担当MS:恵雨人

そして往く道

開始料金タイプ分類舞台難易度オプション状況
15/05/26 24:0010000 Rexボイスドラマ日常地上自由お任せプション 8人

◆参加者一覧

ユニコ・フェザーン(ta4681)P地
ハナ・コッコベル(ta8370)P陽
モーリッツ・キルドルフ(ta9247)E月
ラキュエル・ガラード(tb2724)W陽
シエル・ラズワルド(tb6111)H風
レイナス・フィゲリック(tb7223)H陽
レフ・ドラガノフ(tb8429)H水
ノヴェレッテ・ルフェーブル(td6082)P火

オープニング

◆前日譚
 旅人さん、旅人さん。
 お疲れのところ申し訳ないが、明日の明け方は、この村全部がばたつくものでね。ちょっとばかし、賑やかな夜明け前になっちまうかもしれない。ぐっすり眠りたいんだったら、それはそれで申し訳ないことこの上ない‥‥。

 え、一体何があるんだって? ‥‥何て言ったらいいんだろうね。太陽を迎えに行く、って感じかな。うん。
 十一月のこんな時期になって、段々と太陽が寝坊助になっていくだろう? そんな太陽の顔を拝みに行くんだ。この村の習わしでね。

 夜の明ける前に家を出て、薄暗がりの中、段々と色を帯びていく景色を眺めながら、この村の果てまで歩いていく。果てっていうのは、そう、あの海岸のことさ。
 それでその時、ずっと黙って歩くのも変な話だから、皆でお喋りしながら進むんだ。元々は、そこでのお喋りの内容を太陽に聞かせに行くんだとか、お喋りで太陽を起こしに行くんだとか、色々謂れはあったみたいだけれども‥‥今となっちゃ、もう、そのあたりもよくわからない。
 でも、お喋りの中身は決まってるんだ――『今の自分の、歩んでいる道のこと』。
 今の自分がどうしてこの道の上にいるのかとか、何を頑張っているかとか、どこを目指しているかとか。
 正直、迷ってるっていう話だって大いに結構。本当か嘘か、調べる手段もありゃしないから、そのあたりのさじ加減はご自由に。
 いっそ、太陽の眩しさの下じゃ恥ずかしいくらいの、真っ直ぐな話をしてもいいのかもしれないね。薄暗がりを歩くとなると、表情よりも何よりも、声が素直に響くんだ‥‥。

 っと、ついつい調子に乗って喋り過ぎちゃったかな。でも、それもこれも、旅人さんが楽しそうに聞いてくれるからだよ。
 ‥‥そうだ。ね、旅人さん‥‥旅人さんも、太陽を迎えに行かないかい?

◆マスターより
何度目かまして、『ボイスリプレイに再度どきどきしているマスター』恵雨人です。
今回は、海岸を目指すお話を。以下、補足です。

〇プレイング
リプレイは音声化されるため、キャラクターの台詞や掛け合いが多くなります。
そのため「キャラクター口調のプレイング」を推奨いたします。
※プレイングやキャラクターの性格を加味した上でのアドリブ(相槌など)が入ります(NGの場合は明記をお願いします)

〇場所・時間
舞台は、オーディア島のとある村。
村から海辺までは、歩いて大体二時間ほど。夜の明ける頃、海辺に辿り着く予定。

〇「歩く」
ドラグナーたちである程度かたまり、海辺に向かって歩いていきます。
箒やペットへの騎乗は禁止(ペットの並走や同行・シフールの飛行は可)。

〇「道」
具体的な話でも、ぼんやりとした内容でも。
皆さんの「今」のこと、「今」への思いをお聞かせください。

それでは、朝の入口でお会いしましょう。よろしくお願いいたします。

◆ボイスリプレイとは
 このシナリオは「おでっくす2015特別企画」の一つである、「ボイスリプレイ」です。
 予約・参加を行うには、「おでっくす2015」に来場された方に配布したパスワードを関連付けする必要があります。
 ボイスリプレイは、ショートシナリオのリプレイに加え、STARSボイスアクターによるボイスドラマが作成されます。
 プレイングには、キャラに行わせたい行動内容と共に、第三希望までのSTARSボイスアクター名、声や発音に関する補足などを記入してください。レクシィ株式会社の担当者が希望順に直接打診を行い、担当声優を決定します。希望クリエーターへの打診が承諾されなかった場合、希望クリエーターがいない場合は、担当者が選出します。

リプレイ

全編通して再生




オープニング


◆出立

「やっぱり冷えるね、うん」
 シエル・ラズワルド(tb6111)は両手をこすり合わせ、白梟のアルティと視線を合わせた。
「夜明け前ですし、普段はあまり出歩かない時間ですから」
 レイナス・フィゲリック(tb7223)が頷けば、そういえばそうだな、とラキュエル・ガラード(tb2724)は記憶を辿る。冬の、こんな時間帯の澄んだ空気なんて、吸うのが久しぶりだから。
(あー‥‥いや。久しぶりでもない、か。いつだかの冒険で吸ったっけな)
 どうもドラグナーをやっていると、その辺の感覚がマヒしてしまう。ふう、と息を吐けば仄かに白い。同じよう、ハナ・コッコベル(ta8370)も白を吐き出す。
「これはいい散歩になるなっ」
「楽しみなの!」
 ノヴェレッテ・ルフェーブル(td6082)は、そう言って一歩を踏み出した。とん、と軽やかな足音に、わんわん! と楽しそうな鳴き声が重なる。ユニコ・フェザーン(ta4681)の愛犬、ゴンスケだ。
「太陽を、迎えに行く‥‥目覚めに相応しい、話でも出来ると、良いけれど」
 飼い主も、面白い習慣に感想をこぼす。迎えにねえ、と引き継いだのはレフ・ドラガノフ(tb8429)であった。
「変な風習っつーか。そういうのもあるンだな」
「世界は広し、っていうやつだよ。さ、歩いた歩いた」
 モーリッツ・キルドルフ(ta9247)はそんな少年を促しつつ、そのことばで、己の歩みも促していた――過去に向き合う決意をする。その切っ掛けになればいい。
(今のあたいとあの人は、あの頃よりも強いから)
 各々の思いと共に、旅人たちは夜明けへの道を行く。

◆前途

 最初に語り出したのはラキュエルであった。
「俺がドラグナーになった経緯は、話したっけか」
「それ、気になりますの!」
 即座に反応したノヴェレッテ。その速さの理由を若干気にしつつ、話し手の青年は頷く。
「『兄貴たちに比べて実力が足りない』って理由で、武者修行と称して勘当同然に家を追い出され、旅を続けてたところで誘いを受けた。そんなところだ」
「それは‥‥なんつーか、凄まじいな」
 レフがそのような感想を抱いてしまうのも無理はない。そして実際、ラキュエルの『道』は凄まじいことになっている。
「『ガラード家の人間』って道から外されてさまよった末に、こうやってドラグナーやってる訳だから、今の俺の状況って、『道の無いところを無理矢理歩いて踏みしめて、轍を作りながら進んでる』感じ‥‥なんだよな」
 だから、それがどんな道なのかわからない、というよりもそれ以前の問題。道にすらなっていない空間を歩いているのだ。
「とりあえず、今までを振り返って、自分の歩んできた道がどんなのか、確かめることにする。少なくとも、自分で自分の道を造る、ってのも悪くない気分だし」
「恐らく、かなり長い道程になることでしょうね」
「ああ」
 レイナスの指摘にラキュエルは同意する。己の造り出した道が、果たしてどれ程長くなるのか――それが明かされるのは、まだまだ先の話。

◆道標

「私も、昔のことを考えてたの」
 青年の話を聞き終え、ノヴェレッテはそう告白した。
「それならさ、あんたの方はどうなんだ?」
「私も聞きたい、な」
 話に食らいつかれたラキュエルと、聞いていたユニコとの後押しを受け、ノヴェレッテは口を開いた。
「小っちゃい頃から、憧れの人がいるの。私の、ずーっとずーっとご先祖様」
 彼女と同じ火のパドマたるその人は、上手に『どっかーん!』をしてみせたらしい。
「『どっかーん』?」
「ファイアボムのことだぞっ」
 首を傾げたレフに、ハナがすかさず注釈を入れた。話し手は合いの手に感謝しつつ続ける。
「それに、上手に泳げたみたいなの。私、泳ぐの苦手なの。ご先祖様すごいの! カッコイイの! ‥‥だから、ちょっとでもご先祖様に近づくために何かしたくて、亀さんのお誘いに乗ったの」
 斯くして、彼女はドラグナーになった――今は、いつかそのご先祖様を超えられるよう、毎日頑張ってそれらの練習をしている。
「何をもってご先祖様を超えた! っていえるかは、正直わからないの」
 『どっかーん』の腕を極める? 泳げるようになる? ――どちらも違うような気がしている。死んでしまったご先祖様と、力量を比べることはできないし。
「でもでも、毎日努力を積み重ねて、遠いいつか、人生が終わる時に『頑張った!』って自分を褒めてあげることができたら‥‥その時こそきっと、ご先祖様を超えたんだって自信をもって言えるのかもしれないの」

◆寄り道

「目指せご先祖様! か‥‥あたしもそう」
 シエルはしみじみとそう言った。
「憧れのご先祖様がいるのかな?」
「うん」
 モーリッツに間髪入れず答えれば、次の話し手はシエルと決まったようなもの。
「音楽と、うたと、鳥と。そんな感じじゃないかな、今まであたしが歩いてきた道って」
 うたとは『詩』。遠い先祖に、歌とそれとに長けた人がいたのだとか。
 その人から受け継がれてきたものを考えると、同時に、思い出しつつある己の『家族』との暗い過去が頭を過ぎるけれども。
(むしろ、結構運はよかったんじゃないかなぁ‥‥どっか間違ったら、きっと今、ここにいなかったと思うし)
 そういった風に捉えれば、歩いてきた道はかなり平和な方なのではないか。彼女は前を向き、手にした品を抱え直し‥‥そうだ、と付け加える。
「このハープを弾きこなしてみたいなぁ、って、ちょっと思ったりね」
「ハープ?」
「そう。かなり技量いるみたいだから、チャレンジし甲斐がありそうだし」
 問いかけたラキュエルに、暗くて見えないかもしれないが、シエルは精霊の彫られたそれを示す。
「やりたいこと、見てみたいものはいっぱいあるし‥‥これからも、きっと、どこまでも気の向くままに歩いていくんじゃないかなぁ」
 今はここにいるのが楽しいが、いつかまた、どこかに歩き出す日は来るのだろう。
(その時まで、後悔しないように生きていきたい、な)

◆道程

「どこまでも、ですか」
「そうそう。レイナスさんも?」
「そうかもしれませんね」
 シエルに笑顔で応じ、レイナスは前を見た。少しずつ、海は近づいてきているらしい。
「コモンとして、世間の役に立てるように‥‥それから、未知を求める心もあって、自分は天竜宮へと至りました」
 そう思って『来た』あの場所も、今ではすっかり『帰る』場所になっている。その気づきを胸に抱きつつ、彼は言う。
「随分と遠くまで来たようにも感じますが、それでもグリーヴァは遠いですね」
「海の果てにあるンだっけか」
 レフのその声は、微かに楽しそうな響きを持っていた。
「ええ。ドラグナーとして平和を得た先、東の果てのその地を、自分の目で見ることができるように、と‥‥あとは、そうですね」
 次に彼が思い浮かべたのは、今、ここにはいない人の姿。彼だけではない。そんな彼を取り巻く、笑顔、笑顔、笑顔――家族の姿。
「最近は親友も、子を授かり、親の顔を見せるようになって」
「‥‥そう、だね」
 誰のことだか思い至ったのか。ユニコもまた、くすりと笑みをこぼす。
「それを見ていると、いつか自分もそんな風になるのだろうかと思ったり。もっとも、それ以前の段階なのが現状ですけれどね」
「レイナスは、きっといいおっ父になるだろうな」
 ふっふー、と予想を立てるハナに、レイナスは嬉しいような、気恥しいような――そんな感情を慈しむよう、海からの風が彼の頬を撫でた。

◆道筋

「いい風だな」
 青い帽子の鍔はふわふわと揺れる。家や家族といえば、ハナにもまた、心に決めたことがあった。進む道といえば、それがきっとそうなのだろう。
「なあ、次は私が話してもいいか?」
「ええ、聞きたいですね」
 レイナスからの期待に応えるべく、ハナはこほんと咳をした。
「私は、おうちの皆が大好きだった」
 優しい両親と六人の弟妹。その一人ひとりの顔を思い浮かべ、彼女は語る。
「りっぱなダーナだった、おっ母は、今でも私のあこがれだ。おっ父もやさしくて、おもしろくて、私もチビたちも幸せだった」
「‥‥幸せ、ねェ」
 レフが小さく呟いて、ああ、とハナは大きく頷く。
「もうみんな、ずうっと大人になって、今では女神さまのもとにいるのかもしれない」
「地上の時の流れ、は、とても速い‥‥から、ね。どうしても、そうなる」
 ユニコの声は控えめで、一旦空気は暗くなりかける、が、それを打破したのはやはりハナであった。
「けれど、それだけじゃないんだ。きっとチビたちは、誰かと寄りそって、手をつなぎあって、あたたかいお家をつくったのだろう。私は‥‥それを守りたい」
 ハナはぐっと手を握る。たとえその手は小さくとも、操る魔法の広がりには限界があっても。
「誰かが言ったみたいに、世界を終わりにさせたりなんかしない――できる、できるさ」
 彼女はぴょん、と跳ねるように踏み出して、くるりと一行を振り返る。
「だって、私はドラグナーなのだからな」

◆回り道

 そう語る表情が、光もないのに眩しく感じられた――モーリッツは、目を細めたままに言う。
「そろそろ、あたいも話そうかな」
「うんっ。聞かせてほしいぞ」
「改めて話すとなると、難しいものだろうけどね」
 ハナの希望通りにいくかどうか。モーリッツは脳裏で話の筋道を整理する――それは、天竜宮に来るまでのことと、今のこと。
「実はさ、ちょいと地上から離れたい理由があってね。天竜宮には、逃げるみたいに来たんだけど‥‥結局、その理由の方まで、天竜宮に来ちゃったんだよねぇ」
 『理由』については深く言及しない、が、誰一人とてそれを深追いしなかった。
 モーリッツは、よって、淡々とことばを連ねていく。双眸は空の遠く、遠くを仰いでいる。
「でも、これはきっと逃げるなってことなんだと思ってる。過去に歩んだ道があるからこそ、今、歩いていられるんだから」
「あれか? 昔にさ、少しでも違った道を歩いてたら、今の道は変わってたかもしれねェっつー‥‥」
「そうだ」
 レフのことばを拾い上げ、猫の姿をしたその人は穏やかな表情を見せる。
「道ってのは結局、今までの積み重ねで出来てて、歩こうが走ろうが、振り向かないようにしようが、そこに歩んだ道があるのは変わらないんだ」
 だから、いい加減、向き合わないといけないのだ。
 その方がきっと、胸を張ってこの道を歩けるようになる。『理由』の声もそれを追いかける。
 それに。
(今のあたいなら、向き合える気がするしね)
 強く、そして、真っ直ぐに。

◆道行き

 見知った顔の仲間たちと、顔の見えない状況で話すということ――否、少しずつ、世界は明るくなりつつある。ゴンスケのスカーフが、少しずつ、赤色に見えてくる。
「歩んだ道、か」
「そう」
 モーリッツの返しを耳にし、ユニコは己の道をことばの形に表していく。
 この道を歩きはじめてから、どれぐらい経ったのだろう?
「故郷の両親も、女神の御許へ旅立った、と聞く。でも、寂しくは、ないんだ」
 目に見えなくとも、心に在るもの。そこに宿ったもの。彼女はそれらを一つずつ数え上げていく。
「ゴンスケもいて」
 名前を呼ばれたからであろうか。愛犬はふさふさの尻尾をぶんぶんと振る。
「友人もいて‥‥大切な、人がいて」
 その指先が、そうっと、金の指輪に触れたのをレイナスは見る。
「素敵なことですね」
「ああ‥‥今の私の道には、一緒に歩いてくれる、歩いて行きたい人が、いる」
 その人の前を行くのか、後ろを行くのか、それとも隣を行くのか。あるいは、その人とどこまで、いつまで歩いていくのか。
(永遠、では、ないとしても‥‥私の方が、早く倒れてしまうかも、しれない、けれども。それでも‥‥)
 それは、歩みを止める理由にはならない。むしろ、だからこそ歩んでいかねばという思いすら灯る。
(約束、したから‥‥これから先もずっと一緒だ、と。そうして、共にある幸せ、を)
 乙女は一人、視線を前方へと放つ。
「この、段々と明るくなってゆく道の先‥‥」
 そこに広がる大地と空と、それらを照らすあたたかな光。
 その熱に導かれるよう、彼女は進む。
「太陽のような、未来に向かって行きたいもの、だね」

◆途上

 話を聞けば聞くほど、それぞれの『道』の広さや深さがわかっていった。時にどきりとすることや、何かを考えてしまうようなこともあった。
 そうした時を経て、とうとう目的地は近づきつつある。
「今、歩んでる道、か」
 最後の語り手たるレフは、一歩一歩を着実に踏み出す。同じよう、綴ることばも確実に。
「昔と比べて変わったことはいくらでもある。良い変化なのか、悪い変化なのか、傍から見てどうなのか知らねェけど‥‥」
 長い付き合いになりつつある、もしくは、これからそうなるであろう一行の顔を、手元を足元をちらりと見遣る。
「俺は今のが良い。今、歩んでる道は、俺にとっては良いもンだと思ってる」
「理由はどういったあたりかな?」
 そう促したのはモーリッツ。それに対し、レフはレフなりの理由を述べる。
「そうだな‥‥昔は、楽しいってのは何なンだかよく分からなかったけど、今はよく分かるっつーか、分かるようになったっつーか‥‥」
 ふと、路上の花が一輪、目に留まる。それを踏まぬよう足を避ける。それでいて、何ごともなかったかのようにこう続けるのだ。
「アイツのお陰でもあるけど、な」
 誰に伝えるでもなくそう言って、胸元のペンダントを指先でそっと弾いた。思い浮かぶのは贈り主の笑顔。
(この道を、俺は、アイツと一緒に歩いて行く‥‥ンだろうか、ね)
 そうして彼が、顔を上げれば――そこには、海が広がっていた。

◆夜明け

「っと、そろそろ空も紅くなってきた‥‥朝も近い、かな?」
「ああ。お寝坊さんが、やっと起きたようだね」
 ラキュエルが掌を目元にかざし、モーリッツは笑みを陽光の欠片に溶かす。顔を出したお寝坊さんに、ゴンスケは張り切って遠吠えで呼びかけた。
「私も呼ぶぞ! おーい、朝だぞっ、明るくなるぞっ!」
 ハナがそれに加われば、ユニコは優しく声をかける。
「太陽が明るい、と‥‥きっと、私たちの道も、明るくなるのだろう、ね」
「暗くなる時もありますが、いつか、明るくなると知っていますから」
 だから、歩んでいける。
 レイナスは船の形のお守りを光る波の穂に重ね、ノヴェレッテはそんな夜明けに未来を思う。
「これから歩んでいく道の途中で、きっと挫けそうなことも沢山あると思うの。でも、そんな時はきっと、この光景を思い出すの」
 なんだかそれってすごいの、と――彼女の感想に、レフも、そうなのだろうと感じる。
(どれだけ、この海のこと、光のこと‥‥伝えられるンだろうか)
 その景色に、ハープの音色が加わった。それから、シエルの伸びやかな歌声も。
「のんびり歩こう、道は消えない。寝坊助お日様、起こしに行こう」
 ゆっくり行こう、のんびり歩こう。
 寝坊助お日様――目が、覚めた。




◆スタッフ


ユニコ・フェザーン(ta4681):鏑木はる
ハナ・コッコベル(ta8370):雨月れん
モーリッツ・キルドルフ(ta9247):井上果林
シエル・ラズワルド(tb6111):瀬良ハルカ
レイナス・フィゲリック(tb7223):mugikon
レフ・ドラガノフ(tb8429):Full-Go-Ri
ノヴェレッテ・ルフェーブル(td6082):鏑木はる
ラキュエル・ガラード(tb2724):大和 稟
ナレーション:大和 稟

音楽:大和 稟
原作:恵雨人
編集:大和 稟
企画:才川貴也(REXi)