担当MS:十之

星灯

開始料金タイプ分類舞台難易度オプション状況
16/09/26 24:0010000 Rexボイスドラマ日常地上自由お任せプション 7人

◆参加者一覧

パシフローラ・ヒューエ(ta6651)E火
レイナス・フィゲリック(tb7223)H陽
メイ・マートン(tb9157)P月
アーシェ・フォルクロア(tj5365)H風
ナヴィ・アルティシア(tj5711)E水
シルフィ・レオンハート(tj6032)E風
ヴァイス・ベルヴァルド(tk5406)E月

オープニング

◆星に光を

 それは、この地方に伝わる物語。

 暗い、暗い洞窟の奥。
 そこには『星』が眠っているらしい。

 もしそこを訪れたあなたが、寒さに耐え暗闇と共にある勇気を持ち、明るい音を満たすことができるのなら。

 暖かな星が、きっと。
 小さな輝きを灯すから。


◆星見の竜宮人

 かさり、と。
 足元から枯葉の柔らかな音がする。

 秋の色合いを強めた山の中。
 不意に姿を現した崖と、そこにぽっかりと口を開けた洞窟の前にドラグナー達はいた。

 近くの村で聞いた、洞窟に眠る星の話。
 せっかく今日が地上に滞在できる最後の日なのだから、皆でその星を見に行ってみようと。
 そんなことをいいあってこの場所まで来たのだった。

 少し、ここに来るまでに手違いがあるとすれば。
 それは偶然出くわした狂暴なエルフィンと戦闘になってしまったこと。
 戦いや、あるいは味方の援護のために魔法を使い果たし。
 今は傷こそないものの、これ以上魔法を使うことは出来なくなっていた。

 それでも、少し見て帰るだけならと。
 ドラグナー達は一歩、洞窟の中へと足を踏み出した。


 跳ね返るような硬い足音。
 光が完全に遠ざかる前に、ドラグナーの一人が松明に火を点ける。

 ゆら、ゆら。
 揺れる明かりを頼りにドラグナー達は道を奥へ奥へと進んだ。やがて。
 ぴたりと、先頭をいくドラグナーがその歩みを止めた。
 なだらかな一本道が続くばかりだったその先に、どうやら広い空間が広がっているらしい。

 どうする?と少し顔を見合わせて。
 それからゆっくりと、闇の中に歩き出していく。

 そこは文字通り、開けた空間だった。

 さっきまでは左右の壁も、天井だって手を伸ばせば届くくらいの位置にあったのに。
 急にどこにも寄り場がなくなってしまったようで、少しだけ不安になる。

 ドラグナー達を不安な気持ちにさせたのはそれだけではない。
 広間に入った瞬間から、ぐっと温度が落ちたようで。
 そこまで厚着をしてこなかった体には、この温度は寒く感じられた。

 寒さに、そして暗闇に包まれて。
 この闇はどこまで広がっているのだろう。
 松明を掲げた一人が手を伸ばして辺りを探っても、奥にはただ闇が広がるばかりで。

 と。不意に松明の炎がぱたぱたと揺れる。
 風が吹いてる?そう思った瞬間に。

 暗闇の奥から。
 獣の唸り声のような。あるいは不気味なうめき声にも聞こえる音が響く。
 周囲の状況を確認する前に、松明の炎はあっさりと掻き消えた。

 そして残るのは、戸惑いや怖がる仲間の声と、あの不気味な音と寒さだけ。

 怖い。
 帰ろう。
 もし何かあったら。

 そんな言葉が飛び交った後に。

 もしかしてここが、話に聞いた場所なのではないかと。
 そう、一人がいった。

 闇の中で声をかけ合い、お互いの位置を探り手を伸ばして。
 繋ぎ合えた暖かさに少しほっとしながら、ドラグナーはあの話を思い出す。


 暗い、暗い洞窟の奥。
 そこには『星』が眠っているらしい。

 もしそこを訪れたあなたが、寒さに耐え暗闇と共にある勇気を持ち、明るい音を満たすことができるのなら。

 暖かな星が、きっと。


◆補足

・状況について
季節は秋(9月)になります。
魔法や戦技の使用、防寒着や温めるものの持ち込みは出来ませんのでご注意下さい。
また、何かしらのアイテムや錬金素材で明かりをつけることも出来ません。
自分の姿も見えない暗闇の中、行えることは話など主に声を使ったことだけになります。
手を繋ぐなど、暗闇で出来ることは実行できます。
隣の人に指定があればプレイングまで。

・眠る星
暗闇と、不気味な音と寒さと。
それをみんなで乗り越えて、明るい声を満たすことができたなら。
星も明るさに惹かれて目を覚ますかもしれません。

満たし方は人それぞれ。
明るさを灯すなら、楽し気な声で話したり騒いでみたり、じゃれあったりしても。
周りを思うのであれば、励ましの言葉や気遣いの言葉を。
あるいは何か、自分が楽しい気持ちになることや好きな物を口にしてみても。
声や歌で。みんなで一緒に、明るい音で部屋を満たしてみてください。


◆プレイングに記載してもらいたいこと

・相手への呼称
暗闇の中で声をかけ合うため、名前の呼び方について指定して頂ければと思います。
(例)〜ちゃん、〜君、年上以上は〜さんなど。
また、特定の相手への呼び方(あだ名、呼び捨てなど)がありましたらそちらも記載をお願いします。

・台詞の推移
最初に寒さや不気味な音と暗闇へ放り出された時の想いの吐露や心情。
皆への声かけの台詞や誰かの言葉に応える時の言葉(そうだね、とか、うん、とか)。
もし星が起きたなら、それを眺める時の言葉など入れて頂けると嬉しいです。
プレイングが台詞として採用される場合が多くなると思われますが、心情など「」で書いて欲しくない台詞は()で書いて下さればと思います。
他、指定がありましたら記載をお願いします。

◆マスターより
こんにちは、マスターの十之です。

暗い洞窟の奥に眠る星。
それぞれの方法で、ぜひ明るい音で満たして貰えればと思います。
みんなに向かって話題を振ったり何か協力を得る場合は、早めにミーティングルームで発言して頂けると嬉しいです。

どんなことを書くか悩むときは、暗闇や寒さなどに思うこと。
皆に対しての声かけや気遣い、楽しいことや好きな物などを書いてくださればと思います。
あとは眠る星が起きた後に思うことも。

リプレイは掛け合いが多くなりますので、ぜひ『◆プレイングに記載してもらいたいこと』の『・相手への呼称』の記載をお願いします。
他、何か指定がありましたらプレイングに記載をお願いします。

それでは、ご参加をお待ちしております!

◆ボイスリプレイとは
 このシナリオは「秋期特別企画」の一つである、「ボイスリプレイ」です。
 ボイスリプレイは、ショートシナリオのリプレイに加え、STARSボイスアクターによるボイスドラマが作成されます。
 プレイングには、キャラに行わせたい行動内容と共に、第三希望までのSTARSボイスアクター名、声や発音に関する補足などを記入してください。レクシィ株式会社の担当者が希望順に直接打診を行い、担当声優を決定します。希望クリエーターへの打診が承諾されなかった場合、希望クリエーターがいない場合は、担当者が選出します。

リプレイ

全編通して再生




オープニング


◆闇に沈む

 暗い、暗い。
 闇に残されたドラグナー達は。


「何も見えないな‥おい、皆大丈夫か?」
「ヴァイス、俺は大丈夫だ」
「真っ暗ですね」
「ナヴィ、傍を離れるなよ」
「はい、アーシェ」
「皆さん、お怪我はないかしら」
「こっちは大丈夫だよ」
「自分も。パシフローラ、キミは大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ。
 メイさんもレイナスさんも無事でよかったわ」
「そうだね。‥ねぇ、皆、いるんだよね?
 はぐれた人、いないかな?」
「‥‥シルフィ、大丈夫ですか。聞こえますか?」
「ぴ‥」
「大丈夫か?」
「レイナス、ヴァイス。うん、僕‥」

 突然。
 地から響くようなあの音がまた、彼らの耳に届く。

 それは暗闇を怖がる少女の耳にも。

「お化け、お化けが出るんだYO! 怖いんだYO!」
「落ち着くんだ、シルフィ」
「ヴァイス怖いんだYO! 僕、あ‥!」
「シルフィ!」

 ざっと何かが倒れた音。
 男は暗闇の中で慎重に、少女の元へ向かう。
 手を伸ばせば偶然、その頭に触れて。

「ぴっ!?」
「シルフィ。大丈夫だ、私だ」
「ヴァイス、僕‥」
「もう大丈夫だ。怪我はしてないか?」
「うん、大丈夫だYO。
 ごめんなさい。僕、こうやって暗いのがすごい不安になって‥」
「‥‥そうか、だが『大人のレディ』を目指すなら、落ち着いて動けるよう努力せねばな?」
「うん、そうだNE。
 大人のレディになるためにも、立派なドラグナーになるためにも乗り越えなきゃNE」
「それと」
「あ‥」
「‥こうしていれば怖くはないな。安心出来るだろう?」
「うん! えへへ。
 こうやって手を握って貰えると、安心するNE。‥あ!」
「どうした?」
「いま僕、握って貰ってとっても安心したんだ。だからみんなで手を繋いだら、もっと怖くなくなるんじゃないかなって」
「それは名案だな、シルフィ」

 手探りで。
 闇の中に手を伸ばし、相手を見つけていく。

「きゃっ!?」
「メイさん、大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫。ナヴィさんはこっち‥かな?」
「そうですね、‥あ、手‥繋げましたね」
「うん、これで大丈夫だね」

 一つ、また一つ。
 手が触れ合えば少し、安心して。

「パシフローラ、キミは‥」
「レイナスさん」
「そちらですね。少し待っていてください。
 今、向かいますから」
「そうね、すれ違ってしまうかもしれないから‥」
「すれ違う‥そうですね」
「何か私にお手伝い出来ることはあるかしら?」
「では、居場所がわかるよう声を出していて貰えますか?」
「わかったわ」

 柔らかく、暖かい歌声。
 その声を頼りに手を伸ばす。

 見えない先を測るように。

(誤らないよう、近づけるよう)

 距離を詰めていくのは、まるで。

(想いを近づけていくようにも思えて)

「あ‥。ふふ、ここまで来て貰えて良かったわ」
「‥‥」
「レイナスさん?」
「ああ、‥いえ、なんでもありません。ただ」
「ただ?」
「こうやってキミを感じて、安心したところです」
「レイナスさん。私もよ。
 ‥よかった」
「これで皆の手、繋げたかな?
 ナヴィさんもアーシェさんも大丈夫?」
「はい。暗闇自体は嫌いではありませんから大丈夫ですよ、メイさん」

(少し寒くもありますけど、メロウの姿だとアーシェに迷惑をかけてしまいますし‥)

「ナヴィ、平気か? 俺は暗闇や寒さに慣れているからいいが‥」
「はい。アーシェが手を繋いでくれてますから」
「アーシェさんも、寒いのには慣れてるんだね」
「メイもなのか?」
「うん。寒さは懐かしい感じかな。
 スラヴォの雪の中だと、夜も結構明るかったから‥こういう暗闇は、ちょっと怖いけど」
「そうか」
「アーシェさんは?」
「俺は、‥暗闇も寒さも、地上にいる時は日常だったからな。
 こういった寒さにも慣れている」
「じゃあ寒さにも暗さにも、慣れっこなんだね」
「僕も見習わないとNE」
「シルフィさんは、大丈夫?」
「うん。今は大丈夫だYO」
「そういえば‥さっきの声、あれはいったいなんだったんだろうな。動物か、それとも‥。
 メイは確か、家畜に詳しかったな」
「そうだね、ヴァイスさん。でも‥。
 うーん‥動物さんの声にしては、聞きなれない声なんだよね」
「もしかしたら‥ですけど。
 不気味な音は風が空間を通り抜ける音かも‥?」
「そうか‥ここは洞窟だからな。
 ナヴィのいう通り、風が鳴らしている音かもしれない」
「じゃあ、この声は大丈夫ってことだね。ナヴィさん、アーシェさん」
「そうですね、メイさん」
「それなら、あとは寒さを克服すれば大丈夫ね」
「パシフローラ、キミは寒くはありませんか?」
「少し寒いけれど‥レイナスさん、大丈夫よ」
「ねえ、ヴァイス」
「なんだ、シルフィ」
「確か、明るい音で満たせたら星が起きるんだよNE」
「ああ‥聞いた話ではそうだったな。確か‥」
「もしそこを訪れたあなたが、寒さに耐え暗闇と共にある勇気を持ち、明るい音を満たすことができるのなら。
 暖かな星が、きっと、小さな輝きを灯す‥でしたね」
「良く覚えていたな、ナヴィ」
「新しい物語を書く参考になるかもと思って‥」
「明るい音か‥俺には縁が薄くもあるが」
「アーシェにもきっと。星が起こせるって、私は思います」
「星を起こす‥そのためには何をしたらいいかな?
 何か楽しい話‥とかでもいいのかな?」
「そうですね、メイ。
 では‥この洞窟を出た後どうするか、なんて事を言葉にしてみましょうか。
 楽しい想像や約束もきっと、明るい音を含むでしょうから」
「それは素敵ね。レイナスさんなら、戻った後何をしたいって思うかしら」
「ここは冷えますし、お茶を淹れて暖まりたいですね。
 良かったらパシフローラ。キミも、皆も一緒に」
「ええ、ぜひ一緒にお茶にしましょう。シルフィさんも」
「うん! 僕はお茶を運んだりするのをお手伝いするYO!
 ヴァイスにもお茶を配るからNE」
「茶会か、悪くないな。ああ。シルフィの給仕も楽しみにしていよう」
「あとは、何かお菓子も用意しましょうか」
「それなら‥レイナス、菓子には胡桃を使うのはどうだろうか?
 地上では旬のはずだ」
「なるほど、それはいいですね」
「胡桃だったら、キャラメリゼもどう?
 きっと紅茶に合うわ」
「あ、パシフローラさん。私も手伝うよ。
 少ししか力にならないかもしれないけど‥」
「そんなことはないわ、メイさん。良かったら皆で一緒に作りましょう。
 それに、その方がきっと美味しいものが作れると思うわ」
「ありがとう。パシフローラさん。お菓子‥お茶にならスコーンもどうかな?
 少し味薄めに作って、甘い蜂蜜で味を調節したりとか」
「味が調節できるのはいいな」
「ふふ、アーシェは甘すぎるもの、だめですからね」
「そういうナヴィも、その時は少しは食べておけ」
「陸の食べ物はやっぱり、少し苦手です‥。
 でも、アーシェが食べさせてくれるなら少しなら」
「俺が‥か?」
「それとも私が食べさせてあげましょうか?」
「ナヴィ。‥‥あとは、香りの強すぎないものを頼む」
「わかりました。ではそれぞれの好みに合うものを」
「ふふ。レイナスのお菓子、楽しみなんだYO」
「そうだな、シルフィ。
 そういえばレイナスの腕は耳にするが、ご相伴に預かるのは初めてか。期待させてもらおう」
「期待に添えるよう努力しますよ、ヴァイス」
「あとお茶に、好みでミルクを入れても良いかな?」
「そうね、メイさん。ミルクを入れたものも美味しそう。温かくて、‥‥」
「ぴ、パシフローラさん、大丈夫‥?」
「あ、‥ええ、大丈夫よシルフィさん。
 少し、考え事をしてしまっただけだから」

(‥不思議ね、温かい飲み物をこうやって好きになっていて。
 それに‥そのことに少し、安心も)

「あとは、今は収穫の時期の野菜もありますから、それも使いましょう」
「レイナス、野菜がお菓子になるの?」
「ええ。もしかしたら、シルフィが始めて食べる味もあるかもしれませんね。
 パシフローラ、キミに手伝いを頼んでも構いませんか」
「もちろんよ、レイナスさん。
 おいしいお菓子を作りましょう」

 お菓子の話。温かい紅茶の話。
 それを話し合う声はとても明るくて。

 明るさを抱いた音は闇を飛ぶ。
 寒さも、唸る声さえも越えて星の元へと向かい。

 やがて、その音が遠くの壁に当たると。
 目を覚ました一番星が、きらり。
 光を灯し始めた。


◆目覚めの音

「あれは‥」
「アーシェ、何か見つけたのか?」
「ヴァイス。ああ。丁度俺のいる場所から‥僅かだが光が見えている」
「星か?」
「もしかしたら、そうかもしれない」
「星が起き始めたということか‥そういえば」
「どうした?」
「先ほどから、寒さが和らいでいる気がするな」
「明るい音の効果、でしょうか。
 そういえば‥パシフローラ。キミがさっき歌っていた歌は」
「レイナスさん。あの歌は地上にいた頃、家族が教えてくれたお守りの歌なの。
 真っ暗な夜の海でも心安らかでいられるように‥って」
「もう一度、歌って貰えませんか?」
「わかったわ」

『そうっと目を閉じて こころに聞いてごらん
 あたたかな陽の光 きらめき揺れる水面
 小鳥のさえずり たび誘う友たち』

「あ、見て!」
「メイ、何か見つけたのかNA?」
「シルフィさん、ほら、あそこ」
「あ‥!」

『手のひらが覚えている 愛しぬくもり
 ほら みなそこにあっても あかりは貴方のなかに』

 硬い音と共に。
 小さな明かりが一つ。
 まるで星粒のように光り始める。

 それは、二つ、三つ。
 誘い合うように輝いて。

「これは‥なるほど。
 歌のような明るい音にも反応するということだな」
「そのようだな、ヴァイス。なら‥ナヴィ」
「なんですか? アーシェ」
「歌を頼めるか?
 その歌で、また明るくなるかもしれない」
「本当は、アーシェと子のためだけと決めてますが‥今日だけは」

『ひとつ想いで胸に満たし
 ふたつ手と手繋いで輪になろう
 みっつみんなで貴方呼ぶ』

「あ! ヴァイスさん、見て。あそこも光ってるよ」
「そうだな、メイ。
 どうやら、少しずつ目を覚ましてきたようだな」

『おきておいでお寝坊さん
 みんな貴方を待っている
 胸に貴方を抱くために‥』

 透き通るような歌声。

 それが四つ、五つとまた。
 星を灯して。

「こんな感じ、でしょうか」
「明るさを灯す‥こんな風に灯すのは、俺にはできない事だな」
「あの、アーシェ」
「どうした? ナヴィ」
「少し‥将来の話を、しませんか?」
「将来の話?」
「はい。今の歌は、子を想う母の詩なんです」
「子‥それは。ナヴィが望んでいる‥」

(いつの日か、アーシェが一人。残されることがないように‥)
(ナヴィが望んでいるもう一人の子‥答えを出してやれればいいんだが‥。
 叶うなら世が落ち着いた時に‥その子を、手元で)

「‥ナヴィ。今すぐに答えをいうことはできない。
 だが‥自分も望んでる事は、変わらない」

 互いを想う心。
 それを乗せた音もまた、光を呼んで。

「だんだんお星様、起きてきたみたいだね」
「メイ、僕もお星様を呼ぶYO!
 僕ができる明るい音は、やっぱり音楽だからNE」
「頼んだぞ、シルフィ」
「ヴァイス、任せてYO!」

『それは元気がない時に歌う歌 ずっとずっと歌い続けたい歌
 もしみんなが元気がない時は手をつないでみんなで一緒に歌おう
 みんなで大きな声をあげて』

 弾むような少女の歌声は、さらに星を増やしていく。
 
『どんな歌を歌うかじゃなくて、みんなと一緒に歌うことが大事
 楽しいから』

「さあ、一緒に歌おうYO!」

 ラララ‥と、少女が紡ぐのは歌詞のない歌。

 そこに、パシフローラとナヴィの歌声が。
 合わせるようにメイやレイナス。アーシェとヴァイスの音も乗って。

 音につられて。
 次々と星が目を覚ましていく。

 やがて、暗闇には。


◆星灯り

「ようやく、お目覚めのようですね」
「綺麗‥」

きらり。きらきら。
星が幾重にも光を放つ。

 遮る物もない。
 どこを見てもきらきらと輝く星の海に、レイナス・フィゲリック(tb7223)とパシフローラ・ヒューエ(ta6651)は立っていた。

「私達の音を聴いて、目を覚ましてくれたのかしら」
「ええ、きっと。皆で作った明るい音が、星を起こしたのだと思います。
  ‥こうやって、星を起こすことが出来て良かった」
「ええ。こんなに綺麗で‥」
「それに」
「それに‥?」
「キミと一緒に、この光景を迎えることが出来ましたから」
「‥‥、ええ、そうね。私も‥とても、嬉しいわ」

 それは、沢山の星を起こして生まれた光景。

 一つ、一つ。
 瞬くその姿を、メイ・マートン(tb9157)は覚えるように眺めて。

「最初は大変な話になっちゃうかと思ったけど‥うん。
 これなら素敵な土産話、持って帰れそうだね」

(この話をしたら、どんな顔をするかな?
 でも、きっと。とっても喜んでくれるよね)

「僕も、パーパ達にこんな綺麗な星が見れたよってお話するんだ!」
「土産話か。確かに親しい者に囁くくらいが丁度いいのだろうな。
 持ち帰りたくなる美しさだが‥此処にあるからこそ美しいのだろう」

 楽しそうに。
 くるりと周りながら、帰った時のことを話すシルフィ・レオンハート(tj6032)にヴァイス・ベルヴァルド(tk5406)もまた。
 ふっと優し気な笑みを浮かべる。

「人同士の教訓的な何かと思ったのですが‥綺麗ですね」
「星と呼ぶのに、差し支えない姿だな」
「アーシェは、この星のこと‥どう思いますか?」
「そうだな、俺は‥」

(喜ぶ姿が見れたなら、それがなにより――)

「‥星が明るさを取り戻したのなら、それでいい」
「‥ふふっ」
「ナヴィ、人前で寄り掛かるのは‥」
「少しだけ。少しだけ‥こうさせてくれませんか?」
「‥‥」

 お願いするように見上げるナヴィ・アルティシア(tj5711)に、今少しだけ。
 アーシェ・フォルクロア(tj5365)は手を降ろした。


 輝き続ける不思議な星。
 その傍に寄ったヴァイスは、星の正体を知る。

「ん? これは、‥‥なるほどな」

(洞窟の中で輝く星。これは恐らく、鉱石が‥)

「ヴァイス、どうしたの?」
「シルフィ。‥いや、なんでもない。
 美しい『星』だな。本当に」

 秘密は秘密のまま。
 物語は物語のまま。
 そして、星は。

 星のままに。


 美しい星を後に、ドラグナーは洞窟を後にする。
 それぞれの心に思い出を残して。

 そして星はまた、眠りにつく。
 いつの日か。
 再び目覚める、その時まで。




◆スタッフ


アーシェ・フォルクロア(tj5365):影鴉
ヴァイス・ベルヴァルド(tk5406):真マクロ黒
シルフィ・レオンハート(tj6032):鏑木はる
ナヴィ・アルティシア(tj5711):青柳るう
パシフローラ・ヒューエ(ta6651):青柳るう
メイ・マートン(tb9157):しぐれるぅ。
レイナス・フィゲリック(tb7223):mugikon
ナレーター:真マクロ黒

原作:十之
編集:真マクロ黒
企画:才川貴也(REXi)