ、よく考えたら、これは光照君に任された、お銀と弥七の仕事なのかw
ミア・カイザー(ka00679)
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b.よぉーし、今こそ決着の時だな、これが!!
アイナ・ルーラ(ka00830)
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f.決定的な打撃を与えたいわね。嬉しいけど私は攻撃受けないと無能なの…
升田千絵代(ka00869)
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d.できない人の分をサポートする。できない人だけ。可能な人なら書いて欲しい
九条鰤々之進(ka00875)
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g.久方ぶりじゃの!助太刀いたす!
ヤームル・アイマーヴィ(ka00918)
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c.形代での補助や攻撃支援を。紫苑達が一緒だと心強いな。
由良悠頼(ka00943)
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c.出来ること目一杯、支援頑張るな!悠頼達と一緒なら何だってやれるさ。
由良紫苑(ka00953)
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f.裏闇仕掛隊3号ってとこかね。やれるだけの事はするつもりだ
蓮美イヴ(ka01084)
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f.裏闇仕掛隊いって参ります!ってな
越中団次郎(ka01138)
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e.椋ちゃんの機巧盾に頼りつつ、最大攻撃で出来るだけ引き付けるつもりだよ
相葉楡(ka01176)
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g.瀕死者を回収してゾンビにするのだよ。ネクロマンサーなのだよ
藤あきほ(ka01228)
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g.サポートがんばるよー☆彡
霧ヶ峰えあ子(ka01260)
Lv263 ♀ 16歳 神僧 来世 麗人
f.菫花に朱雀をかけてもらって、空飛んでカプセル上半身に打ち込む!
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f.では未熟ながら、こちらに参加致します。
カミラ・ナンゴウ(ka01313)
Lv152 ♀ 23歳 忍僧 来世 大衆
d.私の娘達やミスト君はやらせわしないわよ!
藤枝藤花(ka01346)
Lv180 ♀ 40歳 武僧 来世 大衆
d.靴底にしてもブラにしても、底上げは大切な訳でして、皆様に榊樹女ノ舞を。
茂呂亜亭萌瑠(ka01356)
Lv146 ♀ 23歳 神傀 来世 麗人
a.俺もバイクを出して、惹きつけをするか。上手くトレインできればいいが。
村正一刀(ka01389)
Lv182 ♂ 23歳 武神 来世 異彩
b.私に出来ること…分身を引きつけつつ、土遁で足元から本体にカプセルを…!
伊東命(ka01412)
Lv159 ♀ 27歳 忍傀 来世 大衆
b.さあ、最高のライブを盛り上げるよ!!
田中カナタ(ka01429)
Lv150 ♀ 18歳 武陰 来世 異彩
f.戦闘本能しか無い堕落した生命体に鉄槌をですわー!
ヒデコ・ルーラ(ka01440)
Lv133 ♀ 16歳 武神 来世 異彩
b.まとめてやっつけちゃうよー♪
朱凰魅衣奈(ka01477)
Lv158 ♀ 16歳 神忍 来世 異彩
c.回復する人おらんやんか!ウチが何とかしたるわ!!
蓑下海里(ka01493)
Lv207 ♀ 18歳 忍僧 来世 質素
c.猩々の舞を付与するから魔法主体の人は此方で分身殲滅に手を貸して欲しい。
池袋春子(ka01511)
Lv244 ♀ 34歳 神陰 来世 麗人
g.解ってるって。千絵サンは死んでもぶっ生き返すから安心して?
八十神不動(ka01514)
Lv171 ♂ 23歳 陰僧 来世 異彩
g.接近までの道中&秀吉戦での回復に回りたいと考えています
根子ナラ(ka01549)
Lv195 ♀ 22歳 神僧 来世 婆娑羅
f.戦車による全面攻撃を行うでー!撃って撃って撃ちまくりやー!
白鳳桃花(ka01568)
Lv232 ♀ 17歳 武傀 来世 傾奇
g.電算的なサポートと伝心的なサポートをします。本職の勘は鈍っていませんよ
羽柴司(ka01607)
Lv179 ♂ 25歳 傀流 来世 異彩
c.秀吉も分身の鬼も、皆まとめてやっつけてやる、コンニャロー!!
アステ・カイザー(ka01612)
Lv157 ♀ 16歳 神陰 来世 麗人
d.みんなに朱雀と、妖黄金の弓で目潰ししてカプセル注入を援護するわね。
溢田純子(ka01629)
Lv146 ♀ 25歳 僧流 来世 異彩
e.諜報員だった私が世界を救う戦いの最前線に立つ。分からない物ね。
クリスタル・カイザー(ka01634)
Lv266 ♀ 29歳 忍流 来世 大衆
d.秀吉に仕掛ける皆に、必勝の祈願と朱雀の付与を執り行おう。我らに加護を。
富栄弩院頼伝(ka01639)
Lv192 ♂ 36歳 僧流 来世 大衆
g.玉の発動はこっちかしら?
グレース・マガミ(ka01643)
Lv131 ♀ 28歳 神傀 来世 麗人
g.私はグレース様をお守りする盾となりましょう。
真神河絶斗(ka01644)
Lv137 ♂ 31歳 武陰 来世 大衆
e.優しい仲間の笑顔と、ただ一言の愛の為に、今こそこの命を懸ける時!!
グレン・ギーガー(ka01653)
Lv204 ♂ 35歳 忍流 来世 異彩
e.引き付けるなら一秒でも長くだ…!貧乏神サマ、俺に限界を超えさせてくれ!
遠前九郎(ka01660)
Lv255 ♂ 19歳 武流 来世 傾奇
e.こうなったら罵詈雑言で挑発してやろっと。やーい、イボ〇コペッタンコー☆
希有亭波新(ka01670)
Lv186 ♀ 23歳 忍流 来世 麗人
g.あ、あの!…またかって思われるかもだけど、朱雀をかけます!
藤枝菫花(ka01701)
Lv215 ♀ 17歳 神流 来世 麗人
a.レッツマリンオンステージ(秀吉)! さあいきますよー♪
マリン・カイザー(ka01727)
Lv225 ♀ 21歳 陰流 来世 麗人
g.法力弾は避けられるのは証明されてるっぺ。サポートすっがら回避高くしてな
牧葉真夏(ka01759)
Lv281 ♀ 25歳 神誓 来世 異彩
f.光指す世界に汝ら暗黒棲まうところなし!
皇樹久遠(ka01809)
Lv190 ♂ 19歳 陰忍 来世 大衆
g.さあ、現世に悪意の一欠けらも残させませんわ!!
ミネルバ・マガミ(ka01851)
Lv171 ♀ 17歳 武流 来世 傾奇
f.鬼神秀吉…今度こそ仕留める!!
魔神極奴(ka01868)
Lv166 ♂ 17歳 武水 大和 異彩
b.分身は引き受けた! 来世人よ、秀吉の始末は任せたぞ!!
藤枝真沙花(ka01870)
Lv166 ♀ 17歳 武火 大和 異彩
b.毎度同じ事ばかりではありますが、此方にて霧散など使用しておりまする。
湧口瑞希(ka01873)
Lv345 ♀ 19歳 武空 大和 異彩
g.及ばずながら、皆の回復役の一端を担うのね。
ボースン・カイザー(ka01874)
Lv238 ♂ 28歳 僧誓 来世 大衆
c.最初にして最強最後の地球防衛軍、今こそ決戦の時~!!ってね。
カーモネギー・セリザワ(ka01912)
Lv184 ♀ 30歳 武傀 来世 傾奇
b.装備が足りなくて天照が欲しい人がいたら、オネーさんに言ってね!
久保零(ka01944)
Lv133 ♀ 25歳 神鬼 来世 婆娑羅
d.パーティ内のカプセルを代表で預かって、上部のあちこち刺してくるつもり
根子楤(ka01983)
Lv211 ♂ 29歳 武流 来世 大衆
g.【居酒屋冬彦】法力切れたら俺の所へ来な。あと1日x回効果を回復するよ。
渋谷冬彦(ka01991)
Lv171 ♂ 20歳 陰誓 来世 大衆
a.多少の攻撃なら無視できるし頑張って引きつけるよ!
白鳳栗花(ka01993)
Lv290 ♀ 16歳 忍鬼 来世 傾奇